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第32話:ブラッド様は本当に優秀です
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「君たち、大丈夫かい?一応ケガをしない様に、配慮はしたつもりなのだけれど」
「ああ…怪我はないよ。それよりもブラッド殿は、本当に強いのだね。ここまで歯が立たないだなんて」
「このクラスで一番強いラドルですら、全く相手にならないのだからね」
「俺はリューズ王国の騎士団で、稽古を積んだからね。そんじょそこらの騎士よりも、ずっと強いんだ。だから気にしなくてもいいよ。ラドル殿、立てるかい?」
ブラッド様がラドル様に手を伸ばしたのだが、バシッと叩いてどこかに行ってしまったラドル様。
ブラッド様がこの国に来て、1ヶ月以上が過ぎた。彼は本当に優秀で、武術はもちろん、剣の腕も一流だ。
「ブラッド様、本当に強いわよね。あのラドル様ですら、全く歯が立たないだなんて」
「勉学も非常に優秀と聞いたわ。来週の試験が楽しみね」
「それにしても、あんなにも優秀な方が、どうしてあの女の傍にいるのかしら?もしかして、何か弱みを握られているとか?」
相変われず私に意地悪な事を言う令嬢たち。
ただ…
「君たち、またアントアーネを虐めているのかい?アントアーネを虐める奴は、誰であろうと許さないぞ」
私の元にやって来たのは、ブラッド様だ。令嬢たちを睨んでいる。
「ブラッド様、どうしてそんなにアントアーネ様を庇うのですか?私の方が、彼女よりも魅力的ですわよ」
「あら、私だって、勉強ならアントアーネ様よりも出来ますわ。それに刺繍も得意です」
「ブラッド様、凄い汗ですね。このハンカチ、私が刺繍したのです。ぜひ使って下さい」
何を思ったのか、令嬢たちが次々とブラッド様に、アピールし始めたのだ。その瞬間、胸がズキリと痛んだ。
「悪いが俺に近づかないでくれ。俺は元々、令嬢が苦手なんだ。俺に触れていいのは、アントアーネだけだ。アントアーネ、俺の汗を拭いてくれるかい?」
「ええ、もちろんですわ。それにしても、本当にブラッド様は、お強いのですね」
ブラッド様の汗を丁寧に拭く。相変わらずブラッド様は、ずっと私の傍にいてくれている。それはとても嬉しい事なのだが、どうやらブラッド様は、令嬢たちから人気が高い様なのだ。
そのせいで、一部のブラッド様に好意を持っている令嬢たちからは、増々睨まれている。とはいえ、ブラッド様がずっと傍で見張っていてくれている為、彼女たちが何かをしてくることはない。
私はこの1ヶ月、とても穏やかな日々を過ごしているのだ。それもこれも、ブラッド様のお陰なのだ。
「アントアーネ、来週は試験もあるし、今日は早く屋敷に戻って一緒に勉強をしよう」
「ええ、そうしましょう。私、お勉強は得意なのですよ」
「ああ、知っているよ。君は本当に頑張り屋さんだからね。俺も負けないように、頑張らないと」
そう言って笑ったブラッド様。彼の笑顔を見ると、なんだか私の心も温かくなる。こんな穏やかな日々が、ずっと続くといいのに。
でも、ブラッド様は短期留学をしている身。貴族学院を卒業したら、リューズ王国に帰ってしまうのだ。そう考えると、胸がチクリと痛む。
「アントアーネ、悲しそうな顔をしてどうしたのだい?すぐに着替えてくるから、待っていてくれ」
そう言って急ぎ足で、その場を去って行ったブラッド様を見送った。相変わらずクラスで浮いている私。そんな私の傍にいてくれるブラッド様も、極力クラスメートとは関わらない様にしている様だ。
せっかくこの国に来たのだから、ブラッド様にはクラスメートたちと仲良くしてほしいと思ったのだが、当のブラッド様は
“変な噂に惑わされ、人を平気で傷つける様な人間どもと、仲良くするつもりはないよ”
そう言って、クラスメートたちと、あまり深く関わろうとしないのだ。きっと私がいなければ、ブラッド様は人気者間違いなしだっただろうに…
そう思うと、なんだか申し訳ない。
「アントアーネ様、あなたとブラッド様は、一体どういう関係なのですか?」
「あなたの様な令嬢と優秀なブラッド様が、釣り合うと思っていらっしゃるのですか?性格が悪く、ラドル様から婚約を解消されたあなたが、どうしてブラッド様から大切にされるの?」
「きっとブラッド様の弱みを握っているのでしょう。本当に嫌な女」
私の元にやって来たのは、ブラッド様に好意を持っている令嬢たちだ。
「ああ…怪我はないよ。それよりもブラッド殿は、本当に強いのだね。ここまで歯が立たないだなんて」
「このクラスで一番強いラドルですら、全く相手にならないのだからね」
「俺はリューズ王国の騎士団で、稽古を積んだからね。そんじょそこらの騎士よりも、ずっと強いんだ。だから気にしなくてもいいよ。ラドル殿、立てるかい?」
ブラッド様がラドル様に手を伸ばしたのだが、バシッと叩いてどこかに行ってしまったラドル様。
ブラッド様がこの国に来て、1ヶ月以上が過ぎた。彼は本当に優秀で、武術はもちろん、剣の腕も一流だ。
「ブラッド様、本当に強いわよね。あのラドル様ですら、全く歯が立たないだなんて」
「勉学も非常に優秀と聞いたわ。来週の試験が楽しみね」
「それにしても、あんなにも優秀な方が、どうしてあの女の傍にいるのかしら?もしかして、何か弱みを握られているとか?」
相変われず私に意地悪な事を言う令嬢たち。
ただ…
「君たち、またアントアーネを虐めているのかい?アントアーネを虐める奴は、誰であろうと許さないぞ」
私の元にやって来たのは、ブラッド様だ。令嬢たちを睨んでいる。
「ブラッド様、どうしてそんなにアントアーネ様を庇うのですか?私の方が、彼女よりも魅力的ですわよ」
「あら、私だって、勉強ならアントアーネ様よりも出来ますわ。それに刺繍も得意です」
「ブラッド様、凄い汗ですね。このハンカチ、私が刺繍したのです。ぜひ使って下さい」
何を思ったのか、令嬢たちが次々とブラッド様に、アピールし始めたのだ。その瞬間、胸がズキリと痛んだ。
「悪いが俺に近づかないでくれ。俺は元々、令嬢が苦手なんだ。俺に触れていいのは、アントアーネだけだ。アントアーネ、俺の汗を拭いてくれるかい?」
「ええ、もちろんですわ。それにしても、本当にブラッド様は、お強いのですね」
ブラッド様の汗を丁寧に拭く。相変わらずブラッド様は、ずっと私の傍にいてくれている。それはとても嬉しい事なのだが、どうやらブラッド様は、令嬢たちから人気が高い様なのだ。
そのせいで、一部のブラッド様に好意を持っている令嬢たちからは、増々睨まれている。とはいえ、ブラッド様がずっと傍で見張っていてくれている為、彼女たちが何かをしてくることはない。
私はこの1ヶ月、とても穏やかな日々を過ごしているのだ。それもこれも、ブラッド様のお陰なのだ。
「アントアーネ、来週は試験もあるし、今日は早く屋敷に戻って一緒に勉強をしよう」
「ええ、そうしましょう。私、お勉強は得意なのですよ」
「ああ、知っているよ。君は本当に頑張り屋さんだからね。俺も負けないように、頑張らないと」
そう言って笑ったブラッド様。彼の笑顔を見ると、なんだか私の心も温かくなる。こんな穏やかな日々が、ずっと続くといいのに。
でも、ブラッド様は短期留学をしている身。貴族学院を卒業したら、リューズ王国に帰ってしまうのだ。そう考えると、胸がチクリと痛む。
「アントアーネ、悲しそうな顔をしてどうしたのだい?すぐに着替えてくるから、待っていてくれ」
そう言って急ぎ足で、その場を去って行ったブラッド様を見送った。相変わらずクラスで浮いている私。そんな私の傍にいてくれるブラッド様も、極力クラスメートとは関わらない様にしている様だ。
せっかくこの国に来たのだから、ブラッド様にはクラスメートたちと仲良くしてほしいと思ったのだが、当のブラッド様は
“変な噂に惑わされ、人を平気で傷つける様な人間どもと、仲良くするつもりはないよ”
そう言って、クラスメートたちと、あまり深く関わろうとしないのだ。きっと私がいなければ、ブラッド様は人気者間違いなしだっただろうに…
そう思うと、なんだか申し訳ない。
「アントアーネ様、あなたとブラッド様は、一体どういう関係なのですか?」
「あなたの様な令嬢と優秀なブラッド様が、釣り合うと思っていらっしゃるのですか?性格が悪く、ラドル様から婚約を解消されたあなたが、どうしてブラッド様から大切にされるの?」
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私の元にやって来たのは、ブラッド様に好意を持っている令嬢たちだ。
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