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第20話:一体どこに行ったんだ~リアム視点~
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レティシアがいなくなってから、早5ヶ月が経とうとしている。王宮騎士団が必死に探しているにも関わらず、未だ手掛かりがない。街の人間にも聞き取り調査を行ったが、ピンクの髪の女性の目撃情報が一切ないのだ。
もちろん国境も塞ぎ、徹底的に国内を調べ上げたが、レティシアは見つからなかった。さらに王宮内で姿を消した者の調査を行ったが、そんな者はいなかった。どうやらレティシアは、たった1人で王宮を出た様だ。
ただ、全く手掛かりがなかった訳ではない。レティシアが姿を消す当日、銀行にお金を引き出しに来たと言う証言が取れた。その時、やはり1人で来ていたという。さらに護衛を行っていた騎士たちの話しでは、失踪する1ヶ月前くらいからよく図書館に来ていたらしい。
そしてレティシアがよく向かっていた場所から、どうやら他国に関する本と、平民に関する本を読んでいたと推測された。もしかしたら既に他国に渡っているのかもしれない、そう思い、優秀な王宮騎士たちを各国に派遣しているが、有力な情報を得られていない。
「殿下、どうか食事をしっかりお摂りください。このままでは殿下が倒れてしまいます」
「僕は大丈夫だ…それよりもレティシアが心配なんだ…」
僕も必死にレティシアを探している。それにしても、レティシアに会えない日々がこんなに辛いなんて…気が狂いそうだ…やっぱり僕にとって、レティシアは命より大切な存在だったことを改めて実感した。
少しでもレティシアを感じたくて、あの日からずっとレティシアの部屋で生活している。レティシア…一体どこにいるんだい?会いたい…会いたくてたまらない…
そんな僕を尻目に、ミランダ嬢は元従者とさっさと旅に出てしまった。
「もしレティシア様を見かけたら、殿下が探していたと伝えておきますわ」
なんて、ふざけた事を言っていた。そもそもあの女の口車に乗らなければ、今頃ずっとレティシアと一緒にいられたのに…
王太子の仕事が全く手に付かない僕に代わり、父上と母上、さらに家臣たちが仕事をこなしている。申し訳なく思うものの、どうしても体が動かないのだ。そんな僕も、1つだけ力を入れている事がある。
それは新たに準備したレティシアの部屋だ。もう二度とレティシアを失わない様、二度とレティシアが僕から逃げ出さない様、僕の理想の部屋を作り上げたのだ。あぁ、早くレティシアにこの部屋で生活して欲しい。
この部屋でレティシアが過ごす様子を想像するだけで、少しだけ気持ちが和らぐのだ。うっとりと部屋の中を見つめる僕の隣で、明らかに顔が引きつっている執事。確かに傍から見たら僕の様子は異常だろう。
現に父上が王宮騎士団長に
「まだレティシア嬢は見つからないのか?このままではリアムが完全に壊れてしまう。なんとしてでもレティシア嬢を見つけ出せ!王宮騎士団だけでは捜索しきれないなら、他の騎士団を使っても構わん!とにかく、どんな手を使ってでも見つけ出すんだ!」
そう伝えていた。とにかく今王宮内は、レティシアを見つけ出すことで必死なのだ。それでも中々見つからないレティシア。ついに隣国の王族達にも協力を仰ぐことにしたらしい。
「リアム、大丈夫だ。レティシア嬢はきっと見つかる。とにかくこのままではお前が死んでしまう。頼む、食事を摂ってくれ。たとえレティシア嬢が見つかっても、そんな状況では結婚式も挙げられないだろう?」
「そうよ、リアム。あなたが心待ちにしていた結婚式も、もう後4ヶ月半後に迫っているのよ。大丈夫、きっとそれまでにはレティシア嬢は見つかるわ!とにかく、しっかり食事をとりなさい!いいわね」
結婚式か…
そう言えば、もうすぐ僕達の結婚式か。嬉しそうにドレスを選んでいたレティシア。でも今は、もうそのレティシアはいない…再び僕の心に絶望が襲う。その時だった。
「殿下、どうやらレティシア様は、アモーレ王国に行った様です!アモーレ王国で5ヶ月ほど前、美しいピンク色の髪をした少女を見たという女性を発見したとの情報が入りました!」
「それは本当か?すぐアモーレ王国に向かおう」
はやる気持ちを抑え、アモーレ王国へと向かう。アモーレ王国に着くと、すぐにその女性に会った。女性の話しでは、どうやら南に向かう馬車で、レティシアと見られる女性と話しをしたとの事。
「お人形の様に美しい子でしたよ。そう言えば透き通った水色の瞳をしていましたわ。歳は16~17歳ってところですかね。私が“ピンク色の髪は珍しいから、ショールを被った方がいい”と教えてあげると、“ありがとうございます”そう言ってすぐにショールを被っていたわ。確かパンドラ王国から来たと言っていましたわね。この国の人間は皆に親切にしている為か、あまり人の顔などを覚えていない人も多いのですが、あまりにも印象的でしたので覚えていましたの」
そう言って得意げに教えてくれた。間違いない、レティシアだ。王宮騎士団長も同じ事を思ったのか
「殿下、南に向かいましょう。もしかしたらこの国を通過しただけかもしれない。この国の南隣は、大国ディーン王国ですから」
「いいや、多分レティシアはこの国にいるよ。ディーン王国はアモーレ王国と違い、他国の人間の入国に対して非常に厳しいんだ。審査までに1ヶ月はかかる。さらに身元がはっきりしていないレティシアは、まず入国の許可が下りないはず。そう考えると、この国にいる可能性が高い。とにかく、アモーレ王国の国王に今から会いに行って、直々に協力してもらえる様交渉するよ」
きっとレティシアはこの国にいる。もう逃がさないよ、レティシア!
もちろん国境も塞ぎ、徹底的に国内を調べ上げたが、レティシアは見つからなかった。さらに王宮内で姿を消した者の調査を行ったが、そんな者はいなかった。どうやらレティシアは、たった1人で王宮を出た様だ。
ただ、全く手掛かりがなかった訳ではない。レティシアが姿を消す当日、銀行にお金を引き出しに来たと言う証言が取れた。その時、やはり1人で来ていたという。さらに護衛を行っていた騎士たちの話しでは、失踪する1ヶ月前くらいからよく図書館に来ていたらしい。
そしてレティシアがよく向かっていた場所から、どうやら他国に関する本と、平民に関する本を読んでいたと推測された。もしかしたら既に他国に渡っているのかもしれない、そう思い、優秀な王宮騎士たちを各国に派遣しているが、有力な情報を得られていない。
「殿下、どうか食事をしっかりお摂りください。このままでは殿下が倒れてしまいます」
「僕は大丈夫だ…それよりもレティシアが心配なんだ…」
僕も必死にレティシアを探している。それにしても、レティシアに会えない日々がこんなに辛いなんて…気が狂いそうだ…やっぱり僕にとって、レティシアは命より大切な存在だったことを改めて実感した。
少しでもレティシアを感じたくて、あの日からずっとレティシアの部屋で生活している。レティシア…一体どこにいるんだい?会いたい…会いたくてたまらない…
そんな僕を尻目に、ミランダ嬢は元従者とさっさと旅に出てしまった。
「もしレティシア様を見かけたら、殿下が探していたと伝えておきますわ」
なんて、ふざけた事を言っていた。そもそもあの女の口車に乗らなければ、今頃ずっとレティシアと一緒にいられたのに…
王太子の仕事が全く手に付かない僕に代わり、父上と母上、さらに家臣たちが仕事をこなしている。申し訳なく思うものの、どうしても体が動かないのだ。そんな僕も、1つだけ力を入れている事がある。
それは新たに準備したレティシアの部屋だ。もう二度とレティシアを失わない様、二度とレティシアが僕から逃げ出さない様、僕の理想の部屋を作り上げたのだ。あぁ、早くレティシアにこの部屋で生活して欲しい。
この部屋でレティシアが過ごす様子を想像するだけで、少しだけ気持ちが和らぐのだ。うっとりと部屋の中を見つめる僕の隣で、明らかに顔が引きつっている執事。確かに傍から見たら僕の様子は異常だろう。
現に父上が王宮騎士団長に
「まだレティシア嬢は見つからないのか?このままではリアムが完全に壊れてしまう。なんとしてでもレティシア嬢を見つけ出せ!王宮騎士団だけでは捜索しきれないなら、他の騎士団を使っても構わん!とにかく、どんな手を使ってでも見つけ出すんだ!」
そう伝えていた。とにかく今王宮内は、レティシアを見つけ出すことで必死なのだ。それでも中々見つからないレティシア。ついに隣国の王族達にも協力を仰ぐことにしたらしい。
「リアム、大丈夫だ。レティシア嬢はきっと見つかる。とにかくこのままではお前が死んでしまう。頼む、食事を摂ってくれ。たとえレティシア嬢が見つかっても、そんな状況では結婚式も挙げられないだろう?」
「そうよ、リアム。あなたが心待ちにしていた結婚式も、もう後4ヶ月半後に迫っているのよ。大丈夫、きっとそれまでにはレティシア嬢は見つかるわ!とにかく、しっかり食事をとりなさい!いいわね」
結婚式か…
そう言えば、もうすぐ僕達の結婚式か。嬉しそうにドレスを選んでいたレティシア。でも今は、もうそのレティシアはいない…再び僕の心に絶望が襲う。その時だった。
「殿下、どうやらレティシア様は、アモーレ王国に行った様です!アモーレ王国で5ヶ月ほど前、美しいピンク色の髪をした少女を見たという女性を発見したとの情報が入りました!」
「それは本当か?すぐアモーレ王国に向かおう」
はやる気持ちを抑え、アモーレ王国へと向かう。アモーレ王国に着くと、すぐにその女性に会った。女性の話しでは、どうやら南に向かう馬車で、レティシアと見られる女性と話しをしたとの事。
「お人形の様に美しい子でしたよ。そう言えば透き通った水色の瞳をしていましたわ。歳は16~17歳ってところですかね。私が“ピンク色の髪は珍しいから、ショールを被った方がいい”と教えてあげると、“ありがとうございます”そう言ってすぐにショールを被っていたわ。確かパンドラ王国から来たと言っていましたわね。この国の人間は皆に親切にしている為か、あまり人の顔などを覚えていない人も多いのですが、あまりにも印象的でしたので覚えていましたの」
そう言って得意げに教えてくれた。間違いない、レティシアだ。王宮騎士団長も同じ事を思ったのか
「殿下、南に向かいましょう。もしかしたらこの国を通過しただけかもしれない。この国の南隣は、大国ディーン王国ですから」
「いいや、多分レティシアはこの国にいるよ。ディーン王国はアモーレ王国と違い、他国の人間の入国に対して非常に厳しいんだ。審査までに1ヶ月はかかる。さらに身元がはっきりしていないレティシアは、まず入国の許可が下りないはず。そう考えると、この国にいる可能性が高い。とにかく、アモーレ王国の国王に今から会いに行って、直々に協力してもらえる様交渉するよ」
きっとレティシアはこの国にいる。もう逃がさないよ、レティシア!
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