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第9話:何を考えているのですか?
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「アントアーネ嬢、ありがとう。それじゃあ、すぐに婚約解消の手続きを…」
「待って下さい!どうして僕とアントアーネが、婚約を解消しないといけないのですか?僕たちは、仲睦まじいのに。僕はずっと、アントアーネを大切にして来たし、アントアーネだって、僕を慕ってくれていた。アントアーネ、僕の為に婚約を解消する事に同意したのだろう?でも僕は、君と婚約を解消するつもりはないよ。すまない、辛い思いをさせてしまって。でも、もう大丈夫だよ。僕が君を守るから」
「ラドル、何を言っているのだい?アントアーネ嬢と結婚したら、お前の評判も下がってしまうかもしれないのだよ。アントアーネ嬢も、了承してくれているのだから…」
「父上、僕はアントアーネを愛しています。たとえどんな噂が流れようと、僕は彼女を愛しているのです。たとえ父上や母上が反対しても、僕は絶対にアントアーネと結婚します。それにアントアーネの悪い噂を流した奴らの目星は付いています。あいつらを訴えて、アントアーネの名誉を回復させれば、何ら問題はないのでしょう?」
この男は、一体何を言っているのだろう。自ら私の悪い噂を流したくせに…それなのに、私を愛している?私と絶対に結婚する?バカにするのも、いい加減にして欲しいわ。
怒りと悲しみ、悔しさから体が震える。そんな私の手を、ギュッと握ってくれたのはお父様だ。優しい眼差しで、私を見つめていた。そして、ゆっくりと頷いたのだ。
“アントアーネの気持ちをぶつけなさい”
お父様の瞳は、そう言っている様だった。
「ラドル様は、私は愛しているのですか?本当に私と結婚したいのですか?」
真っすぐラドル様の方を向き、問いかけた。
「当たり前だろう。僕はずっと、君を愛しているのだから。君だって、僕の事を慕ってくれていただろう?」
「そうですね…あなた様と婚約した当初は、本当に嬉しくて天にも昇る様な気持ちでした。真実を知るまでは…」
この半年、必死に調べた資料をそっと机に並べた。
「ラドル様、私の酷い噂を流したのは、あなた様ですね?身分の低い令息たちを使って」
机の上に並べられた書類を手に取り、目を大きく見開いているラドル様の両親。ラドル様も大きく目を見開き、固まっている。
「ラドル様、私はあなた様にここまで恨まれるほど、嫌われていたのですよね。ですが正直、こんな仕打ちを受けるほどあなた様に何かした記憶がございません。私、あなた様に何かしたのでしょうか?どうしてこんな酷い事をなさったのですか?そのせいで私は…」
一気に感情が涙と共に溢れ出した。
「ラドル、これは一体どういうことだ!そんなにアントアーネ嬢の事が嫌いだったのか?それならどうして、早く言わなかったのだ。この様な恐ろしい事をしなくても」
「そうよ、ラドル。こんな事をしなくても、婚約解消したいなら素直に言えばよかったじゃない。この様な事をして、一体何を考えているの?」
俯くラドル様に、ラドル様のご両親が詰め寄っている。
「アントアーネが悪いんだ…君が他の子とばかり仲良くして、僕を蔑ろにしたから…だから僕は…」
「私がラドル様を蔑ろにした?一体何をおっしゃっているの?」
「君は学院に入ってから、ずっと令嬢たちと仲良くしていたではないか。僕の事なんてほったらかしにして。だから僕は、君に僕だけを見て欲しくて、噂を流したのだよ。そうすれば君は孤立して、僕だけを見てくれると思ったから」
この人は何を言っているの?私が令嬢と仲良くしていたから、悪い噂を流したですって…そうすれば、私がラドル様だけを見るからですって。
「そんなふざけた理由で、アントアーネの評判を落としたのかい?君はアントアーネを何だと思っているのだい?アントアーネがこの1年、どれほど傷つき苦しんできたか。アントアーネが大切な婚約者に裏切られたと知った時、どれだけ辛く悲しかったか。アントアーネは君に裏切られたと知った時、高熱を出したのだよ。君だって覚えているだろう!」
珍しくお父様が声を荒げた。
まさかそんな理由で、私を地獄に叩き落しただなんて…
「待って下さい!どうして僕とアントアーネが、婚約を解消しないといけないのですか?僕たちは、仲睦まじいのに。僕はずっと、アントアーネを大切にして来たし、アントアーネだって、僕を慕ってくれていた。アントアーネ、僕の為に婚約を解消する事に同意したのだろう?でも僕は、君と婚約を解消するつもりはないよ。すまない、辛い思いをさせてしまって。でも、もう大丈夫だよ。僕が君を守るから」
「ラドル、何を言っているのだい?アントアーネ嬢と結婚したら、お前の評判も下がってしまうかもしれないのだよ。アントアーネ嬢も、了承してくれているのだから…」
「父上、僕はアントアーネを愛しています。たとえどんな噂が流れようと、僕は彼女を愛しているのです。たとえ父上や母上が反対しても、僕は絶対にアントアーネと結婚します。それにアントアーネの悪い噂を流した奴らの目星は付いています。あいつらを訴えて、アントアーネの名誉を回復させれば、何ら問題はないのでしょう?」
この男は、一体何を言っているのだろう。自ら私の悪い噂を流したくせに…それなのに、私を愛している?私と絶対に結婚する?バカにするのも、いい加減にして欲しいわ。
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お父様の瞳は、そう言っている様だった。
「ラドル様は、私は愛しているのですか?本当に私と結婚したいのですか?」
真っすぐラドル様の方を向き、問いかけた。
「当たり前だろう。僕はずっと、君を愛しているのだから。君だって、僕の事を慕ってくれていただろう?」
「そうですね…あなた様と婚約した当初は、本当に嬉しくて天にも昇る様な気持ちでした。真実を知るまでは…」
この半年、必死に調べた資料をそっと机に並べた。
「ラドル様、私の酷い噂を流したのは、あなた様ですね?身分の低い令息たちを使って」
机の上に並べられた書類を手に取り、目を大きく見開いているラドル様の両親。ラドル様も大きく目を見開き、固まっている。
「ラドル様、私はあなた様にここまで恨まれるほど、嫌われていたのですよね。ですが正直、こんな仕打ちを受けるほどあなた様に何かした記憶がございません。私、あなた様に何かしたのでしょうか?どうしてこんな酷い事をなさったのですか?そのせいで私は…」
一気に感情が涙と共に溢れ出した。
「ラドル、これは一体どういうことだ!そんなにアントアーネ嬢の事が嫌いだったのか?それならどうして、早く言わなかったのだ。この様な恐ろしい事をしなくても」
「そうよ、ラドル。こんな事をしなくても、婚約解消したいなら素直に言えばよかったじゃない。この様な事をして、一体何を考えているの?」
俯くラドル様に、ラドル様のご両親が詰め寄っている。
「アントアーネが悪いんだ…君が他の子とばかり仲良くして、僕を蔑ろにしたから…だから僕は…」
「私がラドル様を蔑ろにした?一体何をおっしゃっているの?」
「君は学院に入ってから、ずっと令嬢たちと仲良くしていたではないか。僕の事なんてほったらかしにして。だから僕は、君に僕だけを見て欲しくて、噂を流したのだよ。そうすれば君は孤立して、僕だけを見てくれると思ったから」
この人は何を言っているの?私が令嬢と仲良くしていたから、悪い噂を流したですって…そうすれば、私がラドル様だけを見るからですって。
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