【完結】私、噂の令息に嫁ぎます!

まりぃべる

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14. 結婚の日

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「アンリエッタ、準備は出来たか………!!!」

 今日は、その結婚式を私の家でやってくれる日。神父様も、フォルス様が呼んで下さって。

 ドレスも、私が意見を聞きたいと言ったら一緒に選んでくれ、侍女が支度をしてくれました。

 お父様なんて朝から泣きっぱなし。せっかく、フォルス様に新調してもらった服も、涙や鼻水で汚れちゃっているわ。

 弟も、神妙な顔つきです。でも新しい学院に入学する為の制服も届き、今日は一足先に、それを着ています。

「姉様。とてもよくお似合いです。フォルス様と一緒に選んだのですよね。見違えました。」

「ありがとう、クリストファー。あなたも制服、よく似合っているわ。勉強、頑張ってね。」

「フォルス様、どう?うちの娘は。固まっておりますが、大丈夫ですか?」

 そうお母様が声を掛けると、フォルス様は口元に手をあてていたのを慌てて外し、私の目を見つめて言ってくれた。

「いやぁ…本当にアンリエッタ、美しいよ。妖精かと思って驚いてしまった。こんなに心を打たれるなんて…僕は、いつの間にかアンリエッタの虜になってしまったんだな。君が愛おしい…!これから夫婦になれるなんて、本当に嬉しいよ。この一カ月待ち遠しかったんだ。さぁ、神父様が待つ部屋に一緒に行こう。」

 私の手を取って、進み出したフォルス様。フォルス様の手が、こんなにひんやりとしているのは緊張なさっているのかしら。まさかね、と思ってフォルス様を見ると、また口元に手を当てて、『アンリエッタ、やば…可愛い過ぎじゃないか。反則だ!手を出さないよう気をつけないと。』と言っているのが聞こえた。

 歳が離れているから子供扱いされている気がしていたけれど、その言葉を聞けてとても嬉しく感じてしまった。

「フォルス様、私を女性と見て下さいましたか?これからは夫婦ですからね。手を出していただいても、なんら問題はありませんよ?」

 と私が言うと、振り向いてとても驚いた顔をしていた。聞こえてないと思ったのかしら。

 ふふふ。随分と歳が上ですけれど、子供みたいな所もあるのですよね。そこがまた、可愛いと思ってしまいますわ。

 これから、よろしくお願いしますね!
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