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197話 「ちょっとした悩み」
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ワカサギ釣りの翌日。その日の朝食は朝から珍しく揚げ物が並んでいた。
釣りに行けなかった者達にも食べさせてあげようと大量に釣ったワカサギを凍らせ持ち帰ってきていたのだ。
昨日と比べて鮮度が落ちたせいか若干匂いが気になるが、それでも十分美味しく頂けるものとなっている。
「美味いなこの魚……俺も行きたかったなあ」
ワカサギの天ぷらををさくりと一口食べ、ぽつりと呟くとギュネイ。彼はダンジョンのボス部屋いく為にワカサギ釣りに行けなかったメンバーの一人である。
「ギュネイさんも釣り好きだったんですか?」
「んや。俺は普通だけどソシエが好きなんだよ」
「っへー」
ソシエが好きと聞いて意外そうな表情を浮かべる加賀。ソシエはギュネイの相方である非常に小柄な女性である。加賀の頭の中では釣りをする人=男性が多いと言うイメージあり少し意外に思ったのだ。
「野宿するとき近くに川とかあるとさ何時も大量に釣ってきてくれてな。塩焼きして食うんだけどこれがまた美味くてさ、皆も美味そうにしてると釣った本人は嬉しいらしくて、何時もにこにこしながら釣りしに行くんだよ」
「それは分かりますね」
野宿する際に食べる物はどうしても保存食が多くなる。とることが可能なら野生の動物を、川があるならば魚をとなるのは自然のことなのかも知れない。
「それにあいつの魚にかぶりつく姿がまた可愛くてな――」
どうもどこかスイッチが入ってしまったのか相方について語り始めたギュネイ。加賀は途中で遮るのも悪いかと思いそのまま話を聞くことにする……が。
(……やばい、終わんない)
「――だからさ、今度一緒に行こうぜって約束したんだよ」
およそ数十分、ギュネイは話し始めるとそのまま止まる事なく話し続けた。普段そこまで饒舌な人物では無かったはずだが相方のことになると変わってしまうようだ。
いい加減のろけ話を聞き続けるのも辛くなってきた頃、救いの手は差し伸べられた
「加賀……? そろそろ屋台の準備しないと」
「! そうだった。アイネさんありがと! ギュネイさんごめん、ちょっと準備しないといけなくてー」
「っと、すまんね。ついつい長話しちまった、屋台がんばってな」
中々食堂から戻ってこない加賀を心配したアイネが声を掛けに来たのだ。これ幸いと席をさっと立って厨房へと向かうと加賀は屋台で出す料理の仕上げに入る。
「屋台出すようになってもう2年かー……」
そうポツリと呟く加賀。もうすぐ年末であり、ふと屋台を出す様になってから既に2年経過している事に気が付いたのだ。
「そんなにやってたんだね」
「はじめはただの調査のつもりだったんだけどね。常連さんついちゃってやめるにやめれなく……今にいたると」
楽しいから良いんだけどねと少し苦笑の混じった笑顔を浮かべる加賀。
「一応技術を広めるのが目的なのだから……続けた方が良いと思うけど」
「んっー……常連さんしか買わないから広められてるのかちょっと疑問に。……ほら、八木は何だかんだで技術を広めてる訳で……最近だとアドバイスを特にしなくても設計できるようになって来てるって話だし……まあ、ちょっと気になってしまったわけなのですよ」
加賀自身これで良いのかなと思う所があったのだろう。アイネの言葉を受けて胸の内を明かすように語っていく。
「そうね……後で考えてみましょうか。無理の無い範囲で何か出来ることはあるかも知れないよ」
アイネは子供をあやすように加賀の頭を撫でそう語りかける。
「ありがとアイネさん。……んし、屋台だしにいこっか!」
頭を撫でられのは嬉しくもあるが、気恥ずかしくもある。
赤くなった顔を誤魔化すように加賀は少し慌てたように外に行く準備をするのであった。
「うぃーっす」
屋台で何時も通り常連さんに料理を売っていた加賀であったが、今日は何時もと違う客がきたようだ。
「あれ、八木じゃんどーしたの?」
客とは言っても八木であるが。
八木は加賀に用事があるようで事務所の方から屋台へととことこ近づいていく。
「ちょっとお願いごとあってさー。今日のお昼なんだけど……」
「何かリクエスト? いいよ、変なのじゃなきゃ」
どうやら昼食のリクエストをしにきたようだ。
加賀としてもそれぐらいであれば断る理由も無いのであっさりと承諾する。
「あんがと。……変なのじゃ無いとは思うけどグラコロバーガーが食いたくなって……」
「……まあ、冬だしね。そんな準備に時間かからないし良いよ」
「よっしゃ! 頼んだぜいー」
八木のリクエストは冬限定な感じのバーガーであった。
昨日の天ぷらといい、日本の食べ物に対する思いがだんだん強くなっているのかも知れない。
「ほー、なんか気になる名前だな」
スキップしながら事務所に戻る八木を見送っていると不意に後ろから声が掛かる。
「ちょっと俺も食ってみたいなー」
声を掛けてきたのはパン屋の主人であるオージアスであった。
その殺人鬼的な顔に笑みを浮かべると自分も食べてみたいと加賀に要望するのであった。
釣りに行けなかった者達にも食べさせてあげようと大量に釣ったワカサギを凍らせ持ち帰ってきていたのだ。
昨日と比べて鮮度が落ちたせいか若干匂いが気になるが、それでも十分美味しく頂けるものとなっている。
「美味いなこの魚……俺も行きたかったなあ」
ワカサギの天ぷらををさくりと一口食べ、ぽつりと呟くとギュネイ。彼はダンジョンのボス部屋いく為にワカサギ釣りに行けなかったメンバーの一人である。
「ギュネイさんも釣り好きだったんですか?」
「んや。俺は普通だけどソシエが好きなんだよ」
「っへー」
ソシエが好きと聞いて意外そうな表情を浮かべる加賀。ソシエはギュネイの相方である非常に小柄な女性である。加賀の頭の中では釣りをする人=男性が多いと言うイメージあり少し意外に思ったのだ。
「野宿するとき近くに川とかあるとさ何時も大量に釣ってきてくれてな。塩焼きして食うんだけどこれがまた美味くてさ、皆も美味そうにしてると釣った本人は嬉しいらしくて、何時もにこにこしながら釣りしに行くんだよ」
「それは分かりますね」
野宿する際に食べる物はどうしても保存食が多くなる。とることが可能なら野生の動物を、川があるならば魚をとなるのは自然のことなのかも知れない。
「それにあいつの魚にかぶりつく姿がまた可愛くてな――」
どうもどこかスイッチが入ってしまったのか相方について語り始めたギュネイ。加賀は途中で遮るのも悪いかと思いそのまま話を聞くことにする……が。
(……やばい、終わんない)
「――だからさ、今度一緒に行こうぜって約束したんだよ」
およそ数十分、ギュネイは話し始めるとそのまま止まる事なく話し続けた。普段そこまで饒舌な人物では無かったはずだが相方のことになると変わってしまうようだ。
いい加減のろけ話を聞き続けるのも辛くなってきた頃、救いの手は差し伸べられた
「加賀……? そろそろ屋台の準備しないと」
「! そうだった。アイネさんありがと! ギュネイさんごめん、ちょっと準備しないといけなくてー」
「っと、すまんね。ついつい長話しちまった、屋台がんばってな」
中々食堂から戻ってこない加賀を心配したアイネが声を掛けに来たのだ。これ幸いと席をさっと立って厨房へと向かうと加賀は屋台で出す料理の仕上げに入る。
「屋台出すようになってもう2年かー……」
そうポツリと呟く加賀。もうすぐ年末であり、ふと屋台を出す様になってから既に2年経過している事に気が付いたのだ。
「そんなにやってたんだね」
「はじめはただの調査のつもりだったんだけどね。常連さんついちゃってやめるにやめれなく……今にいたると」
楽しいから良いんだけどねと少し苦笑の混じった笑顔を浮かべる加賀。
「一応技術を広めるのが目的なのだから……続けた方が良いと思うけど」
「んっー……常連さんしか買わないから広められてるのかちょっと疑問に。……ほら、八木は何だかんだで技術を広めてる訳で……最近だとアドバイスを特にしなくても設計できるようになって来てるって話だし……まあ、ちょっと気になってしまったわけなのですよ」
加賀自身これで良いのかなと思う所があったのだろう。アイネの言葉を受けて胸の内を明かすように語っていく。
「そうね……後で考えてみましょうか。無理の無い範囲で何か出来ることはあるかも知れないよ」
アイネは子供をあやすように加賀の頭を撫でそう語りかける。
「ありがとアイネさん。……んし、屋台だしにいこっか!」
頭を撫でられのは嬉しくもあるが、気恥ずかしくもある。
赤くなった顔を誤魔化すように加賀は少し慌てたように外に行く準備をするのであった。
「うぃーっす」
屋台で何時も通り常連さんに料理を売っていた加賀であったが、今日は何時もと違う客がきたようだ。
「あれ、八木じゃんどーしたの?」
客とは言っても八木であるが。
八木は加賀に用事があるようで事務所の方から屋台へととことこ近づいていく。
「ちょっとお願いごとあってさー。今日のお昼なんだけど……」
「何かリクエスト? いいよ、変なのじゃなきゃ」
どうやら昼食のリクエストをしにきたようだ。
加賀としてもそれぐらいであれば断る理由も無いのであっさりと承諾する。
「あんがと。……変なのじゃ無いとは思うけどグラコロバーガーが食いたくなって……」
「……まあ、冬だしね。そんな準備に時間かからないし良いよ」
「よっしゃ! 頼んだぜいー」
八木のリクエストは冬限定な感じのバーガーであった。
昨日の天ぷらといい、日本の食べ物に対する思いがだんだん強くなっているのかも知れない。
「ほー、なんか気になる名前だな」
スキップしながら事務所に戻る八木を見送っていると不意に後ろから声が掛かる。
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