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復讐編
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第十三章:盤上の駒
ディディアラの戦いは、盤上遊戯に似ていた。
相手の駒(叔父や王子)の動きを読み、自分の駒(情報や策略)を静かに、しかし着実に進めていく。その一手は、誰にも予測できないほど大胆だった。
乳母からの情報で、叔父が国王主催の夜通しの会議で城を不在にする夜を、ディディアラは待っていた。
しかし彼女は、闇に紛れる黒衣など用意しない。自室の鏡の前で瞳を閉じ、憎き叔父の姿を、その骨格から皺の一本一本まで、完璧に脳裏に描く。
ふわり、と体が浮き上がるような不思議な感覚。目を開けると、鏡に映っていたのは、威圧的な長身に、鋭い目つきを持つアークライト公爵その人だった。ディディアラは、叔父の顔で、冷たく歪んだ笑みを浮かべた。
彼女は「アークライト公爵」として、自室を出て堂々と廊下を歩いた。深夜にもかかわらず、すれ違う衛兵や侍女たちは、主の姿に驚きながらも深々と頭を下げる。
「旦那様、今お帰りになられたのですか?」
「いや、急ぎの書類を忘れてな」
ディディアラは、叔父の低く不機嫌そうな声を完璧に模倣して答えた。誰も、目の前の主君が、虐げられていたはずの姪だとは夢にも思わない。
目的の書斎の前に立つ。厳重な魔力による封印が施されているが、それも主の前では無力だ。
ディディアラは、叔父がいつもするように、指輪をかざして呪文を唱える。いとも簡単に、重厚な扉は主を迎え入れた。
書斎の奥、肖像画の裏に隠された金庫。これも、叔父本人でなければ開けられない仕掛け。だが、ディディアラは躊躇わない。
今の彼女は、この部屋の主そのものなのだから。金庫に手を触れると、魔法の紋様が青白い光を放ち、ディディアラの手を「本人」として認識した。カチリ、と心地よい音を立て、罪の証が姿を現す。
ディディアラは裏帳簿の重要なページを数枚抜き取ると、寸分違わぬ偽物とすり替え、何事もなかったかのように金庫を閉めた。
翌日には、再び完璧な令嬢「ララフィーナ」として、アレクシス王子の前に姿を現す。
「アレクシス様、近頃、お父様の様子が少しおかしいのです」
彼女は、心底心配だという表情で眉をひそめた。
「夜中まで書斎に篭り、何やら焦っているような…家の財政について尋ねても、決して目を合わせてくださいません。まるで、何かを隠しているようで…娘として、不安でなりませんの」
その儚げな姿と、的を射た懸念に、王子の中に薄々感じていたアークライト公爵への「違和感」は、確かな「不信感」へと育っていく。
彼はディディアラを慰めながらも、内心では国王に報告すべきか考え始めていた。
ディディアラは、王子の心という盤の上に、見事に疑念の駒を置いたのだ。
第十四章:砕け散る鏡
ララフィーナは、完全に光を失っていた。
屋根裏部屋から一歩も出ず、一日中、唯一の宝物である手鏡を眺めては、そこに映る「本物の自分」に話しかけ、か細い声で笑っていた。
それが、彼女が正気を保つための、最後の儀式だった。
ある午後、その聖域に、ノックもなしにディディアラ(ララフィーナの姿)が入ってきた。
その手には、裁縫用の大きなハサミが握られている。
「お姉様、お見舞いにまいりましたわ」
天使の笑顔。しかし、その瞳は絶対零度の光を宿していた。
ディディアラは部屋の隅にかけられていた、ララフィーナがかつて最も気に入っていた舞踏会用のドレスを手に取った。
「まあ、お姉様。まだこんな古臭いドレスを?確かに、私がお下がりとしてプレゼントしたものではありますが…。
やはり今の『あなた』には、少し派手すぎますわね」
ジョキリ、と無慈悲な音が響く。上質なシルクが、レースが、見るも無残に切り裂かれていく。それは、かつてララフィーナがディディアラの母の形見にしたことと、全く同じ行為だった。
「や…やめて…!」
ララフィーナが、獣のような声を上げた。
「やめなさい!それは、わたくしの…!」
彼女はディディアラに掴みかかろうと、ベッドから転がり落ちた。
その瞬間、ディディアラは計算通りに体勢を崩し、ララフィーナの手を払いのける。
その拍子に、ララフィーナが必死に握りしめていた手鏡が、カラン、と乾いた音を立てて石の床に落ちた。
パリン――。
世界が砕け散る音がした。
ララフィーナの「唯一の真実」が、粉々になった。破片の一つひとつには、もはや何も映らない。
「あ…あ…ああ…」
拠り所を失ったララフィーナは、床に散らばった破片をかき集めようとするが、その指先は虚しく床を掻くだけ。
「あは…あはは、あはははははは!」
ついに、彼女の精神を繋ぎとめていた最後の糸が、ぷつりと切れた。泣いているのか、笑っているのかもわからない声が、がらんとした部屋に響き渡る。もはや、彼女の瞳には何の光も宿っていなかった。
この出来事は、即座に「錯乱したディディアラが、見舞いに来た妹ララフィーナに襲いかかった」と報告された。
ララフィーナは「危険な狂人」として、塔の一室に幽閉されることになった。
ディディアラは、幽閉される彼女の後ろ姿を、冷たく見送っていた。
これで、盤上から邪魔な駒が一つ、ディディアラの視界から消えた。
第14.5章:狂人の塔
ララフィーナ(ディディアラの姿)が幽閉された塔は、公爵家にとって「隠すべき恥」そのものだった。
ある夜、叔父である公爵が、その塔を密かに訪れた。酒の匂いをまとわせた彼は、鉄格子の前に立つと、中にうずくまるディディアラの姿を、憎悪に満ちた目で見下ろした。
「まだ生きていたか、この出来損ないめが」
中から、意味をなさないうめき声が返ってくるだけ。
「なぜなのだ!なぜお前は、ララフィーナのようになれん!あいつの爪の垢でも煎じて飲めば、少しはマシになると思っていたが…この家の名を汚すことしかできんとは!」
叔父は衛兵に命じて鍵を開けさせると、中へ入り、怯える彼女の髪を鷲掴みにして引き起こした。
「お前のその顔を見るだけで、虫唾が走る!もはやお前は、アークライトの人間ではない。」
彼はそう吐き捨てると、彼女を壁に突き飛ばし、部屋を出て行った。彼にとって、それは「ディディアラ」への当然の罰であり、そこに実の娘を傷つけているという認識は、欠片もなかった。
アレクシス王子もまた、数日後にその塔を訪れた。
婚約者である「ララフィーナ」(ディディアラ)から、姉の奇行について涙ながらに相談され、彼の心は正義感と憎しみで満ちていた。
「ディディアラ」
彼が名を呼ぶと、暗闇の中からおぼつかない足取りで彼女が現れ、何かを訴えるように手を伸ばしてきた。その瞳には、かつての光はない。
王子は、その手を氷のような目で見つめ、無慈悲にパシンと振り払った。
「君さえいなければ、ララフィーナは心を痛めることもなかった。君の存在そのものが、罪なのだ」
彼は衛兵を呼び、冷たく命じた。
「この者に食事を、与える事をやめろ。
これ以上、無駄な食糧を使わせる必要はない。狂人が静かに過ごせるよう、配慮してやれ」
それは、王子としての「裁き」のつもりだった。相手が、憎むべき「悪女ディディアラ」だからこそ、何の良心の呵責も感じなかった。むしろ、愛する人を守るための正しい行いだとさえ信じていた。
二人は知らなかった。自分たちが、憎しみという名の毒で、自らの最も大切なものを、その手で壊しているということを。
第十五章:断罪の招待状
舞台は整った。
国王主催、建国記念夜会。王侯貴族が一同に会する、一年で最も華やかな祝祭。ディディアラは、この場所を叔父の断罪の舞台として選んだ。
夜会の数日前、王宮と、叔父と敵対する派閥の有力貴族たち数名のもとに、差出人不明の一通の手紙が届いた。
中には、アークライト公爵家の裏帳簿の写しと、不正な取引を証明する数々の証文。
そして、一枚のカードが添えられていた。
『真実は、建国記念の夜に明らかにされる』
王宮内では、静かな嵐が巻き起こっていた。
そして、夜会の前日。ディディアラは、アレクシス王子に静かに告げた。
「アレクシス様。明日の夜会で、あなた様にお伝えしなければならないことがあります。アークライト家の…そして、私の、本当の真実を」
その真剣な眼差しに、王子はゴクリと喉を鳴らした。
夜会当日。
ディディアラは、鏡の前に立っていた。そこに映るのは、完璧な令嬢ララフィーナ。
彼女は、月の光を織り込んだような、荘厳で美しいドレスを身にまとっていた。それは、かつての母アリアンナが、最も輝いていた時期に好んだデザイン。
乳母が、そっと後ろからディディアラの肩にショールをかけた。
「ララフィーナ様…いいえ、ディディアラ様。お気をつけて」
「ええ」
ディディアラは、壁にかけられた母の肖像画を見つめた。
(お母様、お父様。見ていてください。私が、あなた方の名誉と、私自身の人生を、今宵、取り戻します)
その瞳には、聖なる復讐の炎と、氷のような絶対の冷静さが同居していた。
彼女は、もはや虐げられた少女ではない。
自らの運命をその手に掴み、罪を裁くために戦場へと向かう、気高き女王だった。
断罪の夜会への扉が、今、開かれる。
ディディアラの戦いは、盤上遊戯に似ていた。
相手の駒(叔父や王子)の動きを読み、自分の駒(情報や策略)を静かに、しかし着実に進めていく。その一手は、誰にも予測できないほど大胆だった。
乳母からの情報で、叔父が国王主催の夜通しの会議で城を不在にする夜を、ディディアラは待っていた。
しかし彼女は、闇に紛れる黒衣など用意しない。自室の鏡の前で瞳を閉じ、憎き叔父の姿を、その骨格から皺の一本一本まで、完璧に脳裏に描く。
ふわり、と体が浮き上がるような不思議な感覚。目を開けると、鏡に映っていたのは、威圧的な長身に、鋭い目つきを持つアークライト公爵その人だった。ディディアラは、叔父の顔で、冷たく歪んだ笑みを浮かべた。
彼女は「アークライト公爵」として、自室を出て堂々と廊下を歩いた。深夜にもかかわらず、すれ違う衛兵や侍女たちは、主の姿に驚きながらも深々と頭を下げる。
「旦那様、今お帰りになられたのですか?」
「いや、急ぎの書類を忘れてな」
ディディアラは、叔父の低く不機嫌そうな声を完璧に模倣して答えた。誰も、目の前の主君が、虐げられていたはずの姪だとは夢にも思わない。
目的の書斎の前に立つ。厳重な魔力による封印が施されているが、それも主の前では無力だ。
ディディアラは、叔父がいつもするように、指輪をかざして呪文を唱える。いとも簡単に、重厚な扉は主を迎え入れた。
書斎の奥、肖像画の裏に隠された金庫。これも、叔父本人でなければ開けられない仕掛け。だが、ディディアラは躊躇わない。
今の彼女は、この部屋の主そのものなのだから。金庫に手を触れると、魔法の紋様が青白い光を放ち、ディディアラの手を「本人」として認識した。カチリ、と心地よい音を立て、罪の証が姿を現す。
ディディアラは裏帳簿の重要なページを数枚抜き取ると、寸分違わぬ偽物とすり替え、何事もなかったかのように金庫を閉めた。
翌日には、再び完璧な令嬢「ララフィーナ」として、アレクシス王子の前に姿を現す。
「アレクシス様、近頃、お父様の様子が少しおかしいのです」
彼女は、心底心配だという表情で眉をひそめた。
「夜中まで書斎に篭り、何やら焦っているような…家の財政について尋ねても、決して目を合わせてくださいません。まるで、何かを隠しているようで…娘として、不安でなりませんの」
その儚げな姿と、的を射た懸念に、王子の中に薄々感じていたアークライト公爵への「違和感」は、確かな「不信感」へと育っていく。
彼はディディアラを慰めながらも、内心では国王に報告すべきか考え始めていた。
ディディアラは、王子の心という盤の上に、見事に疑念の駒を置いたのだ。
第十四章:砕け散る鏡
ララフィーナは、完全に光を失っていた。
屋根裏部屋から一歩も出ず、一日中、唯一の宝物である手鏡を眺めては、そこに映る「本物の自分」に話しかけ、か細い声で笑っていた。
それが、彼女が正気を保つための、最後の儀式だった。
ある午後、その聖域に、ノックもなしにディディアラ(ララフィーナの姿)が入ってきた。
その手には、裁縫用の大きなハサミが握られている。
「お姉様、お見舞いにまいりましたわ」
天使の笑顔。しかし、その瞳は絶対零度の光を宿していた。
ディディアラは部屋の隅にかけられていた、ララフィーナがかつて最も気に入っていた舞踏会用のドレスを手に取った。
「まあ、お姉様。まだこんな古臭いドレスを?確かに、私がお下がりとしてプレゼントしたものではありますが…。
やはり今の『あなた』には、少し派手すぎますわね」
ジョキリ、と無慈悲な音が響く。上質なシルクが、レースが、見るも無残に切り裂かれていく。それは、かつてララフィーナがディディアラの母の形見にしたことと、全く同じ行為だった。
「や…やめて…!」
ララフィーナが、獣のような声を上げた。
「やめなさい!それは、わたくしの…!」
彼女はディディアラに掴みかかろうと、ベッドから転がり落ちた。
その瞬間、ディディアラは計算通りに体勢を崩し、ララフィーナの手を払いのける。
その拍子に、ララフィーナが必死に握りしめていた手鏡が、カラン、と乾いた音を立てて石の床に落ちた。
パリン――。
世界が砕け散る音がした。
ララフィーナの「唯一の真実」が、粉々になった。破片の一つひとつには、もはや何も映らない。
「あ…あ…ああ…」
拠り所を失ったララフィーナは、床に散らばった破片をかき集めようとするが、その指先は虚しく床を掻くだけ。
「あは…あはは、あはははははは!」
ついに、彼女の精神を繋ぎとめていた最後の糸が、ぷつりと切れた。泣いているのか、笑っているのかもわからない声が、がらんとした部屋に響き渡る。もはや、彼女の瞳には何の光も宿っていなかった。
この出来事は、即座に「錯乱したディディアラが、見舞いに来た妹ララフィーナに襲いかかった」と報告された。
ララフィーナは「危険な狂人」として、塔の一室に幽閉されることになった。
ディディアラは、幽閉される彼女の後ろ姿を、冷たく見送っていた。
これで、盤上から邪魔な駒が一つ、ディディアラの視界から消えた。
第14.5章:狂人の塔
ララフィーナ(ディディアラの姿)が幽閉された塔は、公爵家にとって「隠すべき恥」そのものだった。
ある夜、叔父である公爵が、その塔を密かに訪れた。酒の匂いをまとわせた彼は、鉄格子の前に立つと、中にうずくまるディディアラの姿を、憎悪に満ちた目で見下ろした。
「まだ生きていたか、この出来損ないめが」
中から、意味をなさないうめき声が返ってくるだけ。
「なぜなのだ!なぜお前は、ララフィーナのようになれん!あいつの爪の垢でも煎じて飲めば、少しはマシになると思っていたが…この家の名を汚すことしかできんとは!」
叔父は衛兵に命じて鍵を開けさせると、中へ入り、怯える彼女の髪を鷲掴みにして引き起こした。
「お前のその顔を見るだけで、虫唾が走る!もはやお前は、アークライトの人間ではない。」
彼はそう吐き捨てると、彼女を壁に突き飛ばし、部屋を出て行った。彼にとって、それは「ディディアラ」への当然の罰であり、そこに実の娘を傷つけているという認識は、欠片もなかった。
アレクシス王子もまた、数日後にその塔を訪れた。
婚約者である「ララフィーナ」(ディディアラ)から、姉の奇行について涙ながらに相談され、彼の心は正義感と憎しみで満ちていた。
「ディディアラ」
彼が名を呼ぶと、暗闇の中からおぼつかない足取りで彼女が現れ、何かを訴えるように手を伸ばしてきた。その瞳には、かつての光はない。
王子は、その手を氷のような目で見つめ、無慈悲にパシンと振り払った。
「君さえいなければ、ララフィーナは心を痛めることもなかった。君の存在そのものが、罪なのだ」
彼は衛兵を呼び、冷たく命じた。
「この者に食事を、与える事をやめろ。
これ以上、無駄な食糧を使わせる必要はない。狂人が静かに過ごせるよう、配慮してやれ」
それは、王子としての「裁き」のつもりだった。相手が、憎むべき「悪女ディディアラ」だからこそ、何の良心の呵責も感じなかった。むしろ、愛する人を守るための正しい行いだとさえ信じていた。
二人は知らなかった。自分たちが、憎しみという名の毒で、自らの最も大切なものを、その手で壊しているということを。
第十五章:断罪の招待状
舞台は整った。
国王主催、建国記念夜会。王侯貴族が一同に会する、一年で最も華やかな祝祭。ディディアラは、この場所を叔父の断罪の舞台として選んだ。
夜会の数日前、王宮と、叔父と敵対する派閥の有力貴族たち数名のもとに、差出人不明の一通の手紙が届いた。
中には、アークライト公爵家の裏帳簿の写しと、不正な取引を証明する数々の証文。
そして、一枚のカードが添えられていた。
『真実は、建国記念の夜に明らかにされる』
王宮内では、静かな嵐が巻き起こっていた。
そして、夜会の前日。ディディアラは、アレクシス王子に静かに告げた。
「アレクシス様。明日の夜会で、あなた様にお伝えしなければならないことがあります。アークライト家の…そして、私の、本当の真実を」
その真剣な眼差しに、王子はゴクリと喉を鳴らした。
夜会当日。
ディディアラは、鏡の前に立っていた。そこに映るのは、完璧な令嬢ララフィーナ。
彼女は、月の光を織り込んだような、荘厳で美しいドレスを身にまとっていた。それは、かつての母アリアンナが、最も輝いていた時期に好んだデザイン。
乳母が、そっと後ろからディディアラの肩にショールをかけた。
「ララフィーナ様…いいえ、ディディアラ様。お気をつけて」
「ええ」
ディディアラは、壁にかけられた母の肖像画を見つめた。
(お母様、お父様。見ていてください。私が、あなた方の名誉と、私自身の人生を、今宵、取り戻します)
その瞳には、聖なる復讐の炎と、氷のような絶対の冷静さが同居していた。
彼女は、もはや虐げられた少女ではない。
自らの運命をその手に掴み、罪を裁くために戦場へと向かう、気高き女王だった。
断罪の夜会への扉が、今、開かれる。
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