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第16話:なぜかヒロインを助けてしまいました
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貴族学院に入学してから、3ヶ月が過ぎた。相変わらずアルト様は、私にベッタリ。生徒会の集まりがあるときは、先に王宮に帰らされるか、別室で待機させられている。
お兄様たちからは
「せっかくカナリアをあの男から引き離す時間を作ったのだから、律儀に殿下の言う事を聞く必要はない。カナリアは殿下の事を気にせずに、学院生活を楽しめばいい!」
と言われる。でも私は、出来るだけアルト様の気持ちに寄り添いたいのだ。私を求めてくれている間は、彼の気持ちに寄り添いたい。そう思っている。
今日もアルト様が生徒会の集まりがあるため、別室で待機している。近くにはアルト様が私の見張り役に付けたメイドが待機している。時間を潰すため、1人本を読んで過ごす。
ただ…
ちょっとお手洗いに行きたくなってきた。
メイドに断りを入れて、急いでお手洗いに向かい、用を済ませた。急いで部屋に戻ろうと思ったのだが、このまま部屋に戻るもなぁ…
そんな思いから、1人で少しだけ散歩をする事にした。いつもはずっとアルト様が傍にいるため、あまり1人で行動する事はない。この際なので、学院を見て回ろうと考えたのだ。
そう思い、中庭の奥を歩いていると…
「あなた、ルミン様を差し置いて、シモン様と仲良くしているそうじゃない。生意気なのよ」
「公爵令息のシモン様と伯爵令嬢のあなたが、釣り合う訳がないでしょう?」
令嬢たちの怒鳴り声が聞こえてくる。シモン様?ルミン様?公爵令嬢?一体何の話をしているのかしら?気になって怒鳴り声の方に向かう。すると
なんとシャーラ様を囲って、令嬢が4人がシャーラ様に文句を言っていたのだ。それも皆、私のクラスの令嬢たちだ。彼女たちは皆、侯爵令嬢で、シャーラ様よりは身分が上。
「何とか言ったらどうなの?少し可愛い顔をしているからって、本当に癪に障る女ね」
「あの、申し訳ございません。私…」
「謝れば済むという訳ではないのよ。いい、次シモン様にちょっかいを出したら、タダじゃおかないわよ」
怖い顔でシャーラ様に詰め寄る令嬢たち。
オロオロとした顔のシャーラ様。目に涙を浮かべている。
ちょっと、自分よりも爵位の低い令嬢を、寄ってたかって虐めるだなんて。これは見逃せないわ。
「あなた達、何をなさっているのかしら?」
自分でもびっくりする程低い声が出た。私、やれば出来るじゃない!ついでに怖い顔で、令嬢たちを睨みつけた。
「カナリア様…どうしてあなた様がこちらに?殿下は?」
「殿下は関係ありませんわ。それよりも、ご自分たちよりも身分の低い令嬢を捕まえて、虐めるだなんて。さすがに見逃せませんわね」
「あの…違うのです。この女が少し生意気で…」
「どんな理由があろうと、爵位の低い令嬢を寄ってたかって虐めるだなんて、決して許される事ではありませんよ。今回は見逃しますが、次はありませんから。その事は覚えておいてください。それからあなた達は、侯爵令嬢なのです。貴族のお手本になる様な行動を、心がけて下さい。分かりましたね?」
「「「「はい、申し訳ございませんでした」」」」
「謝るのは私にではないでしょう?シャーラ様に謝罪をしないと」
「「「「シャーラ様…その…申し訳ございませんでした」」」」
そう叫ぶと、凄い速さでどこかに行ってしまった令嬢たち。それにしても私、少し説教臭かったかしら?子供のころ近所にいた、説教おばさん顔負けの説教をかましてしまったわ。
少しおばさん臭かったわね。なんだか恥ずかしいわ…て、恥ずかしがっている場合ではない。
「シャーラ様、大丈夫ですか?一体何があったのですか?」
その場に座り込んでいるシャーラ様に声を掛けた。
「お助けいただき、ありがとうございます。急に彼女たちから呼び出されたと思ったら、あのように文句を言われて。でも私、何も言い返せなくて…助けていただき、ありがとうございました」
美しい水色の瞳から、ポロポロと涙を流し、お礼を言うシャーラ様。なんて…なんて可愛らしいのかしら?こんな可愛い令嬢を虐めるだなんて!
あまりの可愛さに、つい抱きしめてしまったのだった。
お兄様たちからは
「せっかくカナリアをあの男から引き離す時間を作ったのだから、律儀に殿下の言う事を聞く必要はない。カナリアは殿下の事を気にせずに、学院生活を楽しめばいい!」
と言われる。でも私は、出来るだけアルト様の気持ちに寄り添いたいのだ。私を求めてくれている間は、彼の気持ちに寄り添いたい。そう思っている。
今日もアルト様が生徒会の集まりがあるため、別室で待機している。近くにはアルト様が私の見張り役に付けたメイドが待機している。時間を潰すため、1人本を読んで過ごす。
ただ…
ちょっとお手洗いに行きたくなってきた。
メイドに断りを入れて、急いでお手洗いに向かい、用を済ませた。急いで部屋に戻ろうと思ったのだが、このまま部屋に戻るもなぁ…
そんな思いから、1人で少しだけ散歩をする事にした。いつもはずっとアルト様が傍にいるため、あまり1人で行動する事はない。この際なので、学院を見て回ろうと考えたのだ。
そう思い、中庭の奥を歩いていると…
「あなた、ルミン様を差し置いて、シモン様と仲良くしているそうじゃない。生意気なのよ」
「公爵令息のシモン様と伯爵令嬢のあなたが、釣り合う訳がないでしょう?」
令嬢たちの怒鳴り声が聞こえてくる。シモン様?ルミン様?公爵令嬢?一体何の話をしているのかしら?気になって怒鳴り声の方に向かう。すると
なんとシャーラ様を囲って、令嬢が4人がシャーラ様に文句を言っていたのだ。それも皆、私のクラスの令嬢たちだ。彼女たちは皆、侯爵令嬢で、シャーラ様よりは身分が上。
「何とか言ったらどうなの?少し可愛い顔をしているからって、本当に癪に障る女ね」
「あの、申し訳ございません。私…」
「謝れば済むという訳ではないのよ。いい、次シモン様にちょっかいを出したら、タダじゃおかないわよ」
怖い顔でシャーラ様に詰め寄る令嬢たち。
オロオロとした顔のシャーラ様。目に涙を浮かべている。
ちょっと、自分よりも爵位の低い令嬢を、寄ってたかって虐めるだなんて。これは見逃せないわ。
「あなた達、何をなさっているのかしら?」
自分でもびっくりする程低い声が出た。私、やれば出来るじゃない!ついでに怖い顔で、令嬢たちを睨みつけた。
「カナリア様…どうしてあなた様がこちらに?殿下は?」
「殿下は関係ありませんわ。それよりも、ご自分たちよりも身分の低い令嬢を捕まえて、虐めるだなんて。さすがに見逃せませんわね」
「あの…違うのです。この女が少し生意気で…」
「どんな理由があろうと、爵位の低い令嬢を寄ってたかって虐めるだなんて、決して許される事ではありませんよ。今回は見逃しますが、次はありませんから。その事は覚えておいてください。それからあなた達は、侯爵令嬢なのです。貴族のお手本になる様な行動を、心がけて下さい。分かりましたね?」
「「「「はい、申し訳ございませんでした」」」」
「謝るのは私にではないでしょう?シャーラ様に謝罪をしないと」
「「「「シャーラ様…その…申し訳ございませんでした」」」」
そう叫ぶと、凄い速さでどこかに行ってしまった令嬢たち。それにしても私、少し説教臭かったかしら?子供のころ近所にいた、説教おばさん顔負けの説教をかましてしまったわ。
少しおばさん臭かったわね。なんだか恥ずかしいわ…て、恥ずかしがっている場合ではない。
「シャーラ様、大丈夫ですか?一体何があったのですか?」
その場に座り込んでいるシャーラ様に声を掛けた。
「お助けいただき、ありがとうございます。急に彼女たちから呼び出されたと思ったら、あのように文句を言われて。でも私、何も言い返せなくて…助けていただき、ありがとうございました」
美しい水色の瞳から、ポロポロと涙を流し、お礼を言うシャーラ様。なんて…なんて可愛らしいのかしら?こんな可愛い令嬢を虐めるだなんて!
あまりの可愛さに、つい抱きしめてしまったのだった。
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