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第一章 転生悪役令嬢は冷酷だったはずの王子に溺愛されています
第四話 遠くなる国外追放の道
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「……えいっ! はっ、たぁっ!」
豪華な装飾が施された自室。私は今、ドレスの裾を大胆に捲り上げ、鏡に向かって鋭い突きを繰り出していた。 前世、護身術として少したしなんでいた空手の型だ。
(この国には魔法や剣術はあるけれど、不意を突かれた時の体術こそが生存の鍵よ……!)
アルフレッド様のあの執着ぶりを見るに、いつ「愛の軟禁」が始まってもおかしくない。その時、せめて護衛の手を振り払って窓から飛び降りる(二階までならいける!)くらいの運動神経は鍛えておかないと。 本来、リナリア・フォン・グラナードは「扇子を優雅に仰ぐこと」くらいしか運動をしないお嬢様だ。だからこそ、今の私の奇行は侍女たちから見れば「婚約者様の激変に精神を病まれた可哀想な令嬢」に見えているらしい。いいわ、同情でもなんでも買いなさい。
(私の夢は、実家のグラナード領……あの、のどかで空気の美味しい田舎で、山菜でも採りながら昼寝するスローライフなんだから!)
あそこなら王都の喧騒もないし、何よりあの「激重王子」からも物理的に距離が置ける。 だが、そのためにはまず、シナリオの「強制終了ボタン」を起動させなければならない。 すなわち——本来のヒロイン、聖女マリアの登場だ。
「よし、情報収集ね」
私は乱れた髪を整え、意を決して廊下へと出た。 ターゲットは、アルフレッド様の第一秘書官、ヴィンセント様だ。彼なら国の重要事項として「聖女の出現」を把握しているはず。
王宮の回廊を歩いていると、ちょうど執務資料を抱えて歩くヴィンセント様の姿を見つけた。
「ヴィンセント様、少々お時間をよろしいかしら?」
私は、悪役令嬢らしく傲慢に、けれどどこか事務的な響きを意識して声をかけた。 ヴィンセント様は足を止め、眼鏡のブリッジを押し上げながら私を見下ろす。
「……リナリア様。殿下への取次でしたら、あいにく午後は——」
「いいえ、殿下ではなくあなたに聞きたいの。……最近、教会の方で『特別な力』を持った娘が発見されたという噂を聞いたのだけれど。何かご存知かしら?」
「特別な力……?」
ヴィンセント様の眉がわずかに動く。私はさらに畳み掛けた。
「例えば、癒しの力を持っていたり、光の魔法を使えたり……そういう、いわゆる『聖女』として祀り上げられそうな平民の娘よ」
ゲームでは、ちょうど今の時期に隣国の教会で聖女が発見されることになっていた。 もしマリアが見つかっていれば、私は「あ、私は殿下の愛にふさわしくありませんので、その聖女様にお譲りしますね!」と言って、速やかにグラナード領へ隠居するつもりだ。 害さえなさなければ、殺される理由もない。
だが、ヴィンセント様の答えは意外なものだった。
「……残念ながら、そのような報告は一切上がっておりません。それどころか、殿下からは『不審な力を持つ女がいたら、即座に国外へ追放せよ』との厳命を受けておりますが」
(は……? 国外追放!? ヒロインを!?)
「なぜ、殿下がそのような命令を……?」
「『リナリア以外の女が聖女の座に就くなど不敬だ』……だそうです」
「…………」
絶句。 アルフレッド様、あなたはシナリオまでぶっ壊すつもりですか? 私が頭を抱えそうになったその時。
「——ヴィンセント。君は、私の婚約者と何をそんなに親密そうに話しているのかな?」
背筋を凍らせる、低く甘い声。 振り返るまでもない。 そこには、執務室にいたはずのアルフレッド様が立っていた。 その瞳は、先ほどまでの「甘い王子」の面影はなく、まるで裏切った獲物を追い詰める処刑人のような暗い光を宿している。
「あ、アルフレッド殿下……! これは、その」
「リナリア、答えて。私という婚約者がいながら、他の男に自ら近づくなんて……。しかも、私の側近(・・・)に」
彼は大股で近づくと、私の腰を引き寄せ、ヴィンセント様を鋭く睨みつけた。 その腕の力は、拒絶を許さないほどに強い。
「殿下、リナリア様はただ噂話の確認を——」
「下がれ、ヴィンセント。これ以上君が彼女の瞳に映るなら、君の職務を今この場で解任しなければならなくなる」
「……失礼いたします」
ヴィンセント様は深いため息をつき、憐れむような視線を一瞬だけ私に向けて去っていった。 待って、私を見捨てないで……!
二人きりになった回廊で、アルフレッド様は私の顎をクイと持ち上げ、顔を近づけた。 その距離、数センチ。彼の熱い吐息が肌に触れる。
「リナリア、言ったはずだ。どこへも行くな、と。……私以外の男に、あんなに楽しそうに話しかけるなんて。君は、私を狂わせたいのか?」
(いや、全然楽しくなかったし! むしろ命がけの偵察だったし!)
「殿下、少し……近すぎます。私はただ、殿下のお役に立とうと……」
「役に立つ? ならば、ただ私のそばで笑っていればいい。余計な知識も、他の男との会話も必要ないんだ」
彼は私の首筋に顔を埋め、深く、深く、私の香りを吸い込む。 その執着ぶりに、私の護身術の記憶はどこかへ吹き飛んでしまった。 怖い。物理的に殺される恐怖とはまた違う、精神をドロドロに溶かされるような恐怖。
「……リナリア。君がもし、私を捨ててあの田舎に帰ろうなんて思っているなら、今のうちに諦めるんだ。グラナード領の道は、全て私が封鎖させたからね」
(…………えっ!?)
聞き捨てならない言葉に、私は顔を上げた。
「殿下、それはどういう……」
「君が『スローライフがしたい』なんて独り言を言っていると報告を受けてね。心配になって、君が逃げ出さないように警備を強化しただけだよ。あそこは熊も出るし、危ないだろう?」
笑顔。 完璧な、そして最高に美しい「死神の微笑み」だった。
(終わった……。逃げ道、全部塞がれてるじゃないの……!!)
アルフレッド様は、凍りついた私の耳元で、愛おしそうに囁いた。
「大丈夫だよ、リナリア。君が望むスローライフは、この王宮の中で私が叶えてあげる。……生涯、私の腕の中から一歩も出さずにね」
(無理! そんなの全然スローじゃないし、むしろハードモードすぎるわ!!)
聖女は現れず、実家への道は絶たれた。 絶望の中、私は確信した。 この男、私が「悪役令嬢」をやめようが何をしようが、逃がしてくれる気なんて一ミリもない。
……こうなったら、最終手段だ。 「女嫌い」の騎士団長カシウス様の懐に飛び込んで、武力で解決してもらうしかない!
豪華な装飾が施された自室。私は今、ドレスの裾を大胆に捲り上げ、鏡に向かって鋭い突きを繰り出していた。 前世、護身術として少したしなんでいた空手の型だ。
(この国には魔法や剣術はあるけれど、不意を突かれた時の体術こそが生存の鍵よ……!)
アルフレッド様のあの執着ぶりを見るに、いつ「愛の軟禁」が始まってもおかしくない。その時、せめて護衛の手を振り払って窓から飛び降りる(二階までならいける!)くらいの運動神経は鍛えておかないと。 本来、リナリア・フォン・グラナードは「扇子を優雅に仰ぐこと」くらいしか運動をしないお嬢様だ。だからこそ、今の私の奇行は侍女たちから見れば「婚約者様の激変に精神を病まれた可哀想な令嬢」に見えているらしい。いいわ、同情でもなんでも買いなさい。
(私の夢は、実家のグラナード領……あの、のどかで空気の美味しい田舎で、山菜でも採りながら昼寝するスローライフなんだから!)
あそこなら王都の喧騒もないし、何よりあの「激重王子」からも物理的に距離が置ける。 だが、そのためにはまず、シナリオの「強制終了ボタン」を起動させなければならない。 すなわち——本来のヒロイン、聖女マリアの登場だ。
「よし、情報収集ね」
私は乱れた髪を整え、意を決して廊下へと出た。 ターゲットは、アルフレッド様の第一秘書官、ヴィンセント様だ。彼なら国の重要事項として「聖女の出現」を把握しているはず。
王宮の回廊を歩いていると、ちょうど執務資料を抱えて歩くヴィンセント様の姿を見つけた。
「ヴィンセント様、少々お時間をよろしいかしら?」
私は、悪役令嬢らしく傲慢に、けれどどこか事務的な響きを意識して声をかけた。 ヴィンセント様は足を止め、眼鏡のブリッジを押し上げながら私を見下ろす。
「……リナリア様。殿下への取次でしたら、あいにく午後は——」
「いいえ、殿下ではなくあなたに聞きたいの。……最近、教会の方で『特別な力』を持った娘が発見されたという噂を聞いたのだけれど。何かご存知かしら?」
「特別な力……?」
ヴィンセント様の眉がわずかに動く。私はさらに畳み掛けた。
「例えば、癒しの力を持っていたり、光の魔法を使えたり……そういう、いわゆる『聖女』として祀り上げられそうな平民の娘よ」
ゲームでは、ちょうど今の時期に隣国の教会で聖女が発見されることになっていた。 もしマリアが見つかっていれば、私は「あ、私は殿下の愛にふさわしくありませんので、その聖女様にお譲りしますね!」と言って、速やかにグラナード領へ隠居するつもりだ。 害さえなさなければ、殺される理由もない。
だが、ヴィンセント様の答えは意外なものだった。
「……残念ながら、そのような報告は一切上がっておりません。それどころか、殿下からは『不審な力を持つ女がいたら、即座に国外へ追放せよ』との厳命を受けておりますが」
(は……? 国外追放!? ヒロインを!?)
「なぜ、殿下がそのような命令を……?」
「『リナリア以外の女が聖女の座に就くなど不敬だ』……だそうです」
「…………」
絶句。 アルフレッド様、あなたはシナリオまでぶっ壊すつもりですか? 私が頭を抱えそうになったその時。
「——ヴィンセント。君は、私の婚約者と何をそんなに親密そうに話しているのかな?」
背筋を凍らせる、低く甘い声。 振り返るまでもない。 そこには、執務室にいたはずのアルフレッド様が立っていた。 その瞳は、先ほどまでの「甘い王子」の面影はなく、まるで裏切った獲物を追い詰める処刑人のような暗い光を宿している。
「あ、アルフレッド殿下……! これは、その」
「リナリア、答えて。私という婚約者がいながら、他の男に自ら近づくなんて……。しかも、私の側近(・・・)に」
彼は大股で近づくと、私の腰を引き寄せ、ヴィンセント様を鋭く睨みつけた。 その腕の力は、拒絶を許さないほどに強い。
「殿下、リナリア様はただ噂話の確認を——」
「下がれ、ヴィンセント。これ以上君が彼女の瞳に映るなら、君の職務を今この場で解任しなければならなくなる」
「……失礼いたします」
ヴィンセント様は深いため息をつき、憐れむような視線を一瞬だけ私に向けて去っていった。 待って、私を見捨てないで……!
二人きりになった回廊で、アルフレッド様は私の顎をクイと持ち上げ、顔を近づけた。 その距離、数センチ。彼の熱い吐息が肌に触れる。
「リナリア、言ったはずだ。どこへも行くな、と。……私以外の男に、あんなに楽しそうに話しかけるなんて。君は、私を狂わせたいのか?」
(いや、全然楽しくなかったし! むしろ命がけの偵察だったし!)
「殿下、少し……近すぎます。私はただ、殿下のお役に立とうと……」
「役に立つ? ならば、ただ私のそばで笑っていればいい。余計な知識も、他の男との会話も必要ないんだ」
彼は私の首筋に顔を埋め、深く、深く、私の香りを吸い込む。 その執着ぶりに、私の護身術の記憶はどこかへ吹き飛んでしまった。 怖い。物理的に殺される恐怖とはまた違う、精神をドロドロに溶かされるような恐怖。
「……リナリア。君がもし、私を捨ててあの田舎に帰ろうなんて思っているなら、今のうちに諦めるんだ。グラナード領の道は、全て私が封鎖させたからね」
(…………えっ!?)
聞き捨てならない言葉に、私は顔を上げた。
「殿下、それはどういう……」
「君が『スローライフがしたい』なんて独り言を言っていると報告を受けてね。心配になって、君が逃げ出さないように警備を強化しただけだよ。あそこは熊も出るし、危ないだろう?」
笑顔。 完璧な、そして最高に美しい「死神の微笑み」だった。
(終わった……。逃げ道、全部塞がれてるじゃないの……!!)
アルフレッド様は、凍りついた私の耳元で、愛おしそうに囁いた。
「大丈夫だよ、リナリア。君が望むスローライフは、この王宮の中で私が叶えてあげる。……生涯、私の腕の中から一歩も出さずにね」
(無理! そんなの全然スローじゃないし、むしろハードモードすぎるわ!!)
聖女は現れず、実家への道は絶たれた。 絶望の中、私は確信した。 この男、私が「悪役令嬢」をやめようが何をしようが、逃がしてくれる気なんて一ミリもない。
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