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これが最後
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広間で話をした日から一週間程が経った。騎士団の皆はすぐに荷物をまとめ、遠征に向けて伯爵家を発ってしまった。日が昇り始める早朝に出発するため、デューク様に寝ているように言われてしまい見送りはできなかった。
いつもは人で賑わっている食堂も閑散としていて、一人で食べるご飯は味気ない。
「すぐにお戻りになられますよ」
「ありがとうアリア」
慰めようとしてくれたアリアに笑みを返す。見送りくらいはしたかった。けれど、顔を合わせても泣いてしまう自信しかなかったからこれで良かったのかもしれない。
食事を終えて部屋に戻ると、使用人が一通の手紙を持ってきた。差出人を確認すると思わず眉を寄せてしまう。呼吸がつまる感覚がする。
(オリビアからの手紙だ)
離縁すると宣言してからやり取りは一切ない。少しずつ離縁の準備を進めているため、いつかは顔を合わせる日が来ることは覚悟していた。
オリビアのことを嫌いになったわけではなかった。
可愛くて綺麗で純粋すぎるあまり人を傷つけていることにすら気付けない。そんな危うさを持っているオリビアのことが嫌だと思うときもあった。それでも嫌えなかったのは、結局僕はあの子の兄だから。そして、オリビアの魅力に惹き付けられていた一人だったからだ。
「オリビアが僕に会いたいって」
紅茶を用意してくれていたアリアに話しかけると、彼女は手を止めて僕の方を見た。垂れた困り眉が視界に入り、僕も困り顔を浮かべる。
逃げていても前には進めないことはもうわかっていた。だから僕はオリビアの手紙に了承の返事を送ることに決めた。
「アリア、僕は変われるのかな?」
「アルビー様はお変わりになられましたよ。私はお傍で努力される姿を見ていました」
「ありがとうアリア。僕はもう逃げないよ」
席につくと、羽ペンを手に取る。真っ白な紙にゆっくり思いを噛みしめるように文字を綴る。オリビアに伝えたいことは沢山ある。そしてお互いの気持ちを伝えあって、ようやく僕達は兄弟として一歩踏み出せる気がした。
『僕もオリビアに会いたい。話をしよう』
最後にそう付け足すと封を閉じてアリアに手渡す。
手紙を受け取ったアリアが「お預かり致します」と返事をしてくれた。胸に一筋の緊張が走っている。大切でかわいい僕の弟。きっと彼と面と向かって話をするのは最後になるだろう。
だから後悔のない時間にしたい。
いつもは人で賑わっている食堂も閑散としていて、一人で食べるご飯は味気ない。
「すぐにお戻りになられますよ」
「ありがとうアリア」
慰めようとしてくれたアリアに笑みを返す。見送りくらいはしたかった。けれど、顔を合わせても泣いてしまう自信しかなかったからこれで良かったのかもしれない。
食事を終えて部屋に戻ると、使用人が一通の手紙を持ってきた。差出人を確認すると思わず眉を寄せてしまう。呼吸がつまる感覚がする。
(オリビアからの手紙だ)
離縁すると宣言してからやり取りは一切ない。少しずつ離縁の準備を進めているため、いつかは顔を合わせる日が来ることは覚悟していた。
オリビアのことを嫌いになったわけではなかった。
可愛くて綺麗で純粋すぎるあまり人を傷つけていることにすら気付けない。そんな危うさを持っているオリビアのことが嫌だと思うときもあった。それでも嫌えなかったのは、結局僕はあの子の兄だから。そして、オリビアの魅力に惹き付けられていた一人だったからだ。
「オリビアが僕に会いたいって」
紅茶を用意してくれていたアリアに話しかけると、彼女は手を止めて僕の方を見た。垂れた困り眉が視界に入り、僕も困り顔を浮かべる。
逃げていても前には進めないことはもうわかっていた。だから僕はオリビアの手紙に了承の返事を送ることに決めた。
「アリア、僕は変われるのかな?」
「アルビー様はお変わりになられましたよ。私はお傍で努力される姿を見ていました」
「ありがとうアリア。僕はもう逃げないよ」
席につくと、羽ペンを手に取る。真っ白な紙にゆっくり思いを噛みしめるように文字を綴る。オリビアに伝えたいことは沢山ある。そしてお互いの気持ちを伝えあって、ようやく僕達は兄弟として一歩踏み出せる気がした。
『僕もオリビアに会いたい。話をしよう』
最後にそう付け足すと封を閉じてアリアに手渡す。
手紙を受け取ったアリアが「お預かり致します」と返事をしてくれた。胸に一筋の緊張が走っている。大切でかわいい僕の弟。きっと彼と面と向かって話をするのは最後になるだろう。
だから後悔のない時間にしたい。
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