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改稿前
14話「門番」
しおりを挟む「リーゼロッテの恋人の住んでる家って……ここ?」
「はい、多分」
「いやこれは家っていうか……むしろ」
帝都の宮殿の前で馬車を降りました。
ルーデンドルフ様は帝都の第四王子ですから、お城に住んでるはず。
「分かった! 城で住み込みで働いている文官か執事なんだね!」
「城には騎士の宿舎もあるからな」
「えっと……?」
私のお友達がこの国の第四王子様だと言ったら、デリーさんとゲレさんに信じてもらえるでしょうか?
「おい、そこで何をしている!」
門の前でじっとしていたら、門番さんに怪しまれてしまいました。
「なんだ鍛冶職人のデリーさんとお針子のゲレさんじゃないか、こんなところで何をしてるんだ? ここは正門だぜ。それに今は休暇中じゃなかったのか?」
門番さんはデリーさんとゲレさんのお知り合いの方でした。怪しい者だと思われるのは回避できて良かったです。
「旅の途中で知り合ったこの子にとってもお世話になってね。恩返しにお友達を探しを手伝ってあげてるのさ」
「そういうことか、お嬢さん誰を探してるんだ? 俺も力になるぜ」
気の良さそうな門番さんです。ルーデンドルフ様からのお手紙を見せたら中に入れてくれるでしょうか?
「あの、この手紙を書いた方にお会いしたいのですが」
おずおずと手紙を差し出す。
「どれどれ……こっ! この蝋印は……!」
蝋印を目にした門番さんが目を丸くする。
「銀色の髪、すみれ色の瞳……! あっ、貴方様のお名前をお伺いしてもよろしいですか?」
「リーゼロッテと申します」
「リーゼロッテ様! もしや家名は……ニクラス様では?!」
門番さんはどうして私の家名を知っているのでしょう? そういえば手紙の宛名に家名が書いてありましたね。それにしても門番さんのこの慌てぶりは……?
「そうです……というよりそうでした」
勘当されたのでもうニクラスの家名は名乗れない。
「やはりそうでしたか! 気軽に話しかけてしまい申し訳ありませんでした! どうぞ中にお入りください!」
門番さんが姿勢を正し、急に敬語で話始めました。
門番さんの態度が急変したことに、デリーさんもゲレさんも驚いています。
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