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お泊まり雄大2。
しおりを挟む雪華「から揚げ揚げるからちょっと待ってて?」
息が整った雪華は服を着てキッチンに戻って行った。
俺も後を追ってついて行く。
雄大「手伝う。」
雪華「じゃあサラダとみそ汁運んでくれる?」
雄大「おっけ。」
キッチンの作業台に置かれていたサラダをテーブルに運ぶ。
皿と箸を出して並べ、鍋から味噌汁を取った。
その間、雪華はジュージューとから揚げを揚げてる。
雪華「ちょっと熱いけど・・・はい、あーん?」
雄大「あー・・・・。」
口を開けると、雪華が揚げたてのから揚げを口に放り込んでくれた。
あまりの熱さに体がピョコピョコと跳ねるけど・・・美味いことに変わりはない。
雄大「あっち・・・!うまっ・・!!」
雪華「ちょっと生姜を多めにしたの。疲れにいいって聞いたことあったから。」
雄大「美味い美味い!!」
雪華「よかった。もうちょっとで全部揚がるから待っててね?」
油から揚がっていったから揚げたちは、一旦キッチンペーパーの上に乗せられた。
油を切られ、大皿に移し替えられていく。
雪華「・・・これで最後っと。」
最後の一つが大皿に乗せられ、俺はその皿をテーブルに置いた。
二人で椅子に座って『いただきます』をする。
雄大「いただきますっ・・!」
雪華「いっただっきまーす。」
俺はから揚げを取って口に放り込んだ。
ジューシーなから揚げは『美味い』以外に言葉がでない。
自分の語彙力の無さに・・・がっかりするくらいだ。
雄大「いや、もうほんとに美味いよなー・・雪華の料理。」
雪華「ふふっ。」
幸せに食事をしながら俺たちはお互いの仕事のことを喋った。
愚痴もあれば、面白かったこともある。
二人で笑いながらご飯を食べ進めた。
ーーーーー
雪華side・・・
晩御飯を食べ終わった私たちは、洗い物を済ませてソファーに座っていた。
雄大さんと座ると少し狭いソファーだけど、くっついていられるだけで幸せだ。
雪華「ねぇ、雄大さん?」
雄大「うん?」
雪華「出世出世って・・・あんまり無理はしないでね?」
身体を壊してしまっては元も子もない。
睡眠時間が圧倒的に足りない雄大さんの身体が心配だった。
雄大「んー・・・・大丈夫だよ。」
私の身体にもたれるようにして雄大さんが寄りかかってきた。
雪華「でも・・・ちゃんと寝ないと疲れが溜まっちゃうし・・・」
雄大「んー・・・いつもそんなに寝てないから・・・大丈夫・・・。」
受け答えがだんだん遅くなってくる雄大さん。
どうしたのかと思って顔を覗き込む。
雪華「・・・雄大・・さん・・?」
雄大「・・・zzz。」
雪華「え・・・寝ちゃった・・・?」
すぅすぅと規則正しい寝息が聞こえてくる。
それは間違いなく・・眠ってしまってることを教えてくれていた。
雪華「ここじゃぁゆっくり寝れないよ・・・。」
かといって私が彼をベッドに運ぶことはできない。
雪華「どうしよう・・・。ちょっと寝たら・・・起こしてみようかな。」
気持ちよさそうに眠ってる雄大さん。
きっと連日の疲れが溜まっていたに違いない。
雪華「・・・かわいい・・。」
いつもしっかりしてる姿しか見てないけど・・・すやすやと眠ってる姿は無防備で・・・思わず撫でたくなる。
雪華「はっ・・・!だめだめ・・!起こしちゃったら申し訳ないし・・・。」
撫でたいのを我慢しながら私は寝顔を見つめることにした。
ーーーーーー
雄大side・・・
雪華「雄大さん?・・・雄大さん、起きて?ベッドいこ?」
雄大「んー・・・。」
雪華に肩を揺さぶられ、俺は目が覚めた。
いつの間にか眠ってしまっていたようで・・・雪華の肩にもたれていた自分がいた。
雄大「・・・ふぉ!?」
雪華「おはよ。1時間くらい寝てたんだけど・・そろそろ横にならない?寝やすいよ?」
雄大「あ・・・ごめん・・・。」
くすくす笑いながら雪華はソファーから立ち上がった。
雄大「もう頭痛くない?」
今朝、署を出るまでは頭にネットを撒いていた雪華。
ずっと外してるのを・・・知りながらも聞かないでいた。
雪華「あ・・・。うん。もう痛くないよ?ごめんね?柱になんてぶつかっちゃって・・・。」
恥ずかしそうに顔を赤らめながらごにょごにょと俯いた。
雄大「俺も最初はぶつかったことあるから大丈夫。まぁ・・・前は見ような?」
雪華「う・・・はい・・・。」
俺と雪華は一緒に歯を磨き、服を着替えた。
夜、仕事帰りに会いたくてよく雪華の家に押し掛ける俺のために、雪華が提案してくれた『一泊分のお泊まりセット置き』。
もしそのまま泊まることになったらと・・・おいておいたのが役に立った。
雄大「雪華、ほらおいで。」
雪華のベッドに寝ころび、腕枕を用意して呼ぶ。
雪華は一瞬驚いた顔をしたものの、にこっと笑ってベッドに入ってくる。
雄大「あー・・・抱き心地最高・・・。」
雪華「?・・・よく眠れそう?」
雄大「うん・・・。雪華が睡眠導入剤みたい・・・。」
ちっさい雪華は抱きしめるとちょうどいい大きさだった。
おまけにいい匂いを振りまいていて・・・安心する。
雄大「・・・zzz。」
雪華「!・・・・ふふ、おやすみ。」
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