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第33話:あなたには関係ない事です
何度ブラッド様から注意を受けても、全く懲りない彼女たち。ある意味メンタル最強だ。
「私とブラッド様は、元々親同士が仲が良かったため、何度か遊んだことがある仲ですわ。そもそも私とブラッド様がどういった関係かなど、あなた達には関係ないかと」
「何なの!生意気な女。尻軽で人の悪口が大好きで、癇癪もちのあなたとブラッド様が釣り合う訳がないでしょう。あなたなんて、さっさとどこかに行ってしまえばいいのよ」
何を思ったのか、1人の令嬢が感情的になり、私を突き飛ばしたのだ。
「きゃぁぁぁ」
その場でしりもちをついてしまった。
「暴力をふるうだなんて…私がいつ癇癪を起しましたか?いつ尻軽でいつ人の悪口を言いましたか?私はその様な事を、した覚えはありませんわ。あなた達こそ、いつも私の悪口を言っていたではありませんか」
そう、私は一度も悪口を言った事も、他の令息たちに近づいた事も、癇癪を起した事もないのだ。それなのに、未だにそんな事を言ってくるだなんて!本当にこの国の令嬢たちは、人を見る目がないのね。
「そんなの、皆が言っているわ。それに…その…」
「どうせ私が何を言っても信じないでしょうが、私は婚約中は婚約者以外の男性と会った事もありません。人の悪口を言った記憶もございません。気に入らないと、癇癪を起した記憶もございません。
それでは失礼します」
ペコリと令嬢たちに挨拶をし、その場を後にしようとした時だった。
「アントアーネ、大丈夫かい?今令嬢たちに、転ばされていなかったかい?」
私の元にやって来たのは、何とラドル様だ。最近特に絡んでくることはなかったのに、ここにきてどうして彼が私の元にやって来たのだろうか。
「ブラッディ伯爵令息様、何度も申し上げておりますが、私の名前を軽々しく呼ぶのはお止め下さい。それにもう、私には関わらないとお約束いたしましたよね。あなたにとって私は、浮気者で癇癪もちでどうしようもない女だったのでしょう?
そんな女に関わると、ろくなことはありませんよ。私はもう、あなたの事を忘れて前を向いて歩いております。どうか私のことは、そうっとしておいてください」
いい加減、もう私には関わらないでほしい。あれほどまでに、私に酷い事をしたのだから。
「どうしてそんな酷い事を言うのだい?ずっと僕だけを、愛してくれていたじゃないか。いつも可愛い笑顔を向けてくれて、僕の為に苦手な刺繍を入れてくれたり、僕の好きな料理を持ってきてくれたり。
僕は君の笑顔が大好きなのだよ。それなのに、どうしてもう僕に笑顔を向けてくれなくなったのだい?やはりブラッド殿のせいなのかい?あの男が現れたから…」
「ブラッド様は関係ありませんわ。あなたが今まで私にどんな仕打ちをしてきたか、もう忘れたのですか?とにかくもう、私はあなたとは関わりたくはないのです」
プイっとあちらの方を向いた。
“ねえ、どうしてラドル様が、アントアーネ様に縋りついているの?ラドル様は散々アントアーネ様に、酷い事をされてきたという話ではなかった?”
“今ずっと僕を愛してくれたとおっしゃっていなかった?アントアーネ様は、浮気者ではなかったの?それに、ラドル様に尽くしていたって…なんだか噂とは全然違う話が出ているわよ”
近くにいた令嬢たちが、ひそひそとしだしたのだ。
“もしかして、無理やりアントアーネ様に言わされているのではなくって?ほら、少し前にラドル様、アントアーネ様に弱みを握られていたじゃない”
“なるほど、そう言う事ね。アントアーネ様はきっとまだ、ラドル様に未練があるのよ。その上、ブラッド様にまで手を出すだなんて”
なるほど、彼女たちの脳内は、何が何でも私を悪者にしたいのだろう。もう好きに妄想してもらっても構わない。
「ブラッディ伯爵令息様、あなたはどうしても、私の評判を落としたいようですね。まあ、今更どう思われようが、知った事ではありませんが…」
「違うんだ、アントアーネ。僕はそんなつもりでは…本当に君を愛しているだけなんだ」
愛しているですって?愛している女性をここまで苦しめるかしら?もうどうでもいいわ。
「とにかく、もう私に話しかけないで下さい。どうかお願いします」
「待って、アントアーネ…」
深々と頭を下げ、その場を後にした。
「私とブラッド様は、元々親同士が仲が良かったため、何度か遊んだことがある仲ですわ。そもそも私とブラッド様がどういった関係かなど、あなた達には関係ないかと」
「何なの!生意気な女。尻軽で人の悪口が大好きで、癇癪もちのあなたとブラッド様が釣り合う訳がないでしょう。あなたなんて、さっさとどこかに行ってしまえばいいのよ」
何を思ったのか、1人の令嬢が感情的になり、私を突き飛ばしたのだ。
「きゃぁぁぁ」
その場でしりもちをついてしまった。
「暴力をふるうだなんて…私がいつ癇癪を起しましたか?いつ尻軽でいつ人の悪口を言いましたか?私はその様な事を、した覚えはありませんわ。あなた達こそ、いつも私の悪口を言っていたではありませんか」
そう、私は一度も悪口を言った事も、他の令息たちに近づいた事も、癇癪を起した事もないのだ。それなのに、未だにそんな事を言ってくるだなんて!本当にこの国の令嬢たちは、人を見る目がないのね。
「そんなの、皆が言っているわ。それに…その…」
「どうせ私が何を言っても信じないでしょうが、私は婚約中は婚約者以外の男性と会った事もありません。人の悪口を言った記憶もございません。気に入らないと、癇癪を起した記憶もございません。
それでは失礼します」
ペコリと令嬢たちに挨拶をし、その場を後にしようとした時だった。
「アントアーネ、大丈夫かい?今令嬢たちに、転ばされていなかったかい?」
私の元にやって来たのは、何とラドル様だ。最近特に絡んでくることはなかったのに、ここにきてどうして彼が私の元にやって来たのだろうか。
「ブラッディ伯爵令息様、何度も申し上げておりますが、私の名前を軽々しく呼ぶのはお止め下さい。それにもう、私には関わらないとお約束いたしましたよね。あなたにとって私は、浮気者で癇癪もちでどうしようもない女だったのでしょう?
そんな女に関わると、ろくなことはありませんよ。私はもう、あなたの事を忘れて前を向いて歩いております。どうか私のことは、そうっとしておいてください」
いい加減、もう私には関わらないでほしい。あれほどまでに、私に酷い事をしたのだから。
「どうしてそんな酷い事を言うのだい?ずっと僕だけを、愛してくれていたじゃないか。いつも可愛い笑顔を向けてくれて、僕の為に苦手な刺繍を入れてくれたり、僕の好きな料理を持ってきてくれたり。
僕は君の笑顔が大好きなのだよ。それなのに、どうしてもう僕に笑顔を向けてくれなくなったのだい?やはりブラッド殿のせいなのかい?あの男が現れたから…」
「ブラッド様は関係ありませんわ。あなたが今まで私にどんな仕打ちをしてきたか、もう忘れたのですか?とにかくもう、私はあなたとは関わりたくはないのです」
プイっとあちらの方を向いた。
“ねえ、どうしてラドル様が、アントアーネ様に縋りついているの?ラドル様は散々アントアーネ様に、酷い事をされてきたという話ではなかった?”
“今ずっと僕を愛してくれたとおっしゃっていなかった?アントアーネ様は、浮気者ではなかったの?それに、ラドル様に尽くしていたって…なんだか噂とは全然違う話が出ているわよ”
近くにいた令嬢たちが、ひそひそとしだしたのだ。
“もしかして、無理やりアントアーネ様に言わされているのではなくって?ほら、少し前にラドル様、アントアーネ様に弱みを握られていたじゃない”
“なるほど、そう言う事ね。アントアーネ様はきっとまだ、ラドル様に未練があるのよ。その上、ブラッド様にまで手を出すだなんて”
なるほど、彼女たちの脳内は、何が何でも私を悪者にしたいのだろう。もう好きに妄想してもらっても構わない。
「ブラッディ伯爵令息様、あなたはどうしても、私の評判を落としたいようですね。まあ、今更どう思われようが、知った事ではありませんが…」
「違うんだ、アントアーネ。僕はそんなつもりでは…本当に君を愛しているだけなんだ」
愛しているですって?愛している女性をここまで苦しめるかしら?もうどうでもいいわ。
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「待って、アントアーネ…」
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