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第43回『写真集 平成 軽音楽部』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第43回『写真集 平成 軽音楽部』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約59分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=VfEAf5bXQXE
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
我が家の居間の棚には一枚の写真が飾ってある。
つかまり立ちを卒業し家の中を自由に探索するようになった娘が写真立てごとつかみ取り、その場で座り込むと指でいじり始めた。
「りぃちゃんが写真をいじり始めたわよ。」
写真はガラス越しに入っているので唾液の付いた娘の指で汚れてしまうような心配はなかったが、妻の声を合図に私は娘を止めに入った。
近づいてみて気付いたが娘は写真に指を置いては横に払っていた。
最初は写真にゴミがついていてそれを拭いているのかと思った。
だが払ったあとに首をかしげる娘を見てわかった。
娘はスマホのようにスワイプしようとしているのだ。
きっと指を横に払えば絵が変わると思っているのだろう。
「りぃちゃん、これは大事にしようねー。」
娘にお気に入りのおもちゃを代わりに渡すと、私は写真をそっと棚に戻した。
夜、娘を寝かしつけたあと妻にそのことを話した。
「今時の子って感じよねー。絵本を読んでるときもときどきやるよ。」
時代の流れを感じた。
自分が生まれたころはスマホなんてなかったから、写真に対してスワイプするなんて発想は生まれるはずもなかった。
「プリントされた写真なんて飾っとく必要ないんじゃない? どうせあの頃の画像や動画なんて全部ハードディスクに入ってるんだから。」
写真立てに入っている写真は私と妻がステージに立っているものだった。
私たちは大学生のときに出会い、同じ軽音楽部でバンドをやっていた。
「でもさ、平成のころはプリントが普通だったんだから一枚くらい当時の方法で飾っておきたくない?」
私は家の中からプリントされた写真がなくなることに危惧して理由をまくしたてた。
「別に全部をプリントしようって言ってるんじゃないんだから。」
「わかってるって。今の時代撮った写真全部プリントしてたら毎月写真集を刷ることになっちゃうもの。」
写真の保存方法などあまり気にしていないのであろう妻は適当に相槌を打ったあと、お茶をすすった。
「ほら、俺の指はスワイプするためでなく、ギターを鳴らすためにあるからね。」
「あんた、ドラムじゃん。」
なんだか妻の方が大人みたいで私は悔しくなってしまい、ほぼ妻にしかわからない冗談を言ってごまかした。
ごまかしたつもりだった。
間を持たせるために湯呑を口に持ってくると、目の前の妻はにっこり笑っていた。
「わかるよ。あなた、私たちの思い出のうちせめて一枚くらいは指一本で流されてしまわないものを置いておきたいんでしょ?」
妻がいたずらっぽく空中にスワイプする動作をするたびに、左手にはめられた指輪が天井の照明を反射してまぶしかった。
~・~・~・~・~
~感想~
重音楽部というのを作ったろかと思いましたが、やめました。
で結局ぼんやりと別のオチの話を考えながら書き進めていたのですが、それも直前でやめて結局よくわからない話になってしまいました。
もう少し軽音楽部にからめる予定だったんですが、いずれにしろ良くはならなかったと思います。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第43回『写真集 平成 軽音楽部』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約59分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=VfEAf5bXQXE
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
我が家の居間の棚には一枚の写真が飾ってある。
つかまり立ちを卒業し家の中を自由に探索するようになった娘が写真立てごとつかみ取り、その場で座り込むと指でいじり始めた。
「りぃちゃんが写真をいじり始めたわよ。」
写真はガラス越しに入っているので唾液の付いた娘の指で汚れてしまうような心配はなかったが、妻の声を合図に私は娘を止めに入った。
近づいてみて気付いたが娘は写真に指を置いては横に払っていた。
最初は写真にゴミがついていてそれを拭いているのかと思った。
だが払ったあとに首をかしげる娘を見てわかった。
娘はスマホのようにスワイプしようとしているのだ。
きっと指を横に払えば絵が変わると思っているのだろう。
「りぃちゃん、これは大事にしようねー。」
娘にお気に入りのおもちゃを代わりに渡すと、私は写真をそっと棚に戻した。
夜、娘を寝かしつけたあと妻にそのことを話した。
「今時の子って感じよねー。絵本を読んでるときもときどきやるよ。」
時代の流れを感じた。
自分が生まれたころはスマホなんてなかったから、写真に対してスワイプするなんて発想は生まれるはずもなかった。
「プリントされた写真なんて飾っとく必要ないんじゃない? どうせあの頃の画像や動画なんて全部ハードディスクに入ってるんだから。」
写真立てに入っている写真は私と妻がステージに立っているものだった。
私たちは大学生のときに出会い、同じ軽音楽部でバンドをやっていた。
「でもさ、平成のころはプリントが普通だったんだから一枚くらい当時の方法で飾っておきたくない?」
私は家の中からプリントされた写真がなくなることに危惧して理由をまくしたてた。
「別に全部をプリントしようって言ってるんじゃないんだから。」
「わかってるって。今の時代撮った写真全部プリントしてたら毎月写真集を刷ることになっちゃうもの。」
写真の保存方法などあまり気にしていないのであろう妻は適当に相槌を打ったあと、お茶をすすった。
「ほら、俺の指はスワイプするためでなく、ギターを鳴らすためにあるからね。」
「あんた、ドラムじゃん。」
なんだか妻の方が大人みたいで私は悔しくなってしまい、ほぼ妻にしかわからない冗談を言ってごまかした。
ごまかしたつもりだった。
間を持たせるために湯呑を口に持ってくると、目の前の妻はにっこり笑っていた。
「わかるよ。あなた、私たちの思い出のうちせめて一枚くらいは指一本で流されてしまわないものを置いておきたいんでしょ?」
妻がいたずらっぽく空中にスワイプする動作をするたびに、左手にはめられた指輪が天井の照明を反射してまぶしかった。
~・~・~・~・~
~感想~
重音楽部というのを作ったろかと思いましたが、やめました。
で結局ぼんやりと別のオチの話を考えながら書き進めていたのですが、それも直前でやめて結局よくわからない話になってしまいました。
もう少し軽音楽部にからめる予定だったんですが、いずれにしろ良くはならなかったと思います。
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