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第27話:スキルシナジーと共同作業
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「よーし! それじゃあ、早速この『解析不能の匣』、正式名称不明だから……仮に『ホログラフ・キューブ』って呼ぶことにして、共同解析プロジェクト、開始しよっか!」
リリアは、目をキラキラさせながら宣言した。その手には、既に様々な工具が握られており、完全にやる気満々だ。
「共同解析プロジェクト、ですか……まあ、いいでしょう」俺も、その熱意に引きずられるように頷く。「それで、具体的にどう進めますか?」
「まずは、ユズル師匠……じゃなくて、ユズルさんの『デバッグ・アイ』(仮称)で、キューブの内部構造とか、エネルギー回路とか、もっと詳しい情報を読み取ってもらうのが一番かな! 私が物理的に分解するのは、リスクが高すぎるからね」
「デバッグ・アイ……まあ、いいでしょう」いちいち訂正するのも面倒になってきた。「分かりました。もう一度、内部構造の解析を試みます。前回見つけた接触不良以外にも、何かバグや、あるいは機能に関するヒントが見つかるかもしれません」
俺は再びホログラフ・キューブに向き合い、【情報読取】と【バグ発見】を集中させる。前回よりもスキル熟練度が上がっているおかげか、あるいはリリアという協力者がいる安心感からか、以前ほどではないが、それでも脳への負荷は大きい。
(エネルギーの流れ、制御基盤、記憶領域らしき区画……構成要素は多岐にわたるな。接触不良以外にも、いくつか怪しい挙動をしている箇所がある……)
俺は、読み取った情報を口頭でリリアに伝えていく。
「内部には、複数のエネルギーラインが存在するようです。メインのラインとは別に、補助的なラインがいくつか……でも、そのうちの一本が、どうも機能していないように見えます。断線か、あるいは元々使われていない予備回路か……」
「補助ラインが機能停止? ふむふむ……」リリアは、俺の説明を聞きながら、手元の羊皮紙に素早くスケッチを描いていく。彼女の頭の中では、俺の言葉が具体的な回路図に変換されているのだろう。
「それから、中央付近に、球状のコアのようなものがあります。これが動力源か、あるいは制御の中枢か……ここから各回路へエネルギーが供給されているようですが、その供給量が不安定です。やはり、接触不良の影響が大きいかと」
「コアからの供給が不安定……なるほどね。それで全体の動作がおかしくなってるんだ」
「あと、気になるのは……記憶領域と思われる部分です。ホログラムの情報は、おそらくここから読み出されているのでしょうが、一部の領域にアクセスできない、あるいはデータが破損しているような兆候が見られます。これも、経年劣化か、あるいは何らかのプロテクトがかかっているのか……」
「データ破損!? それは大変! もしかしたら、もっと重要な情報が記録されてるかもしれないのに……」リリアは眉をひそめる。
俺は、解析中に見つけた新たな「バグ」についても報告する。
「それと、制御術式の中に、いくつか奇妙なコードが見つかりました。一つは、特定の外部魔力パターンに反応して、一時的に全機能を停止させる、一種の『緊急停止コード』のようなもの。もう一つは、逆に、特定の条件下で、内部エネルギーを暴走させて自壊するような……『自爆コード』?」
「緊急停止コードと、自爆コード!?」リリアは驚きの声を上げる。「なんでそんなものが……? もしかして、悪用を防ぐためのセキュリティ機能なのかな? それとも、元々兵器として作られたとか?」
「そこまでは分かりません。ただ、これらのコードが存在することは確かです。下手に刺激しない方がいいでしょう」
俺からの情報を元に、リリアはしばらく考え込んでいた。そして、ポン、と手を打った。
「……よし! なんとなく分かってきたぞ! このキューブ、思った以上に複雑だけど、ユズルさんの情報があれば、修理できるかもしれない!」
「修理できるんですか? 分解せずに?」
「うん! たぶんね!」リリアは自信満々に頷く。「接触不良が原因なら、外から高周波の魔力振動を与えて、内部の接点を強制的に繋げちゃう、っていう荒業があるんだ。もちろん、精密な制御が必要だけど……ユズルさんが正確な位置と必要な周波数を特定してくれれば、私の魔道具技術で、ピンポイントに振動を与える装置を作れると思う!」
(高周波の魔力振動で、接点を繋げる……? まるで、半田ごてを使わずに修理するようなものか。そんなことが可能なのか?)
この世界の魔道具技術は、俺の常識を超えているようだ。
「それと、データ破損の部分も気になるなぁ……これも、ユズルさんの力で、破損データを修復したり、読み取ったりできないかな? 例えば、データの『バグ』を利用して、プロテクトを解除するとか?」
リリアは、期待に満ちた目で俺を見る。
(データのバグを利用してプロテクト解除……まるで、ハッキングだな。可能かどうかは分からないが、試してみる価値はあるかもしれない)
俺の【デバッガー】スキルは、物理的なバグだけでなく、情報やシステムそのもののバグにもアクセスできるはずだ。
「やってみましょう」俺は答えた。「まずは、接触不良の修理からですね。俺が正確な位置と、必要な魔力振動の周波数・強度を特定します。リリアさんは、その情報を元に、装置を作ってください」
「任せて!」リリアはニッと笑う。「私の腕の見せ所だね! 素材は……工房にあるもので何とかなるかな? ちょっと待ってて!」
彼女は、再び工房の奥へと駆け込み、ガラクタの山(彼女にとっては宝の山なのだろう)を漁り始めた。
俺は、その間に、ホログラフ・キューブの接触不良箇所について、さらに詳細な解析を行う。【限定的干渉】の応用で、微弱な魔力パルスを送り込み、回路が正常に繋がる周波数と強度を探っていく。リスクは伴うが、前回のような強烈なペナルティを受けないよう、慎重に、ごく僅かな干渉に留める。
(……この周波数か? いや、もう少し高い方が……? 強度は、これくらいで……)
試行錯誤を繰り返す。それは、まるで難解なパズルを解くような、あるいは未知のAPIの仕様を探るような作業だった。
一方、リリアも作業に没頭していた。手際よく素材を選び出し、特殊な工具を使って加工していく。その指先の動きは、まさに神業と呼ぶにふさわしい精密さと速度だ。【魔道具作成】と【精密作業】スキルが、彼女の才能を遺憾なく発揮させている。
数時間後。
俺は、ついに最適な魔力振動のパラメータを特定することに成功した。そして、リリアも、手のひらサイズの、奇妙な形状をした魔道具を完成させていた。先端に細い針のようなものが付いた、ペンのような形の装置だ。
「できたよ! これが、『ピンポイント魔力振動ペン』(仮称)!」リリアは、誇らしげにその装置を掲げる。「ユズルさんが特定した周波数と強度で、狙った箇所にだけ魔力振動を与えられるはずだよ!」
『対象:ピンポイント魔力振動ペン(試作品)
分類:魔道具>特殊工具
状態:正常(試作段階)
効果:指定された周波数・強度の魔力振動を、先端の針からピンポイントで発生させる。
エネルギー源:内蔵小型魔石(交換可能)
備考:リリア・クローバーによる特製品。古代魔道具の修理など、極めて精密な作業を想定して作られた。現時点では調整が必要。』
(……本当に、作ってしまった)
俺が情報を提示し、彼女がそれを形にする。まさに、理想的なスキルシナジーだ。
「じゃあ、早速試してみよう!」リリアは、目を輝かせながら振動ペンを構える。「ユズルさん、正確な位置を教えて!」
「はい。ここです。角度は……このくらいで」
俺は、キューブの表面、接触不良を起こしている箇所を正確に指し示す。
リリアは、ゴクリと喉を鳴らし、慎重に振動ペンの先端をその箇所に当てる。そして、スイッチを入れた。
ウィィィン……
微かな駆動音と共に、ペン先から目に見えない魔力振動が発生する。キューブの表面には、特に変化は見られない。
(……頼む、うまくいってくれ……!)
数秒間、振動を与え続ける。そして、リリアがスイッチを切った。
シーン……
工房内に、静寂が戻る。
キューブは、相変わらず沈黙したままだ。
「……あれ? ダメだったかな?」リリアが、不安そうな声を出す。
俺は、もう一度キューブに【情報読取】を使う。
(エネルギー回路の状態は……? 接触不良は……?)
『対象:ホログラフ・キューブ(修理試行後)
状態:正常(エネルギー回路安定化)、機能回復
備考:内部の接触不良が、外部からの魔力振動によって正常に接続された。本来の機能が利用可能になった。ただし、あくまで一時的な処置であり、根本的な解決には分解修理が必要。』
「……いえ、成功です、リリアさん!」俺は、興奮を隠しきれずに言った。「回路は安定し、機能が回復したようです!」
「本当!?」
俺は、キューブに意識を集中し、起動を試みる。すると、先ほどのようにカチリという音がし、表面が安定した青白い光を放ち始めた!
そして、再び、キューブの上空にホログラムが投影される。今度は、前回見た星図のようなものだけでなく、次々と別の情報が表示されていく。古代文字で書かれた文書、複雑な機械の設計図、未知の生物の生態記録……まるで、膨大なデータベースにアクセスしているかのようだ!
「うわあああ! 動いた! しかも、色々な情報が!」リリアは、歓声を上げて飛び跳ねている。「やったね、ユズルさん! 私たちの共同作業、大成功だよ!」
俺も、目の前の光景に感動していた。俺の「デバッグ」能力と、リリアの「技術」が見事に融合し、不可能と思われた古代の遺物を再起動させたのだ。
(これが、スキルシナジー……!)
一人では決して到達できなかった領域。仲間と協力することで、新たな可能性が開ける。そのことを、俺は改めて実感した。
だが、同時に、新たな疑問も湧き上がってくる。
このホログラフ・キューブは、一体何のために作られたのか? これほどの情報と技術を持つ古代文明は、なぜ滅びたのか? そして、アクセスできない、破損したデータ領域には、一体どんな秘密が隠されているのだろうか?
俺たちの共同プロジェクトは、まだ始まったばかりだ。
そして、この古代の遺物が、俺たちの、そしてこの世界の運命に、大きな影響を与えることになる予感が、強くしていた。
リリアは、目をキラキラさせながら宣言した。その手には、既に様々な工具が握られており、完全にやる気満々だ。
「共同解析プロジェクト、ですか……まあ、いいでしょう」俺も、その熱意に引きずられるように頷く。「それで、具体的にどう進めますか?」
「まずは、ユズル師匠……じゃなくて、ユズルさんの『デバッグ・アイ』(仮称)で、キューブの内部構造とか、エネルギー回路とか、もっと詳しい情報を読み取ってもらうのが一番かな! 私が物理的に分解するのは、リスクが高すぎるからね」
「デバッグ・アイ……まあ、いいでしょう」いちいち訂正するのも面倒になってきた。「分かりました。もう一度、内部構造の解析を試みます。前回見つけた接触不良以外にも、何かバグや、あるいは機能に関するヒントが見つかるかもしれません」
俺は再びホログラフ・キューブに向き合い、【情報読取】と【バグ発見】を集中させる。前回よりもスキル熟練度が上がっているおかげか、あるいはリリアという協力者がいる安心感からか、以前ほどではないが、それでも脳への負荷は大きい。
(エネルギーの流れ、制御基盤、記憶領域らしき区画……構成要素は多岐にわたるな。接触不良以外にも、いくつか怪しい挙動をしている箇所がある……)
俺は、読み取った情報を口頭でリリアに伝えていく。
「内部には、複数のエネルギーラインが存在するようです。メインのラインとは別に、補助的なラインがいくつか……でも、そのうちの一本が、どうも機能していないように見えます。断線か、あるいは元々使われていない予備回路か……」
「補助ラインが機能停止? ふむふむ……」リリアは、俺の説明を聞きながら、手元の羊皮紙に素早くスケッチを描いていく。彼女の頭の中では、俺の言葉が具体的な回路図に変換されているのだろう。
「それから、中央付近に、球状のコアのようなものがあります。これが動力源か、あるいは制御の中枢か……ここから各回路へエネルギーが供給されているようですが、その供給量が不安定です。やはり、接触不良の影響が大きいかと」
「コアからの供給が不安定……なるほどね。それで全体の動作がおかしくなってるんだ」
「あと、気になるのは……記憶領域と思われる部分です。ホログラムの情報は、おそらくここから読み出されているのでしょうが、一部の領域にアクセスできない、あるいはデータが破損しているような兆候が見られます。これも、経年劣化か、あるいは何らかのプロテクトがかかっているのか……」
「データ破損!? それは大変! もしかしたら、もっと重要な情報が記録されてるかもしれないのに……」リリアは眉をひそめる。
俺は、解析中に見つけた新たな「バグ」についても報告する。
「それと、制御術式の中に、いくつか奇妙なコードが見つかりました。一つは、特定の外部魔力パターンに反応して、一時的に全機能を停止させる、一種の『緊急停止コード』のようなもの。もう一つは、逆に、特定の条件下で、内部エネルギーを暴走させて自壊するような……『自爆コード』?」
「緊急停止コードと、自爆コード!?」リリアは驚きの声を上げる。「なんでそんなものが……? もしかして、悪用を防ぐためのセキュリティ機能なのかな? それとも、元々兵器として作られたとか?」
「そこまでは分かりません。ただ、これらのコードが存在することは確かです。下手に刺激しない方がいいでしょう」
俺からの情報を元に、リリアはしばらく考え込んでいた。そして、ポン、と手を打った。
「……よし! なんとなく分かってきたぞ! このキューブ、思った以上に複雑だけど、ユズルさんの情報があれば、修理できるかもしれない!」
「修理できるんですか? 分解せずに?」
「うん! たぶんね!」リリアは自信満々に頷く。「接触不良が原因なら、外から高周波の魔力振動を与えて、内部の接点を強制的に繋げちゃう、っていう荒業があるんだ。もちろん、精密な制御が必要だけど……ユズルさんが正確な位置と必要な周波数を特定してくれれば、私の魔道具技術で、ピンポイントに振動を与える装置を作れると思う!」
(高周波の魔力振動で、接点を繋げる……? まるで、半田ごてを使わずに修理するようなものか。そんなことが可能なのか?)
この世界の魔道具技術は、俺の常識を超えているようだ。
「それと、データ破損の部分も気になるなぁ……これも、ユズルさんの力で、破損データを修復したり、読み取ったりできないかな? 例えば、データの『バグ』を利用して、プロテクトを解除するとか?」
リリアは、期待に満ちた目で俺を見る。
(データのバグを利用してプロテクト解除……まるで、ハッキングだな。可能かどうかは分からないが、試してみる価値はあるかもしれない)
俺の【デバッガー】スキルは、物理的なバグだけでなく、情報やシステムそのもののバグにもアクセスできるはずだ。
「やってみましょう」俺は答えた。「まずは、接触不良の修理からですね。俺が正確な位置と、必要な魔力振動の周波数・強度を特定します。リリアさんは、その情報を元に、装置を作ってください」
「任せて!」リリアはニッと笑う。「私の腕の見せ所だね! 素材は……工房にあるもので何とかなるかな? ちょっと待ってて!」
彼女は、再び工房の奥へと駆け込み、ガラクタの山(彼女にとっては宝の山なのだろう)を漁り始めた。
俺は、その間に、ホログラフ・キューブの接触不良箇所について、さらに詳細な解析を行う。【限定的干渉】の応用で、微弱な魔力パルスを送り込み、回路が正常に繋がる周波数と強度を探っていく。リスクは伴うが、前回のような強烈なペナルティを受けないよう、慎重に、ごく僅かな干渉に留める。
(……この周波数か? いや、もう少し高い方が……? 強度は、これくらいで……)
試行錯誤を繰り返す。それは、まるで難解なパズルを解くような、あるいは未知のAPIの仕様を探るような作業だった。
一方、リリアも作業に没頭していた。手際よく素材を選び出し、特殊な工具を使って加工していく。その指先の動きは、まさに神業と呼ぶにふさわしい精密さと速度だ。【魔道具作成】と【精密作業】スキルが、彼女の才能を遺憾なく発揮させている。
数時間後。
俺は、ついに最適な魔力振動のパラメータを特定することに成功した。そして、リリアも、手のひらサイズの、奇妙な形状をした魔道具を完成させていた。先端に細い針のようなものが付いた、ペンのような形の装置だ。
「できたよ! これが、『ピンポイント魔力振動ペン』(仮称)!」リリアは、誇らしげにその装置を掲げる。「ユズルさんが特定した周波数と強度で、狙った箇所にだけ魔力振動を与えられるはずだよ!」
『対象:ピンポイント魔力振動ペン(試作品)
分類:魔道具>特殊工具
状態:正常(試作段階)
効果:指定された周波数・強度の魔力振動を、先端の針からピンポイントで発生させる。
エネルギー源:内蔵小型魔石(交換可能)
備考:リリア・クローバーによる特製品。古代魔道具の修理など、極めて精密な作業を想定して作られた。現時点では調整が必要。』
(……本当に、作ってしまった)
俺が情報を提示し、彼女がそれを形にする。まさに、理想的なスキルシナジーだ。
「じゃあ、早速試してみよう!」リリアは、目を輝かせながら振動ペンを構える。「ユズルさん、正確な位置を教えて!」
「はい。ここです。角度は……このくらいで」
俺は、キューブの表面、接触不良を起こしている箇所を正確に指し示す。
リリアは、ゴクリと喉を鳴らし、慎重に振動ペンの先端をその箇所に当てる。そして、スイッチを入れた。
ウィィィン……
微かな駆動音と共に、ペン先から目に見えない魔力振動が発生する。キューブの表面には、特に変化は見られない。
(……頼む、うまくいってくれ……!)
数秒間、振動を与え続ける。そして、リリアがスイッチを切った。
シーン……
工房内に、静寂が戻る。
キューブは、相変わらず沈黙したままだ。
「……あれ? ダメだったかな?」リリアが、不安そうな声を出す。
俺は、もう一度キューブに【情報読取】を使う。
(エネルギー回路の状態は……? 接触不良は……?)
『対象:ホログラフ・キューブ(修理試行後)
状態:正常(エネルギー回路安定化)、機能回復
備考:内部の接触不良が、外部からの魔力振動によって正常に接続された。本来の機能が利用可能になった。ただし、あくまで一時的な処置であり、根本的な解決には分解修理が必要。』
「……いえ、成功です、リリアさん!」俺は、興奮を隠しきれずに言った。「回路は安定し、機能が回復したようです!」
「本当!?」
俺は、キューブに意識を集中し、起動を試みる。すると、先ほどのようにカチリという音がし、表面が安定した青白い光を放ち始めた!
そして、再び、キューブの上空にホログラムが投影される。今度は、前回見た星図のようなものだけでなく、次々と別の情報が表示されていく。古代文字で書かれた文書、複雑な機械の設計図、未知の生物の生態記録……まるで、膨大なデータベースにアクセスしているかのようだ!
「うわあああ! 動いた! しかも、色々な情報が!」リリアは、歓声を上げて飛び跳ねている。「やったね、ユズルさん! 私たちの共同作業、大成功だよ!」
俺も、目の前の光景に感動していた。俺の「デバッグ」能力と、リリアの「技術」が見事に融合し、不可能と思われた古代の遺物を再起動させたのだ。
(これが、スキルシナジー……!)
一人では決して到達できなかった領域。仲間と協力することで、新たな可能性が開ける。そのことを、俺は改めて実感した。
だが、同時に、新たな疑問も湧き上がってくる。
このホログラフ・キューブは、一体何のために作られたのか? これほどの情報と技術を持つ古代文明は、なぜ滅びたのか? そして、アクセスできない、破損したデータ領域には、一体どんな秘密が隠されているのだろうか?
俺たちの共同プロジェクトは、まだ始まったばかりだ。
そして、この古代の遺物が、俺たちの、そしてこの世界の運命に、大きな影響を与えることになる予感が、強くしていた。
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