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7 少しの違和感
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顔合わせが終わって部屋に戻ったアウロラとシーグルドは、ドッと疲れを感じてソファに座り込んだ。
「あら、案外早かったのねぇ。」
奥のベッドの上で横になり、ブリットに足を揉まれていたカリーネはそのように声を掛けた。
「あぁ…」
ふぅ、とため息を漏らすように返事をしたシーグルドは、さらに体をソファに預けて斜めになり、肘掛けに手を置き顔をささえると目を瞑る。それを目にした侍従のバートは隅にある簡易的なキッチンでお茶を準備するべくそちらへ向かう。
「ねぇ、お父様…」
「あぁ、アウロラ。いろいろと思うところはあるが…頃合いを見て断ってもいい。」
そう吐き捨てるように言ったシーグルドは、続けて独り言のように呟いた。
「学生時代、奴とあまり一緒にはいなかったが、あんなだったか…?」
そこへ、マッサージを切り上げたのかカリーネがベッドルームから二人の元へやってきて再び声を掛けた。
「あなた、どういう事?
酷くお疲れに見えるけれど…?」
そしてカリーネもまたソファに座る。と、お茶の準備が出来たようでバートもまたやって来て、ソファの前の長方形の机に茶器を並べた。
「いや、うん……なんだかね、あちらは緊張されていたのかどうなのか、まぁ何というかね……」
と、なんとも歯切れの悪い、要領の得ない返答をした。
「ちょっと、シーグルド。よくわからないわよ?
ねぇアウロラ、どうだったの?」
カリーネは、バートが入れてくれた紅茶に口を付けつつそう告げる。
「ええ…ご挨拶をしました。それで、明日観劇に誘われました。」
「ええ!?また急ねぇ…準備もあるのに!
あぁ、でもこの滞在期間にお互いを知る機会を設けたいってことなのかしら?
だったら予定は立て込むのも仕方ないわねぇ。」
「向こうが、ドレスが無ければ贈ると言ったが断ったよ。」
「当たり前よ!なんだかずいぶんな人達ね!
だって、明日なんて…お父様のところにいこうとしてたのに!ねぇアウロラ!」
「急ですが、ドレスも持ってきてますしそちらを着ます。
ごめんなさいね、お母様。このホテルに併設されているそうで出掛けるには近いし、せっかくなので承諾てしまいました。」
「あら、そうなの?そういえばあったかしら…?」
「よければお母様は、お祖父様のお屋敷に行かれますか?
時間もありますし、そうした方がここよりもゆっくり出来るのではないですか?」
「嫌よ!一人でなんて…アウロラも一緒に行きましょう?」
「いえ、明日は出掛けないといけませんから…」
そう苦笑しながら母を見るアウロラに、カリーネはそうだわ、と思いついたようにシーグルドを見ながら言った。
「じゃあ今から行きましょ?顔を出して、夜には帰ってこればいいじゃない。ね?」
「カリーネはもう大丈夫なのかい?」
心配するように尋ねるシーグルドに、かぶせるように顔をほころばせて言葉を返す。
「私?ええ、朝よりはだいぶ良くなったわ!ねぇ、あなた。どうかしら?」
「うーん、そうだね。
アウロラ、どうだい?せっかくなら今からお祖父さま達にもご挨拶に行こうか。」
「え?いいですけど…でも先触れもなくですか?よろしいのでしょうか?」
「あら、いいのよぉ。行けたら行くとは連絡入れてあるの。」
「まぁ、もともとカリーネの希望もあったし、レイグラーフ家に泊まらせてもらう予定ではあったからね。
もちろん、この部屋もまだ使えるから、夜には帰ってこればいい。」
「そうでしたね…」
「それよりも私が気になったのは、今日あった彼、ビリエルか?奴が、アウロラが参加していた弓当て会に参加していたと言っていたことだ。」
「え?そうだったの?えっと…八年前の?」
「みたいだ…しかもそこでアウロラに一目惚れをしたかのような物言いだったな。」
アウロラはシーグルドの言葉に一つ神妙に頷く。
「まぁ!それって、どちらのアウロラ?」
途端に、目を輝かせたカリーネ。あの日弓当て会に出掛ける前、カリーネから借りた鬘をかぶったスティーグを見て可愛いとしきりに言っていた事を思い出したのだ。
「白い帽子を被ったアウロラだ。
ビリエルはそう言っていた。」
シーグルドは、すでにビリエルの事も嫌悪しているのか吐き捨てるように敬称も付けずにそう告げる。
外見に騙されるというか、本質も見抜けない奴だと思っているのだろう。実際、そう仕向けたのはこちら側なのだが、それすら分からない奴なのだと、先ほどの挨拶の時も酷かったのもあり評価はだだ下がりだ。
「あら、まぁ!じゃあスティーグに求婚したかったの!?」
「…いや、そういう訳でもあるまい。」
「お母様、それはさすがに…」
アウロラの白いワンピース服を着ていた兄に求婚をしたかったのかと言われてしまえば、アウロラも複雑である。
「まぁ、だからと言って何か他に言ってくるわけでもないだろうが、明日はそのあたり気をつけなさい。」
「…はい。」
「うまくごまかせばいい。」
「ええ…配慮します。」
アウロラは嘘を付くのは苦手だ。うまく躱せるのだろうかと不安ではあったが、その時に考えようと思った。
☆★
「来たわよー!」
「久し振りだねカリーネ。」
「ようこそいらっしゃいました、どうぞこちらへ。」
レイグラーフ公爵家は、ホテルからほど近い距離にあり、馬車に乗って割とすぐに到着した。
久々の実家に、カリーネはウキウキとそう言葉を上げて玄関扉を抜けると、玄関ホールにいた現公爵のビョルンと、その妻カロラが出迎えてくれた。ビョルンはカリーネの兄である。
「あら、お兄様。お久しぶりね!
カロラ様も、お邪魔いたしますね。」
「いきなりお邪魔して申し訳ありません、義兄様、義姉様。」
カリーネと、それに申し訳なさそうに腰を低くして挨拶をするシーグルド。
「いや、カリーネがまた無理を言ったんだろう?シーグルド殿、いつも妹が悪いね。
さぁ、立ち話もなんだし、応接室へ行こうか。
お、アウロラ、大きくなったね。」
それに、いつもの事だとビョルンが大らかに返答したあと、後ろにいたアウロラの姿を見てすっかり成長したとため息をこぼす。
「お久しぶりでございます、おじさま、おばさま。
本日はお邪魔いたします。」
それに、優雅に丁寧に挨拶をするアウロラ。
「いいのよ。アウロラ、綺麗になったわね!
クリストフは仕事で王宮に行ってるから居ないけれど、きっと会いたかったと思うわ。
さぁ、どうぞこちらへ!」
それを見たカロラも、美しく成長したアウロラに感動しつつ、促して皆で応接室へと向かった。
「それで?知らせにもあったが、アウロラへ結婚の打診があったって?」
皆が応接室へと入り、ソファへと座ると早速ビョルンがそう切り出した。
「そうなのよ!まだ早いと思わない?」
それに、憤慨するように言葉を繋ぐカリーネ。
「いや、カリーネ。アウロラは…幾つだっけ?」
「十七です。」
ビョルンにそう顔を向けられたため、アウロラが答えると、うんと一つ頷きながらまたカリーネへと言葉を掛ける。
「十七なら早い事はないよ、私の娘カルロッテだって、十五歳で帝国に嫁いでしまったのだからね。」
「そうですわ、カリーネ様。
まぁ、娘の結婚なんて考えたくないというのは分かりますけれど。」
「あら、分かって下さる?義姉様!」
「まぁまぁ、カリーネ落ち着いて。
で?だけど相手はショールバリ侯爵家って?」
「はい。彼は王宮で働いてたようで、仕事の帰りに声を掛けられまして。昔の学校の同級生だったと言われて思い出し、とりあえず会うだけならと承諾はしたのですが…」
「ふーん。王宮で働いてるの?知らないなぁ…あ、貴族課の方じゃなくて、庶民課の方かもね。それか、臨時職員?」
「あなた、侯爵家の方が庶民課に?」
「だって僕、知らないからさ。一応重要な役職についてる人物なら顔を合わせたりするから知ってるはずなんだけど。帰ってきたらクリストフに聞いてみよう。
ま、突出した仕事を任されてないから僕が知らないだけかもしれないね。先代はしっかりされた方だったそうだけど。
…それで、断らなかったんだね。」
「…はい。王宮で声を掛けられたのもありましたし、直接言ってきたものですから。
けれどお受けしたのは、いきなり結婚では無く、娘と顔を合わせる事とそれに伴って友人として交流する事をです。アウロラの想いを尊重するとは相手方には伝えてあります。」
「なるほど…。まぁ、仕方ないよね。相手が侯爵家だったんだもんね。」
「はい。」
「で?どうだった?」
と、そこでまたアウロラへと視線を合わせるビョルンに、無難に答える。
「はい。まだよく分かりません…けれど明日、観劇を見る事になりました。」
「そうなんだね。
緊張するとは思うが、アウロラの好きにすればいいと思うよ?アウロラが嫌だと思えば、ちゃんと口にした方がいい。」
「はい。」
「格好良かった?誠実そう?」
アウロラの返事に、カロラは目をキラキラとさせて聞いてきた。
「え?…まだ、分かりませんでした。」
それに、少し考えてから、そのように答えるアウロラ。
「そうなのね。即答出来ないのはちゃんと見極めている証拠ね!
いいのよ、人生長いんだもの。その人だけでもないし、本質をしっかり見極めないと!」
そう話していると、応接室の扉が叩かれ、アウロラの祖父イクセルがデシレアと共に入ってきた。
「あら、案外早かったのねぇ。」
奥のベッドの上で横になり、ブリットに足を揉まれていたカリーネはそのように声を掛けた。
「あぁ…」
ふぅ、とため息を漏らすように返事をしたシーグルドは、さらに体をソファに預けて斜めになり、肘掛けに手を置き顔をささえると目を瞑る。それを目にした侍従のバートは隅にある簡易的なキッチンでお茶を準備するべくそちらへ向かう。
「ねぇ、お父様…」
「あぁ、アウロラ。いろいろと思うところはあるが…頃合いを見て断ってもいい。」
そう吐き捨てるように言ったシーグルドは、続けて独り言のように呟いた。
「学生時代、奴とあまり一緒にはいなかったが、あんなだったか…?」
そこへ、マッサージを切り上げたのかカリーネがベッドルームから二人の元へやってきて再び声を掛けた。
「あなた、どういう事?
酷くお疲れに見えるけれど…?」
そしてカリーネもまたソファに座る。と、お茶の準備が出来たようでバートもまたやって来て、ソファの前の長方形の机に茶器を並べた。
「いや、うん……なんだかね、あちらは緊張されていたのかどうなのか、まぁ何というかね……」
と、なんとも歯切れの悪い、要領の得ない返答をした。
「ちょっと、シーグルド。よくわからないわよ?
ねぇアウロラ、どうだったの?」
カリーネは、バートが入れてくれた紅茶に口を付けつつそう告げる。
「ええ…ご挨拶をしました。それで、明日観劇に誘われました。」
「ええ!?また急ねぇ…準備もあるのに!
あぁ、でもこの滞在期間にお互いを知る機会を設けたいってことなのかしら?
だったら予定は立て込むのも仕方ないわねぇ。」
「向こうが、ドレスが無ければ贈ると言ったが断ったよ。」
「当たり前よ!なんだかずいぶんな人達ね!
だって、明日なんて…お父様のところにいこうとしてたのに!ねぇアウロラ!」
「急ですが、ドレスも持ってきてますしそちらを着ます。
ごめんなさいね、お母様。このホテルに併設されているそうで出掛けるには近いし、せっかくなので承諾てしまいました。」
「あら、そうなの?そういえばあったかしら…?」
「よければお母様は、お祖父様のお屋敷に行かれますか?
時間もありますし、そうした方がここよりもゆっくり出来るのではないですか?」
「嫌よ!一人でなんて…アウロラも一緒に行きましょう?」
「いえ、明日は出掛けないといけませんから…」
そう苦笑しながら母を見るアウロラに、カリーネはそうだわ、と思いついたようにシーグルドを見ながら言った。
「じゃあ今から行きましょ?顔を出して、夜には帰ってこればいいじゃない。ね?」
「カリーネはもう大丈夫なのかい?」
心配するように尋ねるシーグルドに、かぶせるように顔をほころばせて言葉を返す。
「私?ええ、朝よりはだいぶ良くなったわ!ねぇ、あなた。どうかしら?」
「うーん、そうだね。
アウロラ、どうだい?せっかくなら今からお祖父さま達にもご挨拶に行こうか。」
「え?いいですけど…でも先触れもなくですか?よろしいのでしょうか?」
「あら、いいのよぉ。行けたら行くとは連絡入れてあるの。」
「まぁ、もともとカリーネの希望もあったし、レイグラーフ家に泊まらせてもらう予定ではあったからね。
もちろん、この部屋もまだ使えるから、夜には帰ってこればいい。」
「そうでしたね…」
「それよりも私が気になったのは、今日あった彼、ビリエルか?奴が、アウロラが参加していた弓当て会に参加していたと言っていたことだ。」
「え?そうだったの?えっと…八年前の?」
「みたいだ…しかもそこでアウロラに一目惚れをしたかのような物言いだったな。」
アウロラはシーグルドの言葉に一つ神妙に頷く。
「まぁ!それって、どちらのアウロラ?」
途端に、目を輝かせたカリーネ。あの日弓当て会に出掛ける前、カリーネから借りた鬘をかぶったスティーグを見て可愛いとしきりに言っていた事を思い出したのだ。
「白い帽子を被ったアウロラだ。
ビリエルはそう言っていた。」
シーグルドは、すでにビリエルの事も嫌悪しているのか吐き捨てるように敬称も付けずにそう告げる。
外見に騙されるというか、本質も見抜けない奴だと思っているのだろう。実際、そう仕向けたのはこちら側なのだが、それすら分からない奴なのだと、先ほどの挨拶の時も酷かったのもあり評価はだだ下がりだ。
「あら、まぁ!じゃあスティーグに求婚したかったの!?」
「…いや、そういう訳でもあるまい。」
「お母様、それはさすがに…」
アウロラの白いワンピース服を着ていた兄に求婚をしたかったのかと言われてしまえば、アウロラも複雑である。
「まぁ、だからと言って何か他に言ってくるわけでもないだろうが、明日はそのあたり気をつけなさい。」
「…はい。」
「うまくごまかせばいい。」
「ええ…配慮します。」
アウロラは嘘を付くのは苦手だ。うまく躱せるのだろうかと不安ではあったが、その時に考えようと思った。
☆★
「来たわよー!」
「久し振りだねカリーネ。」
「ようこそいらっしゃいました、どうぞこちらへ。」
レイグラーフ公爵家は、ホテルからほど近い距離にあり、馬車に乗って割とすぐに到着した。
久々の実家に、カリーネはウキウキとそう言葉を上げて玄関扉を抜けると、玄関ホールにいた現公爵のビョルンと、その妻カロラが出迎えてくれた。ビョルンはカリーネの兄である。
「あら、お兄様。お久しぶりね!
カロラ様も、お邪魔いたしますね。」
「いきなりお邪魔して申し訳ありません、義兄様、義姉様。」
カリーネと、それに申し訳なさそうに腰を低くして挨拶をするシーグルド。
「いや、カリーネがまた無理を言ったんだろう?シーグルド殿、いつも妹が悪いね。
さぁ、立ち話もなんだし、応接室へ行こうか。
お、アウロラ、大きくなったね。」
それに、いつもの事だとビョルンが大らかに返答したあと、後ろにいたアウロラの姿を見てすっかり成長したとため息をこぼす。
「お久しぶりでございます、おじさま、おばさま。
本日はお邪魔いたします。」
それに、優雅に丁寧に挨拶をするアウロラ。
「いいのよ。アウロラ、綺麗になったわね!
クリストフは仕事で王宮に行ってるから居ないけれど、きっと会いたかったと思うわ。
さぁ、どうぞこちらへ!」
それを見たカロラも、美しく成長したアウロラに感動しつつ、促して皆で応接室へと向かった。
「それで?知らせにもあったが、アウロラへ結婚の打診があったって?」
皆が応接室へと入り、ソファへと座ると早速ビョルンがそう切り出した。
「そうなのよ!まだ早いと思わない?」
それに、憤慨するように言葉を繋ぐカリーネ。
「いや、カリーネ。アウロラは…幾つだっけ?」
「十七です。」
ビョルンにそう顔を向けられたため、アウロラが答えると、うんと一つ頷きながらまたカリーネへと言葉を掛ける。
「十七なら早い事はないよ、私の娘カルロッテだって、十五歳で帝国に嫁いでしまったのだからね。」
「そうですわ、カリーネ様。
まぁ、娘の結婚なんて考えたくないというのは分かりますけれど。」
「あら、分かって下さる?義姉様!」
「まぁまぁ、カリーネ落ち着いて。
で?だけど相手はショールバリ侯爵家って?」
「はい。彼は王宮で働いてたようで、仕事の帰りに声を掛けられまして。昔の学校の同級生だったと言われて思い出し、とりあえず会うだけならと承諾はしたのですが…」
「ふーん。王宮で働いてるの?知らないなぁ…あ、貴族課の方じゃなくて、庶民課の方かもね。それか、臨時職員?」
「あなた、侯爵家の方が庶民課に?」
「だって僕、知らないからさ。一応重要な役職についてる人物なら顔を合わせたりするから知ってるはずなんだけど。帰ってきたらクリストフに聞いてみよう。
ま、突出した仕事を任されてないから僕が知らないだけかもしれないね。先代はしっかりされた方だったそうだけど。
…それで、断らなかったんだね。」
「…はい。王宮で声を掛けられたのもありましたし、直接言ってきたものですから。
けれどお受けしたのは、いきなり結婚では無く、娘と顔を合わせる事とそれに伴って友人として交流する事をです。アウロラの想いを尊重するとは相手方には伝えてあります。」
「なるほど…。まぁ、仕方ないよね。相手が侯爵家だったんだもんね。」
「はい。」
「で?どうだった?」
と、そこでまたアウロラへと視線を合わせるビョルンに、無難に答える。
「はい。まだよく分かりません…けれど明日、観劇を見る事になりました。」
「そうなんだね。
緊張するとは思うが、アウロラの好きにすればいいと思うよ?アウロラが嫌だと思えば、ちゃんと口にした方がいい。」
「はい。」
「格好良かった?誠実そう?」
アウロラの返事に、カロラは目をキラキラとさせて聞いてきた。
「え?…まだ、分かりませんでした。」
それに、少し考えてから、そのように答えるアウロラ。
「そうなのね。即答出来ないのはちゃんと見極めている証拠ね!
いいのよ、人生長いんだもの。その人だけでもないし、本質をしっかり見極めないと!」
そう話していると、応接室の扉が叩かれ、アウロラの祖父イクセルがデシレアと共に入ってきた。
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