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春樹と雪華3。
しおりを挟む雪華のアパートについた俺は、雪華の部屋に飛び入った。
雄大「雪華っっ!!」
入ってすぐのキッチンで倒れていた雪華。
淫らに服を脱がされて・・・足の間に雪華の元カレがいた。
自分のモノを雪華に入れようと必死なようだ。
春樹「くそっ・・!なんで入んないんだよ・・!?」
雄大「お前・・・!何してんだよ!!」
男の肩を掴み、雪華から引きはがした。
男は部屋の壁に身体をぶつけ、そのまま文句を言い続けてる。
春樹「なんでだよ!!なんで俺とはシなかったんだよ!!」
そんな文句を聞いてる暇がない俺は、雪華の容態を確認する。
雄大「雪華?・・・雪華!?」
脈の確認をしようと首筋に触れた。
そのとき、尋常じゃない熱さを手に感じた。
雄大「あっつ・・!!え!?」
明らかに高熱を出してる雪華。
その雪華の頭からは・・・血が出ていた。
雄大「ケガ・・・?」
状況に驚きながらも俺は最善の処置をする。
呼吸を確認して・・・・吐いても大丈夫なように横を向かせた。
雄大「大丈夫だから・・・大丈夫だからな・・・?」
辺りを見回しながらケータイを取り出して署に電話をする。
ピッ・・ピッ・・ピッ・・・
「はい、こちら消防です。火事ですか?救急ですか?」
雄大「こちら消防隊の深田です。救急車お願いします。場所は署の西側アパート。高熱とケガです。」
「すぐに向かわせます。」ピッ・・・
ケータイを切った時にテーブルに血の痕を見つけた。
おそらく雪華は高熱でバランスを崩して倒れ・・・そのとき頭を打ったんだろう。
高熱かケガから意識を失い・・・この男に襲われかけた。
雄大「することはできなかったみたいだな。」
意識のない雪華に挿入することができなかったようで・・・男は一人、ぶつぶつと文句を言っていた。
春樹「くそっ・・!」
雄大「・・・。」
腸が煮えくり返るくらい・・・俺は怒っていた。
出来るならこの場で殺してやりたい。
それは無理だから・・・二度と雪華に近づけないように足を切り落としたいくらいの気持ちだった。
でも・・・それよりも雪華のことが心配だった。
前に頭をぶつけてる。
今回もぶつけて・・・それが原因で意識を失ってるとしたら・・・不安でしかたない。
雄大「雪華・・・。」
乱された服をなおしてると、警察が先に到着した。
警察「通報があってきました!!」
俺は雪華の元カレを指差した。
雄大「彼女がそこの男に襲われました。前からストーカーのような動きをしてました。」
そう言うと警察は男を取り囲んだ。
両脇を固めるようにして男を抱え上げる。
警察「ちょっと署までいきましょうか。」
春樹「・・・はぁ!?俺は悪くない!!雪華が抱かせないのが悪いんだ!!」
雄大「雪華は俺の彼女だ。別れた時点で雪華に近づく権利は・・・お前にないんだよ!!」
男は警察に連れて行かれ、入れ替わりに救急車が到着した。
雪華を救急車に乗せるために、俺は雪華を抱え上げた。
雄大「熱い・・・大丈夫か?」
部屋の外に出ると、圭が駆け寄ってきた。
圭「雪華ちゃん・・・!!」
雄大「頼む、病院に連れて行ってくれ。」
圭「わかりました!すぐそこの総合病院に受け入れが決まってますから・・・あとで来てください!!」
雄大「わかった。」
俺は圭に雪華を託した。
圭はそのまま救急車に乗り込んで・・出発した。
雄大「鍵かけて追いかけないと・・・。」
ポケットから財布を取り出して、もらった合鍵を取り出す。
その時・・・ふと『ユキくん』の存在を思い出した。
雄大「連絡・・・しといた方がいいよな。」
俺は床に落ちてた雪華のケータイを拾い上げた。
ロックを解除して、『ユキ』の文字を探す。
雄大「えーと・・・あ、あったあった。」
見つけた『ユキ』のアドレス。
俺は電話番号をタップしてコールボタンを押した。
ピッ・・ピッ・・ピッ・・・
ユキ「もしもし?」
雄大「俺・・・雪華と結婚の約束をしてる深田だけど・・・」
ユキ「あぁ、雪華の彼氏さん。・・・どうしたんですか?」
雄大「雪華・・・前の彼氏に襲われて・・・・」
ユキ「・・・・え!?」
雄大「アパートの近くの総合病院に運ばれたんだよ。」
弟くんが今、どこにいるのかは知らなかったけど、できるだけ早くに来たいと思うと思った。
ユキ「・・・俺、今すぐそっちに向かっても15時間はかかります。必ず行きますから・・・姉のこと、よろしくお願いします。」
雄大「・・・わかった。」ピッ・・・
俺は雪華のケータイを持ったまま部屋のドアを閉めて、ガチャンっと鍵をかけた。
そのまままた走って・・・病院に向かった。
ーーーーーーー
総合病院に着いた俺は、受付にいき雪華のことを聞いた。
雄大「すみません・・・!さっき救急車で運ばれてきた女の子のこと教えてもらえませんか?」
そう聞くと受付の人は近くにあったファイルを手に取った。
パラパラとめくりながら・・・答える。
受付「・・・あ、まだ処置中なのでそちらでお待ちください。」
雄大「わかりました。」
俺は言われた通りに待った。
外傷も心配だし・・・熱も心配だった。
何事もないことを祈りながら・・・出て来るのを待つ。
医師「橋本 雪華さんのご家族の方はおられますか?」
処置室から医師が出て来た。
迷うことなく俺が返事をする。
雄大「はいっ。ここにいますっ。」
医師「どうぞこちらに。」
俺は医師について行った。
状態を説明するような部屋に通され・・・椅子に座る。
医師「熱は高いのですが・・・点滴で様子を見れると思います。」
雄大「はい。」
医師「頭のケガですが、軽く切っただけのようなので縫うほどじゃありません。ガーゼで止血してます。」
雄大「!・・・よかった・・。」
医師「あと・・・男に襲われたと伺ってるのですが・・・」
俺は医師に状況の説明をした。
襲われそうにはあったけど・・・おそらく襲われないことを。
医師「そうですか。精神的にはどうかわからないんですけど・・・体は襲われてなさそうですよ。形跡がありませんでしたし・・・意識がなかったようなのでできなかったのでしょう。」
雄大「よかった・・・。」
医師「看護師に病室の案内をさせますね。少しお待ちください。」
医師は部屋から出て行き、入れ替わりに看護師が入ってきた。
そのまま雪華の病室に連れて行ってもらう。
看護師「熱が高いので2~3日は目が覚めないかもしれませんよ。」
雄大「そうですか・・・」
歩きながら雪華の状態を聞き、雪華の病室に入った。
部屋は・・・714号室だ。
看護師「もし、いらしてる時に目が覚めたらナースコールお願いします。定期的に看護師が見に来ますので・・・ずっとおられなくても大丈夫ですよ。」
雄大「わかりました。お世話になります。」
看護師さんが出て行き、病室は雪華と俺だけになった。
雄大「雪華・・・・。」
すぅすぅと眠ってる雪華の頬を・・そっと撫でた。
頭には包帯を巻かれ・・・転倒した時にケガをしたのか、腕にも包帯が巻かれてる。
点滴は4つもぶら下げていて・・・痛々しい。
雄大「起きたら・・・ショックを受けるかな・・・」
襲われてないことは確かだけど・・・雪華は無理矢理キスをされて熱を出した。
早々に襲われてないことを伝えないと・・・パニックを起こしそうだ。
雄大「一度署に戻ってくる。夜にまた来るから・・・。」
俺は雪華のケータイをベッド脇の机に置いた。
そのまま病院をあとにして・・・署に戻った。
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