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第42回『劣等感 ランドセル まとめ』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第42回『劣等感 ランドセル まとめ』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約46分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=UMZYbb-IB54
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
ブオン、ブオオオーン!
何台ものバイクがけたたましいエンジン音を夜の街に響き渡らせていた。
きっとマフラーを違法改造してあるのだろう。
彼らは音の大きさを競うかのようにアクセルをふかせてエンジンをうならせた。
いや、これは競っているのではなく、クジラやイルカがエコーで会話をするように彼ら暴走族もそのエンジン音で互いにコミュニケーションを取っているのだろう。
「おらあっ、お前らまとめてかかってこいやぁっ!」
「上等だ、こらっ! やるならやってやんぜ!」
異なるグループ間でケンカが起きていた。
閉店したドラッグストアの駐車場で二人がバイクを下り、額を突き合わせるようににらんでいた。
グループの仲間たちは彼らを囲み、今にも始まろうとしている殴り合いにいつでも助太刀に入れるようにしていた。
彼らのケンカの理由など一般人から見ればささいなことだった。
だが彼らにとっては名誉にかかわることだった。
「へっ、そんなでけえもんしょってるのがちっせえテメエの劣等感の表れなんだよっ!」
「んだとぉっこるぁっ!」
確かに男が背負っているランドセルはとても大きく、いや大きいというよりも背中から下に向って地面すれすれまで細く長く伸びていた。
「てめえ、俺のシャコタン仕様のランドセルに文句あんのかぁ?」
男は一度くるりと回って相手に自慢のランドセルを見せた。
すると相手の男はへっと笑いを漏らして馬鹿にした。
「んなもんしょってまともにバイク転がすことできんのかよっ? 街を流すときに背負うランドセルってのはあ、自分のポリシーを語らせんだよ!」
対抗するかのように男は反回転ジャンプしたあと上体を前かがみにして、自分が背負っているランドセルを見せつけてきた。
男のランドセルには赤い文字に金の縁取りがされて喧嘩上等と書かれてあった。
無論横には登り竜があしらわれている。
「けっ、自分の口じゃ怖くて言えねえからだろうがよ!」
「てめえこそカッコだけじゃねえのかぁっ?」
「なら拳で決めるしかねえようだなぁっ?」
「ああ、どっちのランドセルの方がかっこいいか決めようぜっ。」
男たちが拳を握りしめた瞬間、駐車場に一台のバイクが走ってきた。
大きくはないが地鳴りのような重低音。
何度も警察の追走を振り切ってきたバイク。
そして気合の入ってる暴走族なら誰もが憧れるガルウイングのランドセル。
あの方のお出ましだ。
男たちはケンカをしようとしていたことも忘れ、自然と背筋を伸ばし整列した。
「まあまあ、同じバイクとランドセルを愛する者同士、仲良くしようや。」
ランドセルが小さく見えるほどあの方の背中は広かった。
~・~・~・~・~
~感想~
ランドセルで小学生の話は考えたのですが、それと劣等感をからめたら暗い話になってしまいそうなので、ふざけるしかないなと思って暴走族たちのランドセルということにしました。
動くとカチャカチャ金属音がしたり交通安全のお守りを下げているという描写を入れようと思っていたのですが、入れる場所がありませんでした。
何気にガルウイングのランドセルはちょっとかっこよさそうだなと思ってます。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第42回『劣等感 ランドセル まとめ』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約46分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=UMZYbb-IB54
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
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~・~・~・~・~
ブオン、ブオオオーン!
何台ものバイクがけたたましいエンジン音を夜の街に響き渡らせていた。
きっとマフラーを違法改造してあるのだろう。
彼らは音の大きさを競うかのようにアクセルをふかせてエンジンをうならせた。
いや、これは競っているのではなく、クジラやイルカがエコーで会話をするように彼ら暴走族もそのエンジン音で互いにコミュニケーションを取っているのだろう。
「おらあっ、お前らまとめてかかってこいやぁっ!」
「上等だ、こらっ! やるならやってやんぜ!」
異なるグループ間でケンカが起きていた。
閉店したドラッグストアの駐車場で二人がバイクを下り、額を突き合わせるようににらんでいた。
グループの仲間たちは彼らを囲み、今にも始まろうとしている殴り合いにいつでも助太刀に入れるようにしていた。
彼らのケンカの理由など一般人から見ればささいなことだった。
だが彼らにとっては名誉にかかわることだった。
「へっ、そんなでけえもんしょってるのがちっせえテメエの劣等感の表れなんだよっ!」
「んだとぉっこるぁっ!」
確かに男が背負っているランドセルはとても大きく、いや大きいというよりも背中から下に向って地面すれすれまで細く長く伸びていた。
「てめえ、俺のシャコタン仕様のランドセルに文句あんのかぁ?」
男は一度くるりと回って相手に自慢のランドセルを見せた。
すると相手の男はへっと笑いを漏らして馬鹿にした。
「んなもんしょってまともにバイク転がすことできんのかよっ? 街を流すときに背負うランドセルってのはあ、自分のポリシーを語らせんだよ!」
対抗するかのように男は反回転ジャンプしたあと上体を前かがみにして、自分が背負っているランドセルを見せつけてきた。
男のランドセルには赤い文字に金の縁取りがされて喧嘩上等と書かれてあった。
無論横には登り竜があしらわれている。
「けっ、自分の口じゃ怖くて言えねえからだろうがよ!」
「てめえこそカッコだけじゃねえのかぁっ?」
「なら拳で決めるしかねえようだなぁっ?」
「ああ、どっちのランドセルの方がかっこいいか決めようぜっ。」
男たちが拳を握りしめた瞬間、駐車場に一台のバイクが走ってきた。
大きくはないが地鳴りのような重低音。
何度も警察の追走を振り切ってきたバイク。
そして気合の入ってる暴走族なら誰もが憧れるガルウイングのランドセル。
あの方のお出ましだ。
男たちはケンカをしようとしていたことも忘れ、自然と背筋を伸ばし整列した。
「まあまあ、同じバイクとランドセルを愛する者同士、仲良くしようや。」
ランドセルが小さく見えるほどあの方の背中は広かった。
~・~・~・~・~
~感想~
ランドセルで小学生の話は考えたのですが、それと劣等感をからめたら暗い話になってしまいそうなので、ふざけるしかないなと思って暴走族たちのランドセルということにしました。
動くとカチャカチャ金属音がしたり交通安全のお守りを下げているという描写を入れようと思っていたのですが、入れる場所がありませんでした。
何気にガルウイングのランドセルはちょっとかっこよさそうだなと思ってます。
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