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第123回『四天王 宝箱 積む』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第123回『四天王 宝箱 積む』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約52分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=h59AD-xFM8Y
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
荒廃した村にガラガラガラといかにも重そうな音を立てながら馬車がやってきた。
こんな村に一体誰が何の用事があるのだろうと思い、村人たちが馬車の周りに集まってきた。
すると馬車の中から4人の人間が降りてきた。
彼らが携えていたのは光り輝く剣、身にまとっていたのは魔力を帯びたローブなど。
村人たちはその姿を一目見てわかった。
「おお、あなたたちは近頃多くの魔物を倒して各地の村を救っているという勇者様ご一行ですねっ?」
先頭に立っていた勇者はうなずいた。
「そうです。あなた方の村が魔物に襲われているという噂を聞きつけて来ました。その魔物、我々が成敗しましょう。」
村人たちはその一言を聞くや、抱き合って喜んだ。
「ありがとうございます。毎日のように襲われ、食料も減っていき、この村も限界に近かったのです!」
涙ながらに語る村人をよそに、勇者たちは冷静に聞いた。
「それで、その魔物とは?」
「あ、はい。魔王に仕える四天王の一人、地獄のテンです。」
地獄のテンとはその名の通り、テンの姿をしていた。
しかし体長は5メートルもあり、鋭い牙は岩をも砕き、滑らかな体毛は魔法を受け流した。
四天王と聞き、勇者たちは顔を見合わせ笑みを浮かべた。
戦士は剣の柄を撫で、魔法使いは杖の先から少しだけ魔力を放出した。
すでに戦闘モードに入った勇者たちを見て村人たちは、恐怖すら覚えた。
「四天王の一人、か。これまで多くの魔物を倒してきたが、四天王は初めてだ。ふふ、楽しみだ。みんな、今日にも奴を倒しに行くぞ!」
勇者の掛け声に残りの3人は力強くうなずいた。
その心強さに村人たちに笑顔が戻りつつあった。
「さすが勇者様! 地獄のテンはこの先にある山に根城を持っています。今まで何人もの若い者が挑んできましたが、奴は強く、命からがら逃げてくるのが精いっぱいでした。」
勇者はぱっと振り向いた。
「なんと! 地獄のテンと対峙した人たちがいたのか? それで? それでどうでした?」
急に食い気味になったのを見て、村人たちはさすがの勇者も地獄のテンの情報は喉から手が出るほど欲しいのだなと思った。
すると一人の若い村人が口を開いた。
彼の顔には大きな傷跡があった。
地獄のテンと戦った男だった。
「は、はい。素早く間合いを詰められたかと思うと、上空から爪を振り落としてきて鎧ごと……。」
「戦い方なんてどうでもいい! 宝箱! 奴の後ろに宝箱はありませんでしたか?」
「え? 宝箱?」
「そうです! 強い魔物の後ろにはたいていいい物が入った宝箱が大事そうにおかれてあるでしょうっ。」
地獄のテンには目もくれず、宝箱について聞く勇者に村人たちは目を丸くした。
「宝箱……。確か地獄のテンは身一つあれば生きていけると言ってましたし、そういうのはなかったと思います……。」
それを聞いて誰の目にも勇者たちの肩ががっくりと落ちたのがわかった。
「そうか~。宝箱ないのか~。」
「まあ、こういうこともあるさ。」
「そうよ。とっととやっつけて次へ行きましょ。」
「その分他の四天王はきっとすごい宝箱を持ってるさ。」
仲間たちに慰められながら、勇者たちは山に向かって歩き出した。
村人が覗き込むと、馬車には宝箱が山と積まれていた。
荒廃した村からガラガラガラといかにも重そうな音を立てながら馬車が去っていった。
~・~・~・~・~
~感想~
とりあえず宝箱なので、RPGのような話にしました。
冒頭の文章を書いたときには馬車の中に宝箱がたくさん積んであるのは決まっていたのですが、オチにも同じような文章を持ってくることを思いついたのは序盤くらいです。
勇者たちが悪者に見えないように描くのは意識しました。
地獄のテンは四天王の持国天から取りました。
かわいくてセンスがなくてちょっと気に入ってます。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第123回『四天王 宝箱 積む』
の完成テキストです。
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お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約52分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
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~・~・~・~・~
荒廃した村にガラガラガラといかにも重そうな音を立てながら馬車がやってきた。
こんな村に一体誰が何の用事があるのだろうと思い、村人たちが馬車の周りに集まってきた。
すると馬車の中から4人の人間が降りてきた。
彼らが携えていたのは光り輝く剣、身にまとっていたのは魔力を帯びたローブなど。
村人たちはその姿を一目見てわかった。
「おお、あなたたちは近頃多くの魔物を倒して各地の村を救っているという勇者様ご一行ですねっ?」
先頭に立っていた勇者はうなずいた。
「そうです。あなた方の村が魔物に襲われているという噂を聞きつけて来ました。その魔物、我々が成敗しましょう。」
村人たちはその一言を聞くや、抱き合って喜んだ。
「ありがとうございます。毎日のように襲われ、食料も減っていき、この村も限界に近かったのです!」
涙ながらに語る村人をよそに、勇者たちは冷静に聞いた。
「それで、その魔物とは?」
「あ、はい。魔王に仕える四天王の一人、地獄のテンです。」
地獄のテンとはその名の通り、テンの姿をしていた。
しかし体長は5メートルもあり、鋭い牙は岩をも砕き、滑らかな体毛は魔法を受け流した。
四天王と聞き、勇者たちは顔を見合わせ笑みを浮かべた。
戦士は剣の柄を撫で、魔法使いは杖の先から少しだけ魔力を放出した。
すでに戦闘モードに入った勇者たちを見て村人たちは、恐怖すら覚えた。
「四天王の一人、か。これまで多くの魔物を倒してきたが、四天王は初めてだ。ふふ、楽しみだ。みんな、今日にも奴を倒しに行くぞ!」
勇者の掛け声に残りの3人は力強くうなずいた。
その心強さに村人たちに笑顔が戻りつつあった。
「さすが勇者様! 地獄のテンはこの先にある山に根城を持っています。今まで何人もの若い者が挑んできましたが、奴は強く、命からがら逃げてくるのが精いっぱいでした。」
勇者はぱっと振り向いた。
「なんと! 地獄のテンと対峙した人たちがいたのか? それで? それでどうでした?」
急に食い気味になったのを見て、村人たちはさすがの勇者も地獄のテンの情報は喉から手が出るほど欲しいのだなと思った。
すると一人の若い村人が口を開いた。
彼の顔には大きな傷跡があった。
地獄のテンと戦った男だった。
「は、はい。素早く間合いを詰められたかと思うと、上空から爪を振り落としてきて鎧ごと……。」
「戦い方なんてどうでもいい! 宝箱! 奴の後ろに宝箱はありませんでしたか?」
「え? 宝箱?」
「そうです! 強い魔物の後ろにはたいていいい物が入った宝箱が大事そうにおかれてあるでしょうっ。」
地獄のテンには目もくれず、宝箱について聞く勇者に村人たちは目を丸くした。
「宝箱……。確か地獄のテンは身一つあれば生きていけると言ってましたし、そういうのはなかったと思います……。」
それを聞いて誰の目にも勇者たちの肩ががっくりと落ちたのがわかった。
「そうか~。宝箱ないのか~。」
「まあ、こういうこともあるさ。」
「そうよ。とっととやっつけて次へ行きましょ。」
「その分他の四天王はきっとすごい宝箱を持ってるさ。」
仲間たちに慰められながら、勇者たちは山に向かって歩き出した。
村人が覗き込むと、馬車には宝箱が山と積まれていた。
荒廃した村からガラガラガラといかにも重そうな音を立てながら馬車が去っていった。
~・~・~・~・~
~感想~
とりあえず宝箱なので、RPGのような話にしました。
冒頭の文章を書いたときには馬車の中に宝箱がたくさん積んであるのは決まっていたのですが、オチにも同じような文章を持ってくることを思いついたのは序盤くらいです。
勇者たちが悪者に見えないように描くのは意識しました。
地獄のテンは四天王の持国天から取りました。
かわいくてセンスがなくてちょっと気に入ってます。
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