『アンダーワールド・続編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

文字の大きさ
352 / 659
続編 黒地のあがき

天上界のお米

しおりを挟む
食堂に行くと、

トリア、弥生、アートン、シェデム、新田がいた。

ハクとクロウも朝食を食べている。

「おはようございます」

向井達も声をかけるとテーブルに歩いていった。

キッズチェアに二人を乗せていると、

「あれ? こんは? 」

トリアが聞いた。

「向井君の部屋で寝てるんですって」

アンが笑うと皆の顔が驚いた。

「帰ってくるのをずっと待ってたからね」

アートンも笑顔になった。

「今日は卵トーストだよ」

セーズが運んでくるとチビのテーブルに置いた。

「向井さん達はトーストとハムエッグね」

アンがワゴンから取りテーブルに置いた。

向井がチビにナプキンを付けていると、

オクトとカトルセが入ってきた。

「今日はさ。午後に餅つきやるからね」

「餅つき? 」

みんなが驚いていると、

「三十日だからさ。今年はチビも増えたし、

冥王が張りきってんだよ」

カトルセが言った。

「弁財天からもち米もらったからさ。

昔に職人がサロンに来た時に、

天上界の木材で杵と臼を作らせただろ。

餅つきなんて久しぶりだから、

船頭がつくって言ってたよ」

「もち米を蒸してくれってそういう事? 」

セーズが納得したように言った。

「いきなり冥王が来て、

もち米を置いていったんだよね。

お赤飯かおこわでも作れって事なのかなって思ってたんだけど。

そうか。お正月だもんね」

セーズが笑った。

「この忙しいのに」

トリアが言うと、

「もちつきってなに? 」

三鬼がパンを食べながら聞いた。

「お正月に皆が大好きなお雑煮食べるでしょ」

「おぞうにすき~」

呉葉が笑顔になる。

「そのお餅を作るの」

オクトが説明した。

「だからさ。つきたてのお餅も食べたいって、

冥王が騒いでんのさ」

カトルセはあきれ顔で言うと笑った。

「じゃあ、お餅につけるものも用意しないとな」

セーズはそういうと、

「二人も朝食食べるでしょ。今持ってくるから」

とキッチンに戻っていった。

「うちのボスは人手が足りないことを理解してるのかな~」

トリアはため息をつくと食事を続けた。


向井は朝食を終えるとこんの様子を見に、

一度部屋に戻った。

ドアを開けるとこんが起き上がって、

ぼ~っと座っていた。

「目が覚めましたか? 」

向井が声をかけると、

こんが抱っこと両手をあげた。

「お姉ちゃんになったはずなんですけどね」

向井は笑うと抱き上げ、

「お漏らしはしてないですね」

とベッドをチェックした。

「おトイレ…」

「はい。じゃあトイレに行ってお着替えして、

ご飯にしましょう」

そう言って部屋を出た。

トイレを済ませて部屋に連れて行く途中で、

早紀を見かけて声をかける。

「助かった」

向井の声に、

「あっ、おはよう」

と早紀が近づいてきた。

「悪いんですけど、こんのお着替えお願いできますか? 

着替えはいいんですけど、髪の毛は結えないんで」

向井が困った顔で笑った。

「いいわよ。あれ? こんだけ? 

呉葉と一緒じゃないの? 」

「こんはちょっとお寝坊したので。

みんなはもう朝食を頂いてるんですよ」

「そうなのね。じゃあ、お着替えしちゃおう」

早紀がこんの手を取ると、

「パパは? 」

「お仕事終わったら戻ってきます。

午後はね。皆で餅つきしましょうって」

「もちつき? 」

こんが首をかしげるのを見て、

「なに? 餅つきするの? 」

早紀が聞いた。

「はい。お正月のお餅をつきましょうって事になって」

「そうなんだ。こんの好きなお餅だって。

よかったね~」

「こんね。きなこすき~」

「じゃあ、きな粉も用意してもらいましょう」

向井はそういうと早紀に連れられご機嫌な顔にホッとした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

完結 王族の醜聞がメシウマ過ぎる件

音爽(ネソウ)
恋愛
王太子は言う。 『お前みたいなつまらない女など要らない、だが優秀さはかってやろう。第二妃として存分に働けよ』 『ごめんなさぁい、貴女は私の代わりに公儀をやってねぇ。だってそれしか取り柄がないんだしぃ』 公務のほとんどを丸投げにする宣言をして、正妃になるはずのアンドレイナ・サンドリーニを蹴落とし正妃の座に就いたベネッタ・ルニッチは高笑いした。王太子は彼女を第二妃として迎えると宣言したのである。 もちろん、そんな事は罷りならないと王は反対したのだが、その言葉を退けて彼女は同意をしてしまう。 屈辱的なことを敢えて受け入れたアンドレイナの真意とは…… *表紙絵自作

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

私はいけにえ

七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」  ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。  私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。 ****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

処理中です...