再婚相手は溺愛消防士!?二度と結婚しないと決めてたのに、どうしてこんなことに!

すずなり。

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気づき。

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「けーたん!これ!ありがと!」

家に帰るなり、真那が圭吾さんへのお礼の品を持ってきた。
中身はマフラーとトレーナーだ。

「すご・・・。服だったら何でも作れるのか?」
「まぁ・・・。着物も縫えるし・・・。あ、ダウンはちょっと難しいかも?」
「さすがショップを運営してるだけのことはある・・・。」

圭吾さんは律義にもトレーナーを着ようと思ったのか、上着を脱ぎ始めた。
下は深田さんと同じく、紺色のタンクトップだ。

(わっ・・・!本当に深田さんより筋肉がすごい・・・。)

見てわかる明らかに逞しい体に、私は思わず視線を逸らした。
そのとき、真那が自分のタンスから服を引っ張り出してきて・・・

「けーたんといっしょ!」

そう言ってトレーナーを見せたのだ。

「え?・・・あ!本当だ!」

そう、実は圭吾さんと真那のトレーナーがお揃いになっている。
これは真那の希望で、どうやら空くん一家を真似たかったようだ。

「ごめんね、真那がどうしても圭吾さんとお揃いがいいっていうから・・・。あ、でもちょっと色は変えてある場所があるの。裾のほうに柄が入ってあるんだけど、その色をちょっと。」

似た服だと思われるかもしれないけど、お揃いで仕立てたとは思われにくいように作ったつもりだ。

「へぇー・・・。俺は真那とお揃いでも全然大丈夫だけどな。」

兄弟や親子でもない関係でお揃いの服は、女子同士ならあることだ。
でも、圭吾さんと真那は赤の他人。
それなのにまるで親子のように見えてしまうお揃いの服でも大丈夫だという言葉に、私は驚いた。
だってそれは、『真那の父親と間違われても構わない』と言ってるように聞こえたから。

(まさか・・・ね。)

そんなことを考えてると、真那がトレーナーをかぶっていた。
上手く手が通せずに苦戦しているのを手伝うと、圭吾さんがもうトレーナーを着終わっていたのだ。

「どう?」

そう言われ、私は彼を見た。
予想外にもサイズがぴったりで驚く。

「少し・・・大きめに作ったつもりだったんですけど・・・。」
「ん?・・・結構ぴったりだと思うよ?」
「そう・・ですよね?」

誤差があったのかと考えてると、トレーナーを着終わった真那が圭吾さんの隣に並んだ。

「ど?ママ!」
「!!」

二人が並ぶと本当の親子のように見えた私。
二人ともよく似合っていて、作ってよかったと心から思ったのだ。

「かわいい・・・!」
「えへ。」

すると、圭吾さんが真那を抱き上げ、片手で抱っこした。

「じゃあこれでどう?」
「!!・・・すてき!」
「ははっ。」

真那は圭吾さんとお揃いが嬉しかったのか、抱きついている。
それを笑顔で受け止めている圭吾さんに感謝を覚えていた。
そのとき・・・

「ママ!けーたんは、まなのパパ?」
「!?」
「!?」

突然の真那の言葉に、私は固まってしまった。

「ち・・ちが・・・」

『違う』。
そう言おうとしたとき、圭吾さんが先に真那に話しかけたのだ。

「真那、俺は真那のパパじゃない。」
「パパじゃない・・・?ちがうの?」
「うん。」

圭吾さんに言われ、明らかにしゅんとしてしまった真那。
これから先も、こうしてがっかりさせてしまうことはあるだろう。

(ごめんね・・・真那・・。)

何度も謝りながら育てようと思ったそのときだった。

「でも、真那は俺がパパだったらよかったって思った?」

その言葉の意味を、私は瞬時に理解した。
でも、真那はそんな深く考えることはできない。

「まな、パパはけーたんがいい!」
「俺がパパになったら、真那のことを怒るかもしれないぞ?」
「おこる?」
「そうだ。真那が悪いことをしたら怒る。嫌いなものは食べるように言うだろう。それでも俺がいいのか?」

圭吾さんはきっと、真那に諦めさせるためにそう言ったのだろう。
『怒られること』が前提のパパなんて、子供はきっと嫌がる。
私もそう思ったのに、真那は違う答えを出したのだ。

「・・・だいじょうぶ!まな、いいこだから!」

その言葉を聞いた私と圭吾さんは、二人で同時に吹き出してしまった。

「あははっ・・・!」
「ふふっ・・・!」
「?・・・なあに?」

自分の答えが正論だと思っている真那は、きょとんとした顔をしていた。
予想外の答えに笑ったあと、圭吾さんは真那を床に下したのだ。
そして・・・

「・・・だそうだけど、那智はどう思う?」
「へ・・・?」
「俺が真那の父親になるって話。」
「!?・・・いやっ・・・それは冗談なんじゃ・・・」

子供の話を真に受ける人はいないだろうと思っていた私。
でも、圭吾さんは違ったみたいで・・・。

「それはどうかな?」
「!?!?ちょ・・・え!?」
「ははっ。」
「!?!?・・・からかったの!?」
「さあ?」
「~~~~っ!?」

何が何だかわからずにいると、圭吾さんが私のすぐ傍に立った。
そして・・・

「あとは、那智だけだな。」

そう言ったのだ。

「へっ・・・!?」
「じゃあ俺、帰るよ。この服、ありがとう。」
「あ・・・こちらこそ・・・。」
「またな、真那。」
「けーたん、ばいばーい!」

よくわからない熱だけ残して帰っていった圭吾さん。
でも私は、この熱が何なのかを薄々気づいていた。

(そんなことない・・・はず・・・。)

そう思った私だったけど、この翌週に自覚することになるのだった。



ーーーーー



「おかいものっ、おかいものっ。」

圭吾さんたちにお礼を渡した翌週、私は真那を連れて大きな街まで買い物に来ていた。
その理由は、幼稚園での生活に必要なものを買うためだ。

「ネットで買うのもいいんだけど、手に取ってみたいし・・・。真那、いい子でいてよ?」
「はーいっ。」

私と真那は順番にお店を覗いていった。
水筒やお弁当箱、真那の鞄、クレヨン、ハサミなんかを買っていく。

「これで一通りかな?」

買うべきものを買い、真那とカフェでパンケーキを食べた。
そしてバスに乗り、真那の希望で雪華さんのカフェに寄る。

「那智さん、今日は真那ちゃんと買い物行ってたの?」

閉店間近のカフェにお邪魔し、大量の荷物を見た雪華さんがそう聞いてきた。

「そうなのー。幼稚園に必要なものを先に買ってしまおうと思って・・・。」
「まぁ、もし買い忘れがあったとしても、時間に余裕があるほうがいいわよね。」

真那は空くんのもとへ一直線に行き、私は買ったものをチェックしていた。
そのとき・・・

「嘘・・・。買い忘れがある・・・。」

買ったものを見ていると、どうも数が少ないことに気がついたのだ。
困ったことに私は真那のコップを買い忘れてしまったようだ。

「また街に行くときでいいかなー・・・、いや、ネットで買う?」

パソコンからネットショップを検索してみるものの、真那が好きそうな柄のコップはなかった。
入園までまだ時間があることが幸いだ。

「何忘れたの?」
「あー・・・プラスチックのコップ・・・。」
「なかなか家にないもんねぇ・・・。うちのをどうぞ?って言いたいところだけど、がっつり男の子の柄だし・・。あ、プラスチックのお箸のセットは?」
「!!・・・忘れた・・。」
「あらあら・・・。これはもう一回だね。」
「うぅぅ・・・。」

『仕方ない』。
そう思った私だったけど、雪華さんはある提案をしてきたのだ。

「あ!よかったらさ、街に行ったときに紙袋買ってきてくれない?そろそろ切れそうで・・・。」
「え?」

雪華さんはキッチンに行き、そこから茶色の紙袋を持ってきた。
よくあるサイズだ。

「これくらいのサイズでいいの。頼んでもいいかな?ちゃんと支払いはするし!」

いつもお世話になったる雪華さんの頼みだ。
断る理由なんて、どこにもない。

「もちろん!」
「よかったー!」

『でも行くのは当分先になる』と言おうとしたとき、先に雪華さんが口を開いた。

「どうしようかと思ってたから助かるわ。ありがとう。行く日が決まったら教えてね?」

その言葉に、私は『当分先だ』と言えなかった。
この紙袋は『もう切れる』と言っていたことから、残りの枚数は少ないだろう。

(まぁ、いっか。)

真那を連れて街まで行くのは大変だけど、雪華さんが困るようなことはしたくないと思った私は明日、もう一度街に行くことにした。
そのことを雪華さんに伝えると、とても喜んでくれたのだ。

「あ、行く前に寄ってくれる?」
「?・・・わかった。」

お代だったら先に建て替えておくけど、もしそうじゃない別の用事があってはいけないことから、私は言われた通りにカフェに寄ることにした。
明日もバスに乗ることを真那に伝えると、それはもう喜んで・・・。

「やったあ!」
「バスで寝たりしないでよ?重たいんだから。」
「はーい!ぱんけーきっ!」

明日もパンケーキが食べれると思ってる真那。
たまにはいいかと思いながら迎えた翌日。
雪華さんのカフェの前で、圭吾さんが立っていたのだ。

「那智、デートしよっか。」
「――――っ!?」






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