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第9章 推理編
改良型
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「この屋敷のどこかにあると思いますけどね」
広大な和見屋敷のどこか?
屋敷内にある無数の物品から媒介物を探し出す必要がある?
無理だ。
それじゃ、間に合わない。
目の前の位相空間では、今も危険な状態が続いているというのに。
「ああ、ヒントはありますから」
「……」
「位相はこちらとは異なる世界。色々違いがあるんです。それなら、その違いを探せばいいと思いません?」
何を言っている?
「この屋敷内に本来存在するはずのない位相の痕跡。それがある場所が位相との接点。つまり……」
「そこに媒介物が存在する」
「ご名答」
異なるモノ。
痕跡を探せばいい。
「ほんと、ぼくは親切だなぁ」
「……」
「でも、これは貸しですよ。忘れないでくださいね」
「……位相空間に渡れたらな」
「ふふ、大丈夫ですって」
「……」
「さて、そろそろ時間です」
「おい!」
既に足下が消えている。
「待て!」
まだ話が残ってるぞ。
「今日も楽しかったですよ、有馬さん」
「ちょっと待て!」
「また会いましょう」
そう言い残して。
「……」
完全に消えてしまった。
地下室から去ってしまった。
もう気配も残っていない。
「……」
いいだろう。
ここからは、ひとりで何とかしてやる。
まずは、痕跡。
和見家に残る異常、異質なモノを……。
迷うまでもない。
この肌を刺すような違和感、瘴気だ。
最も濃密にそれを感じさせるのは地下室。
この部屋に媒介物が存在するってことだろ。
********************
<古野白楓季視点>
ゆっくりと立ち上がり、体を確認。
「……」
さすが改良型アンチUP。
まだ少し体は重いけれど、手も足も自由に動く。
異能も。
「なっ、何!」
立ち上がった私の眼前には、倒れ伏したままの念動力者と驚愕の表情を浮かべる壬生兄。
「おまえ、動けないはずじゃ?」
「前回はそうだったわね」
「あの男だけじゃなく、おまえまで……」
改良前のアンチUPでは上手く動くことができなかった前回、武上君だけは動けていた。改良型の今回、武上君はもちろん。私も動けるのよ!
「だから言ったでしょ」
「……」
「あなたを捕縛するって」
「馬鹿な!」
馬鹿、馬鹿って、そればっかり。
あなた、分かっているのかしら?
それこそ、馬鹿のひとつ覚えというものよ。
「あり得ない……」
「どう、降参でもする?」
「……」
「降参するなら、今後のこと考えなくもないわ」
「ちっ! 調子に乗るな!」
分かってないわねぇ。
乗れる調子には乗るものよ。
「誰が降参など!」
「そう」
よかった。
ここで降参なんて、つまらないものね。
そんなあなたには。
「炎弾!」
調子に乗ったこれをプレゼントしてあげる。
広大な和見屋敷のどこか?
屋敷内にある無数の物品から媒介物を探し出す必要がある?
無理だ。
それじゃ、間に合わない。
目の前の位相空間では、今も危険な状態が続いているというのに。
「ああ、ヒントはありますから」
「……」
「位相はこちらとは異なる世界。色々違いがあるんです。それなら、その違いを探せばいいと思いません?」
何を言っている?
「この屋敷内に本来存在するはずのない位相の痕跡。それがある場所が位相との接点。つまり……」
「そこに媒介物が存在する」
「ご名答」
異なるモノ。
痕跡を探せばいい。
「ほんと、ぼくは親切だなぁ」
「……」
「でも、これは貸しですよ。忘れないでくださいね」
「……位相空間に渡れたらな」
「ふふ、大丈夫ですって」
「……」
「さて、そろそろ時間です」
「おい!」
既に足下が消えている。
「待て!」
まだ話が残ってるぞ。
「今日も楽しかったですよ、有馬さん」
「ちょっと待て!」
「また会いましょう」
そう言い残して。
「……」
完全に消えてしまった。
地下室から去ってしまった。
もう気配も残っていない。
「……」
いいだろう。
ここからは、ひとりで何とかしてやる。
まずは、痕跡。
和見家に残る異常、異質なモノを……。
迷うまでもない。
この肌を刺すような違和感、瘴気だ。
最も濃密にそれを感じさせるのは地下室。
この部屋に媒介物が存在するってことだろ。
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<古野白楓季視点>
ゆっくりと立ち上がり、体を確認。
「……」
さすが改良型アンチUP。
まだ少し体は重いけれど、手も足も自由に動く。
異能も。
「なっ、何!」
立ち上がった私の眼前には、倒れ伏したままの念動力者と驚愕の表情を浮かべる壬生兄。
「おまえ、動けないはずじゃ?」
「前回はそうだったわね」
「あの男だけじゃなく、おまえまで……」
改良前のアンチUPでは上手く動くことができなかった前回、武上君だけは動けていた。改良型の今回、武上君はもちろん。私も動けるのよ!
「だから言ったでしょ」
「……」
「あなたを捕縛するって」
「馬鹿な!」
馬鹿、馬鹿って、そればっかり。
あなた、分かっているのかしら?
それこそ、馬鹿のひとつ覚えというものよ。
「あり得ない……」
「どう、降参でもする?」
「……」
「降参するなら、今後のこと考えなくもないわ」
「ちっ! 調子に乗るな!」
分かってないわねぇ。
乗れる調子には乗るものよ。
「誰が降参など!」
「そう」
よかった。
ここで降参なんて、つまらないものね。
そんなあなたには。
「炎弾!」
調子に乗ったこれをプレゼントしてあげる。
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