私が欲しいのはこの皇子!【完結】

Lynx🐈‍⬛

文字の大きさ
82 / 100

お仕置きの意味

しおりを挟む
 
 皇太子邸に再び、トーマスがやって来た。
 しかし、皇太子邸の前にリュカリオンが入らず衛兵達と雑談している。

「何をやってるんだ?兄上。」
「…………トーマス……お前……ちょっと来い。」

 リュカリオンはトーマス邸にトーマスを連れて来る。

「何ですか?ラメイラ迎えに行ったのに。」
「お前、ラメイラに道具使ってるのか?」
「は?道具とは?」
「閨だよ!」
「使ってないですよ?まだ。」
「…………まだ?」

 詰め寄るリュカリオンに、トーマスは不思議に思う。

「何を聞いてくるんです。閨で俺の趣味を兄上は共有しようと?使う物を共有なんてしませんよ。」
「誰がお前と共有するか!ナターシャは違うが、ラメイラが俺もお前と同様か、と聞いていたんだ。ナターシャに!どうなってるんだ、お前とラメイラの閨は!」
「どう、て今の所は道具なんて………あ……。」

 リュカリオンがトーマスに疑いの目を向ける。

「………何かあったな?」
「道具が無かったから、夜着で腕を使わないようにしたぐらいですよ。あとは眼鏡でちょっと突いたり?」
「…………お前、ヤリ過ぎじゃないか?」
「まだ可愛いもんですけどね、トリスタンでは、結婚を認められた男女は、閨を人に見せるんですから。」
「……聞いた事はあるが、本当にあるのか!」
「えぇ、やってきましたから。」
「ラメイラは素直に従ったのか?」
「見られたくない、と言ったので天蓋でベッドを囲んで、少し確認後に退室してもらいましたよ。トリスタンは、女性を大事にしないのだな、と熟思いましたね。ラメイラの兄上は3人の女性を同時に娶り、閨をラメイラに見せたのが、余程ラメイラの心に傷を付けたようです。」
「閨についてはもう少し話し合うんだな。悩んでたぞ、ラメイラ。」
「分かりました。気をつけます。」

 リュカリオンはトーマス邸を出て皇太子邸に戻った。
 残されたトーマスは過激な物は隠す事にした。

「ナターシャに相談する迄思い詰めたのか………。」

 いくつか積み重ねられた箱の中には閨の道具。
 使いたいと思ったが使える日が来るかは分からない。
 そんな考えを巡らせていると、後ろから気配を感じ振り返る。

「わっ!びっくりした!私が驚かそうと思ったのに。」
「…………ラメイラ……。」
「ん?何か顔色悪くないか?」
「あ、いや……さっき皇太子邸に迎えに行ったが兄上に捕まって………話を。」
「………リュカに?………………まさか……何か聞いた?」
「閨の事?」
「…………う、うん。」

 トーマスはラメイラを抱き寄せると、頭一つ分高いトーマスはラメイラの頭に顎を乗せる。

「ラメイラは俺とスルの嫌い?」
「……………嫌いなんて思ってない………過激過ぎなのは……ちょっと………。」
「…………道具を使うのが嫌じゃないのか?」
「は?ナターシャに聞いたのは回数とか時間とか……………あ、あの………。」
「ん?」
「…………ト、トーマス以外の……………が入るの………嫌………。」
「…………………。」
「………?トーマス?」
「………抱きたい……。」
「えっ!!ま、まだ昼っ!!」
「駄目…………もう勃ってる。」
「!!…………やだっ!体力持たないから、夜からにしてっ!」

 抱き抱えられたラメイラは無理矢理降りようと暴れた。

「こらっ!暴れるなっ!…………分かった!下ろすから!」
「……………トーマス……お願い…ちゃんと聞いて!」
「…………分かった。」

 下ろされたラメイラはトーマスの手を両手で握る。
 そして、真っ直ぐトーマスの目を見つめた。

「私、トーマスが好き。トーマスと抱き合うのも勿論好きなんだけど、閨の時間は夜だけにして!睡眠時間もしっかり欲しい!………ど、ど、ど………。」
「どどど?」
「道具に関してっ!…………痛い物とか、私が見て嫌だって思った物じゃ………なかったら………頑張る………から……あの………嫉妬から『お仕置き』て言っては閨に持って行くの止めて………。」
「お仕置き………した事あったっけ?」
「!!……あるよ!!2週間の間、泊まった宿屋の主人と話してた時も、ウェールズ公爵別邸でワインの作り方を別邸で働くの人に聞いた後も!!お仕置き、て言って、いっぱい焦らされて恥ずかしい事ばっかり言わせた!!」
「あぁ………可愛くて可愛くて仕方なかった時か…………ご褒美全くあげなかったから怒ってたのか……。」
「!!……………お願い聞いてくれなかったじゃないか!!………一緒に気持ちよくなるのが閨じゃないの?」
「ラメイラ………俺はラメイラが気持ちいいと感じる姿を長い時間見たいだけだ。」
「…………それなら欲しいって言ってるのに、まだ駄目、とか言ってもなかなか………その………くれないのとは違うの?」
「挿入したら、直ぐイッちゃうだろ?………だから焦らして………。」

 ラメイラの顔が怒る。

「いいじゃないか!!気持ちいいんだから!!何度も求めればいいのに、最初の1回が長いんだよ!2回目3回目なんて、もう体力続かないから、ナターシャに聞いたぐらいなのに…………何だ………これ………もう馬鹿らしくなってきた………。」
「要は、最初の1回がハード過ぎる、て事か…………。」
「……………うん………そっか、そう言えば良かったのか………。」
「ブッ…………何をまた考え過ぎてんだか。」
「………真剣に悩んでたんだもん。嫉妬凄いのに、静かに焦らして困る私を見て楽しんで、トーマスが好きだって言う私の泣き顔になる迄、くれないから疲れて体力持たないのに、トーマスが満足してるのか、て思って……。」
「………もう可愛い過ぎる、ラメイラ………ブッ。」
(俺も、ラメイラとの事で悩む日が来るんだろうな……その都度こんな馬鹿な話をし合うんだろうか……。)
 
 トーマスも、ラメイラの様にいつか衝突する事を肝に銘じるのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。 だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。 車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。 あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜

瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。 まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。 息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。 あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。 夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで…… 夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない

彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。 酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。 「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」 そんなことを、言い出した。

【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。 働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。 早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。 そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。 大丈夫なのかなぁ?

距離感ゼロ〜副社長と私の恋の攻防戦〜

葉月 まい
恋愛
「どうするつもりだ?」 そう言ってグッと肩を抱いてくる 「人肌が心地良くてよく眠れた」 いやいや、私は抱き枕ですか!? 近い、とにかく近いんですって! グイグイ迫ってくる副社長と 仕事一筋の秘書の 恋の攻防戦、スタート! ✼••┈•• ♡ 登場人物 ♡••┈••✼ 里見 芹奈(27歳) …神蔵不動産 社長秘書 神蔵 翔(32歳) …神蔵不動産 副社長 社長秘書の芹奈は、パーティーで社長をかばい ドレスにワインをかけられる。 それに気づいた副社長の翔は 芹奈の肩を抱き寄せてホテルの部屋へ。 海外から帰国したばかりの翔は 何をするにもとにかく近い! 仕事一筋の芹奈は そんな翔に戸惑うばかりで……

子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。 相手は、妻子持ちだというのに。 入社して配属一日目。 直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。 中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。 彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。 それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。 「俺が、悪いのか」 人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。 けれど。 「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」 あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。 相手は、妻子持ちなのに。 星谷桐子 22歳 システム開発会社営業事務 中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手 自分の非はちゃんと認める子 頑張り屋さん × 京塚大介 32歳 システム開発会社営業事務 主任 ツンツンあたまで目つき悪い 態度もでかくて人に恐怖を与えがち 5歳の娘にデレデレな愛妻家 いまでも亡くなった妻を愛している 私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?

処理中です...