婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました

Karamimi

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第8話:最後に訪れた国は情熱的な国でした

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帰国まで残すところ3日に迫っていた。

「アメリア、この国が最後の国よ。せっかくだから、この国に1泊してから帰る事にしたの。ずっと船で寝泊まりしていたでしょう!」

「それ本当?でも、商売の為に来ているのでしょう?それなのに、1泊してもいいの?」

「大丈夫よ。この国が最後だもの。それに、予定より順調に進んでいるから、1泊ぐらい泊っても大丈夫よ」

そう言ってにっこり笑ったファビアナ。今回も街を見て回る。暖かい国の様で、皆比較的薄着だ。それに、見たことも無い果物がいっぱい並んでいる。

「お嬢ちゃんたち、よその国の人だろう。ほら、この果物、甘くて美味しいよ!」

お店の人が、果物を手渡してくれた。

「これはマンゴーね。こっちはパパイヤだわ」

「お嬢ちゃん、この果物の名前を知っているのかい?」

「もちろんよ、何回かこの国に来たことがあるもの。ほら、アメリア、甘くて美味しいから食べてみて」

せっかくなので、食べてみる事にした。まずはマンゴーから一口。うん、甘くて美味しいわ!次はパパイヤね。こっちも美味しい!

「ファビアナ、この果物、どちらもとっても美味しいわ。せっかくだから、お土産に買って行こうかしら?おじさん、国に帰るまで後3日程度かかるのだけれど、大丈夫かしら?」

「大丈夫だよ!はい、これはおまけだよ。お嬢ちゃんたちベッピンさんだからね」

そう言っておまけしてくれた。さすが商売上手。口が達者ね。しばらく街を歩いていると、何やら広場で準備をしていた。ファビアナも気になった様で、側に居た人に聞いていた。

どうやら、今日の夜お祭りがある様だ。お祭りと言っても、民族衣装を着て街中を踊りながら練り歩くらしい。

「面白そうね!ねえ、せっかくだから、私たちもお祭りに参加しましょうよ」

「それいいわね。どうせなら、この国の民族衣装を着て踊りましょう」

早速民族衣装を取り扱っているお店へと向かった。この国の民族衣装は、かなり大胆だ!形はマーメイドドレスの様だが、太もも辺りからバッサリ切り込みが入っているので、片足が丸見えだ。さらに、背中もかなり空いている。

間違いなく、わが国でこのようなデザインのドレスを着ていたら、はしたないと怒られるだろう。

「ねえ、ファビアナ。結構露出が激しいわ。どうする?」

「もう、アメリアったら。これくらい大丈夫よ!それに、この国ではこの衣装が普通なのよ。郷に入っては郷に従えって言うでしょう。私は赤にするわ。アメリアはどうする?」

「そうね、私はピンクにするわ」

衣装も決まり、一旦着替える為ホテルへと戻った。さっき買った民族衣装を着て、頭もアップにしてもらった。

コンコン
「アメリア、準備は出来た?さあ、行きましょう!」

ファビアナと一緒に、メイン会場でもある広場へと向かった。既に沢山の人たちが集まっている。周りを見渡すと、お店も出ていた。見たことが無い食べ物も並んでいる。

「ファビアナ、せっかくだからお店の食べ物を買ってみない?見たことが無い食べ物がたくさん売っているわよ」

「あれは屋台と呼ばれる物よ。いいわね、せっかくだから食べましょう!」

早速屋台で購入し、近くに準備されているイスに座って食べる。これはラーメンという食べ物らしい。スープの中に、細長い麺と呼ばれる物が入っている。早速1口。うん、美味しいわ。でも、フォークだとちょっと食べにくいわね。

私の前ではファビアナが焼きそばというものを食べていた。せっかくなので、お互いの食べ物を交換して食べた。焼きそばも美味しい。

私達が食べている間に、お祭りがスタートした様だ。皆が音楽に合わせて踊りだした。

「アメリア、始まっちゃったわ!早く食べて!」

ファビアナにせかされ、急いでラーメンを流し込んだ。そして、私たちも見様見真似で踊る。

「君たち、この国の子たちじゃないでしょう。踊りがめちゃくちゃよ。こうやって踊るのよ」

そう言って、現地の人たちが親切に私たちに踊り方を教えてくれる。どうやらこの国の人たちは、とても親切だ。

「そうそう、上手よ」

「大分マシになって来たな」

近くにいた人たちが声を掛けてくれる。踊りながら少しずつ歩いて行くのだが、これが結構ハード。

「ファビアナ、私もう無理。少し休憩しましょう」

「賛成!あそこのベンチで少し休もう」

そう言って2人でベンチに向かおうとしたその時だった。

ドン!
誰かとぶつかり、転んでしまった。
イタタタタ

「君、大丈夫かい?」

どうやら男の人にぶつかってしまった様だ。

「おい、あっちに行ったぞ。探せ!」

遠くの方で男の人たちが騒いでいる。

「クソ、しつこいな!ちょっとごめんね!」

そう言って私を抱えて走り出す男性。

「ちょっと、アメリア!」

近くでファビアナが叫ぶ声が聞こえた。

「ちょっと、あなた一体何のつもりよ!」

そう叫ぶが、無視して走り続ける。しばらく担がれていると、公園にやって来た。ふと周りを見渡すと、カップルばかり。抱き合ったり、口付けをしたりしている。さすがにこの場所はマズいのでは…

その時だった。
「ここら辺に逃げ込んだはずだ。探せ!」

また男たちが叫んでいる。どうやら、この男性を探している様だ。

「しつこいな!全く。ちょっとごめんね」

そう言うと、私に覆いかぶさる男性!ちょっと、何なのよこいつは!

「この辺はカップルばっかりだ。あっちを探そう」

そう言って向こうの方に走って行く男性たち。

「君のおかげで助かったよ。ありがとう!せっかくだから、一緒に祭りを楽しもう。俺はこの祭りを楽しみにしていたんだ!」

そう言うと、男性は私の腕を掴んで祭り会場へと戻った。そう言えば、この人誰かに追われているのよね。こんな呑気に踊っていてもいいのかしら?

ふと周りを見渡すと、あっ、あれは確かお面というものだわ!以前訪れた国にも売っていたから知っている。

早速お面屋さんでお面を買った。

「はい、これを被って。あなた誰かに追われているのでしょう?そのままだと、さすがにまたバレるわよ!」

ここで会ったのも何かの縁だ!なぜ追われているかは知らないが、もし見つかってこの人が酷い目に合ったら嫌だものね。

「ありがとう、君って優しいんだね。俺はギルバート。君は?」

「私はアメリアよ」

自己紹介の後、2人で踊りならが進んだ。しばらく踊ったのだが、何分体力が無いので、すぐに疲れてしまった。

「ごめんなさい、ギルバート様。少し疲れてしまったみたい」

「気にしないで、少し休もうか。それよりアメリアはこの国の人間じゃないよね。どこから来たの?」

「私はカルダス王国から来ました!学院の半期休みを利用して、友人の商船に乗せてもらって旅をしているの。でも、後3日で国に帰るんだけれどね…って、いけない、ファビアナの存在をすっかり忘れていたわ。ごめんなさい。私戻らないと。それじゃあギルバート様。さようなら」

「あっ、待ってアメリア」

後ろでギルバート様の叫び声が聞こえるが、今はそれどころじゃない。とにかく、ファビアナを探さないと!

確かこっちの方だったわよね。曖昧な記憶を呼び起こし、必死でファビアナと別れてしまった場所を目指す。その時だった。

「アメリア!」

この声はファビアナだわ。声の方を向くと、やっぱりファビアナがこちらに向かって走って来るのが見えた。

「アメリア、大丈夫だった?急に男に担がれて連れていかれるのだもの。心配したわ」

「心配かけてごめんなさい。でも、大丈夫よ」

ファビアナの事をすっかり忘れて、ギルバート様と踊りを楽しんだことは黙っておこう。

「ほら、もう帰りましょう。またあなたが誰かに連れ去られると大変だものね」

そう言うと、私の手をがっちりつかんだファビアナ。ホテルに戻ると、どうやらメイドたちも私を必死で探していた様で、叱られてしまった。

それにしても、今日はとても楽しかったわ。せっかくだから、今日買った衣装は屋敷に持って帰ろう。そういえばギルバート様、あの男たちから無事に逃げられたかしら?きちんと挨拶も出来ずにお別れしてしまったけれど…

まあ、きっと大丈夫よね。
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