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婚約破棄ですって?
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今日は、学院の卒業式。これで学生生活も終わりですわ。
皆様、ドレスやタキシードを着て、講堂に集まって来ております。
私も、クラスメイトと講堂に入ろうとしたのですが、入り口で婚約者様に呼び止められましたわ。
随分と久し振りに声を掛けられた気がしますけれどね。いえ、呼び止められたにしては、張り上げたような大きな声でしたが。
「アイリーン=トゥブァルク辺境伯令嬢!お前との婚約破棄を俺は主張する!!」
えっと、はい?
目を三回ほど、パチパチと瞬いてしまいましたわ。久々に話し掛けられたと思ったのが、この内容ですの?
しかももうすぐ卒業式ですから、こんな大勢の前で…よろしいのですか?
「あの、ガブリエル様…」
そういえばこんな顔でしたっけ。久し振りに見ましたから忘れておりました。金髪に黄色の目。背は私より頭半分程しか高くありませんので、なんだか怒った顔が良く見えます。
「お前、よくもソニアに酷い事をしてくれたな!毎度毎度、そんなにソニアが羨ましいのか?ソニアが可哀想じゃないか!!」
すみません…何の事でしょうか…。
ソニア様とは、ガブリエル様のお隣におられる、タキシードが皺になりそうな程ギュッと袖を握っていらっしゃる茶色の髪の、目がくりくりとした1年生ですわよね。本当、可愛らしいですね、見た目だけは。
「図星で、何も言えないだろう!悪事は全て、ソニアから聞いているぞ!お前は自分の方が泥臭いくせに、履物に虫を入れたり、着替えや教科書に落書きをしたりしたそうじゃないか!しかも昨日は階段から突き落とすとは!もう放っておけんぞ!父上に言って、婚約破棄してやるからな!俺は、ソニアと結婚するんだ!」
「ガブリエル様…!」
あ、あら…まだドミニク伯爵様にお伝えしておられないのですね。なのに大勢の前で公言してしまってよろしいのですか?
そして、後ろにいた、ソニア様はキラキラした瞳で、両手を胸の前で組み、ガブリエル様を見つめておりますわ。
ん-、いろいろと突っ込み処満載過ぎて…どこから突っ込んでよろしいものか言葉に迷ってしまいますわ。けれど、ここでいるのも入り口ですしお邪魔ですわよね。
「おい!聞いているのか!!」
「キャ…!」
ガブリエル様は、怒っていらっしゃる上に私が返事をしないものだからか、私の肩を押してきました。言葉は悪いですが、どついてきたと言った方が正しいかしら。体つきは細身ですけれど、男性ですので意外と強い力で押され、思わず声が出てしまいましたわ。そして、ヒールを履いていたからか後ろによろけてしまいましたの。
倒れてしまうわ…!
「おいおい、こんな所でどうしたんだい?」
耳元で、いきなりそんな声が聞こえ、私の肩を後ろから支えてくれた方がおりました。慌てて後ろを振り返ると、この国の王太子様でした。身長は私より頭二つ分ほど高いので、胸に収まる形になってとても恥ずかしいですわ。そして容姿は、金髪に青目で、顔のパーツも整っていらっしゃるから、間近で見るととても緊張してしまいます…。
「キャスター様…。」
「アイリーン嬢、大丈夫?まさか、ガブリエル、君が女性であるアイリーン嬢に手を上げたのか?」
なんだか、最後の方は声が冷たく感じましてよ…ほら、ガブリエル様なんて、顔色が青ざめておりますわ。
「や、ア、アイリーンが悪い事をしたから仕置きをしていたんだ!彼女は俺の、婚約者だからな!」
「そうか…。しかし、今婚約破棄と聞こえたんだが、私の耳の聞き間違えかな?」
と、キャスター様はニッコリと王子様スマイルをした。
「いえ…そ、そうですが!」
ガブリエル様、後ずさってるわよ。
「しかも、その、後ろにいるオヴァンス男爵令嬢と結婚するんだ、とも聞こえたんだが、私の耳がおかしくなったのかな?」
「め、滅相も無い!キャスター様の耳が正しいです!けれど、ソニアへの想いは本当なんです!アイリーンは、泥臭いくせにソニアに酷い事を沢山していたんです!だからそんな女は俺に相応しくないので婚約破棄をしたんです!」
「ふーん。まぁ、ガブリエル。君の想いは別にどうでもいいんだ。ただ、この公衆の面前で言う言葉だったのかな?聞き捨てならない言葉もあったけれど。でもまぁ、幸か不幸か、君の想いはここにいる大勢の人達が証人だ。いいかい?それを忘れてはいけないよ。さぁ、今日は神聖なる卒業式だ。これ位でおしまいにしといた方がいいよね?」
王太子様にそう言われては、ガブリエル様もそうせざるを得ないと思ったのでしょうね。
「は、はい…。おいアイリーン、後で書面を送る!」
ガブリエル様は、私の方へ向き直ると睨んでそう言い捨て、自分の席へ去って行った。
ふー。私は知らず、溜息を零していた。
「大丈夫か?それにしても、あいつとうとうやりやがったな!こんな大勢の前でなんて本当いかれてやがる!リーンをどついた時は、殴ってやろうかと思ったぜ。」
王太子と言うだけあって、公の場では王太子の仮面を被ってるキャスター様は、周りに聞こえないように私へ労いの言葉を掛けてくれました。
「キャスター様、お見苦しい所を…。助けていただきありがとうございます。」
「そんな他人行儀な事を言うなよ。卒業式、どうする?参加出来る?救護室へ行くか?」
「いいえ。せっかくですもの。参加いたしますわ。お気遣いありがとうございます。」
「そう?偉いね。じゃあ席に着こうか。」
皆様、ドレスやタキシードを着て、講堂に集まって来ております。
私も、クラスメイトと講堂に入ろうとしたのですが、入り口で婚約者様に呼び止められましたわ。
随分と久し振りに声を掛けられた気がしますけれどね。いえ、呼び止められたにしては、張り上げたような大きな声でしたが。
「アイリーン=トゥブァルク辺境伯令嬢!お前との婚約破棄を俺は主張する!!」
えっと、はい?
目を三回ほど、パチパチと瞬いてしまいましたわ。久々に話し掛けられたと思ったのが、この内容ですの?
しかももうすぐ卒業式ですから、こんな大勢の前で…よろしいのですか?
「あの、ガブリエル様…」
そういえばこんな顔でしたっけ。久し振りに見ましたから忘れておりました。金髪に黄色の目。背は私より頭半分程しか高くありませんので、なんだか怒った顔が良く見えます。
「お前、よくもソニアに酷い事をしてくれたな!毎度毎度、そんなにソニアが羨ましいのか?ソニアが可哀想じゃないか!!」
すみません…何の事でしょうか…。
ソニア様とは、ガブリエル様のお隣におられる、タキシードが皺になりそうな程ギュッと袖を握っていらっしゃる茶色の髪の、目がくりくりとした1年生ですわよね。本当、可愛らしいですね、見た目だけは。
「図星で、何も言えないだろう!悪事は全て、ソニアから聞いているぞ!お前は自分の方が泥臭いくせに、履物に虫を入れたり、着替えや教科書に落書きをしたりしたそうじゃないか!しかも昨日は階段から突き落とすとは!もう放っておけんぞ!父上に言って、婚約破棄してやるからな!俺は、ソニアと結婚するんだ!」
「ガブリエル様…!」
あ、あら…まだドミニク伯爵様にお伝えしておられないのですね。なのに大勢の前で公言してしまってよろしいのですか?
そして、後ろにいた、ソニア様はキラキラした瞳で、両手を胸の前で組み、ガブリエル様を見つめておりますわ。
ん-、いろいろと突っ込み処満載過ぎて…どこから突っ込んでよろしいものか言葉に迷ってしまいますわ。けれど、ここでいるのも入り口ですしお邪魔ですわよね。
「おい!聞いているのか!!」
「キャ…!」
ガブリエル様は、怒っていらっしゃる上に私が返事をしないものだからか、私の肩を押してきました。言葉は悪いですが、どついてきたと言った方が正しいかしら。体つきは細身ですけれど、男性ですので意外と強い力で押され、思わず声が出てしまいましたわ。そして、ヒールを履いていたからか後ろによろけてしまいましたの。
倒れてしまうわ…!
「おいおい、こんな所でどうしたんだい?」
耳元で、いきなりそんな声が聞こえ、私の肩を後ろから支えてくれた方がおりました。慌てて後ろを振り返ると、この国の王太子様でした。身長は私より頭二つ分ほど高いので、胸に収まる形になってとても恥ずかしいですわ。そして容姿は、金髪に青目で、顔のパーツも整っていらっしゃるから、間近で見るととても緊張してしまいます…。
「キャスター様…。」
「アイリーン嬢、大丈夫?まさか、ガブリエル、君が女性であるアイリーン嬢に手を上げたのか?」
なんだか、最後の方は声が冷たく感じましてよ…ほら、ガブリエル様なんて、顔色が青ざめておりますわ。
「や、ア、アイリーンが悪い事をしたから仕置きをしていたんだ!彼女は俺の、婚約者だからな!」
「そうか…。しかし、今婚約破棄と聞こえたんだが、私の耳の聞き間違えかな?」
と、キャスター様はニッコリと王子様スマイルをした。
「いえ…そ、そうですが!」
ガブリエル様、後ずさってるわよ。
「しかも、その、後ろにいるオヴァンス男爵令嬢と結婚するんだ、とも聞こえたんだが、私の耳がおかしくなったのかな?」
「め、滅相も無い!キャスター様の耳が正しいです!けれど、ソニアへの想いは本当なんです!アイリーンは、泥臭いくせにソニアに酷い事を沢山していたんです!だからそんな女は俺に相応しくないので婚約破棄をしたんです!」
「ふーん。まぁ、ガブリエル。君の想いは別にどうでもいいんだ。ただ、この公衆の面前で言う言葉だったのかな?聞き捨てならない言葉もあったけれど。でもまぁ、幸か不幸か、君の想いはここにいる大勢の人達が証人だ。いいかい?それを忘れてはいけないよ。さぁ、今日は神聖なる卒業式だ。これ位でおしまいにしといた方がいいよね?」
王太子様にそう言われては、ガブリエル様もそうせざるを得ないと思ったのでしょうね。
「は、はい…。おいアイリーン、後で書面を送る!」
ガブリエル様は、私の方へ向き直ると睨んでそう言い捨て、自分の席へ去って行った。
ふー。私は知らず、溜息を零していた。
「大丈夫か?それにしても、あいつとうとうやりやがったな!こんな大勢の前でなんて本当いかれてやがる!リーンをどついた時は、殴ってやろうかと思ったぜ。」
王太子と言うだけあって、公の場では王太子の仮面を被ってるキャスター様は、周りに聞こえないように私へ労いの言葉を掛けてくれました。
「キャスター様、お見苦しい所を…。助けていただきありがとうございます。」
「そんな他人行儀な事を言うなよ。卒業式、どうする?参加出来る?救護室へ行くか?」
「いいえ。せっかくですもの。参加いたしますわ。お気遣いありがとうございます。」
「そう?偉いね。じゃあ席に着こうか。」
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