あなたの事は好きですが私が邪魔者なので諦めようと思ったのですが…様子がおかしいです

Karamimi

文字の大きさ
15 / 34

第15話:お兄様の作戦だった様です

しおりを挟む
「わかったよ、入ればいいのだろ。入れば。その代わり、カナリアを生徒会室の別室に待機でいる様な部屋を準備して欲しい。それから…」

「殿下、カナリアは殿下の所有物ではありません。あなた様はずっとカナリアを縛り付けて。とにかく生徒会活動の時は、どうかカナリアを自由にしてあげてください」

「貴族学院には令息が沢山いるのだよ。それにカナリアは美しいし。万が一カナリアに言い寄る男が現れたら、どうするつもりだい?」

「確かにカナリアは美しいですが、さすがに王太子殿下の婚約者に言い寄る愚か者はおりません。イヤ…むしろこんな束縛の激しい殿下から救い出してくれる殿方がいれば、その男にカナリアを託しても…」

「アクア、君は何を言っているのだい?とにかく僕は、カナリアが心配だ!やはり僕は生徒会には入れ…」

「悪い、アルト。もうお前の名前を書いてしまった」

 シモン様が申し訳なさそうに呟いている。

「シモン、何を勝手に僕の名前を書いているのだい?すぐにその紙を…」

「ありがとう、シモン殿。それではすぐに提出してきますね。それから殿下、俺たちは兄として、カナリアには楽しい学院ライフを送ってもらいたいのです。殿下がいたら、友人も出来にくいでしょう。いいですね、生徒会の活動には必ず参加してもらいますから」

「そうそう、明日の放課後、早速集まりがありますので。よろしくお願いします」

 笑顔のアクアお兄様とカルアお兄様が、そのまま教室を出て行った。どうやらお兄様たちは、私からアルト様を引き離すために、アルト様を生徒会に入れた様だ。なぜかシモン様も一緒に…

 きっと真面目なシモン様が、アルト様をしっかりサポートしてくれると考えたのだろう。お兄様たちの考えそうなことだ。

「シモン様、兄が申し訳ございませんでした…その…」

「カナリア嬢が謝る事じゃないよ。カルア殿とアクア殿の気持ちも、よくわかるから…」

 なぜかシモン様が遠い目をしている。

「カナリア、どうしてシモンに話しかけるのだい?それもどうして君が謝る必要があるのだい?それにしても、カルアとアクアの奴、僕とカナリアの大切な時間を奪う為に、僕を生徒会にいれるだなんて。いいかい、カナリア。僕が生徒会に行っている間、好き勝手していい訳ではないからね。僕がここにいて欲しいと言った場所で、待っているのだよ。分かったね」

「ええ、分かりましたわ…」

 あまりの迫力に、頷く事しかできない。

「分かってくれたらいいよ。それじゃあ、王宮に帰ろう」

「ええ、分かりましたわ。それではシモン様、また明日」

 シモン様に挨拶をして、教室を出たのだが…

「どうしてシモンに挨拶をするのだい?やっぱりカナリアは、シモンの事が好きなのかい?」

 なぜそんな話になるのかしら?

「シモン様は私にとって、幼馴染であり友人の1人だと思っておりますわ。ただ、シモン様は私の事があまり好きではないみたいですが…」

 シモン様も、いつの間にか私から離れて行ってしまった。アルト様もそのうち…

「ただの友達なのに、そんなに悲しそうな顔をするのだね…やっぱりシモンをこれ以上カナリアに近づけるのは危険だ!いっその事、シモンも婚約者でも出来れば、僕も安心なのだが…そうだ、適当な令嬢をシモンに紹介しよう。よし!」

「アルト様、どうかされましたか?」

 何やら訳の分からない事を呟いているアルト様。一体どうしたのだろう?

「何でもないよ。今日は色々とあって疲れたね。お昼を食べたら、2人でゆっくり過ごそう。今日はずっとずっとカナリアと一緒にいるからね」

 嬉しそうに私に頬ずりをするアルト様。

 この人、本当にシャーラ様と恋に落ちるのよね?なんだか今のアルト様を見ていると、どうしてもシャーラ様と恋に落ちるだなんて、考えられないのだ。

 でも…

 あの物語の世界に転生している事は確かなのだ。つい自分の都合のいい方に考えてしまうけれど、やはり2人はいずれ恋に落ちる。この事実だけは変わらない。だから私は、アルト様の幸せの為に動く。それが私の使命でもあるのだから。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

好きでした、婚約破棄を受け入れます

たぬきち25番
恋愛
シャルロッテ子爵令嬢には、幼い頃から愛し合っている婚約者がいた。優しくて自分を大切にしてくれる婚約者のハンス。彼と結婚できる幸せな未来を、心待ちにして努力していた。ところがそんな未来に暗雲が立ち込める。永遠の愛を信じて、傷つき、涙するシャルロッテの運命はいかに……? ※十章を改稿しました。エンディングが変わりました。

全てを捨てて消え去ろうとしたのですが…なぜか殿下に執着されています

Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のセーラは、1人崖から海を見つめていた。大好きだった父は、2ヶ月前に事故死。愛していた婚約者、ワイアームは、公爵令嬢のレイリスに夢中。 さらにレイリスに酷い事をしたという噂まで流されたセーラは、貴族世界で完全に孤立していた。独りぼっちになってしまった彼女は、絶望の中海を見つめる。 “私さえいなくなれば、皆幸せになれる” そう強く思ったセーラは、子供の頃から大好きだった歌を口ずさみながら、海に身を投げたのだった。 一方、婚約者でもあるワイアームもまた、一人孤独な戦いをしていた。それもこれも、愛するセーラを守るため。 そんなワイアームの気持ちなど全く知らないセーラは… 龍の血を受け継いだワイアームと、海神の娘の血を受け継いだセーラの恋の物語です。 ご都合主義全開、ファンタジー要素が強め?な作品です。 よろしくお願いいたします。 ※カクヨム、小説家になろうでも同時配信しています。

記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~

Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。 走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。

【完結】そんなに嫌いなら婚約破棄して下さい! と口にした後、婚約者が記憶喪失になりまして

Rohdea
恋愛
──ある日、婚約者が記憶喪失になりました。 伯爵令嬢のアリーチェには、幼い頃からの想い人でもある婚約者のエドワードがいる。 幼馴染でもある彼は、ある日を境に無口で無愛想な人に変わってしまっていた。 素っ気無い態度を取られても一途にエドワードを想ってきたアリーチェだったけど、 ある日、つい心にも無い言葉……婚約破棄を口走ってしまう。 だけど、その事を謝る前にエドワードが事故にあってしまい、目を覚ました彼はこれまでの記憶を全て失っていた。 記憶を失ったエドワードは、まるで昔の彼に戻ったかのように優しく、 また婚約者のアリーチェを一途に愛してくれるようになったけど──…… そしてある日、一人の女性がエドワードを訪ねて来る。 ※婚約者をざまぁする話ではありません ※2022.1.1 “謎の女”が登場したのでタグ追加しました

突然決められた婚約者は人気者だそうです。押し付けられたに違いないので断ってもらおうと思います。

橘ハルシ
恋愛
 ごくごく普通の伯爵令嬢リーディアに、突然、降って湧いた婚約話。相手は、騎士団長の叔父の部下。侍女に聞くと、どうやら社交界で超人気の男性らしい。こんな釣り合わない相手、絶対に叔父が権力を使って、無理強いしたに違いない!  リーディアは相手に遠慮なく断ってくれるよう頼みに騎士団へ乗り込むが、両親も叔父も相手のことを教えてくれなかったため、全く知らない相手を一人で探す羽目になる。  怪しい変装をして、騎士団内をうろついていたリーディアは一人の青年と出会い、そのまま一緒に婚約者候補を探すことに。  しかしその青年といるうちに、リーディアは彼に好意を抱いてしまう。 全21話(本編20話+番外編1話)です。

愛を求めることはやめましたので、ご安心いただけますと幸いです!

風見ゆうみ
恋愛
わたしの婚約者はレンジロード・ブロフコス侯爵令息。彼に愛されたくて、自分なりに努力してきたつもりだった。でも、彼には昔から好きな人がいた。 結婚式当日、レンジロード様から「君も知っていると思うが、私には愛する女性がいる。君と結婚しても、彼女のことを忘れたくないから忘れない。そして、私と君の結婚式を彼女に見られたくない」と言われ、結婚式を中止にするためにと階段から突き落とされてしまう。 レンジロード様に突き落とされたと訴えても、信じてくれる人は少数だけ。レンジロード様はわたしが階段を踏み外したと言う上に、わたしには話を合わせろと言う。 こんな人のどこが良かったのかしら??? 家族に相談し、離婚に向けて動き出すわたしだったが、わたしの変化に気がついたレンジロード様が、なぜかわたしにかまうようになり――

婚約者に愛する人が出来たので、身を引く事にしました

Blue
恋愛
 幼い頃から家族ぐるみで仲が良かったサーラとトンマーゾ。彼が学園に通うようになってしばらくして、彼から告白されて婚約者になった。サーラも彼を好きだと自覚してからは、穏やかに付き合いを続けていたのだが、そんな幸せは壊れてしまう事になる。

【完結】消えた姉の婚約者と結婚しました。愛し愛されたかったけどどうやら無理みたいです

金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベアトリーチェは消えた姉の代わりに、姉の婚約者だった公爵家の子息ランスロットと結婚した。 夫とは愛し愛されたいと夢みていたベアトリーチェだったが、夫を見ていてやっぱり無理かもと思いはじめている。 ベアトリーチェはランスロットと愛し愛される夫婦になることを諦め、楽しい次期公爵夫人生活を過ごそうと決めた。 一方夫のランスロットは……。 作者の頭の中の異世界が舞台の緩い設定のお話です。 ご都合主義です。 以前公開していた『政略結婚して次期侯爵夫人になりました。愛し愛されたかったのにどうやら無理みたいです』の改訂版です。少し内容を変更して書き直しています。前のを読んだ方にも楽しんでいただけると嬉しいです。

処理中です...