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10. 婚約者、になるって
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「え?お父様。今、何て?婚約、ですか?」
アルフォンシーナは、父に言われた事が信じられなかった為に聞き返した。
舞踏会で常識のない人から言い寄られた次の日。
アルフォンシーナは、バジーリオに朝食の時にそう言われたのだ。
「そうだ。嫌なら断っていいが…アンドレイニ侯爵家からの婚約の打診だ。相手はヴァルフレード。昔、会った事があったろう。覚えているか?」
ずいぶんとぶっきらぼうにそう言ったバジーリオは、機嫌が悪い。
これまでずっとアルフォンシーナと婚約を結ばせてくれとヴァルフレードから言われていたが首を縦に動かさなかった。可愛い末娘のアルフォンシーナが離れていってしまうのが淋しいのだ。
だが、バジーリオの耳にも昨日の舞踏会での珍事が届いている。その為、アルフォンシーナに相手がいた方がいいと思い、昨夜、同じく会場に来ていたボニートに早々に了承すると答えたのだ。
バジーリオは、その事件を知り、会場で早速に、自国であるコネリアーノ国の国王ピエトロと、フィラハ国から来ていたテレンツィオ王子に直々に抗議をした。
フィラハ国に喧嘩を売られたと、私は領地に引っ込むと言い出し仕事をボイコットする事にしたのだ。
バジーリオは国王の仕事を手伝っている。その為、バジーリオが仕事に来ないと、仕事が滞ってしまう。他の者が代われない事もないが、やはりバジーリオ以上に仕事の出来る適任者はいない為、昨夜から王宮ではその後の対応に追われ、舞踏会はその後つつがなく終了したように見えたが、その実、裏では蜂の巣をつついたような騒ぎなのだった。
「え…?ヴァルフレード様とですか?」
アルフォンシーナは、そう言われ、昨日庭園で気持ちを落ち着かせる為ではあるが抱き締めてくれた事を思い出し、顔を赤らめる。
「ん?その顔は、覚えとるのか?どうする?」
「あ…いいえ。会っていたのは覚えていないのです。けれど…そうですか。私でいいのですか?あちらは微笑みが絶えないヴァルフレード様ですけれど。」
「はっ!あの誰にでも振り撒く笑顔などいらん!どうしても嫌なら断ってやるがどうする?」
「あ!いいえ、嫌ではなく…え?という事は、あちらから?」
「そうだ。ずっと打診があったが、アルフォンシーナの気持ちを尊重したくて了承しなかったのだ。だが…昨日のあのバカ王子がしでかしただろう。難癖を付けられては困る。いや、別にフィラハ国が何か言ってくるくらいはどうとでもなる。フィラハ国を握り潰す事なんて私からしたら造作もない。そうではなく、万が一にもアルフォンシーナが欲しいなどと言われたら困るからだ。どうする?」
「そうでしたか…昨日はお騒がせしてすみませんでした…。」
「それは昨日の馬車の中でも聞いた。だがアルフォンシーナは、何一つ悪い事はしていないぞ。だから堂々としていればいい。むしろアルフォンシーナは、良くやったぞ。」
「お父様…。」
「それよりも、だ。ヴァルフレードの事はどうしたい?話を進めてもいいか?止めとくか?」
「いえ……私でよろしければ。」
正直に言えば、八歳の頃から数回、仮装祭りで一緒に回った人が気になってはいた。ただ、アルフォンシーナが卒業してからは手紙も届かなくなったので仕方ないと思った。仮面を付けていた為に誰なのかも知らないのだから。
それに、昨日のヴァルフレードには頼もしいとさえ思ってしまったのだ。怖い思いをした後だったという事もあるかもしれないが、抱き締めてくれた時に安心し、震えが止まったのだ。アルフォンシーナは、ヴァルフレードともう一度話をしたいとさえ思っていたのだった。
(でも、私は笑えないわ。相手を不快にさせてはいけないもの。そんな女でいいのかしら。でもあちら側からの打診だと、ずっと打診があったとお父様は言って下さったわ。悲観しなくてもいいって事かしら。)
アルフォンシーナは、ヴァルフレードに早く会いたいと思った。
アルフォンシーナは、父に言われた事が信じられなかった為に聞き返した。
舞踏会で常識のない人から言い寄られた次の日。
アルフォンシーナは、バジーリオに朝食の時にそう言われたのだ。
「そうだ。嫌なら断っていいが…アンドレイニ侯爵家からの婚約の打診だ。相手はヴァルフレード。昔、会った事があったろう。覚えているか?」
ずいぶんとぶっきらぼうにそう言ったバジーリオは、機嫌が悪い。
これまでずっとアルフォンシーナと婚約を結ばせてくれとヴァルフレードから言われていたが首を縦に動かさなかった。可愛い末娘のアルフォンシーナが離れていってしまうのが淋しいのだ。
だが、バジーリオの耳にも昨日の舞踏会での珍事が届いている。その為、アルフォンシーナに相手がいた方がいいと思い、昨夜、同じく会場に来ていたボニートに早々に了承すると答えたのだ。
バジーリオは、その事件を知り、会場で早速に、自国であるコネリアーノ国の国王ピエトロと、フィラハ国から来ていたテレンツィオ王子に直々に抗議をした。
フィラハ国に喧嘩を売られたと、私は領地に引っ込むと言い出し仕事をボイコットする事にしたのだ。
バジーリオは国王の仕事を手伝っている。その為、バジーリオが仕事に来ないと、仕事が滞ってしまう。他の者が代われない事もないが、やはりバジーリオ以上に仕事の出来る適任者はいない為、昨夜から王宮ではその後の対応に追われ、舞踏会はその後つつがなく終了したように見えたが、その実、裏では蜂の巣をつついたような騒ぎなのだった。
「え…?ヴァルフレード様とですか?」
アルフォンシーナは、そう言われ、昨日庭園で気持ちを落ち着かせる為ではあるが抱き締めてくれた事を思い出し、顔を赤らめる。
「ん?その顔は、覚えとるのか?どうする?」
「あ…いいえ。会っていたのは覚えていないのです。けれど…そうですか。私でいいのですか?あちらは微笑みが絶えないヴァルフレード様ですけれど。」
「はっ!あの誰にでも振り撒く笑顔などいらん!どうしても嫌なら断ってやるがどうする?」
「あ!いいえ、嫌ではなく…え?という事は、あちらから?」
「そうだ。ずっと打診があったが、アルフォンシーナの気持ちを尊重したくて了承しなかったのだ。だが…昨日のあのバカ王子がしでかしただろう。難癖を付けられては困る。いや、別にフィラハ国が何か言ってくるくらいはどうとでもなる。フィラハ国を握り潰す事なんて私からしたら造作もない。そうではなく、万が一にもアルフォンシーナが欲しいなどと言われたら困るからだ。どうする?」
「そうでしたか…昨日はお騒がせしてすみませんでした…。」
「それは昨日の馬車の中でも聞いた。だがアルフォンシーナは、何一つ悪い事はしていないぞ。だから堂々としていればいい。むしろアルフォンシーナは、良くやったぞ。」
「お父様…。」
「それよりも、だ。ヴァルフレードの事はどうしたい?話を進めてもいいか?止めとくか?」
「いえ……私でよろしければ。」
正直に言えば、八歳の頃から数回、仮装祭りで一緒に回った人が気になってはいた。ただ、アルフォンシーナが卒業してからは手紙も届かなくなったので仕方ないと思った。仮面を付けていた為に誰なのかも知らないのだから。
それに、昨日のヴァルフレードには頼もしいとさえ思ってしまったのだ。怖い思いをした後だったという事もあるかもしれないが、抱き締めてくれた時に安心し、震えが止まったのだ。アルフォンシーナは、ヴァルフレードともう一度話をしたいとさえ思っていたのだった。
(でも、私は笑えないわ。相手を不快にさせてはいけないもの。そんな女でいいのかしら。でもあちら側からの打診だと、ずっと打診があったとお父様は言って下さったわ。悲観しなくてもいいって事かしら。)
アルフォンシーナは、ヴァルフレードに早く会いたいと思った。
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