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196話 「ワカ……サギ?」
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釣れないと言う八木であるがそれはワカサギだけのことだったりする。
大きめの孔に放り込んだ仕掛けにはそこそこ魚は食いついており八木も何匹か釣り上げてはいる。ただ小さい竿の方に未だにあたりがこないのだ。
「そもそもワカサギいるのかな」
「えっ」
加賀の言葉にはっとした表情を浮かべる八木。ワカサギ釣りに行くという事に浮かれてそもそも居るかどうかを調べて居なかったのだ。
「事前に調べたりしてないでしょー?」
「……はい」
がっくりと項垂れ力無く返事を返す八木。
しょうがないなーと言いながらちらりと視線を横に向けうげっといった表情を浮かべる。
「まあ知ってそうな人に……すっごい聞きたくないけど」
「……ああ、うん確かに」
加賀につられて視線を横に向けこちらもうげっといった表情を浮かべる八木。二人の視線の先にいるのは釣り竿片手に大はしゃぎのドラゴンである。
リザートマン達も知っているかも知れないが、彼らが持ってくる魚介類にワカサギは含まれていない。そうなると残るのはドラゴンということになる。
「えーと、ドラゴンさんちょっといいっすか?」
「む、なんだね? 釣り方のコツかな? 良いぞ、何でも聞きたまえ」
入れ食い状態で浮かれまくったドラゴンは質問にきた八木に対し上機嫌で応える。
「こんぐらい……の魚見たことないっすかね。たぶん群れで泳いでると思うんすけど」
「あるとも。この辺りにでもよく見かけたがキラキラと輝いてて中々綺麗な魚であった……ふむ、騒がしくしたせいで逃げてしまったかも知れぬなあ」
あー……と力無く呟く八木。
ドラゴンを打ち上げた際の盛大な水柱や水面にぶっ放されたブレスなど思い当たる節がありすぎた。
「そのうち戻ってくるとは思うが……む、竿にあたりが来ているようだが」
「え? ……あ、まじだっしかも小さい竿の方!」
ドラゴンに言われ竿に目を向けると確かに小さい竿の先端がぴくぴくと動いていた。
八木はすぐ様竿に駆け寄るとちょんと合わせゆっくりと糸を持ち上げる。
「おぉぉぉっ」
糸を手繰り歓声を上げる八木。体長10センチ程の小魚が複数匹仕掛けに食いついていたのだ。
「ぉぉぉ…………おう? これ、なに」
だがその魚は八木の知るワカサギの姿ではなかった。
確かに形こそワカサギに似てはいたがその色がまったくの別物だ。全身を覆った小さな鱗が虹色に輝き、まるで宝石のような見た目をしている。
「か、加賀。これワカサギ……?」
「や、ワカサギは虹色じゃないし」
「ですよね」
虹色の小魚を前にして二人が戸惑っているといつの間にか近寄ってきていたドラゴンがひょいと小魚をつまみ上げる。
「おう、確かにこいつである。小さいので食べたことは無かったが……美味しいのであろう?」
「ど、どうなんだろ……俺の知ってるやつはこんな虹色じゃなかったし、てかこれ食えんの?」
「ふむ……毒はないのである」
「あ、そすか……」
食えるのかどうか疑問に思う八木を見てドラゴンは仕掛けから小魚を取り外すとそのままパクリと食べてしまう。
そして事も無げに毒は無いと言うドラゴンに八木はただ頷くしかなかった。
「毒ないのなら揚げてみよっかねー。とりあえず天ぷらで……丸ごといっとく?」
「……おう、この際だ丸ごとやってくれい」
氷の上ですっかり凍ってしまったワカサギを手に取り八木に声を掛ける加賀。食えると分かって揚げる気満々の様だ。
そして八木も覚悟を決めたのか丸揚げで行くようである。
「んじゃ、ちょっと待っててね。すぐ出来るからそれまで釣りでもしててー」
「あいよ」
加賀はワカサギ?を持って天幕の中へ。そして八木は再び仕掛けを孔へと入れていく。するとすぐにあたりがあり、糸を手繰れば先ほどと同じ小魚が複数釣れる。どうやら群れが戻ってきたらしい、八木は天ぷらが揚がるまでのわずかな時間の間に次々と釣り上げて行くのであった。
「揚がったよ。鱗とると虹色じゃなくなるねー」
「ぱっと見ワカサギだなあ……いただきますっと」
薄めの衣をまといカラッと揚がった天ぷらは非常に美味しそうである。味付けはあいにく塩のみだが……さくりと一口天ぷら頬張った八木の目が大きく見開かれる。
「……うまっ! これむっちゃうまいじゃん!」
「え。まじ? ……あれ、もうない」
うまいうまいとあっという間に天ぷらを平らげてしまった八木。
そんなに美味しいのなら、と一匹食べようと思う加賀であったが先ほどまで数匹あったはずの天ぷらが皿の上から無くなっていたのだ。
うっ(っほー)
「あ、本当。これ、すごく美味しい」
「うーちゃん……アイネさんまで」
犯人はうーちゃんとアイネさんであった。
ちょっと恨みがましい視線を二人に向ける加賀であるが、二人ともにこにこと本当に美味しそうに食べているのを見て。まあいいかと次を揚げに掛かる。
先ほど追加でつり上げた分があるので次は加賀も食えるはず……様子をうかがっていた他の釣り人にかっ攫われなければであるが。
「あ、本当。おいしいねこれ」
「だしょー?」
結局加賀が天ぷらにありつけたのは追加で2回揚げた後であった。
揚げたての天ぷらを頬張りはふはふと幸せそうに食べている。
「臭み無くして旨みアップしたワカサギって感じだね。骨はまったく気にならないし内臓も程よい感じ、食感もこっちのがしっとりしてるかな」
「そんな感じだな。これリザートマン達は取ったり養殖したりしないのかな?」
これだけ美味しいのならあれば嬉しいのだが、そう思ってリザートマン達に尋ねるも味はともかく小さくて食いでがないので養殖する気はないし、漁をするにしても子供は取らないように目の大きな網を使っているので恐らくとれないとの事だった。
どうやらワカサギは冬に汽水湖に釣りに来た時だけの限定メニューになりそうである。
大きめの孔に放り込んだ仕掛けにはそこそこ魚は食いついており八木も何匹か釣り上げてはいる。ただ小さい竿の方に未だにあたりがこないのだ。
「そもそもワカサギいるのかな」
「えっ」
加賀の言葉にはっとした表情を浮かべる八木。ワカサギ釣りに行くという事に浮かれてそもそも居るかどうかを調べて居なかったのだ。
「事前に調べたりしてないでしょー?」
「……はい」
がっくりと項垂れ力無く返事を返す八木。
しょうがないなーと言いながらちらりと視線を横に向けうげっといった表情を浮かべる。
「まあ知ってそうな人に……すっごい聞きたくないけど」
「……ああ、うん確かに」
加賀につられて視線を横に向けこちらもうげっといった表情を浮かべる八木。二人の視線の先にいるのは釣り竿片手に大はしゃぎのドラゴンである。
リザートマン達も知っているかも知れないが、彼らが持ってくる魚介類にワカサギは含まれていない。そうなると残るのはドラゴンということになる。
「えーと、ドラゴンさんちょっといいっすか?」
「む、なんだね? 釣り方のコツかな? 良いぞ、何でも聞きたまえ」
入れ食い状態で浮かれまくったドラゴンは質問にきた八木に対し上機嫌で応える。
「こんぐらい……の魚見たことないっすかね。たぶん群れで泳いでると思うんすけど」
「あるとも。この辺りにでもよく見かけたがキラキラと輝いてて中々綺麗な魚であった……ふむ、騒がしくしたせいで逃げてしまったかも知れぬなあ」
あー……と力無く呟く八木。
ドラゴンを打ち上げた際の盛大な水柱や水面にぶっ放されたブレスなど思い当たる節がありすぎた。
「そのうち戻ってくるとは思うが……む、竿にあたりが来ているようだが」
「え? ……あ、まじだっしかも小さい竿の方!」
ドラゴンに言われ竿に目を向けると確かに小さい竿の先端がぴくぴくと動いていた。
八木はすぐ様竿に駆け寄るとちょんと合わせゆっくりと糸を持ち上げる。
「おぉぉぉっ」
糸を手繰り歓声を上げる八木。体長10センチ程の小魚が複数匹仕掛けに食いついていたのだ。
「ぉぉぉ…………おう? これ、なに」
だがその魚は八木の知るワカサギの姿ではなかった。
確かに形こそワカサギに似てはいたがその色がまったくの別物だ。全身を覆った小さな鱗が虹色に輝き、まるで宝石のような見た目をしている。
「か、加賀。これワカサギ……?」
「や、ワカサギは虹色じゃないし」
「ですよね」
虹色の小魚を前にして二人が戸惑っているといつの間にか近寄ってきていたドラゴンがひょいと小魚をつまみ上げる。
「おう、確かにこいつである。小さいので食べたことは無かったが……美味しいのであろう?」
「ど、どうなんだろ……俺の知ってるやつはこんな虹色じゃなかったし、てかこれ食えんの?」
「ふむ……毒はないのである」
「あ、そすか……」
食えるのかどうか疑問に思う八木を見てドラゴンは仕掛けから小魚を取り外すとそのままパクリと食べてしまう。
そして事も無げに毒は無いと言うドラゴンに八木はただ頷くしかなかった。
「毒ないのなら揚げてみよっかねー。とりあえず天ぷらで……丸ごといっとく?」
「……おう、この際だ丸ごとやってくれい」
氷の上ですっかり凍ってしまったワカサギを手に取り八木に声を掛ける加賀。食えると分かって揚げる気満々の様だ。
そして八木も覚悟を決めたのか丸揚げで行くようである。
「んじゃ、ちょっと待っててね。すぐ出来るからそれまで釣りでもしててー」
「あいよ」
加賀はワカサギ?を持って天幕の中へ。そして八木は再び仕掛けを孔へと入れていく。するとすぐにあたりがあり、糸を手繰れば先ほどと同じ小魚が複数釣れる。どうやら群れが戻ってきたらしい、八木は天ぷらが揚がるまでのわずかな時間の間に次々と釣り上げて行くのであった。
「揚がったよ。鱗とると虹色じゃなくなるねー」
「ぱっと見ワカサギだなあ……いただきますっと」
薄めの衣をまといカラッと揚がった天ぷらは非常に美味しそうである。味付けはあいにく塩のみだが……さくりと一口天ぷら頬張った八木の目が大きく見開かれる。
「……うまっ! これむっちゃうまいじゃん!」
「え。まじ? ……あれ、もうない」
うまいうまいとあっという間に天ぷらを平らげてしまった八木。
そんなに美味しいのなら、と一匹食べようと思う加賀であったが先ほどまで数匹あったはずの天ぷらが皿の上から無くなっていたのだ。
うっ(っほー)
「あ、本当。これ、すごく美味しい」
「うーちゃん……アイネさんまで」
犯人はうーちゃんとアイネさんであった。
ちょっと恨みがましい視線を二人に向ける加賀であるが、二人ともにこにこと本当に美味しそうに食べているのを見て。まあいいかと次を揚げに掛かる。
先ほど追加でつり上げた分があるので次は加賀も食えるはず……様子をうかがっていた他の釣り人にかっ攫われなければであるが。
「あ、本当。おいしいねこれ」
「だしょー?」
結局加賀が天ぷらにありつけたのは追加で2回揚げた後であった。
揚げたての天ぷらを頬張りはふはふと幸せそうに食べている。
「臭み無くして旨みアップしたワカサギって感じだね。骨はまったく気にならないし内臓も程よい感じ、食感もこっちのがしっとりしてるかな」
「そんな感じだな。これリザートマン達は取ったり養殖したりしないのかな?」
これだけ美味しいのならあれば嬉しいのだが、そう思ってリザートマン達に尋ねるも味はともかく小さくて食いでがないので養殖する気はないし、漁をするにしても子供は取らないように目の大きな網を使っているので恐らくとれないとの事だった。
どうやらワカサギは冬に汽水湖に釣りに来た時だけの限定メニューになりそうである。
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