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第34話:私の気持ち
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「ブラッド様、もうすぐ卒業前の最後のテストですわね。前回のテストは学年1位でしたから、きっと今回もブラッド様が学年1位ですわ。本当にブラッド様は、凄いですね。私なんて、足元にも及びませんわ」
「アントアーネだって、前回9位だっただろう。十分凄いよ。今回もしっかり勉強をして、最後は5位以内を目指そう」
「5位だなんて。でも、ブラッド様と一緒に勉強をすれば、きっと5位以内に入れそうですわ」
ブラッド様がこの国にいらしてから、早3ヶ月。この3ヶ月、彼のお陰で非常に穏やかな生活を送っている。そしてこの3ヶ月で、私はブラッド様の事が、異性として好きになった。
彼が令嬢に話し掛けられるだけで、胸がズキズキ痛むくらい、彼の事が大好きなのだ。このままずっと、ブラッド様と一緒にいられたら。貴族学院を卒業したら、私も一緒にリューズ王国に行けたら。
だなんて図々しい事を考えてしまう事もある。でもその気持ちは、封印している。ブラッド様と私は、ただの幼馴染だ。もし私がブラッド様に好意を抱いている事を知られたら、きっと彼は困惑するだろう。
私を助けてくれた、ブラッド様。ただでさえ半年という期間、私の為にサルビア王国に来てくれているのだ。これ以上、ブラッド様に迷惑をかける訳にはいかない。
それに何よりも、私の気持ちをブラッド様に知られる事で、今までの関係が壊れてしまう事が一番怖いのだ。だからこそ、私は決して彼に気持ちがばれてはいけない。
「アントアーネ、またボーっとして、どうしたのだい?何か悩みがあるのかい?」
「いいえ、何でもありませんわ。最近は本当に穏やかに過ごしております。それもこれも全て、ブラッド様のお陰ですね」
「穏やかにか…確かに以前よりかは、穏やかかもしれない。だが、この国の貴族たちは、未だに君の事を誤解したままだよ。ラドル殿が目の前で君に縋りついている姿を見ても、まだ君に弱みを握られていると思っている愚かな者も多い。
はっきり言って、そんな愚か者が沢山いる国で、このままアントアーネは生きていきたいのかい?ねえ、アントアーネ、貴族学院を卒業したら、リューズ王国に来ることを、真剣に考えてくれないかい?
俺は君を残して、リューズ王国に帰るなんて出来ないんだ。こんな国に、君一人を残すだなんて」
ブラッド様は、どこまでお優しい方なのだろう。貴族学院を卒業した後の事まで、考えて下さっているだなんて。
「ブラッド様、私の事を心配して下さり、ありがとうございます。確かにこの国の人たちは、私の事を嫌い、私の言う事など耳を貸してはくれません。ですが私には、両親やお兄様がいらっしゃいます。
それにいつまでも、ブラッド様に頼っている訳にはいきませんし。どうか卒業後の私の事は、気にしないで下さい」
そっと彼の手を握り、そう伝えた。
一瞬悲しそうな顔をしたブラッド様だったが、その後いつもの優しい眼差しに戻り
「分かったよ。でももしまた気が変わったら、いつでも言ってくれ。それじゃあ、勉強の続きをしよう」
「はい」
この話しはもう終わりだ。再び勉強を開始する。こんな風にブラッド様とお勉強できるのも、もう最後だろう。このテストが終われば、卒業に向けて、ほぼ勉強をする事もなくなるのだから。
この時間も、私にとってかけがえのないもの。後3ヶ月、少しでも多くブラッド様との思い出を作っておきたい。
私はそう考えているのだ。1秒だって無駄にしたくないのだ。そんな気持ちで、ブラッド様と行う最後のお勉強タイムを楽しんだのだった。
そして迎えたテスト当日。
「アントアーネ、最後のテスト、頑張ろうね。一緒に勉強したことを思い出せば、きっと大丈夫だから」
「はい、ブラッド様、頑張りましょうね」
「それじゃあ、また後でね」
ブラッド様が自分の席に座った。そしてテストが始まったのだ。
「アントアーネだって、前回9位だっただろう。十分凄いよ。今回もしっかり勉強をして、最後は5位以内を目指そう」
「5位だなんて。でも、ブラッド様と一緒に勉強をすれば、きっと5位以内に入れそうですわ」
ブラッド様がこの国にいらしてから、早3ヶ月。この3ヶ月、彼のお陰で非常に穏やかな生活を送っている。そしてこの3ヶ月で、私はブラッド様の事が、異性として好きになった。
彼が令嬢に話し掛けられるだけで、胸がズキズキ痛むくらい、彼の事が大好きなのだ。このままずっと、ブラッド様と一緒にいられたら。貴族学院を卒業したら、私も一緒にリューズ王国に行けたら。
だなんて図々しい事を考えてしまう事もある。でもその気持ちは、封印している。ブラッド様と私は、ただの幼馴染だ。もし私がブラッド様に好意を抱いている事を知られたら、きっと彼は困惑するだろう。
私を助けてくれた、ブラッド様。ただでさえ半年という期間、私の為にサルビア王国に来てくれているのだ。これ以上、ブラッド様に迷惑をかける訳にはいかない。
それに何よりも、私の気持ちをブラッド様に知られる事で、今までの関係が壊れてしまう事が一番怖いのだ。だからこそ、私は決して彼に気持ちがばれてはいけない。
「アントアーネ、またボーっとして、どうしたのだい?何か悩みがあるのかい?」
「いいえ、何でもありませんわ。最近は本当に穏やかに過ごしております。それもこれも全て、ブラッド様のお陰ですね」
「穏やかにか…確かに以前よりかは、穏やかかもしれない。だが、この国の貴族たちは、未だに君の事を誤解したままだよ。ラドル殿が目の前で君に縋りついている姿を見ても、まだ君に弱みを握られていると思っている愚かな者も多い。
はっきり言って、そんな愚か者が沢山いる国で、このままアントアーネは生きていきたいのかい?ねえ、アントアーネ、貴族学院を卒業したら、リューズ王国に来ることを、真剣に考えてくれないかい?
俺は君を残して、リューズ王国に帰るなんて出来ないんだ。こんな国に、君一人を残すだなんて」
ブラッド様は、どこまでお優しい方なのだろう。貴族学院を卒業した後の事まで、考えて下さっているだなんて。
「ブラッド様、私の事を心配して下さり、ありがとうございます。確かにこの国の人たちは、私の事を嫌い、私の言う事など耳を貸してはくれません。ですが私には、両親やお兄様がいらっしゃいます。
それにいつまでも、ブラッド様に頼っている訳にはいきませんし。どうか卒業後の私の事は、気にしないで下さい」
そっと彼の手を握り、そう伝えた。
一瞬悲しそうな顔をしたブラッド様だったが、その後いつもの優しい眼差しに戻り
「分かったよ。でももしまた気が変わったら、いつでも言ってくれ。それじゃあ、勉強の続きをしよう」
「はい」
この話しはもう終わりだ。再び勉強を開始する。こんな風にブラッド様とお勉強できるのも、もう最後だろう。このテストが終われば、卒業に向けて、ほぼ勉強をする事もなくなるのだから。
この時間も、私にとってかけがえのないもの。後3ヶ月、少しでも多くブラッド様との思い出を作っておきたい。
私はそう考えているのだ。1秒だって無駄にしたくないのだ。そんな気持ちで、ブラッド様と行う最後のお勉強タイムを楽しんだのだった。
そして迎えたテスト当日。
「アントアーネ、最後のテスト、頑張ろうね。一緒に勉強したことを思い出せば、きっと大丈夫だから」
「はい、ブラッド様、頑張りましょうね」
「それじゃあ、また後でね」
ブラッド様が自分の席に座った。そしてテストが始まったのだ。
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