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第9章 推理編
攻防 5
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<古野白楓季視点>
「なっ!?」
「炎弾!」
「ま、まて!」
「炎弾!」
「ひっ!」
恥ずかしげもなく逃げ惑う壬生兄。
さっきまでの威勢は見る影もないじゃない。
相変わらず、攻撃に弱い人ね。
とはいえ、こっちも過重のせいで体が重い。動きもいまひとつ。
「解除だ、解除! おまえが相手しろ!」
そう思っていたら、重力の異能が解除された。
「立て!」
「うっ」
「おまえが、こいつの相手をするんだ!」
逃げながら、念動力者を怒鳴りつけている。
「さっさと起きるんだ!」
ほんと、みっともない。
「早くしろ!」
「……」
自分の異能で地面に貼り付けておきながら、どの口が言うのかしら。
酷い上司を持つと大変ね、念動力者さん。
少しだけ同情するわ。
「うぅ……」
不憫なあなたを、優しく眠らせてあげる。
軽くなったこの右足でね。
「あっ、うぐっ!」
おやすみなさい。
「っ、卑怯な! 倒れている相手に!」
「はあ~。あなた、よくそんなことが言えるわね。恥って言葉知らないの?」
「な、んだと!!」
馬鹿らしい。
こんなやつの相手、いつまでもしてられないわ。
「炎弾!」
「おい!」
「炎弾!」
「や、やめ!」
「炎弾!」
「ひぃぃ!」
やっぱり、避けるのだけは上手い。
でもね、いつまでも避けられないでしょ。
「炎弾!」
「熱ぅ!」
はい、的中。
「た、助けっ!」
足が止まったところで、仕上げを。
「助けてくれ、吾妻さん!」
残念。
助けが来る前に。
「炎舞!」
「ぎゃあぁぁ!!」
揺れる炎に包まれながらの絶叫。
「ああぁぁぁ……たす、け……」
大丈夫。
命までは奪わないわ。
「た、す……」
「……」
もう動けないでしょうけど、あの重力操作は厄介。
だから、眠ってなさい。
あなたには、そうね。
優しくない一撃をあげる。
ドン!
「あぐっ……」
あっけなく地面に崩れ落ちた。
「……」
重力の異能を解除したのが失敗だったのよ。
それに、全く連携が取れていなかったのも。
壬生兄と念動力者だけじゃない。
奥の2人なんか、戦闘に加わることもなかったのだから。
さてと。
ここまでは想像以上に上手く事を運べたけれど……。
問題はこれから。
「古野白、そっちは大丈夫か」
「ええ」
ちょうど今、武上君も1人倒したところ。
残る異能者は2人。
空間を操る異能者と容姿端麗な男性異能者。
「……」
「……」
この状況でも、動こうとしない。
終始無言で無表情。
それでいて、ただならぬ空気を発している異能者。
やはり、気味が悪い。
ぞっとしないわ。
ほんと……。
「吾妻さん、そろそろ?」
「……そうだな」
吾妻と呼ばれたその異能者がついに言葉を発した。
「お願いします」
「ああ」
えっ?
これは?
空気が変わった?
一瞬にして空間内の温度が上がったと思われるくらいの劇的な変化。
信じられない。
「武上君!」
「古野白、気をつけろ!」
「ええ」
「あいつは、やりそうだぞ」
武上君が戦闘前に警戒している?
「……」
珍しい眺めを前にして僅かに気を取られた、その瞬間。
「古野白ぉ!」
「!?」
敵が目の前?
まだ距離があったはずじゃ?
「避けろ!」
音もなく迫って来る右拳!
「ぐっ!」
無理やり身体を捻じるようにして。
すんでのところで回避。
なんとか避けることができた。
なのに。
「まだだ」
私の脇を通過した相手の右腕。
それが水平に薙ぎ払われてくる。
向かってくる!
「っ!」
危機的状況に体が動き。
反射的に左に跳躍。
よし、ギリギリで成功……していない?
避けたはずの私の身に敵の腕が伸びて!
それをさらに避けようと!
「痛ぅ!」
右脇腹を擦られてしまった。
直撃はなんとか逃れたけれど、それでも服は裂け皮膚にも届いてしまった。
鈍い痛みが……。
「!?」
と、ここからまた追撃?
今度は左の拳。
強烈な正拳だ!
「なっ!?」
「炎弾!」
「ま、まて!」
「炎弾!」
「ひっ!」
恥ずかしげもなく逃げ惑う壬生兄。
さっきまでの威勢は見る影もないじゃない。
相変わらず、攻撃に弱い人ね。
とはいえ、こっちも過重のせいで体が重い。動きもいまひとつ。
「解除だ、解除! おまえが相手しろ!」
そう思っていたら、重力の異能が解除された。
「立て!」
「うっ」
「おまえが、こいつの相手をするんだ!」
逃げながら、念動力者を怒鳴りつけている。
「さっさと起きるんだ!」
ほんと、みっともない。
「早くしろ!」
「……」
自分の異能で地面に貼り付けておきながら、どの口が言うのかしら。
酷い上司を持つと大変ね、念動力者さん。
少しだけ同情するわ。
「うぅ……」
不憫なあなたを、優しく眠らせてあげる。
軽くなったこの右足でね。
「あっ、うぐっ!」
おやすみなさい。
「っ、卑怯な! 倒れている相手に!」
「はあ~。あなた、よくそんなことが言えるわね。恥って言葉知らないの?」
「な、んだと!!」
馬鹿らしい。
こんなやつの相手、いつまでもしてられないわ。
「炎弾!」
「おい!」
「炎弾!」
「や、やめ!」
「炎弾!」
「ひぃぃ!」
やっぱり、避けるのだけは上手い。
でもね、いつまでも避けられないでしょ。
「炎弾!」
「熱ぅ!」
はい、的中。
「た、助けっ!」
足が止まったところで、仕上げを。
「助けてくれ、吾妻さん!」
残念。
助けが来る前に。
「炎舞!」
「ぎゃあぁぁ!!」
揺れる炎に包まれながらの絶叫。
「ああぁぁぁ……たす、け……」
大丈夫。
命までは奪わないわ。
「た、す……」
「……」
もう動けないでしょうけど、あの重力操作は厄介。
だから、眠ってなさい。
あなたには、そうね。
優しくない一撃をあげる。
ドン!
「あぐっ……」
あっけなく地面に崩れ落ちた。
「……」
重力の異能を解除したのが失敗だったのよ。
それに、全く連携が取れていなかったのも。
壬生兄と念動力者だけじゃない。
奥の2人なんか、戦闘に加わることもなかったのだから。
さてと。
ここまでは想像以上に上手く事を運べたけれど……。
問題はこれから。
「古野白、そっちは大丈夫か」
「ええ」
ちょうど今、武上君も1人倒したところ。
残る異能者は2人。
空間を操る異能者と容姿端麗な男性異能者。
「……」
「……」
この状況でも、動こうとしない。
終始無言で無表情。
それでいて、ただならぬ空気を発している異能者。
やはり、気味が悪い。
ぞっとしないわ。
ほんと……。
「吾妻さん、そろそろ?」
「……そうだな」
吾妻と呼ばれたその異能者がついに言葉を発した。
「お願いします」
「ああ」
えっ?
これは?
空気が変わった?
一瞬にして空間内の温度が上がったと思われるくらいの劇的な変化。
信じられない。
「武上君!」
「古野白、気をつけろ!」
「ええ」
「あいつは、やりそうだぞ」
武上君が戦闘前に警戒している?
「……」
珍しい眺めを前にして僅かに気を取られた、その瞬間。
「古野白ぉ!」
「!?」
敵が目の前?
まだ距離があったはずじゃ?
「避けろ!」
音もなく迫って来る右拳!
「ぐっ!」
無理やり身体を捻じるようにして。
すんでのところで回避。
なんとか避けることができた。
なのに。
「まだだ」
私の脇を通過した相手の右腕。
それが水平に薙ぎ払われてくる。
向かってくる!
「っ!」
危機的状況に体が動き。
反射的に左に跳躍。
よし、ギリギリで成功……していない?
避けたはずの私の身に敵の腕が伸びて!
それをさらに避けようと!
「痛ぅ!」
右脇腹を擦られてしまった。
直撃はなんとか逃れたけれど、それでも服は裂け皮膚にも届いてしまった。
鈍い痛みが……。
「!?」
と、ここからまた追撃?
今度は左の拳。
強烈な正拳だ!
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