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ありのままのお前をちゃんと見てるから
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一日好きなだけ店を見て回り、いつの間にか外は夕暮れに包み込まれていた。
オレンジ色に染め上げられた街並みの中を、満足気な表情を浮かべるフィーロと歩く。手には買った荷物が沢山提げられていた。
「お兄様ありがとうございました。すごく楽しかったです」
「ああ、俺も楽しかった」
馬車に乗り込むと、椅子に腰掛けた瞬間疲れた足がじんわりと癒やされていくのを感じた。
「僕、がんばります」
一息ついたあと、フィーロが真剣な眼差しを向けてきた。
「いつか僕もお兄様やシャノンのように人の役に立てるような、誇れる自分になってみせます。だから、置いてけぼりにされて拗ねるのは今日で終わりにするって決めました。連れて行ってもらうんじゃなくて、僕もあなたの横に立ちたいから」
ずっとそのことを考えていたのだと知って、目頭が熱くなる感覚がした。無邪気な笑顔の裏に、誰よりもしっかりとした考えを宿している彼のことを心から尊敬した。
「お前ならできる。第二性別も立場も要因に過ぎない。だから俺はフィーロがその思いを成就させる瞬間をこの目に焼き付けておく」
「はい。見ていてください」
オメガであることを隠しているゼンとは違い、フィーロはありのままだ。そんな彼の姿が羨ましくもある。
自分もいつかありのままをさらけ出すことができたら……。そう思うときはある。けれど、培ってきた立場や賞賛を捨て去ることがどうしてもできない。
──フィーロにすら本当のことを言えない。
ルーカスにはバレてしまっているが、できることならこれから先も隠し通していきたいと思っている。
そういう意味ではルーカスと居るときは素でいられる気もしていた。
「帰ったら買ったものを一緒に確認しよう。パンは料理長に渡して切り分けてもらったらいい」
「楽しみですね」
帰り道でもずっと楽しそうな笑みを浮かべているフィーロは、今を全力で楽しんでいるように見えた。
その姿を温かい眼差しで見つめながら、前世の記憶を取り戻せてよかったと本気で思った。
もしも冷徹で非道なゼンのままだったなら、この愛らしい笑みは見ることはできなかったと思うから。
オレンジ色に染め上げられた街並みの中を、満足気な表情を浮かべるフィーロと歩く。手には買った荷物が沢山提げられていた。
「お兄様ありがとうございました。すごく楽しかったです」
「ああ、俺も楽しかった」
馬車に乗り込むと、椅子に腰掛けた瞬間疲れた足がじんわりと癒やされていくのを感じた。
「僕、がんばります」
一息ついたあと、フィーロが真剣な眼差しを向けてきた。
「いつか僕もお兄様やシャノンのように人の役に立てるような、誇れる自分になってみせます。だから、置いてけぼりにされて拗ねるのは今日で終わりにするって決めました。連れて行ってもらうんじゃなくて、僕もあなたの横に立ちたいから」
ずっとそのことを考えていたのだと知って、目頭が熱くなる感覚がした。無邪気な笑顔の裏に、誰よりもしっかりとした考えを宿している彼のことを心から尊敬した。
「お前ならできる。第二性別も立場も要因に過ぎない。だから俺はフィーロがその思いを成就させる瞬間をこの目に焼き付けておく」
「はい。見ていてください」
オメガであることを隠しているゼンとは違い、フィーロはありのままだ。そんな彼の姿が羨ましくもある。
自分もいつかありのままをさらけ出すことができたら……。そう思うときはある。けれど、培ってきた立場や賞賛を捨て去ることがどうしてもできない。
──フィーロにすら本当のことを言えない。
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そういう意味ではルーカスと居るときは素でいられる気もしていた。
「帰ったら買ったものを一緒に確認しよう。パンは料理長に渡して切り分けてもらったらいい」
「楽しみですね」
帰り道でもずっと楽しそうな笑みを浮かべているフィーロは、今を全力で楽しんでいるように見えた。
その姿を温かい眼差しで見つめながら、前世の記憶を取り戻せてよかったと本気で思った。
もしも冷徹で非道なゼンのままだったなら、この愛らしい笑みは見ることはできなかったと思うから。
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