6 / 26
6 過去 弓当て会2
しおりを挟む
『皆様、本日はお集まり頂きまして誠にありがとうございます。
これより、弓当て会子供の部を始めます。
あちらにある的に一本でも当たれば、ステンホルム産の林檎が賞品として持ち帰りいただけます。
出場される皆さんは、名前を呼ばれたら、矢筒を持った係の者が近くにおりますのでそこから一本ずつ矢をもらって、三回的へ射るようお願いします。
また、観覧される皆様はそちらの線より前には来られないようお願い申し上げます。
もちろん、選手の皆様もその位置より大幅に動かれませんようお願いします。事故のないよう、開催したいと思いますのでご協力お願いします。
では、始めます。』
そうアナウンスされると、アウロラは下を向きつつ横に並んだ一番の選手をチラリと見やる。歳は同じか少し上か…と考えていると、名前をすでに呼ばれたのかいつの間にか射っており、歓声も上がっていた。
「やったぜ!」
『おおー、素晴らしい!的に当たりました!!』
そう聞こえたため的の方を見ると、的の横端、板にギリギリ当たったというか掠めたようにも見えて、板を貫いたのかここからは分からなかった。
(あれも当たった内に入るのね…)
アウロラはその次も選手を見ようとして横を向けば、すぐ左隣の選手がその視線が気になったのかアウロラへと顔を向けたため、慌てて下を向いた。
(ごめんなさい!貴方を見たわけじゃないのよ。)
背が、隣の選手の方が少し高かったため顔を覗き込まれる事はなかったが、アウロラはそれからは自分の番になるまでずっと下を向いていた。
『…では最後の選手、フランソン選手、どうぞ!』
「頑張ってー!」
「大丈夫ですよー!」
アナウンスの声が掛かったあと、スティーグが帽子を深めにかぶりながらそう声援を送る。ボエルも、祈るように声援を送る。
それらを聞き、アウロラは力を蓄えるように目を一度瞑るとすぐに開き、近くに来た係から矢を一つもらい、弓を構えようと腕を上げようとした。
が、なんだか、森の奥から大きな声と、ドスドスという地響きのような音と茂みを通り抜けるようなガサガサという音が響いてきた。
「?」
アウロラがそちらの方を見遣ると、関係者達も音が聞こえたのだろうそちらに目を向ける。
「そっちへ行ったぞー!」
「おい、森を抜けるんじゃないか!?」
「危ないぞー!」
だんだんとその声が聞こえ、物音も大きくなってきた。
「いかん!退避させよ!!」
イクセルが立ち上がり、いち早く声を上げて身振りで関係者へと促すと、係の者はよくわからないままに再びアナウンスされる。
「え、えーと皆様!一旦遠くへ逃げましょう!」
「キャー!」
「なになに?」
「逃げるってなに!?」
「いいから!より遠くへ!早く!!」
子どもの部であるから、親子連れの観客が多く、子ども達もいきなりの事で叫び出す。
しかし、アナウンスに促され小さな子を連れてる人は抱きかかえ、森を背に走り始めるとそれに習って子ども達も走ってついて行く。
森を背に少し行った先には休憩室のようになった大きめの建物があり、そちらへ誘導するようだ。
(なんなの!?)
アウロラは、状況を見極めようと持っている弓矢をより強く握った。
「おい、危ないぞ。逃げろ!」
すぐ隣にいた、九番目の選手からそう声が聞こえ、近くにいた矢筒を持った係の者も我に返ったのか矢筒をその場に落として走って行った。
が、アウロラは目を凝らし、ドスドスという音の方へと目を向ける。
「君も!逃げた方がいい!」
腕を捕まれそう言われたが、アウロラは腕を振り払って返事をした。
「あなたこそ逃げた方がいいわ。」
「?何をする気だ?」
「うわー!」
「きゃー!!」
逃げ惑う声を聞きながらも、アウロラはその音の正体が何か分かったからそう言ったのだ。
(あれは…猪かしら?でも大きい!)
アウロラは猪を見たことがなかった。けれどもレイグラーフ家で学んでいた頃、この国に生息する生き物の事も学んでいる為、なんとなくではあるがそう思った。だが、思ったよりも大きく感じる。このままこちらへ突進してきてアウロラに当たれば確実に吹っ飛ばされると思うほど。
アウロラの背丈に近い大きさの猪を、弓矢で仕留められるとは思っていなかった。けれどアウロラは、ここで止めなければ被害が出てしまうと思ったのだ。
(ごめんなさい。でもどこを狙えば…え!?)
近づいてくる猪は、よく見るとお腹に細い棒が刺さっている。きっと、大人の部で誰かが射抜いたのか、はたまた流れ矢が当たったのか。
(痛そう…ごめんね)
そう心で思ったアウロラは、しかし弓を構えると、震える腕に力を込め、斜め前の森から走ってくる猪に向かって一投放った。
ヒューン ガッ
「あぁ…」
しかしアウロラは的を射る事は長けていても、動く対象物を射た事も無く、虚しく地面に突き刺さる。それでも、足元に散らばった矢を素早く拾ってもう一度弓を引く。
ヒューン ザシュ
フギー!!
今度は、猪の前足と胴体の付け根辺りに刺さる。と、同時に猪の悲鳴が辺りに響く。
「ごめんね…」
すると、猪は闇雲に走っていたのを、アウロラの方へと向きを変え、スピードは若干落ちたが走ってきた。
「えぇ!?」
アウロラは、猪と目があったようで一瞬怯んでしまった。
「アウロラ!!」
観客や参加者を建物へと誘導していたイクセルが、途中、猪の叫び声で視線を向けたのかアウロラに気づき、遠くから叫んだ。
アウロラは固まってしまい足元の矢を取る事が出来ず、それでも祖父の声に自身を奮い立たせようと思ったその時。
ヒュン ザシュ ヒュン ザシュ
ギャーー ドサッ
矢は続けざまに放たれ、猪の頭と胸辺りに突き刺さり、最期の悲鳴を上げてその場に倒れた。
「ふぅ…」
その呟きはアウロラの隣から聞こえ、そちらに視線を辛うじてゆっくりと向けたアウロラは弓を引ききった姿で額の汗を拭っている姿を目に捉えた。
「よかった。
君、大丈夫?頑張ったね。」
そう労われ、ローブの中の顔を伺おうと膝を曲げた隣の子であったが、アウロラが安心したのか膝から崩れおちそうになったので慌てて腕を掴む。
「おっと…びっくりしたよね。とりあえず心配はなくなったよ。君、度胸あるね。」
「いえ…」
アウロラは、生き物の生死を初めて目の当たりにし、動揺していたために口数も少なく、力が入らなくなったのだ。
王族教育さながらの、精神教育もさわりだけではあるが教わっていたアウロラも、実践はここまで違うのかと弱い自分の心を悔いた。もともと、優しい心の持ち主のアウロラは、動物を射抜くなんてしたいわけでもなかったのだ。
「とりあえず、みんながいる建物まで行こう。歩ける?」
「は、はい…」
そう返事をしたが、足が思うように動かないアウロラ。
「怖かったよね。
あとは大人達がやってくれる。だからあと少し、頑張って。」
優しく、安心させるように言われたその言葉は不思議とアウロラの強張った体を解し、強くなりすぎないように腕を支えてくれている温もりを感じてどうにか足を進める事が出来た。
「アウロラ…いえ、スティーグ様!」
今まで、建物の休憩所で待機していた、普段はスティーグについている侍従のヴィゴが走って来た。
ボエルは、アウロラを心配したが現状はスティーグを守らなければとスティーグを安全な場所へと連れて行き、そこで待機していたヴィゴにことの説明をし、アウロラの元へと行かせたのだ。
「あ…」
アウロラはヴィゴの姿を見た事でやっと現実に引き戻された感覚になったが、うまく言葉が繋げられず、漏れ出るような声が出た。
「お連れ下さりありがとうございます。あとは私めが…」
そう言い、腕を優しく掴んで付き添ってくれた選手から、ヴィゴはアウロラの腕を引き継いだ。
「あぁ。
君、とても勇敢だったね。素晴らしかったよ。」
「ありがとうございます。
あの、あなたの方が見事でした。自分の実力不足を痛感しました。」
いつ外れたのか、ここまでの道中でフードはすでに外れ顔が顕わになっていたが、助けていただいたお礼を述べるのに視線を合わさないのはよくないと彼へ目線を向けながらアウロラはそう礼を述べる。
「いや?無理もないよ。あんなこと、普通はそうそうないから。でもこれから気をつけるんだよ?
あ、じゃあね。」
そう言って、アウロラの背をポンポンと軽く叩くと、彼もまた侍従が待機していたのか焦ったように走ってくる人物が見え、それに反応するように進み寄って行く。
それを、アウロラはじっと見つめながら考えていた。
(今の人、素早く弓を発射させていたわ。構えもそこそこに。しかも正確…。すごいわ。
背も高かったし、私より年上みたいではあったけれど、あんなに上手いなんて。なんだか、悔しい…)
獣の勢いに圧倒された自分を恥じつつ、しかし助けられた事に心底感謝しながらアウロラもゆっくりと歩みを進めた。
これより、弓当て会子供の部を始めます。
あちらにある的に一本でも当たれば、ステンホルム産の林檎が賞品として持ち帰りいただけます。
出場される皆さんは、名前を呼ばれたら、矢筒を持った係の者が近くにおりますのでそこから一本ずつ矢をもらって、三回的へ射るようお願いします。
また、観覧される皆様はそちらの線より前には来られないようお願い申し上げます。
もちろん、選手の皆様もその位置より大幅に動かれませんようお願いします。事故のないよう、開催したいと思いますのでご協力お願いします。
では、始めます。』
そうアナウンスされると、アウロラは下を向きつつ横に並んだ一番の選手をチラリと見やる。歳は同じか少し上か…と考えていると、名前をすでに呼ばれたのかいつの間にか射っており、歓声も上がっていた。
「やったぜ!」
『おおー、素晴らしい!的に当たりました!!』
そう聞こえたため的の方を見ると、的の横端、板にギリギリ当たったというか掠めたようにも見えて、板を貫いたのかここからは分からなかった。
(あれも当たった内に入るのね…)
アウロラはその次も選手を見ようとして横を向けば、すぐ左隣の選手がその視線が気になったのかアウロラへと顔を向けたため、慌てて下を向いた。
(ごめんなさい!貴方を見たわけじゃないのよ。)
背が、隣の選手の方が少し高かったため顔を覗き込まれる事はなかったが、アウロラはそれからは自分の番になるまでずっと下を向いていた。
『…では最後の選手、フランソン選手、どうぞ!』
「頑張ってー!」
「大丈夫ですよー!」
アナウンスの声が掛かったあと、スティーグが帽子を深めにかぶりながらそう声援を送る。ボエルも、祈るように声援を送る。
それらを聞き、アウロラは力を蓄えるように目を一度瞑るとすぐに開き、近くに来た係から矢を一つもらい、弓を構えようと腕を上げようとした。
が、なんだか、森の奥から大きな声と、ドスドスという地響きのような音と茂みを通り抜けるようなガサガサという音が響いてきた。
「?」
アウロラがそちらの方を見遣ると、関係者達も音が聞こえたのだろうそちらに目を向ける。
「そっちへ行ったぞー!」
「おい、森を抜けるんじゃないか!?」
「危ないぞー!」
だんだんとその声が聞こえ、物音も大きくなってきた。
「いかん!退避させよ!!」
イクセルが立ち上がり、いち早く声を上げて身振りで関係者へと促すと、係の者はよくわからないままに再びアナウンスされる。
「え、えーと皆様!一旦遠くへ逃げましょう!」
「キャー!」
「なになに?」
「逃げるってなに!?」
「いいから!より遠くへ!早く!!」
子どもの部であるから、親子連れの観客が多く、子ども達もいきなりの事で叫び出す。
しかし、アナウンスに促され小さな子を連れてる人は抱きかかえ、森を背に走り始めるとそれに習って子ども達も走ってついて行く。
森を背に少し行った先には休憩室のようになった大きめの建物があり、そちらへ誘導するようだ。
(なんなの!?)
アウロラは、状況を見極めようと持っている弓矢をより強く握った。
「おい、危ないぞ。逃げろ!」
すぐ隣にいた、九番目の選手からそう声が聞こえ、近くにいた矢筒を持った係の者も我に返ったのか矢筒をその場に落として走って行った。
が、アウロラは目を凝らし、ドスドスという音の方へと目を向ける。
「君も!逃げた方がいい!」
腕を捕まれそう言われたが、アウロラは腕を振り払って返事をした。
「あなたこそ逃げた方がいいわ。」
「?何をする気だ?」
「うわー!」
「きゃー!!」
逃げ惑う声を聞きながらも、アウロラはその音の正体が何か分かったからそう言ったのだ。
(あれは…猪かしら?でも大きい!)
アウロラは猪を見たことがなかった。けれどもレイグラーフ家で学んでいた頃、この国に生息する生き物の事も学んでいる為、なんとなくではあるがそう思った。だが、思ったよりも大きく感じる。このままこちらへ突進してきてアウロラに当たれば確実に吹っ飛ばされると思うほど。
アウロラの背丈に近い大きさの猪を、弓矢で仕留められるとは思っていなかった。けれどアウロラは、ここで止めなければ被害が出てしまうと思ったのだ。
(ごめんなさい。でもどこを狙えば…え!?)
近づいてくる猪は、よく見るとお腹に細い棒が刺さっている。きっと、大人の部で誰かが射抜いたのか、はたまた流れ矢が当たったのか。
(痛そう…ごめんね)
そう心で思ったアウロラは、しかし弓を構えると、震える腕に力を込め、斜め前の森から走ってくる猪に向かって一投放った。
ヒューン ガッ
「あぁ…」
しかしアウロラは的を射る事は長けていても、動く対象物を射た事も無く、虚しく地面に突き刺さる。それでも、足元に散らばった矢を素早く拾ってもう一度弓を引く。
ヒューン ザシュ
フギー!!
今度は、猪の前足と胴体の付け根辺りに刺さる。と、同時に猪の悲鳴が辺りに響く。
「ごめんね…」
すると、猪は闇雲に走っていたのを、アウロラの方へと向きを変え、スピードは若干落ちたが走ってきた。
「えぇ!?」
アウロラは、猪と目があったようで一瞬怯んでしまった。
「アウロラ!!」
観客や参加者を建物へと誘導していたイクセルが、途中、猪の叫び声で視線を向けたのかアウロラに気づき、遠くから叫んだ。
アウロラは固まってしまい足元の矢を取る事が出来ず、それでも祖父の声に自身を奮い立たせようと思ったその時。
ヒュン ザシュ ヒュン ザシュ
ギャーー ドサッ
矢は続けざまに放たれ、猪の頭と胸辺りに突き刺さり、最期の悲鳴を上げてその場に倒れた。
「ふぅ…」
その呟きはアウロラの隣から聞こえ、そちらに視線を辛うじてゆっくりと向けたアウロラは弓を引ききった姿で額の汗を拭っている姿を目に捉えた。
「よかった。
君、大丈夫?頑張ったね。」
そう労われ、ローブの中の顔を伺おうと膝を曲げた隣の子であったが、アウロラが安心したのか膝から崩れおちそうになったので慌てて腕を掴む。
「おっと…びっくりしたよね。とりあえず心配はなくなったよ。君、度胸あるね。」
「いえ…」
アウロラは、生き物の生死を初めて目の当たりにし、動揺していたために口数も少なく、力が入らなくなったのだ。
王族教育さながらの、精神教育もさわりだけではあるが教わっていたアウロラも、実践はここまで違うのかと弱い自分の心を悔いた。もともと、優しい心の持ち主のアウロラは、動物を射抜くなんてしたいわけでもなかったのだ。
「とりあえず、みんながいる建物まで行こう。歩ける?」
「は、はい…」
そう返事をしたが、足が思うように動かないアウロラ。
「怖かったよね。
あとは大人達がやってくれる。だからあと少し、頑張って。」
優しく、安心させるように言われたその言葉は不思議とアウロラの強張った体を解し、強くなりすぎないように腕を支えてくれている温もりを感じてどうにか足を進める事が出来た。
「アウロラ…いえ、スティーグ様!」
今まで、建物の休憩所で待機していた、普段はスティーグについている侍従のヴィゴが走って来た。
ボエルは、アウロラを心配したが現状はスティーグを守らなければとスティーグを安全な場所へと連れて行き、そこで待機していたヴィゴにことの説明をし、アウロラの元へと行かせたのだ。
「あ…」
アウロラはヴィゴの姿を見た事でやっと現実に引き戻された感覚になったが、うまく言葉が繋げられず、漏れ出るような声が出た。
「お連れ下さりありがとうございます。あとは私めが…」
そう言い、腕を優しく掴んで付き添ってくれた選手から、ヴィゴはアウロラの腕を引き継いだ。
「あぁ。
君、とても勇敢だったね。素晴らしかったよ。」
「ありがとうございます。
あの、あなたの方が見事でした。自分の実力不足を痛感しました。」
いつ外れたのか、ここまでの道中でフードはすでに外れ顔が顕わになっていたが、助けていただいたお礼を述べるのに視線を合わさないのはよくないと彼へ目線を向けながらアウロラはそう礼を述べる。
「いや?無理もないよ。あんなこと、普通はそうそうないから。でもこれから気をつけるんだよ?
あ、じゃあね。」
そう言って、アウロラの背をポンポンと軽く叩くと、彼もまた侍従が待機していたのか焦ったように走ってくる人物が見え、それに反応するように進み寄って行く。
それを、アウロラはじっと見つめながら考えていた。
(今の人、素早く弓を発射させていたわ。構えもそこそこに。しかも正確…。すごいわ。
背も高かったし、私より年上みたいではあったけれど、あんなに上手いなんて。なんだか、悔しい…)
獣の勢いに圧倒された自分を恥じつつ、しかし助けられた事に心底感謝しながらアウロラもゆっくりと歩みを進めた。
186
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので田舎で猫と暮らします
たくわん
恋愛
社交界の華と謳われた伯爵令嬢セレスティアは、王太子から「完璧すぎて息が詰まる」と婚約破棄を告げられる。傷心のまま逃げるように向かったのは、亡き祖母が遺した田舎の小さな屋敷だった。
荒れ果てた屋敷、慣れない一人暮らし、そして庭に住みついた五匹の野良猫たち。途方に暮れるセレスティアの隣には、無愛想で人嫌いな青年医師・ノアが暮らしていた。
「この猫に構うな。人間嫌いだから」
冷たく突き放すノアだが、捨て猫を保護し、傷ついた動物を治療する彼の本当の姿を知るうちに、セレスティアの心は少しずつ惹かれていく。
猫の世話を通じて近づく二人。やがて明かされるノアの過去と、王都から届く縁談の催促。「完璧な令嬢」を脱ぎ捨てた先に待つ、本当の自分と本当の恋——。
P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ
汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。
※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。
虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜
ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」
あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。
「セレス様、行きましょう」
「ありがとう、リリ」
私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。
ある日精霊たちはいった。
「あの方が迎えに来る」
カクヨム/なろう様でも連載させていただいております
モブの私がなぜかヒロインを押し退けて王太子殿下に選ばれました
みゅー
恋愛
その国では婚約者候補を集め、その中から王太子殿下が自分の婚約者を選ぶ。
ケイトは自分がそんな乙女ゲームの世界に、転生してしまったことを知った。
だが、ケイトはそのゲームには登場しておらず、気にせずそのままその世界で自分の身の丈にあった普通の生活をするつもりでいた。だが、ある日宮廷から使者が訪れ、婚約者候補となってしまい……
そんなお話です。
冷徹公爵閣下は、書庫の片隅で私に求婚なさった ~理由不明の政略結婚のはずが、なぜか溺愛されています~
白桃
恋愛
「お前を私の妻にする」――王宮書庫で働く地味な子爵令嬢エレノアは、ある日突然、<氷龍公爵>と恐れられる冷徹なヴァレリウス公爵から理由も告げられず求婚された。政略結婚だと割り切り、孤独と不安を抱えて嫁いだ先は、まるで氷の城のような公爵邸。しかし、彼女が唯一安らぎを見出したのは、埃まみれの広大な書庫だった。ひたすら書物と向き合う彼女の姿が、感情がないはずの公爵の心を少しずつ溶かし始め…?
全7話です。
僕の婚約者は今日も麗しい
蒼あかり
恋愛
公爵家嫡男のクラウスは王命により、隣国の王女と婚約を結ぶことになった。王家の血を引く者として、政略結婚も厭わないと覚悟を決めていたのに、それなのに。まさか相手が子供だとは......。
婚約相手の王女ローザもまた、国の安定のためにその身を使う事を使命としていたが、早い婚約に戸惑っていた。
そんなふたりが色々あって、少しづつ関係を深めていく。そんなお話。
変わり者の作者が、頑張ってハッピーエンドを目指します。
たぶん。きっと。幸せにしたい、です。
※予想外に多くの皆様に読んでいただき、驚いております。
心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
ご覧いただいた皆様に幸せの光が降り注ぎますように。
ありがとうございました。
あの、初夜の延期はできますか?
木嶋うめ香
恋愛
「申し訳ないが、延期をお願いできないだろうか。その、いつまでとは今はいえないのだが」
私シュテフイーナ・バウワーは今日ギュスターヴ・エリンケスと結婚し、シュテフイーナ・エリンケスになった。
結婚祝の宴を終え、侍女とメイド達に準備された私は、ベッドの端に座り緊張しつつ夫のギュスターヴが来るのを待っていた。
けれど、夜も更け体が冷え切っても夫は寝室には姿を見せず、明け方朝告げ鶏が鳴く頃に漸く現れたと思ったら、私の前に跪き、彼は泣きそうな顔でそう言ったのだ。
「私と夫婦になるつもりが無いから永久に延期するということですか? それとも何か理由があり延期するだけでしょうか?」
なぜこの人私に求婚したのだろう。
困惑と悲しみを隠し尋ねる。
婚約期間は三ヶ月と短かったが、それでも頻繁に会っていたし、会えない時は手紙や花束が送られてきた。
関係は良好だと感じていたのは、私だけだったのだろうか。
ボツネタ供養の短編です。
十話程度で終わります。
「誰もお前なんか愛さない」と笑われたけど、隣国の王が即プロポーズしてきました
ゆっこ
恋愛
「アンナ・リヴィエール、貴様との婚約は、今日をもって破棄する!」
王城の大広間に響いた声を、私は冷静に見つめていた。
誰よりも愛していた婚約者、レオンハルト王太子が、冷たい笑みを浮かべて私を断罪する。
「お前は地味で、つまらなくて、礼儀ばかりの女だ。華もない。……誰もお前なんか愛さないさ」
笑い声が響く。
取り巻きの令嬢たちが、まるで待っていたかのように口元を隠して嘲笑した。
胸が痛んだ。
けれど涙は出なかった。もう、心が乾いていたからだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる