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第1章
第6話:騎士団長様の意外な一面を見れました
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誰かの為に料理をまた作れるなんて、幸せだわ。早く騎士団長様、帰ってこないかしら?そうだわ、お風呂も沸かしておかないと。もしかしたら騎士団長様はお風呂から入るタイプかもしれないものね。
お風呂の準備が終わった頃、ガチャと鍵が開く音が。
「おかえりなさいませ、騎士団長様」
「ただいま、スカーレット殿。物凄くいい匂いがするのだが…」
「既に晩御飯が出来ておりますので、その匂いかと。さあ、お疲れになったでしょう。お風呂も沸いておりますよ。どちらからになさいますか?」
「至れり尽くせりだな。ありがとう、スカーレット殿。せっかくだから、出来たての料理からもらおうかな。今すぐ着替えてくる」
そう言うと、自室に戻った騎士団長様。今のうちにお料理をお皿に入れ、テーブルに並べる。ちょうど並べ終わった頃、騎士団長様が戻って来た。
「これはまた凄いご馳走だな。せっかくだから、早速頂こう」
2人で席に着き、食事を始める。
「旨い!何だこの旨さは!食堂の料理も旨いが、こっちもかなり旨い。スカーレット殿は、料理の天才だな。これなら、店を出してもいいのではないか?」
「騎士団長様ったら、お世辞がお上手ですね。でも、そう言って頂けると嬉しいですわ」
「お世辞ではない、本当に旨いんだ。こんな旨い料理をこれから毎日食べられるなんて、俺はなんて幸せ者なんだ」
そう言って嬉しそうに料理を食べている。その姿を見ると、なんだか心の奥が温かいもので包まれるような、そんな感覚に襲われる。そう言えばデビッドは、こんな風に美味しいと言ってくれた事はあまりなかったな…
「スカーレット殿、悲しそうな顔をしてどうしたんだい?すまん、俺ばかり食べてしまった。さあ、スカーレット殿も食べてくれ」
申し訳なさそうにそう言った騎士団長様。
「違うんです。あまりにも美味しそうに騎士団長様がお料理を食べて下さるので、それが嬉しくて。でも同時に、デビッドはあまり美味しそうに食べてくれなかったので…その事を思い出してしまって…」
「あのクズ野郎!こんなにも旨い料理を美味しそうに食べないなんて、舌が腐っているに違いない!スカーレット殿、今はまだ辛いかもしれない。でもきっと時間が解決してくれる。君は悪くない。悪いのはあのクズ野郎とクソ女だ」
君は悪くないか…
その言葉が胸に突き刺さる。心のどこかで、きっと私が至らなかったんだ、そんな思いを抱いていた。でも騎士団長様の言葉を聞いて、少しだけ気持ちが軽くなった。
「騎士団長様…ありがとうございます」
「急に泣き出してどうしたんだ?すまん」
気が付くと、瞳から涙が溢れていた様で、大慌ての騎士団長様。その姿を見たら、なんだかおかしくなって、泣きながら笑った。そんな私を見て、どうしていいのかわからずアタフタしている騎士団長様。
しばらく泣いて笑った後は、また2人で食事を再開させた。もちろん、デザートまでしっかり平らげた。
「スカーレット殿、後片付けは俺がやろう。こんなにも美味しい料理を作ってくれたのだから、それくらいはさせてくれ」
食後、後片付けをしていると、台所にやって来た騎士団長様。
「では、洗い終わった食器を拭いて、戸棚にしまってくださいますか?」
「ああ、任せろ」
でも次の瞬間
パリーーン
手を滑らせたのか、お皿を割ってしまった騎士団長様。
「すまん、皿を落としてしまった。痛っ」
割れたお皿を急いで拾おうとした騎士団長様が、指を切ってしまったのだ。
「騎士団長様、大丈夫ですか?ここは私が片付けますので、どうか座って休んでいてください」
一旦騎士団長様を椅子に座らせ、指の手当てをする。そして、割れたお皿を片付けた。
「すまん、手伝うつもりが、逆に仕事を増やしてしまった」
まるで怒られた子犬の様に、シュンと落ち込む騎士団長様。何でも完璧にこなす騎士団長様でも、失敗するのね。
「大丈夫ですわ。でも、騎士団長様はあまり家事が得意ではなさそうですね。どうかこれからは、私に任せていただけますか?」
「ああ、分かった。本当にすまん」
そう言って、増々シュンとしていた。そんな騎士団長様の意外な姿に笑いが込み上げてきて、つい声を上げて笑ってしまった。
「スカーレット殿、急に笑い出して、どうしたんだい?」
「ごめんなさい。騎士団長様でも失敗して落ち込むのだと思ったら、なんだか可笑しくなってしまって」
「そりゃ俺だって、人間だから失敗して落ち込む事もあるさ。でも、俺の失敗でスカーレット殿が少しでも元気になってくれたのなら、それはそれで悪くないな」
そう言って、にっこり微笑んだ騎士団長様。あぁ、やっぱりこの人は物凄く優しい人なのね。騎士団長様の姿を見た時、なんだか心が温かくなった。いつまでここに置いてもらえるかわからないけれど、ここに居る間は少しでも騎士団長様が過ごしやすい様、今まで以上に家事を頑張ろう。
そう誓ったスカーレットであった。
お風呂の準備が終わった頃、ガチャと鍵が開く音が。
「おかえりなさいませ、騎士団長様」
「ただいま、スカーレット殿。物凄くいい匂いがするのだが…」
「既に晩御飯が出来ておりますので、その匂いかと。さあ、お疲れになったでしょう。お風呂も沸いておりますよ。どちらからになさいますか?」
「至れり尽くせりだな。ありがとう、スカーレット殿。せっかくだから、出来たての料理からもらおうかな。今すぐ着替えてくる」
そう言うと、自室に戻った騎士団長様。今のうちにお料理をお皿に入れ、テーブルに並べる。ちょうど並べ終わった頃、騎士団長様が戻って来た。
「これはまた凄いご馳走だな。せっかくだから、早速頂こう」
2人で席に着き、食事を始める。
「旨い!何だこの旨さは!食堂の料理も旨いが、こっちもかなり旨い。スカーレット殿は、料理の天才だな。これなら、店を出してもいいのではないか?」
「騎士団長様ったら、お世辞がお上手ですね。でも、そう言って頂けると嬉しいですわ」
「お世辞ではない、本当に旨いんだ。こんな旨い料理をこれから毎日食べられるなんて、俺はなんて幸せ者なんだ」
そう言って嬉しそうに料理を食べている。その姿を見ると、なんだか心の奥が温かいもので包まれるような、そんな感覚に襲われる。そう言えばデビッドは、こんな風に美味しいと言ってくれた事はあまりなかったな…
「スカーレット殿、悲しそうな顔をしてどうしたんだい?すまん、俺ばかり食べてしまった。さあ、スカーレット殿も食べてくれ」
申し訳なさそうにそう言った騎士団長様。
「違うんです。あまりにも美味しそうに騎士団長様がお料理を食べて下さるので、それが嬉しくて。でも同時に、デビッドはあまり美味しそうに食べてくれなかったので…その事を思い出してしまって…」
「あのクズ野郎!こんなにも旨い料理を美味しそうに食べないなんて、舌が腐っているに違いない!スカーレット殿、今はまだ辛いかもしれない。でもきっと時間が解決してくれる。君は悪くない。悪いのはあのクズ野郎とクソ女だ」
君は悪くないか…
その言葉が胸に突き刺さる。心のどこかで、きっと私が至らなかったんだ、そんな思いを抱いていた。でも騎士団長様の言葉を聞いて、少しだけ気持ちが軽くなった。
「騎士団長様…ありがとうございます」
「急に泣き出してどうしたんだ?すまん」
気が付くと、瞳から涙が溢れていた様で、大慌ての騎士団長様。その姿を見たら、なんだかおかしくなって、泣きながら笑った。そんな私を見て、どうしていいのかわからずアタフタしている騎士団長様。
しばらく泣いて笑った後は、また2人で食事を再開させた。もちろん、デザートまでしっかり平らげた。
「スカーレット殿、後片付けは俺がやろう。こんなにも美味しい料理を作ってくれたのだから、それくらいはさせてくれ」
食後、後片付けをしていると、台所にやって来た騎士団長様。
「では、洗い終わった食器を拭いて、戸棚にしまってくださいますか?」
「ああ、任せろ」
でも次の瞬間
パリーーン
手を滑らせたのか、お皿を割ってしまった騎士団長様。
「すまん、皿を落としてしまった。痛っ」
割れたお皿を急いで拾おうとした騎士団長様が、指を切ってしまったのだ。
「騎士団長様、大丈夫ですか?ここは私が片付けますので、どうか座って休んでいてください」
一旦騎士団長様を椅子に座らせ、指の手当てをする。そして、割れたお皿を片付けた。
「すまん、手伝うつもりが、逆に仕事を増やしてしまった」
まるで怒られた子犬の様に、シュンと落ち込む騎士団長様。何でも完璧にこなす騎士団長様でも、失敗するのね。
「大丈夫ですわ。でも、騎士団長様はあまり家事が得意ではなさそうですね。どうかこれからは、私に任せていただけますか?」
「ああ、分かった。本当にすまん」
そう言って、増々シュンとしていた。そんな騎士団長様の意外な姿に笑いが込み上げてきて、つい声を上げて笑ってしまった。
「スカーレット殿、急に笑い出して、どうしたんだい?」
「ごめんなさい。騎士団長様でも失敗して落ち込むのだと思ったら、なんだか可笑しくなってしまって」
「そりゃ俺だって、人間だから失敗して落ち込む事もあるさ。でも、俺の失敗でスカーレット殿が少しでも元気になってくれたのなら、それはそれで悪くないな」
そう言って、にっこり微笑んだ騎士団長様。あぁ、やっぱりこの人は物凄く優しい人なのね。騎士団長様の姿を見た時、なんだか心が温かくなった。いつまでここに置いてもらえるかわからないけれど、ここに居る間は少しでも騎士団長様が過ごしやすい様、今まで以上に家事を頑張ろう。
そう誓ったスカーレットであった。
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