溺愛モードな警察官彼氏はチョコレートより甘い!?

すずなり。

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連絡先交換。

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兄と別れて帰路についた私がアパートの前に着いたのは夜10時のことだった。
往復8時間の電車の旅で疲れ切ってしまい、今すぐ布団で寝たい気持ちに駆られてる。

「明日はちょっと遅めに行こう・・・。」

空き巣に入られてからチョコレート作りの工程が一からになってしまっていた。
盗まれた型は金型が存在することからすぐに注文することができたものの、専用の箱なんかの到着を待ってからの発送になってしまったのだ。
そんなわけで少し時間が余るようになっていた私。
『休み』だと割り切って行動することにしていた。

「明後日に発送できる分があるから、それに合わせて明日は・・・」

明日の工程を確認するようにして階段を上がっていくと、私の家の前に誰かが座り込んでるのが見えた。
あれは・・・近衛さんだ。

「え・・・?近衛さん・・・?」
「!!」

私の声に気がついたのか、近衛さんはスッと立ち上がり、私に向かって駆けてきたのだ。

「よかった・・・無事で・・・」
「え?『無事』?」

よくわからずに首を傾げると、近衛さんは私が今朝、交番の前を通らなかったことを心配してくれていたそうだ。
休むことなく毎日仕事に行っていたことが仇となってしまったらしい。

「あ・・・すみません。今日は兄のところに行ってまして・・・。」
「お兄さんって・・・弁護士の?あ、もしかして空き巣の件?」
「はい、そうなんです。あと・・・」

私はポケットからスマホを取り出し、近衛さんに見せた。

「兄にスマホをもらったんです!『いちいち会社のパソコンでメールなんて面倒くさい』と言われちゃいまして・・・。」

私は帰り道でスマホの使い方を覚えながら帰ってきたことを近衛さんに話した。
そして・・・

「あの・・よかったらLINE・・・聞いてもいいですか?」
「!!」

帰りの電車の中でスマホの使い方を覚えながら、近衛さんのことを考えていた私。
もっと彼のことを知りたいと思い、次に会えたら聞こうと思っていたのだ。

「い・・いいのか・・・?」
「・・・。」

近衛さんのその言葉に、私は今思ってることを正直に話すことにした。

「私、近衛さんのことをもっと知りたいと思ったんです。最初はちょっと怖いイメージを持ってたんですけど・・・今は逆のイメージを持ってます。」
「!!」
「でも私、近衛さんのこと、何も知らないなと思って・・・三橋さんにも『知らない面もあるだろうから何回か出かけてみれば?』と言われて・・・。」

私は昨日三橋さんに言われたことを思い出していた。
確かに、何も知らなければ近衛さんの想いに応えられるはずがないのだ。

「じゃあ今度・・どこか出かける?」
「!!・・・はいっ!」

こうして私たちはお互いの連絡先を交換した。
LINEも教えてもらい、連絡が取りやすくなったのだ。

「後で非番の日、LINEしていい?来間さんの都合が合う日、どこか行こう?」
「はいっ。待ってますっ。」
「ごめんな、押しかけてきて・・・」
「いえ、心配してくださってありがとうございます。じゃあ・・・おやすみなさい。」
「おやすみ。」

私は鞄から鍵を取り出し、アパートの扉を開けた。
そして中に入り、扉が閉まるその時まで・・近衛さんがこちらを見ていたことに気づいたのだ。

(すごく心配されてる・・・。)

この行動は警察官だからなのかもしれないけど、心の中で嬉しがってる自分がいた。

(恋人って・・・どんな存在なんだろう・・。)

好きな人同士がお互いのことを好きだと認識して初めてできる関係性だ。
それは将来を見据えてる場合もあれば、そうじゃない場合もある。
異性の誰かと一緒にいたいがために作ることもあれば、自然とそういう関係になっていく場合もあるのだ。

(・・・って、ネットのどこかで書いてた気がするけど・・・好きじゃないのに恋人の関係になるってどうなの?私にはちょっと理解できない領域かな・・・。)

付き合ったり別れたりするのはきっと、相手のことを深く知らないから。
付き合っていく上で知る面もあれば、付き合ってもわからない面もあるだろう。
それを全部ひっくるめて、私は近衛さんにお返事をしたいと思ったのだ。

(でも・・・好きは好きだよね?だってどきどきするし・・・。)

初めての体験にどうするのがいいのかわからないまま、私は寝る準備を始めたのだった。




ーーーーー



翌朝、目が覚めると同時にスマホの通知音が鳴った。
目を擦りながら画面を見ると『近衛さん』の文字がある。

「あ・・もしかしてお休みの日のことかな。」

昨日『非番の日をLINEする』と言ってくれていたことを思い出し、私はLINEを開いた。

『今週は明日、明々後日、あと週明けの月曜日、木曜が休みなんだけど、予定どう?』

「えーと・・・私は基本的にいつでも休めるんだけど・・どう答えようかな。」

そんなことを考えてるうちにスマホの画面が動いた。
近衛さんから追加メッセージが届いたみたいだ。

『ちなみに今日も休み?今朝、交番の前を通らなかったから・・・』

「あ・・・『昨日疲れたので今日は遅くいこうと思ってます。』・・・と。」

とりあえず答えれるものを先に答え、私は自分の仕事のことを打ち始めた。

「えっと・・『今は仕事に余裕があるのでいつでも大丈夫です。』と・・・。」

そうLINEを打つと、すぐに返事が飛んできた。

『じゃあ明日でも大丈夫?』

「!!・・・ふふ。『大丈夫ですよ。』っと。」

こうしてメッセージをやりとりしてると、なんだか会話をしてるような気分になってくる。
仕事の時に使うメールとはまた違って、楽しくなってくるのだ。

「明日かー・・・。どこ行くのかな?私が決めてもいいのかな・・・って、この辺、何があるのか全然知らないんだった・・・。」

とりあえず明日、近衛さんに相談しようと思いながら私は仕事に行く支度を始めたのだった。




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