私を陥れる様な婚約者はいりません!彼と幸せになりますから邪魔しないで下さい

Karamimi

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第24話:久しぶりに感じる温もり

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 “アントアーネ、君は一生僕からは逃げられないよ。皆から軽蔑され、一人ぼっちで生きていくんだ”

 ニヤリと笑ったラドル様。

 “どうしてそんなに、私を苦しめるの?どうかもう、私に構わないで。どうか放っておいてください”

 必死にラドル様に訴える。どうかもう、私を自由にして。

 “嫌だね、僕は絶対に君を逃がさない。絶対にね…”

 “嫌…どうして私を苦しめるの?もう嫌、何もかも嫌よ”

「…トアーネ、しっかりして、アントアーネ」

「イヤ…お願い、自由にして。嫌よ!」

「アントアーネ、しっかりして。アントアーネ」

 パチリと目を覚ますと、そこには心配そうな顔のブラッド様の姿が。

 どうして彼が、ここにいるのだろう。

 そうだわ、私がクラスメートたちから言いがかりをつけられ、無理やり謝罪を要求されていた時、お兄様とブラッド様が現れて、それで助けてもらったのだった。私のために、わざわざリューズ王国から来てくださったのだった。

「ブラッド様、お久しぶりですわ。私の為に、兄と一緒にリューズ王国から来てくださったのですよね。もう私は大丈夫ですので、どうかリューズ王国にお帰り下さい」

 お母様の親友でもある、リマおば様の息子、ブラッド様。幼い頃にお互いの国に行き来して、一緒に遊んだ。少し頼りなくて、弟の様に思っていたブラッド様だが、しばらく会わない間にすっかり立派な令息になっているだなんて。

 ブラッド様にだけは、こんな情けない姿を見せたくはなかったな…せめてこれ以上、彼に落胆されたくはない。

「アントアーネ、辛かったね。まだ体中が熱いよ、とにかくゆっくり休んで。喉が渇いているだろう、冷たい水だ。ゆっくり飲んで」

「あの、ブラッド様、私は…」

「大丈夫だよ、今度は俺が君を守るから」

 そう言って優しく微笑んだブラッド様。そんな彼の姿を見たら、また涙が込み上げてきた。あの頃は間違いなく幸せだった。

「ブラッド様、私…」

「もう何も話さなくていいよ。まだ熱が高い。ゆっくり休んで。俺はずっと、君の傍にいるから」

 そっと私の手を握るブラッド様。その温もりが、とても心地いい。なんだか眠くなってきたわ…

 そのままゆっくりと瞼を閉じた。

 “アントアーネ、君は僕のものだよ。絶対に逃がさないから…”

 ニヤリと笑ったラドル様が、ゆっくりとこちらに近づいてくる。真っ暗な世界に、私とラドル様2人だけ。

 “いや、来ないで。お願い、もう私を放っておいて、お願い!”

 必死に彼から離れようとした時だった。

 “アントアーネ、こっちにおいで。可哀そうに、俺が君を守るよ”

 この声は…ブラッド様?

 ブラッド様の声が聞こえたと思ったら、真っ暗だった世界に、光が差し込む。そして温かい光に包まれたのだ。ものすごく心地いい。この温もりは一体何だろう。ただ1つ言える事は、この温もりにずっと包まれていたいという事だ。

 これは夢?夢なら覚めないでほしい。

 そう願った時だった。

 パチリと目を開ける。やっぱり夢だったのね…

 ただ、まだ何だか温かい。この温もりは…

 ゆっくり顔をあげると、ブラッド様の顔が瞳に飛び込んできたのだ。

「アントアーネ、目を覚ましたのだね。可哀そうに、また悪夢にうなされていたのかい?でも、もう大丈夫だよ」

 そう言うと、ブラッド様が再び強く抱きしめたのだ。
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