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元令嬢達
しおりを挟むトリスタンからレングストンに帰って来たラメイラとトーマス。
王都に入り、王宮に向かっていた。
「あ、大聖堂だ。ナターシャとリュカが結婚式した所だろ?」
「俺達もあそこでやるぞ。」
「そうなの?」
「王族だけでなく、貴族や平民達も使えるぞ。ただ費用はそれなりにするから、平民はこじんまりとした教会でする事が多いが。」
「………トリスタンの公女がレングストンの国民に受け入れてくれるのかな……。」
急に不安に駆られたラメイラ。
トーマスは後ろから少し伸びたラメイラの髪を分け、うなじを見えるようにすると、うなじにキスを落とした。
「大丈夫………ラメイラは俺が守るし、不安になったり、怒りを覚えたら俺が受け止めてやる。」
「………ふふ………擽ったいよ……。」
「もっと気持ちいい事するか?」
「…………それは……夜に………。」
「嫌じゃないのが嬉しいね。」
「……………。」
平民街を馬車で通っていると、物乞いのような女がチラホラ見える。
しかし、着ている服はボロボロであるが、上等だったと見える生地のドレス。
「トーマス………あれ……あ、あそこにも……こっちを見てる、というか追いかけられてる?」
「ん?………あぁ、平民に落とされた令嬢達だ。ナターシャが兄上と結婚する前迄、嫉妬に駆られ、ナターシャを傷つけようとした女。ロレイラとレーチェは牢獄行きだが、他の女達は、爵位から落とされ平民になった。平民になってからは、どう生きようが勝手。貴族からの援助は一切無しで、身に付けている物以外、持ち出し禁止になってる筈だから、多分あのままなんじゃないかな。」
「………自業自得だけど、何してるんだろ、追いかけてきて。」
「…………ちょっと止めてくれ。邪魔にならないの所でな。」
トーマスは馬車を停めさせると、馬車から降りた。
「ラメイラは降りるなよ。」
「何で?」
「ナターシャを傷つけようとした女達だ。ラメイラにも危害を加える可能性もある。」
「………分かった、馬車から見てる。」
トーマスは、令嬢達を睨む。
「後を付けて何用だ。お前達が元貴族令嬢ぐらい覚えているんだぞ?」
「………で、殿下!!………どうかお慈悲を!!お願い致します!!」
「私も心改めます!!お慈悲を!!邸に帰らせて下さいませ!」
「触るな!」
侍従達が間に入る。
「兄上は決して許さない。何をしても貴族に戻れない。反省するなら修道院にでも助けを求めるがいい……お前達が慈善奉仕を拒否し、好き勝手した修道院が引取ってくれるなら、の話だがな。」
「そ、そんな………お慈悲を………お願い致します!!トーマス殿下!!」
「トーマス、罰は受けてるんだろ?彼女達。」
「ラメイラ!」
「下働きで働かせたら?侍女は平民出身が殆どだって聞いたけど、彼女達だって教養やマナーは勉強してきているなら、役立たないかな?」
「駄目だ!そんな事にしたら、兄上の逆鱗に触れるぞ!貴族街にも出入り禁止にした程なんだから。」
「じゃ、普通に平民として街で働けばいいじゃないか、何故彼女達はしないんだ?物乞いのようにして………身体でも売ってるのか?」
「!!……………くっ………。」
「図星だな、自業自得じゃないか、それを慈悲をくれ、ておかしな話だ。あなた達の事を知らない街に行ってやり直しなよ。リュカもトーマスもナターシャだって、決して許さないんだから、私もだけど。この王都に居る限り、噂は付いて回るからまともに働けないのと、本当に反省していないからそんな事やってるんだろ?救援の処置なんてあなた達に要らないよ。行こう、トーマス。」
「そういう事だ。父君達には娘とは縁を切れ、援助したと分かれば、爵位も没収だからな、これ以上父君達の顔に泥を塗るな。」
「……………うっ………わ~~~っ!!」
元令嬢達は、醜聞も顧みず泣き喚いていたのだった。
「ラメイラ……出てくるな、て言ったのに。」
「馬車からは出ていない。」
「…………確かにそうだが………口が出てたからお仕置き。」
「んっ!」
出しゃばった口をトーマスが口で塞ぐ。
「ぷはっ!!キスしたかっただけじゃん!!」
「………さぁ?………ごちそうさま。」
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