再婚相手は溺愛消防士!?二度と結婚しないと決めてたのに、どうしてこんなことに!

すずなり。

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真那を身ごもった日。

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ーーーーー


今から4年ほど前の秋ごろ。
合コンでお酒に負けてしまった私は無事に家に帰れる自信がなく、ホテルに泊まることにした。
そのとき、ちょうど大介も酔いつぶれていて、放っておけずに声をかけたのだ。

「ねぇ、帰れないならホテル取ってあげるけどどうする?」

スマホで近くのホテルを検索しながら声をかけると、大介はろれつの回らないような声で返事をした。

「だいじょーぶだって・・・。このままでいーし・・・。」
「・・・。」

まだ本格的な冬でないとはいえ、夜になると急に寒くなるのが秋だ。
それがわかっていてこのまま放置など、できるはずがなかった。

「ホテル取ってあげるから、そこに行こうよ。私も今日は泊まって帰るし。」
「んー・・・。」

このまま地面に寝っ転がって寝始めてしまうのではないかと思い、私は彼をなんとか起こしながらホテルに向かった。
一番近くのホテルにとりあえず入ってみたものの、空いてた部屋はシングルのみ。
とりあえず彼を寝かせて、あとでお金を請求しようと思い、私は手続きをした。

「あの・・・すみませんがこの人を部屋に連れて行ってもらえませんか?私もそろそろ限界で、ほかのホテルを探したいですし・・・。」
「申し訳ありません。そのようなサービスはなくて・・・。」
「・・・ですよねー・・。」

私は諦めて、彼を一生懸命抱えながらホテルのエレベーターに乗った。
そして唯一空いていた部屋に入り、ベッドに彼を落としたのだ。

「ふー・・・やっと私のホテルを探せれる。」

そう思ったとき、自分の体がぐらっと傾いたのがわかった。
これまでの緊張が解けたのか、はたまた酒がまた回ったのか、とてもじゃないけど立っていられなくなったのだ。

「うぁ・・・・。」

傾く私の体はそのままベッドに倒れこみ、荒い息がベッドを小刻みに揺らし始める。

「みず・・・・」

とりあえず水を飲んで落ち着きたいと思った私は、そうつぶやいた。
すると、私の様子にきがついたのか大介がベッドから起き上がり、のそのそとどこかに行ってしまったのだ。

(酔ってどこかに行ったのかな・・・・もうどうでもいいや・・。)

とにかく自分の体調を戻すことに集中しようと息を整えていると、突然私の体がひっくり返された。
仰向けになってしまった状況に驚いていると、大介がペットボトルを持って私に覆いかぶさってきたのだ。

「なに・・・?」
「ほら、水。」

彼は私のつぶやきを聞いていたようで、ペットボトルの水を持ってきてくれたのだ。

「今は・・飲めないからいい・・・。」

自分で欲しておいて飲めそうにない私。
もう少し息が落ち着いてからじゃないと、意識がどうにかなってしまいそうだったのだ。

(ぐわんぐわんする・・・。もうお酒は飲まない・・・。)

飲みすぎて酒をやめる人は、みなこういう経験から決めるのかもしれない。
そんなことを考えていると、大介はペットボトルのふたを開け、自分が飲み始めた。
彼も酒を大量に飲んでいたことから、水が欲しかったのだろう。

(私の分がなくなるじゃん・・・。)

そんなことを冷静に考えている私に驚いていると、彼は急に私の唇に自分の唇を重ねてきたのだ。

「んっ・・・!?」
「ほら、飲めよ。」

何の遠慮もなく口に流れ込んでくる水を、私は上手く飲み込むことができなかった。
それよりも、なぜ口から水をもらってるのかもわからなかったのだ。

「やっ・・・!んぐっ・・!んっ!」
「水が欲しいんだろ?ほら。」
「ちがっ・・!んぐっ・・!」

流し込まれる水は私の口からあふれ、ベッドを濡らしていく。
ぐわんぐわんと回っていた頭はさらに回り、もう自分がどこを向いているのかもわからなくなり始めていた。

「はぁっ・・はぁっ・・・」

荒くなる一方の息を整えるために全身で悶えていると、大介は私の腰に手をまわし始めた。
その手はただ介抱をする動きではない。

「俺をホテルに連れ込むなんて・・・大胆な女だな?那智。」
「!?・・・ちがっ・・・!」
「何が違うんだよ。お前がホテルを取って、俺を連れてきた。それで?今はベッドでこうして倒れてる。」
「それは放っておけなかったからであって・・・!」
「いいって、見苦しい言い訳なんかするなよ。楽しませてやるから。」
「!?やっ・・!ちがうからやめて・・っ!」

動くたびにぐわんぐわんする頭を押さえながら、私は起き上がろうとした。
でも、そんな状態の私を抑え込むことなんて大介にとっては簡単なこと。
私は押し倒され、そのまま服を全部脱がされてしまったのだ。

そしてそのあとは・・・


ーーーーー


「ごめんね、嫌な話しちゃって・・。」
「いや、それはいいんだけど・・それ、同意もなしにって犯罪になるんじゃないのか?」

私の話を聞いた圭吾さんは、真剣な顔でそう言った。

「そう・・なんだけど、警察に言ったらそのときの状況を細かく話さないといけないの。どこをどう触られて、何をどれくらいされたのか。」
「え・・。」
「時間とか、そのときに感じていたこととかも。それを思い出して口にすることが・・・そのときは嫌だった。いくら女性の警察官相手でも、淡々と聞かれることがこのうえなく嫌だったし、屈辱に感じたの。」

さらに傷を負うことになりそうで、私は警察に言うのをためらった。
警察に言うのをためらった理由はもう一つあって、それは大介が謝罪してきたことにある。
彼もあの日は酔っていたから強気になっていたらしく、あとになって土下座してきたのだ。
私自身が酔っていたことと、一晩だけのこともあり、もう忘れることにした矢先に真那ができたことがわかった。

「彼に真っ先に言いに行ったの。堕ろすにしても彼の名前がいるし、お金だってかかる。だから言いに行ったら『体に傷をつけて堕ろすより、産んだほうがいいんじゃないか』って。」
「んな無責任な・・・。」
「そう思うよね。でも彼は『妊娠させてしまった責任は、俺にある。産むならちゃんと結婚するから』って言ったの。プロポーズにみたいに聞こえるけど、彼は自分の行動に酔っていただけ。『妊娠させちゃったから責任取る俺はいい男』みたいなステータスだと思っていたの。」

その言葉を信じて産むことにした私と彼はすぐに結婚。
安いアパートを借りて一緒に暮らし始めたけど、彼は自分が働いたお金が私と真那に消えることにだんだん文句を言い始めたのだ。
生活費が高いだの、検診代が高いだのと、あふれる文句は止まることを知らなかった。
それでもお金を出してくれるだけまだいいと思っていた私だったけど、真那が生まれるとその考えは変わった。
このまま真那が大きくなったとき、真那が彼のことをどう思うか不安になってきたのだ。
ただ同居してるだけの人ならマシかもしれないけど、真那が不安に思いながら成長すると心に良くないと思い始めた。

「それで別れてこっちに?」
「うん。向こうは自分が言い始めた結婚だったから『離婚したい』って言い出せなかったみたい。だから、私が言いたくなるまで粘るつもりだったのよ。」

そこまで話をしたとき、車のナビが音声案内をだした。

『この先、およそ10分で目的地です。』

休憩を挟みながら長い間話をしていたことに気がつき、私はあたりを見回した。
このあたりの風景に、柚香さんの生活があるのだ。

「柚香さんに会えるの楽しみ。連れてきてくれてありがとう、圭吾さん。」
「・・・どういたしまして。」

こうして私たちは10分後、柚香さんが待つコンビニに入っていったのだった。




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