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第46話 日常と恋の予感④
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アイリスとの空の散歩から数日。俺たちの日常はまた穏やかな軌道へと戻っていた。とはいえ、賑やかさだけは日に日に増していく一方だったが。
その日の午後、俺は教会の書斎で村の子供たちのために簡単な算術の教科書を手作りしていた。文字の読み書きはセレスティアが教えているが、計算のような論理的な思考は俺の方が得意だったからだ。
静かな部屋に、ペンが羊皮紙をこする音だけが響く。そんな心地よい集中を、静かな声が破った。
「……リアムさん」
顔を上げると入り口にソフィアが立っていた。その腕にはいつも通り、分厚く古めかしい本が数冊抱えられている。記憶を取り戻して以来、彼女は村の生活に貢献する傍ら、自身の知識の探求も続けていた。
「少し、お手伝いをいただけませんか?」
彼女は少し申し訳なさそうに言った。
「もちろん構わないが、俺に手伝えることなんてあるのか? 魔法のことはさっぱり分からないんだが」
俺がそう言うと、彼女は知的な笑みを浮かべた。
「ええ、だからこそなのです。今、古代文明の遺した文献を解読しているのですが、どうにも思考が行き詰まってしまいまして。リアムさんのような、魔術師とは異なる『生活者の視点』が新たな突破口になるかもしれない、と思ったのです」
彼女の言葉は俺という存在を的確に評価し、尊重してくれているのが分かって少し嬉しかった。
俺は作業を中断し、彼女が広げた大きな机へと向かった。机の上には俺には全く読めない複雑な古代文字で埋め尽くされた羊皮紙の写しが、何枚も広げられている。
「これは?」
「古代シルヴァリオン文明の、都市設計に関する記述です。彼らは魔法をエネルギーとして、極めて高度な生活インフラを構築していました。もしこの技術の一部でも現代に再現できれば、この村の生活はさらに豊かになるはずです」
彼女の紫色の瞳は、探究者のそれとしてきらきらと輝いていた。
彼女は俺にも分かるように、その内容を丁寧に説明してくれた。それは俺の想像を遥かに超える、魔法文明の姿だった。
天候を制御し一年中安定した収穫を可能にする『天候制御塔』。
大地から魔力を汲み上げ都市全体にエネルギーを供給する『地脈炉』。
そして人々の思念を記録し、知識を共有するための『思念結晶』。
まるでおとぎ話のような技術の数々。だがソフィアは、その理論を一つ一つ現実的な言葉で解説していく。
やがて彼女は一枚の図面を指さした。
「今、特に悩んでいるのがこの『魔力循環式浄水システム』の構造です。理論上は完璧なのですが、この部分の魔力効率がどうしても計算上、三割ほど低下してしまうのです。古代の賢者たちがなぜこのような非効率な設計をしたのか、その意-図が読めなくて……」
俺は、その複雑な魔法陣が描かれた図面を覗き込んだ。もちろん魔法的な意味は全く分からない。だがそこに描かれているのは、水の流れとエネルギーの伝達を示す一種の配管図のようにも見えた。
俺は生活者としての、ごく素朴な疑問を口にした。
「なあ、ソフィア。この魔力が一番集中している部分、なんだか熱がこもりそうじゃないか? 人間だって暑い場所で働き続けたら効率が落ちるだろう。魔力も同じなんじゃないか?」
俺の、あまりにも単純な指摘。
だが、その一言はソフィアにとってまさに天啓だった。
彼女は、はっとしたように目を見開いた。その紫色の瞳が驚愕に見開かれていく。
「熱……? そうか……熱伝導! 魔力は高密度になるほど熱エネルギーへと変換されやすい! わたしは魔力の流れだけを追っていて、その副産物である『熱』を完全に計算から除外していました……!」
彼女は興奮した様子で羊皮紙に素早く数式を書き込み始めた。
「この部分に冷却の魔法陣を組み込めば……! いえ、もっと単純に、この魔力回路を二手に分け並列に繋ぎ直すだけで負荷は分散され、熱の発生を抑えられる! そうすれば効率の低下は……計算上、ほぼゼロに……!」
彼女のペンが、答えを導き出した瞬間に止まった。
そして彼女はゆっくりと顔を上げ、信じられないものを見るような目で俺を見つめた。
「……リアムさん。あなたは天才です」
その言葉は、お世辞でも社交辞令でもなかった。心の底からの純粋な驚きと尊敬が込められていた。
「いや、俺はただ思ったことを言っただけで……」
「いいえ! この発想はわたしのような凝り固まった思考を持つ魔術師には、決して生まれません! 物事の本質を飾りなく、まっすぐに見抜く力……。リアムさん、あなたのその視点はどんな高位の魔法よりも価値があるものですわ」
彼女の手放しの称賛。その熱っぽい視線に、俺は少しだけ気圧された。
それから俺たちの共同作業は、夜遅くまで続いた。
俺が素朴な疑問を投げかけ、ソフィアがその専門知識で答えを導き出す。その繰り返しは驚くほど多くの発見を生み出した。俺にとっても自分の知らない世界の扉が、次々と開かれていくような刺激的で楽しい時間だった。
気づけば俺たちの距離は、ごく自然に近づいていた。机の上に広げられた一枚の羊皮紙を二人で覗き込む。彼女の夜空のような色の髪が、俺の肩にふわりと触れた。そのたびに彼女の知的な香りがして、心臓が小さく跳ねた。
やがて窓の外が完全に闇に包まれた頃、俺たちはようやく顔を上げた。
「……リアムさん」
ソフィアが静かに俺の名前を呼んだ。その声は少しだけ熱を帯びているようだった。
「あなたといると、世界がどこまでも広がっていくような気がします。一人で本を読んでいただけでは決して見ることのできなかった景色がそこにある。……今まで知らなかった新しい世界を見せてくださって、本当に、ありがとうございます」
その言葉は研究のパートナーへの感謝だった。だがそれだけではない、もっと深い個人的な感情が込められているのを、俺は確かに感じ取っていた。
それはセレスティアの献身とも、ルナリエルの不器用さとも、アイリスの純粋さとも違う。
共に知識を探求し互いの魂を高め合える相手を見つけた、知的な喜びに満ちた穏やかで、しかし確かな愛情の告白だった。
俺もまた彼女との時間に、これまでの誰との時間とも違う特別な心地よさを感じていた。
俺の中でソフィアという存在が、ただの仲間ではない唯一無二のパートナーとして、その意味を確立しようとしていた。
書斎の扉の外で、セレスティア、ルナリエル、アイリスの三人が耳をそばだて、そわそわと中の様子を窺っていることに、今の俺たちは全く気づいていなかった。
その日の午後、俺は教会の書斎で村の子供たちのために簡単な算術の教科書を手作りしていた。文字の読み書きはセレスティアが教えているが、計算のような論理的な思考は俺の方が得意だったからだ。
静かな部屋に、ペンが羊皮紙をこする音だけが響く。そんな心地よい集中を、静かな声が破った。
「……リアムさん」
顔を上げると入り口にソフィアが立っていた。その腕にはいつも通り、分厚く古めかしい本が数冊抱えられている。記憶を取り戻して以来、彼女は村の生活に貢献する傍ら、自身の知識の探求も続けていた。
「少し、お手伝いをいただけませんか?」
彼女は少し申し訳なさそうに言った。
「もちろん構わないが、俺に手伝えることなんてあるのか? 魔法のことはさっぱり分からないんだが」
俺がそう言うと、彼女は知的な笑みを浮かべた。
「ええ、だからこそなのです。今、古代文明の遺した文献を解読しているのですが、どうにも思考が行き詰まってしまいまして。リアムさんのような、魔術師とは異なる『生活者の視点』が新たな突破口になるかもしれない、と思ったのです」
彼女の言葉は俺という存在を的確に評価し、尊重してくれているのが分かって少し嬉しかった。
俺は作業を中断し、彼女が広げた大きな机へと向かった。机の上には俺には全く読めない複雑な古代文字で埋め尽くされた羊皮紙の写しが、何枚も広げられている。
「これは?」
「古代シルヴァリオン文明の、都市設計に関する記述です。彼らは魔法をエネルギーとして、極めて高度な生活インフラを構築していました。もしこの技術の一部でも現代に再現できれば、この村の生活はさらに豊かになるはずです」
彼女の紫色の瞳は、探究者のそれとしてきらきらと輝いていた。
彼女は俺にも分かるように、その内容を丁寧に説明してくれた。それは俺の想像を遥かに超える、魔法文明の姿だった。
天候を制御し一年中安定した収穫を可能にする『天候制御塔』。
大地から魔力を汲み上げ都市全体にエネルギーを供給する『地脈炉』。
そして人々の思念を記録し、知識を共有するための『思念結晶』。
まるでおとぎ話のような技術の数々。だがソフィアは、その理論を一つ一つ現実的な言葉で解説していく。
やがて彼女は一枚の図面を指さした。
「今、特に悩んでいるのがこの『魔力循環式浄水システム』の構造です。理論上は完璧なのですが、この部分の魔力効率がどうしても計算上、三割ほど低下してしまうのです。古代の賢者たちがなぜこのような非効率な設計をしたのか、その意-図が読めなくて……」
俺は、その複雑な魔法陣が描かれた図面を覗き込んだ。もちろん魔法的な意味は全く分からない。だがそこに描かれているのは、水の流れとエネルギーの伝達を示す一種の配管図のようにも見えた。
俺は生活者としての、ごく素朴な疑問を口にした。
「なあ、ソフィア。この魔力が一番集中している部分、なんだか熱がこもりそうじゃないか? 人間だって暑い場所で働き続けたら効率が落ちるだろう。魔力も同じなんじゃないか?」
俺の、あまりにも単純な指摘。
だが、その一言はソフィアにとってまさに天啓だった。
彼女は、はっとしたように目を見開いた。その紫色の瞳が驚愕に見開かれていく。
「熱……? そうか……熱伝導! 魔力は高密度になるほど熱エネルギーへと変換されやすい! わたしは魔力の流れだけを追っていて、その副産物である『熱』を完全に計算から除外していました……!」
彼女は興奮した様子で羊皮紙に素早く数式を書き込み始めた。
「この部分に冷却の魔法陣を組み込めば……! いえ、もっと単純に、この魔力回路を二手に分け並列に繋ぎ直すだけで負荷は分散され、熱の発生を抑えられる! そうすれば効率の低下は……計算上、ほぼゼロに……!」
彼女のペンが、答えを導き出した瞬間に止まった。
そして彼女はゆっくりと顔を上げ、信じられないものを見るような目で俺を見つめた。
「……リアムさん。あなたは天才です」
その言葉は、お世辞でも社交辞令でもなかった。心の底からの純粋な驚きと尊敬が込められていた。
「いや、俺はただ思ったことを言っただけで……」
「いいえ! この発想はわたしのような凝り固まった思考を持つ魔術師には、決して生まれません! 物事の本質を飾りなく、まっすぐに見抜く力……。リアムさん、あなたのその視点はどんな高位の魔法よりも価値があるものですわ」
彼女の手放しの称賛。その熱っぽい視線に、俺は少しだけ気圧された。
それから俺たちの共同作業は、夜遅くまで続いた。
俺が素朴な疑問を投げかけ、ソフィアがその専門知識で答えを導き出す。その繰り返しは驚くほど多くの発見を生み出した。俺にとっても自分の知らない世界の扉が、次々と開かれていくような刺激的で楽しい時間だった。
気づけば俺たちの距離は、ごく自然に近づいていた。机の上に広げられた一枚の羊皮紙を二人で覗き込む。彼女の夜空のような色の髪が、俺の肩にふわりと触れた。そのたびに彼女の知的な香りがして、心臓が小さく跳ねた。
やがて窓の外が完全に闇に包まれた頃、俺たちはようやく顔を上げた。
「……リアムさん」
ソフィアが静かに俺の名前を呼んだ。その声は少しだけ熱を帯びているようだった。
「あなたといると、世界がどこまでも広がっていくような気がします。一人で本を読んでいただけでは決して見ることのできなかった景色がそこにある。……今まで知らなかった新しい世界を見せてくださって、本当に、ありがとうございます」
その言葉は研究のパートナーへの感謝だった。だがそれだけではない、もっと深い個人的な感情が込められているのを、俺は確かに感じ取っていた。
それはセレスティアの献身とも、ルナリエルの不器用さとも、アイリスの純粋さとも違う。
共に知識を探求し互いの魂を高め合える相手を見つけた、知的な喜びに満ちた穏やかで、しかし確かな愛情の告白だった。
俺もまた彼女との時間に、これまでの誰との時間とも違う特別な心地よさを感じていた。
俺の中でソフィアという存在が、ただの仲間ではない唯一無二のパートナーとして、その意味を確立しようとしていた。
書斎の扉の外で、セレスティア、ルナリエル、アイリスの三人が耳をそばだて、そわそわと中の様子を窺っていることに、今の俺たちは全く気づいていなかった。
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