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はじめての上級ダンジョン
第293話 ダンジョンの準備
しおりを挟むお兄ちゃんたちは1か月ほどでゲルシイを踏破したらしい。
休養日を挟んで 他の中級ダンジョンに行って 戻ってきたのが一昨日。結構ハードな活動をしていると思います。
「普通の冒険者って 1か月もダンジョンに入ったら 2週間くらいお休みすると思ってた」
「いや、ヴィオたちもダンジョン旅の時って移動だけしか休んでないよね?
しかもそんなに休んだら体が鈍るし 暇すぎてお金使い過ぎちゃうでしょ。まあそういう奴らも多かったけど、僕たちは金ランクになるための準備期間だからね。
出来るだけ色んな敵と戦って経験を積まないとね」
私とお父さんは 大陸のダンジョン制覇という夢があるから 出来るだけ入りたいし、ランクも低めだからねぇ。
戻ってきてダンジョン旅をしているうちに ルンガお兄ちゃんも銀ランクの上級になったらしい。
次の金ランクになる為の試験は 決められた中級ダンジョンの単独踏破と 上級ダンジョン2か所の踏破記録、指定魔獣の討伐の3つの条件クリアが必要だ。
今回ゲルシイを踏破したから もう一カ所踏破する必要があるけど それならここじゃなくても良かったかもね。
「いや、上級の中ではゲルシイは優しい部類だし このレベルでマジックバックが手に入るのは貴重だからな。他の上級はもっと時間がかかるか ここみたいに食料が手に入らねえ。必然的に荷物が増えるからな。ここで大容量のマジックバックを手に入れときてえんだ」
そういう事なんだね。
ゲルシイは通称 魔道具ダンジョンと呼ばれるほど ボス部屋では必ず魔道具が出るらしい。その中身はピンキリだけど 20階の中ボスでは鞄率30%、30階のラスボスでは鞄率60%というから お兄ちゃんたちが再挑戦しようというのも頷ける話だ。
「前回は10階以降の高原は 人が少ない時には走り抜けたし、森も索敵頼りで最短攻略したからな あんまり散策とか採集とかしてねえんだ」
そうなんだね、鞄を目的にしてたなら効率良さそうだけど 今回は採集もしていいのかな?
「ここのダンジョンは魔道具ダンジョンって言われるけど、10階以降は 豊作ダンジョンだからね。僕たちはグーダンの分がかなり残ってたから 然程採集をする必要が無くて駆け抜けたけど、新しい食材も見つかるかもしれないから 今回はゆっくり行こうと思ってるんだ。
父さんもそれでいいかな?」
「ああ、ええんじゃないか。20階以降は森じゃし ハズレ袋も新しいのが見つかる可能性はあるしな」
おぉ!それは非常に楽しみじゃない?
是非ゆっくり行こう!
「あ!忘れないうちに渡しておくね」
森という事で思い出したから 今のうちに渡しておかないとね。
「アランさんに作ってもらったんだ。すっごく好評でね 商標登録して 他の町でも販売される予定になったよ。今 村では 試供品のレンタル分が予約待ち状態になるくらい人気になってるんだ」
「あ~~~、もしかして 前に言ってたお風呂?
出来たんだ!?
おぉ~~~、こんな小さく畳めるのにお風呂になるの?
ルンガ ちょっとそっち持ってて」
トンガお兄ちゃんは嬉しそうにハンモック風呂の片側を持ち 反対をルンガお兄ちゃんに渡して 広げてみる。お湯がないから実感は出来ないと思うけど 是非今夜試してみて欲しい。
「気持ちよすぎて長湯になるから 気を付けた方がええぞ」
「ええ、父さんがそこまで言うってどんなだろ……。楽しみだけど はまりそうで怖いね。
ヴィオありがとうね。これは俺たち分で良いって事?」
「うん、ギルマスがね 『ダンジョンで風呂に入るなんて非常識な奴はいないだろうけど 風呂のない宿に泊まる時に活用できるだろう』って言ってた。
ギルド本部にも商品の紹介をしたらしいから 冒険者必須アイテムになるかもねって」
皆が持つようになれば 絶対にダンジョン内でお風呂に入る人が出てくるはず。
セフティーゾーンでお風呂用テントが当り前になる日も遠くないと思うんだよね。
お兄ちゃんからは パーティー資金から代金を頂きました。
家族からもお金を取るのかって?
これは依頼をされていた事だったしね、その時にいらないって言ったんだけど そこはちゃんとしておかないと良くないと言われたんだよね。
ダンジョンでの食事だって 本来は別パーティーなんだから そこまで運んできた食材や調味料の代金を支払うか 完全に別々に準備するのが通常だって。
そこを甘えてる分 今回みたいに料金がしっかり分かっているものは支払いをします という事でした。
お兄ちゃんたちしっかりしてるよね。
再会したからと言って 翌日から直ぐにダンジョンという訳ではない。
私たちも武器の修繕をお願いして武器屋さんに短剣たちは預けているし、お兄ちゃんたちも同様だ。
後はダンジョンの下調べの為に図書館にもいかないとね。
「俺たちが行ったから聞けばいいのに」
「それも頼りにしてるけど 自分の目で読んで 自分のノートに書き写すことで知識になるからね。
本に書いてない事もあるから その辺はお兄ちゃんたちが体験したことを教えて欲しいです」
特に新しく分かった情報をギルドに報告販売することはしていない。
私の年齢が幼いからというのが大きい。お父さんもただでさえ目立つのに 更に使えると思われるのは困るから あくまでも 留守番をさせれないから連れて歩いている風に見せているのだ。
まあだからこそ こないだの盗賊の時みたいな態度をされることもあるんだけどね。
図書室の資料によれば 30階層からなる上級ダンジョンで、10階層までの洞窟エリアで罠が多いことから上級指定されているとの事。
ただし洞窟エリアの魔獣は 見慣れたメンバーがラインナップされている。
ゴブリン、コボルト、オーク、ラビット、ウルフくんだ。
11階からは草原というか高原でとにかく広いとの事。
小さい系の魔獣は名前がないけど多分いると思う。代表で書いてあるのはマンティスとドレイクだけ。
多分オークとかもいるんだろうけど 10階層までに名前があるから書いてないのだろう。
21階からは森、かなり鬱蒼とした森が続くとの事。
熊と蜂が出ると書いてあるけど この2種だけを並べられると 黄色い熊なのかな?と期待したくなってしまう。
ボスは10階おきに出る。
10階はオークナイトがメインで ゴブリン軍団、
魔道具は 旅に使える系の便利魔道具が出やすいとの事。お兄ちゃんたちは保温水筒が出たらしい。持っていた物の方が性能が良くて 即売ったらしいけど。
20階はウッドランドリザード、これは初見になる蜥蜴ですね。
体長2メートルの巨大トカゲは 全身を苔が覆っているから緑に見えるみたい。コレの更に大きいのは 背中に木が生えているらしいけど想像がつきません。
他のトカゲと一緒で 噛みつき、引っ掻き攻撃もあるけど、木魔法が使えるらしく 背中から蔦、枝などを伸ばして攻撃してくるみたい。
燃やしてみたらどうなるか試してみよう。
ラスボス30階は 四腕熊とビッグベアの熊祭り。
四腕熊はその名の通り4本の腕がある。肩甲骨の辺りから2本生えてるらしいので その腕と肩の骨の動きを見てみたいところ。
ただでさえ強力な熊のぶん殴り攻撃が倍という事だ。まともに遣り合ったら大怪我をするだろう。
其々の魔獣についてしっかりメモをした後は お父さんと対策を話し合う。
今回はお兄ちゃんたちもいるから 4人での攻撃方法を考えないとね。
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