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第8話:話し合いに向かいます
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お母様にも背中を押してもらえた事もあり、その日は好きな本を読んだり、お茶をしたりしてゆっくり過ごした。
そして午後。
「アントアーネ、そろそろブラッディ伯爵家に向かおうか」
お父様が屋敷に帰ってきたと同時に、ブラッディ伯爵家に向かう準備を行った。どうやらあらかじめ、ブラッディ伯爵家には、今日お邪魔する旨を伝えてあるようだ。
いよいよね。なんだか緊張してきた。
やっとあの男から解放される。そう思ったら、涙が出るほど嬉しかった。もう嫌われている男性に、笑顔を振りまく必要もない。傍にいる必要も、嘘の笑顔を見る必要もない。
令嬢たちから陰口を叩かれたり、皆に無視されたり…は、今後も続くかもしれないが、それでもやっと前を向いて歩めるのだ。それがなんだか嬉しい。
とはいえ、まだ婚約を解消できたわけではない。まずは婚約を解消して、あわよくばなぜあんな酷い噂を流したのか、ラドル様から直接聞けたら、そう考えている。
エメラルドグリーンのドレスを身にまとい、鏡の前に立った。今まではいつも、ラドル様から贈られた深緑のドレスを着ていたが、今日はこの日の為に私自身が準備したドレスだ。
私の瞳の色でもあるエメラルドグリーンのドレス、これからは私の意思で生きていくという気持ちが込められている。
よし!準備万端だ。
両親と一緒に、馬車に乗り込んだ。お父様もお母様も、何も話さない。それでも2人とも、私の気持ちを尊重してくれている事は分かっている。
大丈夫だ、きっとうまく行く。そう自分に言い聞かせる。
しばらく走ると、ラドル様のお屋敷が見えて来た。
両親と一緒に馬車から降りると
「アントアーネ、よく来てくれたね。もう体調の方は大丈夫なのかい?今日の朝、君を迎えに行ったのだよ」
なぜかラドル様が待っていたのだ。
「あれ?そのドレス、どうしたの?アントアーネには、あまり似合っていないね。やっぱりアントアーネは、深めの緑色のドレスが似合うと思うよ」
好き勝手話すラドル様に、何と言っていいか分からない。そもそもどうしてこの人が、ここで待っているのだろう。
「ラドル殿、お出迎えありがとう。今日は大事な話があって来たのだよ。伯爵はいるかい?」
「ええ、父からその様に伺っております。どうぞこちらへ」
一瞬怪訝そうな顔をしたラドル様だったが、すぐに笑顔に戻り、私たちを案内してくれた。ただ…なぜか私の背中に手を回している。それとなく離れようとしたのだが、ガッチリつかまれていて離れられない。
この人、何を考えているのかしら?さっぱりわからないわ。
お父様も怪訝そうな顔をしているし、お母様に至っては扇子で口元を隠しているが、怒りからか扇子を持つ手が震えている。とはいえ、まだ私たちは婚約者同士。
今何かを言うべきではないと、両親も分かっているのだろう。
ラドル様に案内された部屋には、ラドル様のご両親が待っていた。
「ディーストン伯爵、夫人、それにアントアーネ嬢、よく来てくれたね。さあ、座ってくれ」
「ブラッディ伯爵、今日は時間を作ってくれてありがとう。以前君から打診があった話を進める為に、こちらに伺ったんだ」
「そうか、考えてくれたのだね。それじゃあ、早速話を進めよう」
何やらブラッディ伯爵とお父様が、話しを進め出したのだ。
「父上、一体何の話をしているのですか?僕に分かる様に説明してください」
「実はディーストン伯爵には、以前からラドルとアントアーネ嬢の婚約を解消させてくれないかと、話していたのだよ。ほら、アントアーネ嬢はその…」
「ラドル殿、娘はなぜかこの1年で、評判が地に落ちてしまった。そんな評判の悪い私の娘とラドル殿を結婚させたくないと、君のご両親は考えていたのだよ。正直私は、アントアーネの事を考えて保留にさせてもらっていたのだが、アントアーネも了承してくれてね。それで今日、君たちの婚約を正式に解消しようという話になったのだよ」
なんと!ラドル様のご両親から、お父様に婚約を解消したいという話が来ていただなんて。お父様はどんな気持ちでいたのだろう。考えると胸が締め付けられる。
「お父様、私のせいで気苦労をさせてしまって、申し訳ございませんでした。ブラッディ伯爵様、夫人、ラドル様、私の心はもう固まっております。どうぞ遠慮なく、婚約を解消してくださいませ」
改めて皆に頭を下げたのだった。
そして午後。
「アントアーネ、そろそろブラッディ伯爵家に向かおうか」
お父様が屋敷に帰ってきたと同時に、ブラッディ伯爵家に向かう準備を行った。どうやらあらかじめ、ブラッディ伯爵家には、今日お邪魔する旨を伝えてあるようだ。
いよいよね。なんだか緊張してきた。
やっとあの男から解放される。そう思ったら、涙が出るほど嬉しかった。もう嫌われている男性に、笑顔を振りまく必要もない。傍にいる必要も、嘘の笑顔を見る必要もない。
令嬢たちから陰口を叩かれたり、皆に無視されたり…は、今後も続くかもしれないが、それでもやっと前を向いて歩めるのだ。それがなんだか嬉しい。
とはいえ、まだ婚約を解消できたわけではない。まずは婚約を解消して、あわよくばなぜあんな酷い噂を流したのか、ラドル様から直接聞けたら、そう考えている。
エメラルドグリーンのドレスを身にまとい、鏡の前に立った。今まではいつも、ラドル様から贈られた深緑のドレスを着ていたが、今日はこの日の為に私自身が準備したドレスだ。
私の瞳の色でもあるエメラルドグリーンのドレス、これからは私の意思で生きていくという気持ちが込められている。
よし!準備万端だ。
両親と一緒に、馬車に乗り込んだ。お父様もお母様も、何も話さない。それでも2人とも、私の気持ちを尊重してくれている事は分かっている。
大丈夫だ、きっとうまく行く。そう自分に言い聞かせる。
しばらく走ると、ラドル様のお屋敷が見えて来た。
両親と一緒に馬車から降りると
「アントアーネ、よく来てくれたね。もう体調の方は大丈夫なのかい?今日の朝、君を迎えに行ったのだよ」
なぜかラドル様が待っていたのだ。
「あれ?そのドレス、どうしたの?アントアーネには、あまり似合っていないね。やっぱりアントアーネは、深めの緑色のドレスが似合うと思うよ」
好き勝手話すラドル様に、何と言っていいか分からない。そもそもどうしてこの人が、ここで待っているのだろう。
「ラドル殿、お出迎えありがとう。今日は大事な話があって来たのだよ。伯爵はいるかい?」
「ええ、父からその様に伺っております。どうぞこちらへ」
一瞬怪訝そうな顔をしたラドル様だったが、すぐに笑顔に戻り、私たちを案内してくれた。ただ…なぜか私の背中に手を回している。それとなく離れようとしたのだが、ガッチリつかまれていて離れられない。
この人、何を考えているのかしら?さっぱりわからないわ。
お父様も怪訝そうな顔をしているし、お母様に至っては扇子で口元を隠しているが、怒りからか扇子を持つ手が震えている。とはいえ、まだ私たちは婚約者同士。
今何かを言うべきではないと、両親も分かっているのだろう。
ラドル様に案内された部屋には、ラドル様のご両親が待っていた。
「ディーストン伯爵、夫人、それにアントアーネ嬢、よく来てくれたね。さあ、座ってくれ」
「ブラッディ伯爵、今日は時間を作ってくれてありがとう。以前君から打診があった話を進める為に、こちらに伺ったんだ」
「そうか、考えてくれたのだね。それじゃあ、早速話を進めよう」
何やらブラッディ伯爵とお父様が、話しを進め出したのだ。
「父上、一体何の話をしているのですか?僕に分かる様に説明してください」
「実はディーストン伯爵には、以前からラドルとアントアーネ嬢の婚約を解消させてくれないかと、話していたのだよ。ほら、アントアーネ嬢はその…」
「ラドル殿、娘はなぜかこの1年で、評判が地に落ちてしまった。そんな評判の悪い私の娘とラドル殿を結婚させたくないと、君のご両親は考えていたのだよ。正直私は、アントアーネの事を考えて保留にさせてもらっていたのだが、アントアーネも了承してくれてね。それで今日、君たちの婚約を正式に解消しようという話になったのだよ」
なんと!ラドル様のご両親から、お父様に婚約を解消したいという話が来ていただなんて。お父様はどんな気持ちでいたのだろう。考えると胸が締め付けられる。
「お父様、私のせいで気苦労をさせてしまって、申し訳ございませんでした。ブラッディ伯爵様、夫人、ラドル様、私の心はもう固まっております。どうぞ遠慮なく、婚約を解消してくださいませ」
改めて皆に頭を下げたのだった。
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