私を陥れる様な婚約者はいりません!彼と幸せになりますから邪魔しないで下さい

Karamimi

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第48話:しばらくは内緒です

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 屋敷に着くと、両親が待っていた。

「ブラッド殿、大丈夫だったかい?さっき学院から連絡があって、令嬢に変な薬を飲まされたのだったね。幸い大事には至らなかったらしいが…明日学院に来て欲しいとの事だ。とにかく明日、私と一緒に学院に行こう。ブラッド殿を陥れた不届き者を、厳罰に処さないと」

「そうね、ブラッド様はリューズ王国の侯爵令息とわかっていて、そんな愚かな事をするだなんて。厳罰が妥当ね。それにしても、学院側はなにをしていたのかしら?安全な貴族学院で、そんな事件を起こさせるだなんて」

「ディーストン伯爵、夫人、落ち着てい下さい。俺はこの通り、ぴんぴんしてますし、アントアーネが助けてくれたので。それに俺を陥れようとした令嬢はもしかすると、ラドル殿と何らかの関係があったのかもしれません。詳しく調べてみないと、何とも言えませんが」

「ラドル、あの男、まだアントアーネに付きまとっているみたいだね。どこまで図々しんだ!」

「あなた、落ち着いて。あと少しの辛抱ですから」

「あと少しの辛抱とは、どういう意味ですか?」

 お母様がポロリと発した言葉を、私は聞き逃さなかった。

「いいえ、何でもないわ。それよりも、今日は疲れたでしょう。明日は貴族学院はお休みだし、ゆっくり休みなさい。とはいえ、ブラッド様は学院に行かなければいけないけれど」

 さあ、早く休んでと言わんばかりに、私とブラッド様の背中を押しているお母様。何をそんなに焦っているのかしら?

「伯爵、夫人、お待ちください。実はお2人に、大切なお話しがあるのです。少しお時間を頂いても、よろしいでしょうか?」

「ああ、構わないよ。それじゃあ、客間でゆっくり話をしよう」

 両親とブラッド様と一緒に、客間へとやって来た。そしてブラッド様と並んで座る。

「相変わらずあなた達は仲がいいわね。それで、一体何の話なの?もしかして、いい話だったりして」

 なぜかお母様の顔が、にやけている。もう、お母様ったら。一体何を期待しているのかしら。

「それで、何の話だい?」

 改めてお父様が、ブラッド様に聞いた。

「はい、実は今日、アントアーネに俺の気持ちを伝えました。アントアーネも俺の気持ちに応えてくれ、卒業後は一緒にリューズ王国に行く事を了承してくれたので、そのご報告をと思いまして」

「まあ、それは本当なの?よかったわ。アントアーネはものすごく頑固だから、このままだと自分の気持ちに蓋をして、リューズ王国にはいかないと言い続けるのではないかと心配していたの」

「これはめでたい。それじゃあ、早速リューズ王国に行くための手続きを行わないと」

「リマにも早速知らせないと。きっと泣いて喜ぶわよ。それで、婚約はいつにする?早い方がいいわよね。明日にでも婚約をして、その日のうちに発表するなんてどう?」

「そうだな、アントアーネもブラッド殿もこの国にいられるのは、後1ヶ月もないのだから。すぐに婚約を結んで、発表しないと。2人が婚約を結べば、きっともうラドル殿も諦めるだろう」

 両親が興奮気味で、話を進めている。

「お待ちください、伯爵、夫人。婚約を結ぶのも、発表するのも少し待っていただけますか。ラドル殿をこれ以上刺激するべきではないと思うのです。あの男は、恐ろしいほどアントアーネに執着しております。

 もしアントアーネが俺と婚約をした事を知ったら、何をしでかすか分かりません。まずはアントアーネの安全を、最優先にしたいのです」

「私もその方がいいと思いますわ。私から見ても、あの人は狂っています。私に刃を向けるのならまだしも、2度もブラッド様に危害を加えようとしたのです。もし私たちが婚約して、リューズ王国に行く事を知ったら、何をしでかすか分かりませんわ。

 私はなるべく穏便に事を進めたいのです。これ以上トラブルに巻き込まれるのは、御免ですわ」

 もし私がリューズ王国に行くと知ったら、本当に何をしでかすか分からない。最悪、ブラッド様のお命を…なんて事も考えられるのだ。それほどまでに、あの男は狂っている。

「2人の気持ちは分かったよ。それじゃあ、2人の婚約は一旦保留にしよう。それから、アントアーネの出国の手続きは、内密に行おう」

「そうね、2人がそう言うのなら仕方がないわね。2人の婚約披露パーティーは、リューズ王国で行うようにしましょう。その様に、リマにも伝えておくわ。それにしても、ラドル様のせいでどうしてアントアーネ達が、我慢しないといけないのかしら?本当に、憎らしい男だわ」

 お母様が、悔しそうに唇を噛んでいる。確かにあの男のせいで、私たちが我慢しなければいけないのは、癪に障る。

 でもそれ以上に、もう面倒な事に関わりたくはないのだ。あと1ヶ月我慢すれば、もう自由なのだから。
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