6 / 66
第6話:あの男が両親と共にやって来ました
しおりを挟む
「…嬢様、お嬢様、起きて下さい。お嬢様!」
この声は…ミリーね。やっとさっき寝付いたばかりなのに。
「お嬢様、早く起きて下さい!さあ、早く」
ベッドの布団をミリーによって引きはがされ、無理やり起こされた。
「もう、ミリーったら、一体どうしたの?さっきやっと寝付いたばかりなのに」
「何を呑気な事をおっしゃっているのですか?とにかく早く着替えて下さい」
ミリーに無理やり立たされると、近くに控えていたメイドたちにも加わり、急にドレスに着替えさせられた。さらにメイクまでさせられたのだ。
「急にどうしたの?今から夜会にでも行くような気合の入れようね。今日は夜会はないはずだけれど」
「これでいいのです。まさかお嬢様の事をあの様な素敵な方が見初めて下さるだなんて。とにかく、早く客間へ参りましょう」
えっ、客間?あの様な素敵な方に見初められた?それってまさか…
「ねえ、ミリー、今恐ろしい言葉が聞こえたのだけれど、客間に誰か来ているの?もしかして…」
「素敵な方がいらしているのですわ。無駄話をしていないで、早く行きましょう」
「ちょっと、ミリー…」
全く私の話を聞かないミリーに、あっと言う間に客間に連れてこられた。満面の笑みでドアを開けるミリー。恐る恐る部屋に入ると
「ルミナス、一体何をしていたんだ。すぐに来る様にと伝えたのに」
怖い顔のお兄様が叫んでいる。
「まあまあ、カリオスティーノ侯爵殿、落ち着いて下さい。私達が押しかけたのが悪いのです。さあ、ルミナス嬢も席に着いてくれるかい?」
ヒィィィッィ!
やっぱり私が思った通り、そこには不敵な笑みを浮かべたカルロス様がご両親と一緒に座っていたのだ。ご両親はなぜかものすごい笑顔なのだが。
さらにお母様やお義姉様も物凄い笑顔で座っている。どう見ても、嫌な予感しかしない。それでも私は侯爵家の人間だ。
「遅くなってしまい、申し訳ございませんでした」
そう挨拶をし、急いでイスに座る。
「ルミナス嬢、急に訪ねて来て申し訳なかったね。実は今日、カリオスティーノ侯爵家を訪ねさせていただいたのは他でもない。我が息子カルロスと、ルミナス嬢を結婚させたいと思ってね」
やっぱり!なんだかそんな気がしたのだ。それにしても、今日の今日に乗り込んでくるだなんて…
「申し訳ございません、どうやらルミナスはかなりびっくりしている様でして…妹は父が亡くなってから、必死に私と母を支えてくれました。そんな妹にも、そろそろ婚約者をと考えていたのです。まさかクラッセル公爵家のカルロス殿からこのような申し出を頂くだなんてとても光栄です。なあ、ルミナス、お前もそう思うだろう?」
固まっている私に話しを振るお兄様。何がお前もそう思うだろう?よ。こんな変態、もちろん願い下げよ。
「あの、とても有難い申し出なのですが、私は8歳で騎士団長でもある父を亡くしました。その事もあり、なんと申しますか、あの様な悲しい思いをするのはもう嫌なのです。ですから、騎士団員の方との結婚は…」
「ルミナス嬢、君の気持ちは分かったよ。でも、騎士団を辞める事は出来ないんだ。君の父上との約束もあるし。それに何より、俺は君の父上の様に優しくて強くてカッコいい騎士団長になるのが夢だったからね」
えっ?この人は一体何を言っているの?お父様との約束って一体何?
「カルロス殿、父との約束とは何ですか?」
お兄様も気になったのか、カルロス様に聞いている。
「ルミナス嬢、カルロスがすまないね。実はまだ君の父上がご健在だった頃、カルロスが君の父上に“ルミナス嬢と結婚したい”とお願いしたことがあったそうなんだ。そうしたら“カルロスが騎士団長になったら、娘をやろう”と君の父上がおっしゃったらしくて。その後君の父上は命を落としたのだが、カルロスは亡き元騎士団長との約束を守るため、必死に騎士団長を目指してきたのだよ」
「まあ、主人とカルロス様がそんな約束をなさっていたのですか?」
「しかも、そんな昔からルミナスちゃんの事を思っていらしただなんて…それもお義父様とのお約束を守ろうと、ひたむきに騎士団長を目指していただなんて。なんて素敵な方なのかしら?」
お母様とお義姉様がうっとりとカルロス様を見つめている。
「息子は本当に必死に騎士団の稽古を受けてきました。そしてついに、貴族学院卒院と同時に、騎士団長になる事が決まったのです。ルミナス嬢、どうか息子の気持ちを受け止めてやってくれないだろうか?よろしく頼む」
「お願いします」
そう言ってカルロス様のご両親が頭を下げたのだ。
この声は…ミリーね。やっとさっき寝付いたばかりなのに。
「お嬢様、早く起きて下さい!さあ、早く」
ベッドの布団をミリーによって引きはがされ、無理やり起こされた。
「もう、ミリーったら、一体どうしたの?さっきやっと寝付いたばかりなのに」
「何を呑気な事をおっしゃっているのですか?とにかく早く着替えて下さい」
ミリーに無理やり立たされると、近くに控えていたメイドたちにも加わり、急にドレスに着替えさせられた。さらにメイクまでさせられたのだ。
「急にどうしたの?今から夜会にでも行くような気合の入れようね。今日は夜会はないはずだけれど」
「これでいいのです。まさかお嬢様の事をあの様な素敵な方が見初めて下さるだなんて。とにかく、早く客間へ参りましょう」
えっ、客間?あの様な素敵な方に見初められた?それってまさか…
「ねえ、ミリー、今恐ろしい言葉が聞こえたのだけれど、客間に誰か来ているの?もしかして…」
「素敵な方がいらしているのですわ。無駄話をしていないで、早く行きましょう」
「ちょっと、ミリー…」
全く私の話を聞かないミリーに、あっと言う間に客間に連れてこられた。満面の笑みでドアを開けるミリー。恐る恐る部屋に入ると
「ルミナス、一体何をしていたんだ。すぐに来る様にと伝えたのに」
怖い顔のお兄様が叫んでいる。
「まあまあ、カリオスティーノ侯爵殿、落ち着いて下さい。私達が押しかけたのが悪いのです。さあ、ルミナス嬢も席に着いてくれるかい?」
ヒィィィッィ!
やっぱり私が思った通り、そこには不敵な笑みを浮かべたカルロス様がご両親と一緒に座っていたのだ。ご両親はなぜかものすごい笑顔なのだが。
さらにお母様やお義姉様も物凄い笑顔で座っている。どう見ても、嫌な予感しかしない。それでも私は侯爵家の人間だ。
「遅くなってしまい、申し訳ございませんでした」
そう挨拶をし、急いでイスに座る。
「ルミナス嬢、急に訪ねて来て申し訳なかったね。実は今日、カリオスティーノ侯爵家を訪ねさせていただいたのは他でもない。我が息子カルロスと、ルミナス嬢を結婚させたいと思ってね」
やっぱり!なんだかそんな気がしたのだ。それにしても、今日の今日に乗り込んでくるだなんて…
「申し訳ございません、どうやらルミナスはかなりびっくりしている様でして…妹は父が亡くなってから、必死に私と母を支えてくれました。そんな妹にも、そろそろ婚約者をと考えていたのです。まさかクラッセル公爵家のカルロス殿からこのような申し出を頂くだなんてとても光栄です。なあ、ルミナス、お前もそう思うだろう?」
固まっている私に話しを振るお兄様。何がお前もそう思うだろう?よ。こんな変態、もちろん願い下げよ。
「あの、とても有難い申し出なのですが、私は8歳で騎士団長でもある父を亡くしました。その事もあり、なんと申しますか、あの様な悲しい思いをするのはもう嫌なのです。ですから、騎士団員の方との結婚は…」
「ルミナス嬢、君の気持ちは分かったよ。でも、騎士団を辞める事は出来ないんだ。君の父上との約束もあるし。それに何より、俺は君の父上の様に優しくて強くてカッコいい騎士団長になるのが夢だったからね」
えっ?この人は一体何を言っているの?お父様との約束って一体何?
「カルロス殿、父との約束とは何ですか?」
お兄様も気になったのか、カルロス様に聞いている。
「ルミナス嬢、カルロスがすまないね。実はまだ君の父上がご健在だった頃、カルロスが君の父上に“ルミナス嬢と結婚したい”とお願いしたことがあったそうなんだ。そうしたら“カルロスが騎士団長になったら、娘をやろう”と君の父上がおっしゃったらしくて。その後君の父上は命を落としたのだが、カルロスは亡き元騎士団長との約束を守るため、必死に騎士団長を目指してきたのだよ」
「まあ、主人とカルロス様がそんな約束をなさっていたのですか?」
「しかも、そんな昔からルミナスちゃんの事を思っていらしただなんて…それもお義父様とのお約束を守ろうと、ひたむきに騎士団長を目指していただなんて。なんて素敵な方なのかしら?」
お母様とお義姉様がうっとりとカルロス様を見つめている。
「息子は本当に必死に騎士団の稽古を受けてきました。そしてついに、貴族学院卒院と同時に、騎士団長になる事が決まったのです。ルミナス嬢、どうか息子の気持ちを受け止めてやってくれないだろうか?よろしく頼む」
「お願いします」
そう言ってカルロス様のご両親が頭を下げたのだ。
122
あなたにおすすめの小説
【完結】公爵家の妾腹の子ですが、義母となった公爵夫人が優しすぎます!
ましゅぺちーの
恋愛
リデルはヴォルシュタイン王国の名門貴族ベルクォーツ公爵の血を引いている。
しかし彼女は正妻の子ではなく愛人の子だった。
父は自分に無関心で母は父の寵愛を失ったことで荒れていた。
そんな中、母が亡くなりリデルは父公爵に引き取られ本邸へと行くことになる
そこで出会ったのが父公爵の正妻であり、義母となった公爵夫人シルフィーラだった。
彼女は愛人の子だというのにリデルを冷遇することなく、母の愛というものを教えてくれた。
リデルは虐げられているシルフィーラを守り抜き、幸せにすることを決意する。
しかし本邸にはリデルの他にも父公爵の愛人の子がいて――?
「愛するお義母様を幸せにします!」
愛する義母を守るために奮闘するリデル。そうしているうちに腹違いの兄弟たちの、公爵の愛人だった実母の、そして父公爵の知られざる秘密が次々と明らかになって――!?
ヒロインが愛する義母のために強く逞しい女となり、結果的には皆に愛されるようになる物語です!
完結まで執筆済みです!
小説家になろう様にも投稿しています。
愛する夫が目の前で別の女性と恋に落ちました。
ましゅぺちーの
恋愛
伯爵令嬢のアンジェは公爵家の嫡男であるアランに嫁いだ。
子はなかなかできなかったが、それでも仲の良い夫婦だった。
――彼女が現れるまでは。
二人が結婚して五年を迎えた記念パーティーでアランは若く美しい令嬢と恋に落ちてしまう。
それからアランは変わり、何かと彼女のことを優先するようになり……
【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
偽聖女と追放された私は、辺境で定食屋をはじめます~こっそり生活魔法で味付けしていたら、氷の騎士団長様が毎日通ってくるんですけど!?~
咲月ねむと
恋愛
【アルファポリス女性向けHOTランキング1位達成作品!!】
あらすじ
「役立たずの偽聖女め、この国から出て行け!」
聖女として召喚されたものの、地味な【生活魔法】しか使えず「ハズレ」の烙印を押されたエリーナ。
彼女は婚約者である王太子に婚約破棄され、真の聖女と呼ばれる義妹の陰謀によって国外追放されてしまう。
しかし、エリーナはめげなかった。
実は彼女の【生活魔法】は、一瞬で廃墟を新築に変え、どんな食材も極上の味に変えるチートスキルだったのだ!
北の辺境の地へ辿り着いたエリーナは、念願だった自分の定食屋『陽だまり亭』をオープンする。
すると、そこへ「氷の騎士団長」と恐れられる冷徹な美形騎士・クラウスがやってきて――。
「……味がする。お前の料理だけが、俺の呪いを解いてくれるんだ」
とある呪いで味覚を失っていた彼は、エリーナの料理にだけ味を感じると判明。
以来、彼は毎日のように店に通い詰め、高額な代金を置いていったり、邪魔する敵を排除したりと、エリーナを過保護なまでに溺愛し始める。
最強の騎士団長と騎士たちに胃袋を掴んで守られながら、エリーナは辺境で幸せなスローライフを満喫中?
王妃を蔑ろにし、愛妾を寵愛していた王が冷遇していた王妃と入れ替わるお話。
ましゅぺちーの
恋愛
王妃を蔑ろにして、愛妾を寵愛していた王がある日突然その王妃と入れ替わってしまう。
王と王妃は体が元に戻るまで周囲に気づかれないようにそのまま過ごすことを決める。
しかし王は王妃の体に入ったことで今まで見えてこなかった愛妾の醜い部分が見え始めて・・・!?
全18話。
愛する夫にもう一つの家庭があったことを知ったのは、結婚して10年目のことでした
ましゅぺちーの
恋愛
王国の伯爵令嬢だったエミリアは長年の想い人である公爵令息オリバーと結婚した。
しかし、夫となったオリバーとの仲は冷え切っていた。
オリバーはエミリアを愛していない。
それでもエミリアは一途に夫を想い続けた。
子供も出来ないまま十年の年月が過ぎ、エミリアはオリバーにもう一つの家庭が存在していることを知ってしまう。
それをきっかけとして、エミリアはついにオリバーとの離婚を決意する。
オリバーと離婚したエミリアは第二の人生を歩み始める。
一方、最愛の愛人とその子供を公爵家に迎え入れたオリバーは後悔に苛まれていた……。
公爵様のバッドエンドを回避したいだけだったのに、なぜか溺愛されています
六花心碧
恋愛
お気に入り小説の世界で名前すら出てこないモブキャラに転生してしまった!
『推しのバッドエンドを阻止したい』
そう思っただけなのに、悪女からは脅されるし、小説の展開はどんどん変わっていっちゃうし……。
推しキャラである公爵様の反逆を防いで、見事バッドエンドを回避できるのか……?!
ゆるくて、甘くて、ふわっとした溺愛ストーリーです➴⡱
◇2025.3 日間・週間1位いただきました!HOTランキングは最高3位いただきました!
皆様のおかげです、本当にありがとうございました(ˊᗜˋ*)
(外部URLで登録していたものを改めて登録しました! ◇他サイト様でも公開中です)
愛されなかった公爵令嬢のやり直し
ましゅぺちーの
恋愛
オルレリアン王国の公爵令嬢セシリアは、誰からも愛されていなかった。
母は幼い頃に亡くなり、父である公爵には無視され、王宮の使用人達には憐れみの眼差しを向けられる。
婚約者であった王太子と結婚するが夫となった王太子には冷遇されていた。
そんなある日、セシリアは王太子が寵愛する愛妾を害したと疑われてしまう。
どうせ処刑されるならと、セシリアは王宮のバルコニーから身を投げる。
死ぬ寸前のセシリアは思う。
「一度でいいから誰かに愛されたかった。」と。
目が覚めた時、セシリアは12歳の頃に時間が巻き戻っていた。
セシリアは決意する。
「自分の幸せは自分でつかみ取る!」
幸せになるために奔走するセシリア。
だがそれと同時に父である公爵の、婚約者である王太子の、王太子の愛妾であった男爵令嬢の、驚くべき真実が次々と明らかになっていく。
小説家になろう様にも投稿しています。
タイトル変更しました!大幅改稿のため、一部非公開にしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる