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近衛さんの家族。
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そしてさらに翌日の朝10時前。
近衛さんと出かける約束をしてる今日、私は朝から服選びに真剣だった。
そういうのは、行き先が『動物園』になったからだ。
「昨日の夜、どこ行くかをLINEしてて決まったのはいいけど・・・服が悩む・・・」
まず最初に悩んだのはスカートで行くか、パンツで行くかだ。
できれば体型をカバーできるスカートがいいものの、動物園という場所を考えたらパンツが良さそうだった。
歩くだろうし、もしかしたら『ふれあい』的な場所があるかもしれないのだ。
「うーん・・・スカートに見えるパンツにしようかな・・・。」
とりあえず下はざっくり決まり、次は上。
ニットのセーターを着て、ノースリーブのダウンジャケットを羽織ってみた。
「・・・うん。あとはスニーカーと・・・バッグはリュックがいいかな。」
一通り決まったところで時計を見ると、もうそろそろ近衛さんが来る時間だった。
今日は彼がアパートの前まで車で迎えに来てくれることになってるのだ。
「待たせたら悪いし、そろそろ出てようかな。」
そう思って私はリュックに財布やハンカチ、スマホにティッシュと必要なものを入れていき、玄関の扉を開けた。
鍵を閉め、音を立てないように階段を下りていくと、もうすでに近衛さんが到着していたのだ。
「ふぁっ・・!?」
「・・・おはよ。」
車にもたれるようにして立っていた近衛さん。
ノースリーブのダウンジャケットを羽織っていて、まるで『お揃い』みたいな服装に一瞬どきっとしてしまう。
「い・・いつから来てたんですか・・!?」
「ついさっきだよ。・・・どうぞ?」
そう言って近衛さんは車のドアを開けてくれたのだ。
「~~~~っ。」
「乗り方、まだ覚えてるか?」
私はこの前教わった乗り方で、ゆっくりシートに座った。
また開ける視界に感動を覚えてしまう。
「ちょっと遠いけど昼前くらいに着くと思うからどこかでご飯食べようか。」
「そっ・・そうですね・・・っ。」
「苦手な食べ物とかある?」
「なっ・・ないです・・・っ。」
前に乗せてもらった時とは状況が違うこともあり、私は緊張していた。
何を話したらいいのかわからず、また、どこを見たらいいのかもわからなくなってくる。
「そんな緊張しなくても・・・」
「スミマセン・・・。」
「うーん・・・、あ、ほら、お兄さんとこに行った話を聞かせて?電車で行ったんだろ?」
「あ・・・そうです。電車で行きました。」
「結構時間かかったんじゃ?」
「乗り継ぎ5回の4時間ですね!」
「ながっ・・・!」
近衛さんが話題を振ってくれたおかげか、気がつけば車は走り出し、私はいつも通りに話をすることができるようになっていた。
いつも兄と待ち合わせする喫茶店の話や、私の幼少期の話、それに兄の職場の話なんかもしていく。
「あ、そういえば近衛さんのご家族って・・・何人家族なんですか?」
「うちは・・・来間さんと一緒。父母俺、妹の4人だよ。」
「妹さんがいらっしゃるんですね!年が近いんですか?うちは7歳離れてるんですけど・・・。」
「離れてる離れてる。15離れてる。」
「15!?え・・だったら妹さんって高校生!?」
「そう、今年高1。実家で一人暮らししてるよ。」
「一人暮らし!?」
近衛さんのお家はご両親が海外でお仕事をされてるらしく、日本に帰国することはあまりないのだとか。
それで近衛さんと妹さんの二人で暮らしていたけど、今回、近衛さんがあの交番に配属が決まってお互いに一人暮らしをすることにしたらしい。
「え・・妹さん、大丈夫なんですか?」
「まぁ、自炊もできるし、念のためにヘルパーさんを週に1度送るようにしてあるよ。」
「そうなんですか・・・。でも心配しますよね、まだ高校生ですし・・・。」
そう心配する私だったけど、近衛さんは少し小さな声で呟くようにして言った。
「うん。・・・でもあいつは俺がいないほうが気も晴れるんじゃないかな。」
「え?・・・どうしてそう思うんですか?」
「・・・。」
気になったことを聞き返した私だったけど、直後に近衛さんが黙ったことから『聞き返さなければよかった』と瞬時に思った。
誰だって聞かれたくないことくらいあるものだ。
「あ・・すみません・・・。」
「いや、いいんだ。いづれ言うつもりだったし・・・。あまり気分のいい話じゃないけど聞いてくれる?」
そう言う近衛さんの表情が『聞いて欲しい』と言ってるような気がした。
誰かに話すことで近衛さんの気持ちが少しでも軽くなるのならと思い、私は首を縦に振る。
「ありがとう。聞きたくなくなったら『もういい』って言って?すぐやめるから。」
「大丈夫・・です。」
「ははっ。・・・去年の話なんだけどさ・・・」
近衛さんはハンドルを握り、前を向きながら昔話を始めた。
「・・・俺の妹、『琴葉』が事故に遭ったんだよ。」
「事故?」
「そう。巻き込まれたんだけど・・・ちょっと運が悪くて。」
当時中学3年生だった妹さんは、朝、学校に行く途中で車同士の接触事故の現場に居合わせたそうだ。
事故の原因はお互いの車が中央線をはみ出して走行していたこと。
車同士がぶつかった拍子にハンドル操作がきかなくなって、お互い壁に激突したそうな。
「その激突した壁と車の間に・・・琴葉が巻き込まれたんだ。」
「!!うそ・・・・」
「まぁ、巻き込まれたと言っても体全体じゃなくて腕一本だったんだよ。スマホを持っていた右手が挟まってしまったんだ。」
接触事故の音に驚いてしまった妹さんは、恐怖でその場から身動きが取れなくなったそうだ。
そして突っ込んで来る車を見て目を閉じてしまい、次に目を開けた時には右手が挟まれた状態で壁にもたれかかるように座っていたのだとか。
「体が本能で逃げようとしたんだろうけど、一歩遅かった。逃げる拍子に伸びてしまった右手が挟まって粉砕骨折。神経もやられて入院することになったんだよ。でも・・・」
手術を繰り返して神経を繋いでもらい、妹さんは無事退院することができたらしいけど、右手は元通りにはならなかったそうだ。
日常生活には支障はないほど回復を果たしたものの、妹さんは塞ぎ気味に。
「え・・でも日常生活に支障はないんですよね?傷が酷いとか・・・?」
「いや、傷も見えないくらいにしてもらったんだ。皮膚移植とかあるからさ。でも妹は・・・琴葉は目指してるものがあって・・・」
「目指してるもの?」
「うん。・・・ピアニストになりたがっていたんだよ。」
なんでも妹さんは『天才を凡人に変えるピアニスト』と呼ばれるくらいの腕の持ち主だったそうだ。
幼少期からコンクールを総なめし、高校も国内屈指の高校に入学が決まっていたのだとか。
「結局その高校に進学はしたんだけど、やっぱ塞ぎ込みがちでさ。俺がいると『学校はどうだ』とか『友達はできたか』とか聞いちゃうから嫌がるみたいで・・・。」
「あー・・・なるほど・・・。」
「だからちょっと離れるのもいいかと思ったんだ。心配なら移動願出して戻ることもできるし。」
妹さんのことを心配するいいお兄ちゃんだなと思いながらも、私はその妹さんの才能に驚いていた。
幼少期からコンクールを総なめにできるほどの実力があったのなら、さぞ悔しいことだろう。
「すごいですね、妹さん。」
「え?」
「好きじゃないと続けられないですし、コンクールを総なめって・・・もう天才じゃないですか。」
芸術の世界は難しい世界なことくらい私にだってわかる。
継続や閃き、それに時代の流れなんかもあって運も必要な世界だ。
「あー・・・たぶん三橋さんは知ってると思うんだけどさ、俺の親・・二人とも音楽業界の人で・・・」
「え!?そうなんですか!?」
「父親はチェロを弾いてて、母親はオペラ歌手なんだよ。だから海外で仕事してるんだ。」
驚くような話に私は開いた口が塞がらなかった。
近衛さん一家は、音楽一家だったのだ。
「え・・・ちなみに近衛さんは何か音楽を・・・?」
そう聞くと彼は笑いながら手を振った。
「いや、俺はぜんっぜん。才能を全く受け継がなかったんだよ(笑)」
「そうなんですか?」
「聴くのは好きだけど、自分で演奏はあまり好きじゃなくてさ。」
「へぇー・・・。あ、聞きたいことあるんですけど・・・いいですか?」
初めて聞く世界に私は近衛さんが育ってきた環境に興味津々だった。
でも私の問いに、彼は少し嫌そうな顔を一瞬見せたのだ。
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そしてさらに翌日の朝10時前。
近衛さんと出かける約束をしてる今日、私は朝から服選びに真剣だった。
そういうのは、行き先が『動物園』になったからだ。
「昨日の夜、どこ行くかをLINEしてて決まったのはいいけど・・・服が悩む・・・」
まず最初に悩んだのはスカートで行くか、パンツで行くかだ。
できれば体型をカバーできるスカートがいいものの、動物園という場所を考えたらパンツが良さそうだった。
歩くだろうし、もしかしたら『ふれあい』的な場所があるかもしれないのだ。
「うーん・・・スカートに見えるパンツにしようかな・・・。」
とりあえず下はざっくり決まり、次は上。
ニットのセーターを着て、ノースリーブのダウンジャケットを羽織ってみた。
「・・・うん。あとはスニーカーと・・・バッグはリュックがいいかな。」
一通り決まったところで時計を見ると、もうそろそろ近衛さんが来る時間だった。
今日は彼がアパートの前まで車で迎えに来てくれることになってるのだ。
「待たせたら悪いし、そろそろ出てようかな。」
そう思って私はリュックに財布やハンカチ、スマホにティッシュと必要なものを入れていき、玄関の扉を開けた。
鍵を閉め、音を立てないように階段を下りていくと、もうすでに近衛さんが到着していたのだ。
「ふぁっ・・!?」
「・・・おはよ。」
車にもたれるようにして立っていた近衛さん。
ノースリーブのダウンジャケットを羽織っていて、まるで『お揃い』みたいな服装に一瞬どきっとしてしまう。
「い・・いつから来てたんですか・・!?」
「ついさっきだよ。・・・どうぞ?」
そう言って近衛さんは車のドアを開けてくれたのだ。
「~~~~っ。」
「乗り方、まだ覚えてるか?」
私はこの前教わった乗り方で、ゆっくりシートに座った。
また開ける視界に感動を覚えてしまう。
「ちょっと遠いけど昼前くらいに着くと思うからどこかでご飯食べようか。」
「そっ・・そうですね・・・っ。」
「苦手な食べ物とかある?」
「なっ・・ないです・・・っ。」
前に乗せてもらった時とは状況が違うこともあり、私は緊張していた。
何を話したらいいのかわからず、また、どこを見たらいいのかもわからなくなってくる。
「そんな緊張しなくても・・・」
「スミマセン・・・。」
「うーん・・・、あ、ほら、お兄さんとこに行った話を聞かせて?電車で行ったんだろ?」
「あ・・・そうです。電車で行きました。」
「結構時間かかったんじゃ?」
「乗り継ぎ5回の4時間ですね!」
「ながっ・・・!」
近衛さんが話題を振ってくれたおかげか、気がつけば車は走り出し、私はいつも通りに話をすることができるようになっていた。
いつも兄と待ち合わせする喫茶店の話や、私の幼少期の話、それに兄の職場の話なんかもしていく。
「あ、そういえば近衛さんのご家族って・・・何人家族なんですか?」
「うちは・・・来間さんと一緒。父母俺、妹の4人だよ。」
「妹さんがいらっしゃるんですね!年が近いんですか?うちは7歳離れてるんですけど・・・。」
「離れてる離れてる。15離れてる。」
「15!?え・・だったら妹さんって高校生!?」
「そう、今年高1。実家で一人暮らししてるよ。」
「一人暮らし!?」
近衛さんのお家はご両親が海外でお仕事をされてるらしく、日本に帰国することはあまりないのだとか。
それで近衛さんと妹さんの二人で暮らしていたけど、今回、近衛さんがあの交番に配属が決まってお互いに一人暮らしをすることにしたらしい。
「え・・妹さん、大丈夫なんですか?」
「まぁ、自炊もできるし、念のためにヘルパーさんを週に1度送るようにしてあるよ。」
「そうなんですか・・・。でも心配しますよね、まだ高校生ですし・・・。」
そう心配する私だったけど、近衛さんは少し小さな声で呟くようにして言った。
「うん。・・・でもあいつは俺がいないほうが気も晴れるんじゃないかな。」
「え?・・・どうしてそう思うんですか?」
「・・・。」
気になったことを聞き返した私だったけど、直後に近衛さんが黙ったことから『聞き返さなければよかった』と瞬時に思った。
誰だって聞かれたくないことくらいあるものだ。
「あ・・すみません・・・。」
「いや、いいんだ。いづれ言うつもりだったし・・・。あまり気分のいい話じゃないけど聞いてくれる?」
そう言う近衛さんの表情が『聞いて欲しい』と言ってるような気がした。
誰かに話すことで近衛さんの気持ちが少しでも軽くなるのならと思い、私は首を縦に振る。
「ありがとう。聞きたくなくなったら『もういい』って言って?すぐやめるから。」
「大丈夫・・です。」
「ははっ。・・・去年の話なんだけどさ・・・」
近衛さんはハンドルを握り、前を向きながら昔話を始めた。
「・・・俺の妹、『琴葉』が事故に遭ったんだよ。」
「事故?」
「そう。巻き込まれたんだけど・・・ちょっと運が悪くて。」
当時中学3年生だった妹さんは、朝、学校に行く途中で車同士の接触事故の現場に居合わせたそうだ。
事故の原因はお互いの車が中央線をはみ出して走行していたこと。
車同士がぶつかった拍子にハンドル操作がきかなくなって、お互い壁に激突したそうな。
「その激突した壁と車の間に・・・琴葉が巻き込まれたんだ。」
「!!うそ・・・・」
「まぁ、巻き込まれたと言っても体全体じゃなくて腕一本だったんだよ。スマホを持っていた右手が挟まってしまったんだ。」
接触事故の音に驚いてしまった妹さんは、恐怖でその場から身動きが取れなくなったそうだ。
そして突っ込んで来る車を見て目を閉じてしまい、次に目を開けた時には右手が挟まれた状態で壁にもたれかかるように座っていたのだとか。
「体が本能で逃げようとしたんだろうけど、一歩遅かった。逃げる拍子に伸びてしまった右手が挟まって粉砕骨折。神経もやられて入院することになったんだよ。でも・・・」
手術を繰り返して神経を繋いでもらい、妹さんは無事退院することができたらしいけど、右手は元通りにはならなかったそうだ。
日常生活には支障はないほど回復を果たしたものの、妹さんは塞ぎ気味に。
「え・・でも日常生活に支障はないんですよね?傷が酷いとか・・・?」
「いや、傷も見えないくらいにしてもらったんだ。皮膚移植とかあるからさ。でも妹は・・・琴葉は目指してるものがあって・・・」
「目指してるもの?」
「うん。・・・ピアニストになりたがっていたんだよ。」
なんでも妹さんは『天才を凡人に変えるピアニスト』と呼ばれるくらいの腕の持ち主だったそうだ。
幼少期からコンクールを総なめし、高校も国内屈指の高校に入学が決まっていたのだとか。
「結局その高校に進学はしたんだけど、やっぱ塞ぎ込みがちでさ。俺がいると『学校はどうだ』とか『友達はできたか』とか聞いちゃうから嫌がるみたいで・・・。」
「あー・・・なるほど・・・。」
「だからちょっと離れるのもいいかと思ったんだ。心配なら移動願出して戻ることもできるし。」
妹さんのことを心配するいいお兄ちゃんだなと思いながらも、私はその妹さんの才能に驚いていた。
幼少期からコンクールを総なめにできるほどの実力があったのなら、さぞ悔しいことだろう。
「すごいですね、妹さん。」
「え?」
「好きじゃないと続けられないですし、コンクールを総なめって・・・もう天才じゃないですか。」
芸術の世界は難しい世界なことくらい私にだってわかる。
継続や閃き、それに時代の流れなんかもあって運も必要な世界だ。
「あー・・・たぶん三橋さんは知ってると思うんだけどさ、俺の親・・二人とも音楽業界の人で・・・」
「え!?そうなんですか!?」
「父親はチェロを弾いてて、母親はオペラ歌手なんだよ。だから海外で仕事してるんだ。」
驚くような話に私は開いた口が塞がらなかった。
近衛さん一家は、音楽一家だったのだ。
「え・・・ちなみに近衛さんは何か音楽を・・・?」
そう聞くと彼は笑いながら手を振った。
「いや、俺はぜんっぜん。才能を全く受け継がなかったんだよ(笑)」
「そうなんですか?」
「聴くのは好きだけど、自分で演奏はあまり好きじゃなくてさ。」
「へぇー・・・。あ、聞きたいことあるんですけど・・・いいですか?」
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