58 / 98
第58話 軋む歯車
しおりを挟む
優秀なヒーラーが見つからないまま、【熾天の剣】のダンジョン攻略はますます困難を極めていた。ガリウスの無謀な戦い方は変わらず、リリアの回復では到底追いつかない。その結果、彼らが頼らざるを得なくなったのが高価なポーションだった。
「ちっ、また無駄遣いを……!」
戦闘後、ジェイクは空になったポーションの小瓶を地面に叩きつけた。ミノタウロス一匹を倒すのに、最高級のヒーリングポーションとマナポーションを合わせて五本も消費してしまったのだ。
「仕方ないでしょう! ガリウス様の傷を癒すには、これしか……!」
リリアがか細い声で反論する。彼女の魔力はすでに底をつきかけていた。
「そもそも、ジェイクさんだってもっとうまく立ち回ってくだされば……!」
「ああん? 俺のせいだってのかよ!」
ジェイクがリリアに掴みかからんばかりに凄む。
「やめなさい、二人とも!」
ティナが苛立ちを隠せない様子で仲裁に入った。
「仲間内でいがみ合っても、何も解決しませんわ」
そのティナも内心では焦っていた。ポーションへの過剰な依存は、パーティの財政を急速に、そして確実に蝕んでいたからだ。
彼らがSランクとして受け取る依頼の報酬は確かに莫大だ。だが、その大半がポーションや武具の修理代に消えていく。以前はアレンという『無料の回復役』がいたため、経費はほとんどかからなかった。その頃の金銭感覚がまだ彼らから抜けきっていなかったのだ。
「……次の報酬は山分けではなく、今回の戦闘での貢献度に応じて分配すべきですわね」
ティナが冷たく言い放った。その視線は明らかにジェイクとリリアに向けられている。
「一番多く傷を負い、最も多くのポーションを消費したガリウス様の取り分が減るのは当然ですわ」
「なんだと!?」
ガリウスがその言葉に激昂した。
「俺が前線で体を張っているからこそ、貴様らは安全な後方から攻撃できるんだろうが! その俺の取り分を減らすだと! ふざけるな!」
「ですが、その戦い方が無駄な経費を生んでいる元凶ではありませんの?」
ティナはもはやガリウスへの恐怖よりも、金銭的な損失への怒りの方が勝っていた。
「そもそも、ガリウス様の取り分が一番多いということ自体、おかしいのですわ。パーティへの貢献度で言えば、魔法で広範囲の敵を殲滅できる私こそが……」
「一番貢献してんのは、斥候として危険な罠を発見し、敵の急所を突いてる俺だ!」
ジェイクも自分の取り分が減らされることを恐れ、必死に自己主張を始めた。
「皆さん、お金のことで争うのはやめましょう! 私たちは仲間じゃないですか!」
リリアの悲痛な叫びも、金に目が眩んだ彼らには届かない。
かつて、彼らの間には確かに仲間としての絆があったはずだった。だが、アレンという潤滑油を失い、金銭的な問題という軋轢が生じた今、その絆はもろくも崩れ去ろうとしていた。
彼らは互いを信頼する仲間ではなく、限られたパイを奪い合うただの競争相手になり下がっていたのだ。
その日の報酬分配は口論の末、結局うやむやになった。
だが、その日を境にパーティ内の雰囲気は決定的に変わってしまった。
戦闘中も彼らは互いを庇い合わなくなった。むしろ、他のメンバーが傷を負えば、その分ポーションを使うことになり自分の取り分が減るかもしれないと、冷ややかに見ていることさえあった。
連携は見る影もない。
ティナはガリウスが傷を負っても、自分の魔力を節約するためにぎりぎりまで援護魔法を撃たなくなった。
ジェイクは危険な偵察任務をわざと避け、安全な場所から戦闘を眺めることが増えた。
リリアは、そんなバラバラになった仲間たちを繋ぎ止めようと、自分の魔力が尽きるのも構わずに必死に回復と補助をかけ続けた。その結果、彼女の疲弊は限界に達しようとしていた。
そして、ガリウスはそんな仲間たちの変化に苛立ち、ますます無謀で自己中心的な戦い方にのめり込んでいった。
「使えん奴らだ! お前たちなど、いなくても俺一人で十分だ!」
彼はそう豪語し、さらに高価なポーションをまるで水のようにがぶ飲みしながら戦うようになった。
歯車は完全に狂っていた。
彼らは、自分たちの強さが個々の力ではなく、絶妙な連携とアレンという絶対的な支えの上で成り立っていたという単純な事実に、まだ気づいていなかった。
あるいは、気づいていながらも認めたくなかったのかもしれない。
そんなある日、彼らが依頼を終えて街に戻ると、ギルドの前がやけに騒がしいことに気づいた。人だかりの中心には一台の豪華な馬車が停まっている。馬車には王家の紋章が誇らしげに輝いていた。
「何事ですの?」
ティナが近くにいた冒険者に尋ねる。
冒険者は興奮した様子で答えた。
「王都から直々の依頼が来たらしい! それも、あの【黎明の翼】に名指しでだ!」
その言葉に、ガリウスたちの足が止まった。
「なんでも、最近王都周辺を荒らしている古代遺跡から現れたというキメラの討伐依頼らしい。Aランクの上位パーティでも手を焼いている難敵だとか」
「それをAランクになったばかりのあいつらに? いくら英雄様でも無茶だろ」
「いや、王宮は彼らならやれると踏んでるのさ。あの『辺境の聖者』様の奇跡があればってな」
アレン。アレン。アレン。
どこへ行ってもその名前が聞こえてくる。
自分たちが金のために仲間内で醜い争いを繰り広げている間に、あの男は王家から直々に依頼を受けるほどの本物の英雄になっていた。
ガリウスはギリッと奥歯を噛みしめた。
その時、ギルドの扉が開き、アレンとその仲間たちが出てきた。彼らは王宮の使者と何やら言葉を交わし、依頼の羊皮紙を受け取っている。その姿は堂々としていて、自信に満ち溢れていた。
ガリウスたちの、みすぼらしく疲弊しきった姿とはあまりにも対照的だった。
二つのパーティの視線が、一瞬だけ交錯した。
アレンはガリウスたちに気づくと、ほんのわずかに驚いたような顔をしたが、すぐに何も言わずに視線を逸らした。その目にはもはや何の感情も浮かんでいなかった。かつての仲間に対する憐れみさえも。
それは、かつて自分たちがアレンに向けていた目そのものだった。
その無関心な視線が、ガリウスのプライドを最も深く、そして残酷に抉った。
彼は震える拳を強く、強く握りしめた。
軋む歯車の音はもはや誰にも止められない。それは破滅へと向かう、不吉な序曲だった。
「ちっ、また無駄遣いを……!」
戦闘後、ジェイクは空になったポーションの小瓶を地面に叩きつけた。ミノタウロス一匹を倒すのに、最高級のヒーリングポーションとマナポーションを合わせて五本も消費してしまったのだ。
「仕方ないでしょう! ガリウス様の傷を癒すには、これしか……!」
リリアがか細い声で反論する。彼女の魔力はすでに底をつきかけていた。
「そもそも、ジェイクさんだってもっとうまく立ち回ってくだされば……!」
「ああん? 俺のせいだってのかよ!」
ジェイクがリリアに掴みかからんばかりに凄む。
「やめなさい、二人とも!」
ティナが苛立ちを隠せない様子で仲裁に入った。
「仲間内でいがみ合っても、何も解決しませんわ」
そのティナも内心では焦っていた。ポーションへの過剰な依存は、パーティの財政を急速に、そして確実に蝕んでいたからだ。
彼らがSランクとして受け取る依頼の報酬は確かに莫大だ。だが、その大半がポーションや武具の修理代に消えていく。以前はアレンという『無料の回復役』がいたため、経費はほとんどかからなかった。その頃の金銭感覚がまだ彼らから抜けきっていなかったのだ。
「……次の報酬は山分けではなく、今回の戦闘での貢献度に応じて分配すべきですわね」
ティナが冷たく言い放った。その視線は明らかにジェイクとリリアに向けられている。
「一番多く傷を負い、最も多くのポーションを消費したガリウス様の取り分が減るのは当然ですわ」
「なんだと!?」
ガリウスがその言葉に激昂した。
「俺が前線で体を張っているからこそ、貴様らは安全な後方から攻撃できるんだろうが! その俺の取り分を減らすだと! ふざけるな!」
「ですが、その戦い方が無駄な経費を生んでいる元凶ではありませんの?」
ティナはもはやガリウスへの恐怖よりも、金銭的な損失への怒りの方が勝っていた。
「そもそも、ガリウス様の取り分が一番多いということ自体、おかしいのですわ。パーティへの貢献度で言えば、魔法で広範囲の敵を殲滅できる私こそが……」
「一番貢献してんのは、斥候として危険な罠を発見し、敵の急所を突いてる俺だ!」
ジェイクも自分の取り分が減らされることを恐れ、必死に自己主張を始めた。
「皆さん、お金のことで争うのはやめましょう! 私たちは仲間じゃないですか!」
リリアの悲痛な叫びも、金に目が眩んだ彼らには届かない。
かつて、彼らの間には確かに仲間としての絆があったはずだった。だが、アレンという潤滑油を失い、金銭的な問題という軋轢が生じた今、その絆はもろくも崩れ去ろうとしていた。
彼らは互いを信頼する仲間ではなく、限られたパイを奪い合うただの競争相手になり下がっていたのだ。
その日の報酬分配は口論の末、結局うやむやになった。
だが、その日を境にパーティ内の雰囲気は決定的に変わってしまった。
戦闘中も彼らは互いを庇い合わなくなった。むしろ、他のメンバーが傷を負えば、その分ポーションを使うことになり自分の取り分が減るかもしれないと、冷ややかに見ていることさえあった。
連携は見る影もない。
ティナはガリウスが傷を負っても、自分の魔力を節約するためにぎりぎりまで援護魔法を撃たなくなった。
ジェイクは危険な偵察任務をわざと避け、安全な場所から戦闘を眺めることが増えた。
リリアは、そんなバラバラになった仲間たちを繋ぎ止めようと、自分の魔力が尽きるのも構わずに必死に回復と補助をかけ続けた。その結果、彼女の疲弊は限界に達しようとしていた。
そして、ガリウスはそんな仲間たちの変化に苛立ち、ますます無謀で自己中心的な戦い方にのめり込んでいった。
「使えん奴らだ! お前たちなど、いなくても俺一人で十分だ!」
彼はそう豪語し、さらに高価なポーションをまるで水のようにがぶ飲みしながら戦うようになった。
歯車は完全に狂っていた。
彼らは、自分たちの強さが個々の力ではなく、絶妙な連携とアレンという絶対的な支えの上で成り立っていたという単純な事実に、まだ気づいていなかった。
あるいは、気づいていながらも認めたくなかったのかもしれない。
そんなある日、彼らが依頼を終えて街に戻ると、ギルドの前がやけに騒がしいことに気づいた。人だかりの中心には一台の豪華な馬車が停まっている。馬車には王家の紋章が誇らしげに輝いていた。
「何事ですの?」
ティナが近くにいた冒険者に尋ねる。
冒険者は興奮した様子で答えた。
「王都から直々の依頼が来たらしい! それも、あの【黎明の翼】に名指しでだ!」
その言葉に、ガリウスたちの足が止まった。
「なんでも、最近王都周辺を荒らしている古代遺跡から現れたというキメラの討伐依頼らしい。Aランクの上位パーティでも手を焼いている難敵だとか」
「それをAランクになったばかりのあいつらに? いくら英雄様でも無茶だろ」
「いや、王宮は彼らならやれると踏んでるのさ。あの『辺境の聖者』様の奇跡があればってな」
アレン。アレン。アレン。
どこへ行ってもその名前が聞こえてくる。
自分たちが金のために仲間内で醜い争いを繰り広げている間に、あの男は王家から直々に依頼を受けるほどの本物の英雄になっていた。
ガリウスはギリッと奥歯を噛みしめた。
その時、ギルドの扉が開き、アレンとその仲間たちが出てきた。彼らは王宮の使者と何やら言葉を交わし、依頼の羊皮紙を受け取っている。その姿は堂々としていて、自信に満ち溢れていた。
ガリウスたちの、みすぼらしく疲弊しきった姿とはあまりにも対照的だった。
二つのパーティの視線が、一瞬だけ交錯した。
アレンはガリウスたちに気づくと、ほんのわずかに驚いたような顔をしたが、すぐに何も言わずに視線を逸らした。その目にはもはや何の感情も浮かんでいなかった。かつての仲間に対する憐れみさえも。
それは、かつて自分たちがアレンに向けていた目そのものだった。
その無関心な視線が、ガリウスのプライドを最も深く、そして残酷に抉った。
彼は震える拳を強く、強く握りしめた。
軋む歯車の音はもはや誰にも止められない。それは破滅へと向かう、不吉な序曲だった。
27
あなたにおすすめの小説
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ
天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。
彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。
「お前はもういらない」
ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。
だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。
――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。
一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。
生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!?
彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。
そして、レインはまだ知らない。
夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、
「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」
「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」
と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。
そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。
理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。
王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー!
HOT男性49位(2025年9月3日0時47分)
→37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)
外れスキル【アイテム錬成】でSランクパーティを追放された俺、実は神の素材で最強装備を創り放題だったので、辺境で気ままな工房を開きます
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティで「外れスキル」と蔑まれ、雑用係としてこき使われていた錬金術師のアルト。ある日、リーダーの身勝手な失敗の責任を全て押し付けられ、無一文でパーティから追放されてしまう。
絶望の中、流れ着いた辺境の町で、彼は偶然にも伝説の素材【神の涙】を発見。これまで役立たずと言われたスキル【アイテム錬成】が、実は神の素材を扱える唯一無二のチート能力だと知る。
辺境で小さな工房を開いたアルトの元には、彼の作る規格外のアイテムを求めて、なぜか聖女や竜王(美少女の姿)まで訪れるようになり、賑やかで幸せな日々が始まる。
一方、アルトを失った元パーティは没落の一途を辿り、今更になって彼に復帰を懇願してくるが――。「もう、遅いんです」
これは、不遇だった青年が本当の居場所を見つける、ほのぼの工房ライフ&ときどき追放ざまぁファンタジー!
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる