転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~

結笑-yue-

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2.1歳編

24.気を取り直して

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エリアーナSide



嗚咽混じりに呼吸をする。
まだ完全に落ち着いてはないけど、大人たちはソワソワしてるし、殺気混じりに結界の外を見ていたり、兄様姉様たちもまだお怒りモードだ。

そちらをなだめつつ、使用人のみんなに目を向ける。
ドキマギ感が伝わってくるが、ごめんなさいと無視しつつ、テオバードを呼ぶ。

「リア:テオしゃん、あっちはほっておいてちゅぢゅきしましょ」
懐にピカピカのカトラリーをしまいながら、やってくるテオバードにお願いする。

「テオバート:かしこまりました、お嬢様」
いつものようににこやかに答えてくれるが、先ほどまで精霊様たちに切れ味の良さそうなカトラリーをとてつもなく良い笑顔で向けていた人とは思えない。

和やかとは言えない雰囲気の中、領地からついて来てくれた使用人が前に出る。
「ギルバート:我々からの本命は、領地の屋敷に帰ってから。なので、今回はこちらになります」

何も気にしていない様子のギルバートに、まだお怒りモードのルナとナニアに、結界の外の精霊様たちを気にする他の使用人たちと、反応がそれぞれ分かれる。

気にするなと言っても気になりはするだろう。
でも、今回ばかりはお灸を据えなければならないから放置は確定なのだ。
胃が痛む思いだろうが、耐えてもらわねばーーー。

「リア:ありあとでしゅ」
箱を開けて中を見てみると、たくさんの本が入っていた。

「ナニア:お嬢ちゃまが好きそうな小説を集めてみましたよ」
どうやらナニアが主導で私好みを揃えてくれたようだ。
軽い恋愛小説、御伽話、冒険譚、推理小説、時代ものなどさまざま入っている。

まぁ普通はどう考えても1歳児が読むものではないけれど、私はすでに文字を読めるし、内容を理解もできるから問題ないという判断なのだろう。

その辺りも年相応の扱いではなく、私自身をちゃんと見てくれるからこの家族のことが大好きなのだ。

便宜的には使用人と言うけど、私の大事な家族。
生まれた時から家族より長い時間一緒にいるし、怒られたことはないけど、一緒に遊んでくれたり、勉強を教えてくれたり、楽しいことも悲しいこともずっと一緒の家族ーーー。

大事な大切な大好きな家族だ。

私は、目の前に一列に並んだギルバート、グレイス、ファティマ、ナニア、ロイ、アマリエ、アーロン、ロナ、ルナ、トリア、ヴァルトと、お世話をしてくれているメイド数人に1人ずつお礼を言う。

お礼を言うと、イル兄様の従者のアルバートと、セレ姉様の侍女のクロエが前に出る。
「アルバート:僕らからは、本に挟める栞です」
「クロエ:学園で押し花を習い、作ってみました」

そう言い、差し出されたのは色とりどりのお花が押し花にされ、レースで彩られた栞だった。
ピンク色のもの、水色のもの、黄色のものと3種類2枚ずつ用意してくれたようで、とても綺麗だった。

「リア:ありあと!」
とても綺麗に飾られた栞を眺める。
前世でも本の虫で、栞もたくさん持っていたけれど、こんなに綺麗なものは初めてだった。





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