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第18話:ミリアが病に侵されました
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この村に来て4ヶ月、本当に楽しい日々を送っている。最近では、あまりパンドラ王国の事を考えなくなってきた。今日も朝から洗濯物を干していると
「レティシアおねえちゃん、これあげる」
やって来たのは、リリアンさん家のミリアだ。近くに咲いているお花を摘んできてくれた様だ。小さな手には、沢山のお花が握られていた。
「ありがとう、ミリア。早速お家に飾らないとね。ミリアも手伝ってくれる?」
「うん!」
弾けんばかりの笑顔で頷いたミリアを連れ、家の中に入る。花瓶に水を入れると、ミリアがお花を入れてくれる。1本ずつ真剣な表情で花瓶にお花を入れて行くミリアの姿を見たら、愛おしくてたまらない。
ついギューッと抱きしめてしまった。
「もう、レティシアおねえちゃんがだきついたから、おみずがこぼれたでしょ」
すかさず私に怒るミリア。その顔もまたかわいい。
「ごめんね。ミリアが可愛くてつい」
そう謝っておいた。その時、家のドアが開く。
「レティシア、おはよう。ミリア来ていない?」
リリアンさんだ!
「ミリアならここにいますよ。わざわざお花を届けてくれましたの。ほら」
花瓶に入ったお花を見せると
「そう、ミリア、レティシアが喜んでくれてよかったわね。ほら、朝ご飯にするから、家に帰っていらっしゃい。レティシアも良かったらどう?まだ準備で来ていないんでしょう?」
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて」
「レティシアおねえちゃんもいっしょにたべるの?ヤッター!じゃあミリアのとなりね」
そう言って嬉しそうに私の手を握るミリア。本当に可愛いわ。
リリアンさんの家で食事を頂いた後は、いつもの様にアクセサリー工場で仕事をこなす。そう言えばもうすぐミリアの4歳の誕生日よね。そうだわ、せっかくだから、ミリアに何かプレゼントをしよう。
仕事が終わると、早速村唯一のお店に向かう。そこで見つけたのは、可愛らしい小さなウサギのぬいぐるみだ。よし、これにしよう。可愛くラッピングしてもらった。
とりあえずミリアに見つかったら大変だから、お金と一緒に戸棚の奥に閉まっておこう。ちなみに私は、大切な物は全て戸棚の奥に閉まってあるのだ。そんな事を考えながら家に向かって歩く。すると、リリアンさん家に見慣れない馬車が停まっていた。
とりあえず、ウサギのぬいぐるみを戸棚にしまうと、再び外に出る。立派な馬車ね、どうしてこんな馬車が停まっているのかしら?気になってリリアンさんの家の近くまで行くと…
「先生、どうかお願いです!お金なら一生かけてお支払いいたします。ですから、どうかミリアを…ミリアを助けて下さい」
リリアンさんの泣き叫ぶ声が聞こえる。きっと何かあったんだ!急いで部屋に入って行くと、そこには真っ赤な顔をして苦しそうにベッドに横たわるミリア。その横には、お医者様に泣きつくリリアンさんの姿が。リリアンさんの旦那さんもダニーも泣いていた。
「一体どうしたのですか?」
私が声を掛けると
「レティシア、ミリアが…ミリアが…」
子供の様に声を上げて泣くリリアンさん。そんなリリアンさんの代りに話してくれたのは旦那さんだ。
「実はミリアが、珍しい感染病にかかってしまった様なんだ。それで、隣の街にある大きな病院で手術をしなければ命は助からないのだが、その費用が莫大で…とても払える額ではないんだよ…」
そう言って悔しそうに唇を噛む旦那さん。
「そんな…今朝まであんなに元気だったのに…」
一体どうして…苦しそうなミリアを見ていたら、私まで涙が込み上げて来た。そんな私をよそに
「先生、お願いです。お金なら何年かかってもお返しします。どうかお願いします」
必死に頼み込むリリアンさん。
「そうおっしゃられても、お金は一括で支払ってもらわないといけない決まりになっているんですよ…とにかく、お金が準備出来次第、また連絡をいただけますか?」
「そんな悠長な事を言っていたら、ミリアは死んでしまいます!お願いです先生!お願いします」
必死に先生に頼み込むリリアンさん。もしかしたら、私の持っているお金を使えば、助かるかもしれない。でも、あんな大金を持っている事を知られたら…って、今はそんな事を言っている場合ではないわ!
一旦家に戻り、戸棚からありったけのお金をかき集める。そしてカバンに入れて、急いでリリアンさんの家へと向かった。
「先生、これでミリアを手術して下さい!」
先生の前で、ドスンとお金を置いた。
「これは…凄い大金だ…」
「レティシア、あなた、このお金…」
皆が私が持ってきたお金を見て固まっている。
「先生、これだけあればミリアは助かるのですよね!だったら今すぐ助けて下さい。お願いします」
「あ…ああ。これだけあれば、手術は余裕で受けられます。それではすぐに、病院に運びましょう」
お金の入ったバッグをしっかり抱きかかえ、馬車へと乗り込んだ先生。ミリアを抱えたリリアンさんと旦那さんも乗り込んだ。
「レティシア、ダニーを頼めるかしら?」
「もちろんですわ。ダニーは任せて下さい!」
ダニーを抱きしめながら、そう伝えた。そして4人を乗せた馬車はゆっくりと走り出した。
どうかミリアの手術がうまく行きます様に…
「レティシアおねえちゃん、これあげる」
やって来たのは、リリアンさん家のミリアだ。近くに咲いているお花を摘んできてくれた様だ。小さな手には、沢山のお花が握られていた。
「ありがとう、ミリア。早速お家に飾らないとね。ミリアも手伝ってくれる?」
「うん!」
弾けんばかりの笑顔で頷いたミリアを連れ、家の中に入る。花瓶に水を入れると、ミリアがお花を入れてくれる。1本ずつ真剣な表情で花瓶にお花を入れて行くミリアの姿を見たら、愛おしくてたまらない。
ついギューッと抱きしめてしまった。
「もう、レティシアおねえちゃんがだきついたから、おみずがこぼれたでしょ」
すかさず私に怒るミリア。その顔もまたかわいい。
「ごめんね。ミリアが可愛くてつい」
そう謝っておいた。その時、家のドアが開く。
「レティシア、おはよう。ミリア来ていない?」
リリアンさんだ!
「ミリアならここにいますよ。わざわざお花を届けてくれましたの。ほら」
花瓶に入ったお花を見せると
「そう、ミリア、レティシアが喜んでくれてよかったわね。ほら、朝ご飯にするから、家に帰っていらっしゃい。レティシアも良かったらどう?まだ準備で来ていないんでしょう?」
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて」
「レティシアおねえちゃんもいっしょにたべるの?ヤッター!じゃあミリアのとなりね」
そう言って嬉しそうに私の手を握るミリア。本当に可愛いわ。
リリアンさんの家で食事を頂いた後は、いつもの様にアクセサリー工場で仕事をこなす。そう言えばもうすぐミリアの4歳の誕生日よね。そうだわ、せっかくだから、ミリアに何かプレゼントをしよう。
仕事が終わると、早速村唯一のお店に向かう。そこで見つけたのは、可愛らしい小さなウサギのぬいぐるみだ。よし、これにしよう。可愛くラッピングしてもらった。
とりあえずミリアに見つかったら大変だから、お金と一緒に戸棚の奥に閉まっておこう。ちなみに私は、大切な物は全て戸棚の奥に閉まってあるのだ。そんな事を考えながら家に向かって歩く。すると、リリアンさん家に見慣れない馬車が停まっていた。
とりあえず、ウサギのぬいぐるみを戸棚にしまうと、再び外に出る。立派な馬車ね、どうしてこんな馬車が停まっているのかしら?気になってリリアンさんの家の近くまで行くと…
「先生、どうかお願いです!お金なら一生かけてお支払いいたします。ですから、どうかミリアを…ミリアを助けて下さい」
リリアンさんの泣き叫ぶ声が聞こえる。きっと何かあったんだ!急いで部屋に入って行くと、そこには真っ赤な顔をして苦しそうにベッドに横たわるミリア。その横には、お医者様に泣きつくリリアンさんの姿が。リリアンさんの旦那さんもダニーも泣いていた。
「一体どうしたのですか?」
私が声を掛けると
「レティシア、ミリアが…ミリアが…」
子供の様に声を上げて泣くリリアンさん。そんなリリアンさんの代りに話してくれたのは旦那さんだ。
「実はミリアが、珍しい感染病にかかってしまった様なんだ。それで、隣の街にある大きな病院で手術をしなければ命は助からないのだが、その費用が莫大で…とても払える額ではないんだよ…」
そう言って悔しそうに唇を噛む旦那さん。
「そんな…今朝まであんなに元気だったのに…」
一体どうして…苦しそうなミリアを見ていたら、私まで涙が込み上げて来た。そんな私をよそに
「先生、お願いです。お金なら何年かかってもお返しします。どうかお願いします」
必死に頼み込むリリアンさん。
「そうおっしゃられても、お金は一括で支払ってもらわないといけない決まりになっているんですよ…とにかく、お金が準備出来次第、また連絡をいただけますか?」
「そんな悠長な事を言っていたら、ミリアは死んでしまいます!お願いです先生!お願いします」
必死に先生に頼み込むリリアンさん。もしかしたら、私の持っているお金を使えば、助かるかもしれない。でも、あんな大金を持っている事を知られたら…って、今はそんな事を言っている場合ではないわ!
一旦家に戻り、戸棚からありったけのお金をかき集める。そしてカバンに入れて、急いでリリアンさんの家へと向かった。
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先生の前で、ドスンとお金を置いた。
「これは…凄い大金だ…」
「レティシア、あなた、このお金…」
皆が私が持ってきたお金を見て固まっている。
「先生、これだけあればミリアは助かるのですよね!だったら今すぐ助けて下さい。お願いします」
「あ…ああ。これだけあれば、手術は余裕で受けられます。それではすぐに、病院に運びましょう」
お金の入ったバッグをしっかり抱きかかえ、馬車へと乗り込んだ先生。ミリアを抱えたリリアンさんと旦那さんも乗り込んだ。
「レティシア、ダニーを頼めるかしら?」
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