【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる

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「あのう…どちら様ですか?」
クロエが、話し掛けてきた男性に恐る恐る聞いた。
私がその人の方を向くと、金髪で濃い青の瞳。とても見目麗しい、年上の男性で…
「あ!あなた、大丈夫だった!?」
そう、5歳の頃伯爵領で助けた人だった。

「まぁ、あの時のですか!?良かったです。気になってましたものね。」
と、クロエも言った。

「覚えててくれた?嬉しいな!それにこんな所で会えるなんてさ!」


「ええそうよ。あの時は急いでいて、すぐに帰ってごめんなさいね。一人置いていってしまって心配だったわ。でも、こんなに元気そうだもの、良かった!」
そう言うと、彼はとても素敵な笑顔で、
「やっと会えた!君を探していたんだよ。」
「え?そうだったの?」
「そりゃあそうさ!あの時は、ちょっとヘマして大怪我しちゃって…。下手したら、あそこで命を無くしてたかもしれなかった。でも、君が助けてくれた。」
「嫌だわ、そんな大げさよ!だって、あなたは大丈夫だったのよ。私が勝手に、治しただけで、時間が経てば治ってたと思うわ。」

「いやぁそんな事ないさ!それにしても…どんどん可愛くなっていくね。今って何歳になったの?」
えっ!?そ、そんな嘘でも、恥ずかしいわ…。

「今は9歳ですわ。」
ちょっと大人っぽく見えるように言った。

「そうか…9歳…。でもいなかったよな…。似た子は見学席に…。」
「え?なんて言ったの?」
「あ、いや。何でも無いよ。そうだ、今日は精霊は居ないの?」
「ええ。呼べばきてくれるの。でも、皆王都が珍しいみたいで散策に出掛けちゃって…」
「キャロル様!」
「え?…あ!えっと…あの、ひ、秘密にしてもらえないかしら?」
「ん?何を?」
「私が、あなたを治した事。」
「それはどうして?聞いてもいいかな?」
そんな優しく聞かれると…話したくなるわ。

「私、精霊にはていないのよ。」
「キャロル様!それ以上は止めましょう。」
「えー?ダメかしら。この方ならきっと大丈夫よ。」
「キャロル様!この方がどんな方かも分かりません!故に、それ以上は、絶対にダメです!!」
「…ですって。ごめんなさい。」
もう…こんなかっこ良くて優しいのに。悪い人じゃないと思うのにな。

「そうか。僕の事を話せば、話してくれるの?」
「信用に値すればですよ。私以外知らない事でございます。」
クロエが代わりに答えてしまった。…私は、話していいと思うのにな。
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