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第1章
第7話:街に必要なものを買いに行きます
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騎士団長こと、グレイ様のお家にお世話になってから、1ヶ月が過ぎた。少しずつではあるが、グレイ様の生活にも慣れて来た。私の作ったご飯をいつも美味しそうに食べてくれるグレイ様。そんな姿を見るだけで、なんだか心が温かくなる。そして今も一緒に、晩御飯を食べている。
「スカーレット、明日は確か食堂は休みだったよな。俺も休みを取った。遅くなって申し訳ないが、明日隣の街に必要な物を買いそろえに行こう」
そう提案してくれたグレイ様。ちなみにこの家にお世話になって2週間が過ぎた頃
“せっかく一緒に住んでいるのだ。俺の事はグレイと名前で呼んでくれ。俺も君の事を、その…スカーレットと呼び捨てで呼んでもいいだろうか?”
そう提案された。もちろん二つ返事でOKを出した為、その日から私の事を呼び捨てで呼ぶ様になったグレイ様。相変わらず私の事を気にしてくれるのだが、今あるもので何とか賄えている。
「グレイ様、お気遣いありがとうございます。今のところ特に不自由はしておりませんわ。ですから…」
「いいや、そもそもスカーレットは、洋服を2着しか持っていないではないか?それに、手も荒れている。確か保湿クリームと言うものがあると、騎士団員が教えてくれた。とにかく遠慮する必要はない。君には家事全般をやってもらっているんだ。本来なら、給料を払ってもいいくらいなのに、それすら受け取ってはくれないだろう?せめて必要な物くらい、俺に買わせてくれ。それとも、俺では頼りないかい?」
「そんな、グレイ様が頼りないだなんて。お気遣いいただき、ありがとうございます。では、明日よろしくお願いいたします」
結局グレイ様に押し切られるかたちで、明日買い物に行く事になった。デビッドに貰ったお金もすぐに使い果たしてしまったため、グレイ様から預かったお金で食材など、色々と買っている。
確かに家事はやっているけれど、グレイ様に養ってもらっている様な物なのだ。だから、これ以上迷惑を掛けたくないと思ったのだが…どうやらグレイ様は、頼られる方がお好きな様だ。
もう少し甘えてもいいのかもしれないわね。そう思ったら、なんだか明日が楽しみになって来た。両親が亡くなってから、市場以外の買い物はほとんど行かなくなった。デビッドもあまり物欲がない人だったから…
デビッドの事を考えると、まだ胸がチクチク痛む。それでも、前に進まないといけない。私もいつか、この痛みが消える日が来るのかしら?でも、まだ少し時間がかかりそうね…
皆は酷い男だと言うけれど、それでも両親が亡くなった時、ずっと寄り添ってくれていた。あの事が、どうしても私の頭にあるのだ。自分でも利用されたという事はわかっているけれど、それでも本当は私の事を大切に思っていて、いつか戻って来てくれるのではないかと信じているバカな自分もいる。
あぁ、またこんな事を考えてしまったわ。とにかく、明日に備えて早く寝ないと。
翌日
いつもの様に家事をこなし、朝食を2人で食べた後は、いよいよ街に繰り出す。なんと今日の為に、わざわざ個人用の馬車まで準備してくれたグレイ様。
「さあ、スカーレット、早速出掛けよう」
そう言うと、手を差し伸べてくれたグレイ様。その手をとり、馬車に乗り込む。こうやって馬車で移動するなんて、まるで貴族になった気分ね。
しばらく走ると、隣街に入った。もちろん私が住んでいる街にもお店はたくさんあるが、きっと私の事を知らない隣街の方がゆっくり買い物が出来ると考えて下さったのだろう。
さらにしばらく走ると、お店が立ち並んでいるエリアに入った。一旦馬車から降り、お店を見て回る事にした。
「まずは君の洋服から見よう。すまん、俺はそう言うのに疎くて…いつもどんな店で洋服を買っているんだ?」
いつも買っている洋服店か…最近洋服は買っていないからな。あっ、あのお店、よくお母さんと来ていたお店だわ。お母さんはこの店がお気に入りで、わざわざ隣の街まで買いに来ていたのよね。
「グレイ様、あのお店に入ってもよろしいですか?」
「ああ、構わないよ」
早速お店に入ってみる。あの頃とは変わらない作りに、なんだか懐かしさを思えた。
「あら?あなた様は、スカーレットちゃん?」
話しかけてきてくれたのは、店長だ。どうやら私の事を覚えていてくれていた様だ。
「お久しぶりです。私の事を覚えていてくださったのですね」
「ええ、もちろんですわ。ご両親がお亡くなりになったと聞いてから、ぱたりといらっしゃらなくなったので、心配しておりましたの。元気そうで何よりですわ」
そう言ってにっこりと笑った店長。なんだか物凄く懐かしい気持ちになった。
「今日はどんなお洋服をお探しですか?隣の方は、もしかして?」
「いえ…隣にいる方は…」
「初めまして。グレイと申します。スカーレットが以前お世話になっていた様で。さあ、スカーレット、遠慮はいらん。好きな服を選べ」
私の言葉を被せる様にそう言ったグレイ様。きっと店長は誤解したままだろう。何とか誤解を解こうと思ったのだが、そのまま洋服選びに入ってしまったため、これ以上この話題を出す事が出来なかった。
「スカーレット様、このワンピース、あなた様によく似合いそうですわね。あら、こっちも」
5~6着店長が選んでくれた中から、1着選ぼうと思ったのだが…
「店長、その洋服、全て頂こう」
えっ?全部?
「グレイ様、さすがに量が…」
多すぎます。と言おうと思ったのだが、言う前に会計を済ませてしまっていた。
「スカーレット様、とても素敵な旦那様と結婚されたのですね。また是非来てくださいね」
満面の笑みでお見送りしてくれる店長。だから違うの…そう言いたいが、そのままグレイ様に腕を引っ張られ、お店を出てしまったので訂正できなかった。またこのお店に来ることがあったら、今度はきちんと訂正しないと。
「スカーレット、明日は確か食堂は休みだったよな。俺も休みを取った。遅くなって申し訳ないが、明日隣の街に必要な物を買いそろえに行こう」
そう提案してくれたグレイ様。ちなみにこの家にお世話になって2週間が過ぎた頃
“せっかく一緒に住んでいるのだ。俺の事はグレイと名前で呼んでくれ。俺も君の事を、その…スカーレットと呼び捨てで呼んでもいいだろうか?”
そう提案された。もちろん二つ返事でOKを出した為、その日から私の事を呼び捨てで呼ぶ様になったグレイ様。相変わらず私の事を気にしてくれるのだが、今あるもので何とか賄えている。
「グレイ様、お気遣いありがとうございます。今のところ特に不自由はしておりませんわ。ですから…」
「いいや、そもそもスカーレットは、洋服を2着しか持っていないではないか?それに、手も荒れている。確か保湿クリームと言うものがあると、騎士団員が教えてくれた。とにかく遠慮する必要はない。君には家事全般をやってもらっているんだ。本来なら、給料を払ってもいいくらいなのに、それすら受け取ってはくれないだろう?せめて必要な物くらい、俺に買わせてくれ。それとも、俺では頼りないかい?」
「そんな、グレイ様が頼りないだなんて。お気遣いいただき、ありがとうございます。では、明日よろしくお願いいたします」
結局グレイ様に押し切られるかたちで、明日買い物に行く事になった。デビッドに貰ったお金もすぐに使い果たしてしまったため、グレイ様から預かったお金で食材など、色々と買っている。
確かに家事はやっているけれど、グレイ様に養ってもらっている様な物なのだ。だから、これ以上迷惑を掛けたくないと思ったのだが…どうやらグレイ様は、頼られる方がお好きな様だ。
もう少し甘えてもいいのかもしれないわね。そう思ったら、なんだか明日が楽しみになって来た。両親が亡くなってから、市場以外の買い物はほとんど行かなくなった。デビッドもあまり物欲がない人だったから…
デビッドの事を考えると、まだ胸がチクチク痛む。それでも、前に進まないといけない。私もいつか、この痛みが消える日が来るのかしら?でも、まだ少し時間がかかりそうね…
皆は酷い男だと言うけれど、それでも両親が亡くなった時、ずっと寄り添ってくれていた。あの事が、どうしても私の頭にあるのだ。自分でも利用されたという事はわかっているけれど、それでも本当は私の事を大切に思っていて、いつか戻って来てくれるのではないかと信じているバカな自分もいる。
あぁ、またこんな事を考えてしまったわ。とにかく、明日に備えて早く寝ないと。
翌日
いつもの様に家事をこなし、朝食を2人で食べた後は、いよいよ街に繰り出す。なんと今日の為に、わざわざ個人用の馬車まで準備してくれたグレイ様。
「さあ、スカーレット、早速出掛けよう」
そう言うと、手を差し伸べてくれたグレイ様。その手をとり、馬車に乗り込む。こうやって馬車で移動するなんて、まるで貴族になった気分ね。
しばらく走ると、隣街に入った。もちろん私が住んでいる街にもお店はたくさんあるが、きっと私の事を知らない隣街の方がゆっくり買い物が出来ると考えて下さったのだろう。
さらにしばらく走ると、お店が立ち並んでいるエリアに入った。一旦馬車から降り、お店を見て回る事にした。
「まずは君の洋服から見よう。すまん、俺はそう言うのに疎くて…いつもどんな店で洋服を買っているんだ?」
いつも買っている洋服店か…最近洋服は買っていないからな。あっ、あのお店、よくお母さんと来ていたお店だわ。お母さんはこの店がお気に入りで、わざわざ隣の街まで買いに来ていたのよね。
「グレイ様、あのお店に入ってもよろしいですか?」
「ああ、構わないよ」
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「あら?あなた様は、スカーレットちゃん?」
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「お久しぶりです。私の事を覚えていてくださったのですね」
「ええ、もちろんですわ。ご両親がお亡くなりになったと聞いてから、ぱたりといらっしゃらなくなったので、心配しておりましたの。元気そうで何よりですわ」
そう言ってにっこりと笑った店長。なんだか物凄く懐かしい気持ちになった。
「今日はどんなお洋服をお探しですか?隣の方は、もしかして?」
「いえ…隣にいる方は…」
「初めまして。グレイと申します。スカーレットが以前お世話になっていた様で。さあ、スカーレット、遠慮はいらん。好きな服を選べ」
私の言葉を被せる様にそう言ったグレイ様。きっと店長は誤解したままだろう。何とか誤解を解こうと思ったのだが、そのまま洋服選びに入ってしまったため、これ以上この話題を出す事が出来なかった。
「スカーレット様、このワンピース、あなた様によく似合いそうですわね。あら、こっちも」
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「店長、その洋服、全て頂こう」
えっ?全部?
「グレイ様、さすがに量が…」
多すぎます。と言おうと思ったのだが、言う前に会計を済ませてしまっていた。
「スカーレット様、とても素敵な旦那様と結婚されたのですね。また是非来てくださいね」
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