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16. 疲れた体には優しさを
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「アレッシア、入るよ。」
遠慮がちにそう衝立の向こう側へと顔を覗かせたフィオリーノは、アレッシアが布団も被らずベッドに横になったままあおむけで虚ろな目をしているのを見て、衝立を倒さんばかりの勢いで中に入ってきた。
「アレッシア、どうした!?
…顔が赤いな。体調が良くないのか。
失礼するよ。」
そう言って、アレッシアの額へと手を当てる。と、少し熱いと感じたフィオリーノは、ゆっくりとアレッシアの頭を撫でながら言った。
「熱がありそうだ。疲れが溜まったのかもしれないな。
食欲はあるか?」
アレッシアは頭に靄がかかったようにボーッとしながらもそのフィオリーノの少し低い声がとても心地良く聞こえ、頭を撫でられているのも相まって目を瞑りながらまるでうわごとのように呟いた。
「フィオリーノさんの手、つめたくて気持ちよかった…
ううん、お腹すいてない…」
「!
そうか。じゃあもう少し当ててやる。減って無いなら体を休めた方がいいかもな。パオロに伝えといてやるから、今日はゆっくり休め。」
フィオリーノはそう言うと、片方の手でアレッシアの頭を撫でながらもう片方の手で額を包み込むように当てた。
「すみません…私、役立たずで……たくさんのお金をもらったのにこんなにすぐ休むなんて……」
アレッシアは、フィオリーノの優しさに触れた為か熱がある為か、瞑った目から涙がこぼれた。
「アレッシア、そんな事ない。今はそんな事気にしなくていいから。誰だって、慣れない事をしたら体が驚く。アレッシアの場合は悲鳴を上げてしまったんだろうな。
アレッシアには辛かっただろう……大丈夫だ。今はゆっくり休む事だけを考えるんだ。」
そう言うと、額にあてていた手を離して流れた涙をぬぐうと、アレッシアの体をずらして布団を掛け、そのうえからポンポンと軽く叩いた。
「アレッシア、もしかしたら昨日風呂に入っていないのか?疲れてそのまま寝てしまったのか?
それで体調を崩してしまったかもしれないな、朝は冷え込む時もあるから。さ、ちゃんと布団を被るんだ。」
「はい。すみません。」
布団を掛けられ思いのほか温かく感じたアレッシアは、フィオリーノがゆっくり丁寧に撫でてくれる頭の温もりも感じながらすぐにまた眠りについた。
☆★
「ん…」
「目が覚めたか?」
アレッシアが目を開けると、ベッドの傍にフィオリーノがいて、どうやら頭を撫でてくれていたようだった。
その場には無かったのでどこからか持ってきたのだろう、フィオリーノは椅子に座っていた。
「え?」
未だおぼろげながら、先ほどよりは少しすっきりとした面持ちで声を上げると、張り付いていたような喉も掠れてはいるがちゃんと声を発する事が出来た。
「さっきより顔色は良さそうたな。
食欲は?水、飲むか。」
「は、はい。」
(なんで、フィオリーノさんがいるのかしら。グイドさんもジャンパオロさんも部屋から居なくなってしまって一人になってしまったから、見に来てくれているのかな。)
だとしたらなんと優しい人なのだろうとアレッシアは思った。昨日少し知り合っただけの自分に、起きるまで付き添ってくれているなんて、と。
けれど目が覚めた時に誰かがいてくれてアレッシアはとても安心した。
「体、起こせるか?」
フィオリーノは、ゆっくりとアレッシアの背中に手をあててそれを手伝うと、持ってきた瓶を手渡した。
「冷えてはいないが、さっぱりとするだろう。飲めるだけでいいから。」
「はい。」
ゴクゴクと喉へと流し込むと、思ったよりも喉が渇いていたのだろう。アレッシアはすぐに飲みきってしまった。
「お、良かった。水分は取った方がいいからな。食べ物も食べれそうなら持ってくる。何がいい?消化がいいものがいいか。」
それに安心するようにフィオリーノはそう言うと、アレッシアが持っていた空の瓶を取り、サイドテーブルへと置いた。
「え…と」
グルグルグルーーー
アレッシアがここは自分の家では無いのに自分の希望を言っていいものか迷ったが、体は正直なようでお腹が勢い良く鳴った。
「!」
アレッシアは、途端に顔を赤らめたが、フィオリーノといえば整った顔をくしゃくしゃにして笑顔で返した。
「はは!そうだよな、もう昼過ぎだ。腹も減るさ。
俺も腹減ったから、適当に持ってきてもいいか?」
「はい…ありがとうございます。」
アレッシアは、それに返答すると恥ずかしいと思いフィオリーノの方を見れずに自分の手元を向いてしまう。
「アレッシア、気にするな。俺にも気を許してくれたって思えて嬉しい。むしろもっともっと気を許してくれていいんだぞ?
じゃ、取ってくる。」
アレッシアの頭をゆっくり撫でながらそう言うと、フィオリーノは席を立ち部屋を出て行った。
アレッシアは、しばらくそのままの体勢でフィオリーノの出て行く方を目で追っていたがハッと気がつくと頭から布団を被り目を瞑った。
☆★
カタン
その音で目が覚めたアレッシアは、体を勢いよく起こした。
部屋には、食欲をそそる良い匂いが漂っていて、またもお腹が鳴った。
「アレッシア、起きたのか?」
フィオリーノの声は、衝立の向こう側から聞こえる。中央の皆が座る居間のような場所に居るのだと思ったアレッシアは、フィオリーノへと声をかける。
「はい、あの…」
(お腹が鳴ったのが聞こえたかしら。もう!二回も鳴るなんてよっぽどの食いしん坊だと思われたんじゃないかしら!?恥ずかしい…。)
アレッシアは、お腹に手をあてながらベッドから足を投げ出し腰掛けた。
「こっちに来る?そっちで食べるなら持っていくよ。
ごめん、俺腹が減ったから先に食べ始めてしまったよ。」
フィオリーノは何事もないように話してくれているので、お腹が鳴ったのは聞こえなかったんだと結論づけ、返事をする。
「あ、ではそちらに行ってもいいですか?」
「あぁ。来れる?おいで。」
そう言うとフィオリーノは立ち上がり、アレッシアの部屋の壁としての役割の衝立の傍まで来て立ち止まった。
「自分で起き上がれる?俺が手伝ってもいい?」
アレッシアは、寝ていた為か熱があったからかまだ足元が覚束ないが、それでも自分でゆっくりと立ち上がり、フィオリーノの方へと向かう。すると、フィオリーノはアレッシアが傍まで来ると、手を引きさりげなく手伝った。
「お、だいぶいいな。心配したよ、アレッシア。さ、これを食べたら元気になるから。」
フィオリーノはそう言ってからアレッシアの前にお盆を差し出す。細かく切られた野菜スープの中に、短いパスタ麺がくたくたになるまで軟らかく煮込んだお粥であった。中央に黄色のトロリとした塊はチーズだ。
「美味しそう…いただきます。」
「ここにはあまり材料が無いそうだ。だから野菜も、少ししか入れられなかったらしい。」
「そうなんですね。でも、美味しいです。」
「そうか、良かった。」
フィオリーノは、同じく野菜スープの中に、アレッシアとは違いまだ麺の形がしっかりと分かる長めのパスタをくるくると器用にまとめながら食べていた。
「俺も同じのでいいと言ったんだがな、こっちは歯ごたえのあるものにしてくれたようだ。」
そう言いながらも、フィオリーノはすぐに食べ終えてしまった。
「アレッシア、ゆっくり食べていいから。チーズがたっぷりと入っているし、まだ持ってきて時間もそんなに経ってないから熱いだろ。」
そう言ったフィオリーノは、アレッシアが食べるのを見つめている。
「ありがとうございます。でも、そんなに見られると…」
アレッシアは、スプーンですくった一口をフーフーと冷ましながら食べるのだがそれをジッと見られると少し恥ずかしくなりそう口ごもった。
「ん?あぁ、食べにくい?いやぁ、アレッシアの食べ方が可愛いから見入ってしまった。じゃあちょっと片付けてくる。食べ終わったら置いておけばいい。後で下げにくるから。」
「あ、自分で持って行きます。」
「いいって!この時間はまだみな働いている時間だが、作業員と会わないとも限らない。まだ午前中は熱もあっただろう?俺に甘えてくれ。無理はしない方がいい。」
「でも…」
「アレッシアの顔が見たい。それじゃ理由にならない?」
「え!?」
「じゃ、そういう事で。あとで来るよ。横になっていてもいいから。」
フィオリーノはそう少し早口に言うとさっと立ち上がり、自分の食べ終えたお盆を持って部屋を出て行った。
(……冗談よね?でも、居てくれたのは心強かったかも。)
アレッシアは一人、少し熱を帯びた頬をニマニマと緩ませながら残りの食事を再開した。
遠慮がちにそう衝立の向こう側へと顔を覗かせたフィオリーノは、アレッシアが布団も被らずベッドに横になったままあおむけで虚ろな目をしているのを見て、衝立を倒さんばかりの勢いで中に入ってきた。
「アレッシア、どうした!?
…顔が赤いな。体調が良くないのか。
失礼するよ。」
そう言って、アレッシアの額へと手を当てる。と、少し熱いと感じたフィオリーノは、ゆっくりとアレッシアの頭を撫でながら言った。
「熱がありそうだ。疲れが溜まったのかもしれないな。
食欲はあるか?」
アレッシアは頭に靄がかかったようにボーッとしながらもそのフィオリーノの少し低い声がとても心地良く聞こえ、頭を撫でられているのも相まって目を瞑りながらまるでうわごとのように呟いた。
「フィオリーノさんの手、つめたくて気持ちよかった…
ううん、お腹すいてない…」
「!
そうか。じゃあもう少し当ててやる。減って無いなら体を休めた方がいいかもな。パオロに伝えといてやるから、今日はゆっくり休め。」
フィオリーノはそう言うと、片方の手でアレッシアの頭を撫でながらもう片方の手で額を包み込むように当てた。
「すみません…私、役立たずで……たくさんのお金をもらったのにこんなにすぐ休むなんて……」
アレッシアは、フィオリーノの優しさに触れた為か熱がある為か、瞑った目から涙がこぼれた。
「アレッシア、そんな事ない。今はそんな事気にしなくていいから。誰だって、慣れない事をしたら体が驚く。アレッシアの場合は悲鳴を上げてしまったんだろうな。
アレッシアには辛かっただろう……大丈夫だ。今はゆっくり休む事だけを考えるんだ。」
そう言うと、額にあてていた手を離して流れた涙をぬぐうと、アレッシアの体をずらして布団を掛け、そのうえからポンポンと軽く叩いた。
「アレッシア、もしかしたら昨日風呂に入っていないのか?疲れてそのまま寝てしまったのか?
それで体調を崩してしまったかもしれないな、朝は冷え込む時もあるから。さ、ちゃんと布団を被るんだ。」
「はい。すみません。」
布団を掛けられ思いのほか温かく感じたアレッシアは、フィオリーノがゆっくり丁寧に撫でてくれる頭の温もりも感じながらすぐにまた眠りについた。
☆★
「ん…」
「目が覚めたか?」
アレッシアが目を開けると、ベッドの傍にフィオリーノがいて、どうやら頭を撫でてくれていたようだった。
その場には無かったのでどこからか持ってきたのだろう、フィオリーノは椅子に座っていた。
「え?」
未だおぼろげながら、先ほどよりは少しすっきりとした面持ちで声を上げると、張り付いていたような喉も掠れてはいるがちゃんと声を発する事が出来た。
「さっきより顔色は良さそうたな。
食欲は?水、飲むか。」
「は、はい。」
(なんで、フィオリーノさんがいるのかしら。グイドさんもジャンパオロさんも部屋から居なくなってしまって一人になってしまったから、見に来てくれているのかな。)
だとしたらなんと優しい人なのだろうとアレッシアは思った。昨日少し知り合っただけの自分に、起きるまで付き添ってくれているなんて、と。
けれど目が覚めた時に誰かがいてくれてアレッシアはとても安心した。
「体、起こせるか?」
フィオリーノは、ゆっくりとアレッシアの背中に手をあててそれを手伝うと、持ってきた瓶を手渡した。
「冷えてはいないが、さっぱりとするだろう。飲めるだけでいいから。」
「はい。」
ゴクゴクと喉へと流し込むと、思ったよりも喉が渇いていたのだろう。アレッシアはすぐに飲みきってしまった。
「お、良かった。水分は取った方がいいからな。食べ物も食べれそうなら持ってくる。何がいい?消化がいいものがいいか。」
それに安心するようにフィオリーノはそう言うと、アレッシアが持っていた空の瓶を取り、サイドテーブルへと置いた。
「え…と」
グルグルグルーーー
アレッシアがここは自分の家では無いのに自分の希望を言っていいものか迷ったが、体は正直なようでお腹が勢い良く鳴った。
「!」
アレッシアは、途端に顔を赤らめたが、フィオリーノといえば整った顔をくしゃくしゃにして笑顔で返した。
「はは!そうだよな、もう昼過ぎだ。腹も減るさ。
俺も腹減ったから、適当に持ってきてもいいか?」
「はい…ありがとうございます。」
アレッシアは、それに返答すると恥ずかしいと思いフィオリーノの方を見れずに自分の手元を向いてしまう。
「アレッシア、気にするな。俺にも気を許してくれたって思えて嬉しい。むしろもっともっと気を許してくれていいんだぞ?
じゃ、取ってくる。」
アレッシアの頭をゆっくり撫でながらそう言うと、フィオリーノは席を立ち部屋を出て行った。
アレッシアは、しばらくそのままの体勢でフィオリーノの出て行く方を目で追っていたがハッと気がつくと頭から布団を被り目を瞑った。
☆★
カタン
その音で目が覚めたアレッシアは、体を勢いよく起こした。
部屋には、食欲をそそる良い匂いが漂っていて、またもお腹が鳴った。
「アレッシア、起きたのか?」
フィオリーノの声は、衝立の向こう側から聞こえる。中央の皆が座る居間のような場所に居るのだと思ったアレッシアは、フィオリーノへと声をかける。
「はい、あの…」
(お腹が鳴ったのが聞こえたかしら。もう!二回も鳴るなんてよっぽどの食いしん坊だと思われたんじゃないかしら!?恥ずかしい…。)
アレッシアは、お腹に手をあてながらベッドから足を投げ出し腰掛けた。
「こっちに来る?そっちで食べるなら持っていくよ。
ごめん、俺腹が減ったから先に食べ始めてしまったよ。」
フィオリーノは何事もないように話してくれているので、お腹が鳴ったのは聞こえなかったんだと結論づけ、返事をする。
「あ、ではそちらに行ってもいいですか?」
「あぁ。来れる?おいで。」
そう言うとフィオリーノは立ち上がり、アレッシアの部屋の壁としての役割の衝立の傍まで来て立ち止まった。
「自分で起き上がれる?俺が手伝ってもいい?」
アレッシアは、寝ていた為か熱があったからかまだ足元が覚束ないが、それでも自分でゆっくりと立ち上がり、フィオリーノの方へと向かう。すると、フィオリーノはアレッシアが傍まで来ると、手を引きさりげなく手伝った。
「お、だいぶいいな。心配したよ、アレッシア。さ、これを食べたら元気になるから。」
フィオリーノはそう言ってからアレッシアの前にお盆を差し出す。細かく切られた野菜スープの中に、短いパスタ麺がくたくたになるまで軟らかく煮込んだお粥であった。中央に黄色のトロリとした塊はチーズだ。
「美味しそう…いただきます。」
「ここにはあまり材料が無いそうだ。だから野菜も、少ししか入れられなかったらしい。」
「そうなんですね。でも、美味しいです。」
「そうか、良かった。」
フィオリーノは、同じく野菜スープの中に、アレッシアとは違いまだ麺の形がしっかりと分かる長めのパスタをくるくると器用にまとめながら食べていた。
「俺も同じのでいいと言ったんだがな、こっちは歯ごたえのあるものにしてくれたようだ。」
そう言いながらも、フィオリーノはすぐに食べ終えてしまった。
「アレッシア、ゆっくり食べていいから。チーズがたっぷりと入っているし、まだ持ってきて時間もそんなに経ってないから熱いだろ。」
そう言ったフィオリーノは、アレッシアが食べるのを見つめている。
「ありがとうございます。でも、そんなに見られると…」
アレッシアは、スプーンですくった一口をフーフーと冷ましながら食べるのだがそれをジッと見られると少し恥ずかしくなりそう口ごもった。
「ん?あぁ、食べにくい?いやぁ、アレッシアの食べ方が可愛いから見入ってしまった。じゃあちょっと片付けてくる。食べ終わったら置いておけばいい。後で下げにくるから。」
「あ、自分で持って行きます。」
「いいって!この時間はまだみな働いている時間だが、作業員と会わないとも限らない。まだ午前中は熱もあっただろう?俺に甘えてくれ。無理はしない方がいい。」
「でも…」
「アレッシアの顔が見たい。それじゃ理由にならない?」
「え!?」
「じゃ、そういう事で。あとで来るよ。横になっていてもいいから。」
フィオリーノはそう少し早口に言うとさっと立ち上がり、自分の食べ終えたお盆を持って部屋を出て行った。
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