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第1章
第24話:グレイ様の幼馴染の女性が訪ねてきました
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裁判も無事終わり、穏やかな生活を取り戻した。あの後、すぐにデビッドとキャロリーナさんの家や家財道具など、お金になりそうなものは全て差し押さえられた。もちろん、その程度のお金では全く足りず、先日2人はそれぞれ強制労働施設に送られたらしい。
比較的真面目に働いているデビッドに対し、キャロリーナさんはあまり仕事をしないらしい。その為、この国でも一番厳しい強制労働施設に送られることが決まったとの事。
そして先日、お金を立て替えてくれた施設側から、両親の遺産と私物買い取り費用、さらに慰謝料も振り込まれた。同じくキャロリーナさんに婚約者や夫を奪われた女性たちも、慰謝料が振り込まれたと言っていた。
デビッドはともかく、私以外からも訴えられたキャロリーナさんは、きっと一生施設から出られないだろうと、グレイ様が言っていた。
全てが終わり、平和な日々を送っているのだが、相変わらず私を子供扱いするグレイ様。私が頼りないのはわかるが、それでもやっぱり子ども扱いされるのは悲しい。
先日夜にリンダさんの歓迎会をお店の皆で行った時も、心配してお店まで迎えに来ていた。さすがに子供ではないのだから、1人で帰れると訴えたのだが
“知らないやつに誘拐されたらどうするんだ!とにかく、女性が夜1人で歩いてはダメだ”
と、逆に怒られてしまった。完全に妹を心配する兄になっている。
このままではまずい。何とかグレイ様に私が女だと認めてもらわないと!そう思い、自立する意味も込めて、一度店長に紹介してもらった家を下見に行ったのだが、どこでその情報を聞きつけたのか
“スカーレット、家を探していると聞いた。なぜだ!この家は居心地が悪いのか?そうなら遠慮せずに言ってくれ。君が過ごしやすい様に改善するから!”
そう真剣な顔でグレイ様に訴えられた。その為とっさに
“この家が居心地が悪いだなんて、とんでもありません。そもそも家を見に行ったのも、今度引越しをする同僚の下見に付き合っただけですわ”
と、嘘を付いてしまった。
“それならいいのだが…もし何かこの家に不満があるなら、遠慮なく言ってくれ!”
そう言われてしまった。そんな事を言われたら、増々出ていく決心が付かない。でも、このままではいけないわ。もうこの際思い切って告白しようかしら?でも、もし私が気持ちを伝えたせいで、グレイ様との関係がぎくしゃくしたら…
そんな事ばかり考えては、モヤモヤしてしまう。せっかく裁判も終え、お金も取り戻し、平和な日々が戻ってきたはずなのに。私ったら本当に駄目ね…
そんな思いを抱えながら、今日もグレイ様と食事をする。
「スカーレット、なんだか元気がないな。何かあったのか?」
心配そうに訪ねてくるグレイ様。
「いいえ、何でもありませんわ。すべてが解決して、なんだか気が抜けてしまって」
「スカーレットはあの時本当に頑張ったもんな。それでだな、明日スカーレットは仕事が休みだろう。俺も休みを取ったんだ。だから…その…一緒に街に買い物に行こう」
少し恥ずかしそうにそう言ったグレイ様。
「まあ、本当ですか。嬉しいです。なんだか急に明日が楽しみになってきましたわ。グレイ様、ありがとうございます」
「そんなに喜んでもらえるなら、休みを取った甲斐があった。スカーレットの嬉しそうな顔を見たら、俺もなんだか物凄く楽しみになって来たぞ」
そう言って嬉しそうに笑ったグレイ様。その後は2人で、明日どこに行くか、何が食べたいかなど、話に花を咲かせたのであった。
翌日、今日もグレイ様に買ってもらったお気に入りのワンピースを着る。やっぱりこのワンピースが一番好きだわ。
「スカーレット、そろそろ行こうか?」
「はい」
2人で手をつないで家を出た時だった。馬車が家の前に停まった。見た事がないが、家紋の様な物が付いている。これは、貴族の馬車?どうして貴族の馬車がこんなところに停まったのかしら?
するとゆっくり馬車の扉が開き、青色の髪をした女性が降りて来た。
「グレイ、会いたかったわ!」
そう言うと女性は、グレイ様にギューッと抱き着いた。一体この女性は誰なの?
「フィアレ殿、何をしにここにいらしたのですか?それから、急に抱き着くのはお止めください」
そう言うと、グレイ様が女性を突き放した。
「相変わらず冷たいのね。あなたと私は婚約者なのよ」
「俺がいつあなたと婚約をした!そもそも、俺はもうあの家とは関係なんだ。父親がなんと言おうが、あなたと結婚するつもりはない。とにかく、もう帰ってくれ!」
女性を無理やり馬車に戻そうとするグレイ様。
「止めて、グレイ!私はあなたと結婚したいのよ。ねえ、あなた、騎士団長になったのですってね。さすがグレイだわ。私が見初めただけの事はあるわ。それにしても貧相な家ね。まあいいわ」
そう言うと、グレイ様の静止を振り切り、さっさと家の中に入って行った。
「すまない、あの令嬢は俺の幼馴染なんだ。すぐに追い返すから」
女性の後を追い、急いで家に入ってくグレイ様。
思いがけないライバル出現に、ただただ混乱するスカーレットであった。
比較的真面目に働いているデビッドに対し、キャロリーナさんはあまり仕事をしないらしい。その為、この国でも一番厳しい強制労働施設に送られることが決まったとの事。
そして先日、お金を立て替えてくれた施設側から、両親の遺産と私物買い取り費用、さらに慰謝料も振り込まれた。同じくキャロリーナさんに婚約者や夫を奪われた女性たちも、慰謝料が振り込まれたと言っていた。
デビッドはともかく、私以外からも訴えられたキャロリーナさんは、きっと一生施設から出られないだろうと、グレイ様が言っていた。
全てが終わり、平和な日々を送っているのだが、相変わらず私を子供扱いするグレイ様。私が頼りないのはわかるが、それでもやっぱり子ども扱いされるのは悲しい。
先日夜にリンダさんの歓迎会をお店の皆で行った時も、心配してお店まで迎えに来ていた。さすがに子供ではないのだから、1人で帰れると訴えたのだが
“知らないやつに誘拐されたらどうするんだ!とにかく、女性が夜1人で歩いてはダメだ”
と、逆に怒られてしまった。完全に妹を心配する兄になっている。
このままではまずい。何とかグレイ様に私が女だと認めてもらわないと!そう思い、自立する意味も込めて、一度店長に紹介してもらった家を下見に行ったのだが、どこでその情報を聞きつけたのか
“スカーレット、家を探していると聞いた。なぜだ!この家は居心地が悪いのか?そうなら遠慮せずに言ってくれ。君が過ごしやすい様に改善するから!”
そう真剣な顔でグレイ様に訴えられた。その為とっさに
“この家が居心地が悪いだなんて、とんでもありません。そもそも家を見に行ったのも、今度引越しをする同僚の下見に付き合っただけですわ”
と、嘘を付いてしまった。
“それならいいのだが…もし何かこの家に不満があるなら、遠慮なく言ってくれ!”
そう言われてしまった。そんな事を言われたら、増々出ていく決心が付かない。でも、このままではいけないわ。もうこの際思い切って告白しようかしら?でも、もし私が気持ちを伝えたせいで、グレイ様との関係がぎくしゃくしたら…
そんな事ばかり考えては、モヤモヤしてしまう。せっかく裁判も終え、お金も取り戻し、平和な日々が戻ってきたはずなのに。私ったら本当に駄目ね…
そんな思いを抱えながら、今日もグレイ様と食事をする。
「スカーレット、なんだか元気がないな。何かあったのか?」
心配そうに訪ねてくるグレイ様。
「いいえ、何でもありませんわ。すべてが解決して、なんだか気が抜けてしまって」
「スカーレットはあの時本当に頑張ったもんな。それでだな、明日スカーレットは仕事が休みだろう。俺も休みを取ったんだ。だから…その…一緒に街に買い物に行こう」
少し恥ずかしそうにそう言ったグレイ様。
「まあ、本当ですか。嬉しいです。なんだか急に明日が楽しみになってきましたわ。グレイ様、ありがとうございます」
「そんなに喜んでもらえるなら、休みを取った甲斐があった。スカーレットの嬉しそうな顔を見たら、俺もなんだか物凄く楽しみになって来たぞ」
そう言って嬉しそうに笑ったグレイ様。その後は2人で、明日どこに行くか、何が食べたいかなど、話に花を咲かせたのであった。
翌日、今日もグレイ様に買ってもらったお気に入りのワンピースを着る。やっぱりこのワンピースが一番好きだわ。
「スカーレット、そろそろ行こうか?」
「はい」
2人で手をつないで家を出た時だった。馬車が家の前に停まった。見た事がないが、家紋の様な物が付いている。これは、貴族の馬車?どうして貴族の馬車がこんなところに停まったのかしら?
するとゆっくり馬車の扉が開き、青色の髪をした女性が降りて来た。
「グレイ、会いたかったわ!」
そう言うと女性は、グレイ様にギューッと抱き着いた。一体この女性は誰なの?
「フィアレ殿、何をしにここにいらしたのですか?それから、急に抱き着くのはお止めください」
そう言うと、グレイ様が女性を突き放した。
「相変わらず冷たいのね。あなたと私は婚約者なのよ」
「俺がいつあなたと婚約をした!そもそも、俺はもうあの家とは関係なんだ。父親がなんと言おうが、あなたと結婚するつもりはない。とにかく、もう帰ってくれ!」
女性を無理やり馬車に戻そうとするグレイ様。
「止めて、グレイ!私はあなたと結婚したいのよ。ねえ、あなた、騎士団長になったのですってね。さすがグレイだわ。私が見初めただけの事はあるわ。それにしても貧相な家ね。まあいいわ」
そう言うと、グレイ様の静止を振り切り、さっさと家の中に入って行った。
「すまない、あの令嬢は俺の幼馴染なんだ。すぐに追い返すから」
女性の後を追い、急いで家に入ってくグレイ様。
思いがけないライバル出現に、ただただ混乱するスカーレットであった。
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