『アンダーワールド・続編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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続編 黒地のあがき

黒谷の新たなコラボ

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「そうだ。黒谷君は明日は喫茶店? 」

トリアが豚まんにかぶりつきながら向井を見た。

「明日は団地にいると思いますけど。

もう喫茶店も来年までお休みですから」

「あ………そうよね。明後日は大晦日だもんね。

早いな~」

トリアがため息をついた。

「何か用ですか? 」

「そうそう。大久保出版社の編集さんから、

コラボの話があって」

「コラボですか」

「そう。今度は大河内薫子先生の冥界閻魔ミステリーとのコラボ」

「なんですと? 」

「本当? 」

冥王と安達がテーブルから身を乗り出した。

「そうよね。二人は大好きだもんね」

トリアが苦笑いした。

「黒谷君のキャラクター凄い人気でしょう。

この前、大河内先生が喫茶店に行って、

ランチを食べたらしいんだけど」

「えっ? いつ? 俺、喫茶店のお手伝いによく行ってるのに」

安達が驚いた顔をした。

「玲子さん達がお店に出てた時だから、

スタッフが足りてたんじゃないかな」

トリアが笑った。

「それでランチ食べて美味しいって。

アクリルスタンドとキーホルダーも買って帰ってきたんですって」

「いいですね~黒谷君は先生と会ったんですね」

むくれる冥王と寂しそうな安達の様子に向井も笑った。

「多分黒谷君も気づいてないと思うわよ」

トリアは笑うと話を続けた。

「それでね。来年の春に出版社でイベントをやるそうなの。

そこで黒谷君と大河内先生のコラボで、

ゾンビ少年に続いて第二弾をやりたいって。

だから聞いてみますって言ったの」

「黒谷君は喜ぶと思いますよ。

明日仕事の帰りに寄って聞いてみましょうか」

「そうね」

向井の話にトリアも頷いた。


その夜――――――

向井が寝ていると、

ドアが開く音に目が覚めた。

ん?

向井がその気配に目を開くと、

こんがベッドによじ登り布団の中に入ってきた。

「パパいた………」

「どうしたんですか? 」

ピタッとくっつくこんに優しく声をかけた。

「ん………」

こんはそれだけ言うとウトウトしながら寝てしまった。

向井は笑顔になると布団をかけて、

そのまま一緒に寝た。

朝になり向井が起きだしても、

こんは安心したのかベッドで丸くなってぐっすり寝ていた。

向井はそっと部屋を出ると、

そのまま浴室に向かった。

朝早いこともあり、誰もいない。

のんびりと湯につかっていると、

新田が入ってきた。

「あれ? 向井さんも朝風呂? 」

「昨日は疲れてそのまま寝ちゃったので」

笑ながら湯船に寄りかかった。

「そうだよね。この所休みなしだからね」

新田は体を洗いながら、

「そうだ。今日の仕事が終わったら、

新しくできたカフェでなんか食べて帰ろうよ」

「あぁ、この前坂下さんと二人で話していたお店ですね。

いいですよ」

「鉱物をモチーフにしたケーキだって聞いて、

気になっちゃって。

黒谷君の所にもよるんでしょう? 

お土産も買えるらしいよ」

「それは喜びそうですね。

お店の方は年末でもやってるんですか? 」

「31日まで営業してるって。

そのかわり新年は七日迄休みだって。

捨て地はお店もお正月休み増えてるよね」

「そうですね。

トリアさんが大昔は普通だったって話してました。

長い所だとお鏡開きまでお休みだったとか」

「え~それまでお店閉ってるの? 」

新田は体を流すと湯船に入った。

「だから正月用に買いだめされて、

料理も長く食べられるものが多かったんでしょうね」

「そうか………俺達は恵まれ過ぎた中にいたから、

少しの不便にも不満が出ちゃうのかもね。

死んで気づいた」

新田が言い二人の笑い声が浴室に響いた。


新田は風呂から出るとそのまま食堂に向かい、

向井は一旦部屋に戻った。

ベッドをのぞくとこんはまだ寝たままだった。

睡眠が足りていなかったのだろうか。

大の字になった体に笑うと、

布団をかけなおして部屋を出た。

すると廊下からアンとチビの声が聞こえてきた。

「こんはどこじゃ? 」

呉葉がアンと探して歩いていた。

「あっ、パパだ~」

一緒にいた三鬼とかけてきた。

「おはようございます。皆早起きですね」

「丁度良かった。こんの姿見なかった? 」

アンが聞いた。

「あ、それなら俺の部屋で寝てますよ」

「えっ? 」

「夜中にやってきたので一緒に寝てました。

疲れてるのか熟睡してるので、

そのまま寝かせてるんですけど」

「こんはパパといっしょにねてるのか? 」

呉葉が見上げた。

そして少し考えてから、

「こんな~パパいないってないてた。

だからわらわがだいじょうぶっていったんじゃ」

「そうですか。呉葉はいい子ですね」

向井が頭に手を置くと呉葉が笑顔になった。

「昨日はお昼寝もしないで死神課にいたから、

向井君の姿を見て安心したのね」

アンもホッとして笑顔になった。

「じゃあ、先に朝食にしよう。

ハクとクロウも食堂にいるから」

「そうなんですね。では、一緒に食べましょうか」

向井は笑顔で抱きつく二人と手を繋ぐと歩き出した。
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